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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z25
管理番号 1214546 
審判番号 取消2008-300805 
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-06-27 
確定日 2010-03-23 
事件の表示 上記当事者間の登録第4398833号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4398833号商標(以下「本件商標」という。)は、「Pink berry」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年8月31日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着」を指定商品として同12年7月7日に設定登録され、同20年7月17日に本件審判の請求の登録がなされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)請求の理由
請求人が本件商標の使用の有無を調査したところ(甲第1号証)、本審判請求登録時から遡及して継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件商標をその指定商品のいずれについても使用していないことが明らかとなった。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)本件商標と使用標章について
被請求人が店舗の看板、商品の値札、ビニールの手提げ袋に使用している「PINK BERRY」の表示は、いずれも、全ての文字が太字の同じ大きさのゴシック体で書かれたアルファベットの大文字で構成されており、本件商標「Pink berry」とは異なる。登録商標と商標権者が実際に使用している標章が完全に一致していなくとも、社会通念上同一といえる場合には不使用とはならないが、社会通念上同一か否かは、指定商品の取引者・需要者が通常、同一の商標であると認識するか否かによって決せられる。
被請求人が営業しているという衣料品店の需要者は10代から20代の女性であり、店舗が入っているOSU301ビルのショップ案内の紹介文(甲第2号証)からみると、被請求人の店舗ないしウェブサイト(甲第3号証)を訪問する需要者は、渋谷109系などのファッションに興味がある若い女性層ということになる。
このような需要者は、ブランド名などにおけるアルファベットの大文字と小文字を厳密に区別しているのである(甲第4号証、甲第5号証)。例えば、10代女性に最も人気があるとされている「CECIL McBEE」(セシル・マクビー)は、必ず「CECIL McBEE」であって、「Cecil mcbee」ではありえない。これは、需要者である若い女性層が大文字と小文字を厳密に区別してブランド名を認識しているからに他ならず、ファッションに敏感な若い女性にとって、文字列の一部を小文字から大文字に書き換えたものは、「実質的に同一」ではない。
このように、「PINK BERRY」がターゲットとする若い女性需要者が洋服等の商品の出所を識別する際に、アルファベットの大文字か小文字かを厳格に区別していることからすれば、「PINK BERRY」と「Pink berry」は、明らかに異なるものと認識されるのであり、「PINK BERRY」を店舗で使用しているからといって、本件商標を使用しているということにはならないというべきである。
また、「PINK BERRY」の取引関係にある者は、店舗「PINK BERRY」に卸す商品の製造業者や他社商品の卸業者であり、このような業者は、「PINK BERRY」を屋号としか認識しないので、指定商品との関係では取引者ではない。したがって、本件商標と「PINK BERRY」の同一性を判断するにあたり基準となるのは、若い女性需要者のみということになる。
以上からすると、本件で、指定商品たる洋服等の需要者を基準とした場合、本件商標と「PINK BERRY」は同一とは認識されないので、「PINK BERRY」の使用は、本件商標の使用にはあたらない。
(イ)商標としての使用であるか否かについて
仮に、「PINK BERRY」の表示が本件商標と社会通念上同一であるとしても、被請求人は、指定商品につき本件商標を使用していないというべきである。
まず、被請求人が営業しているという店舗では、店舗外部に看板として「PINK BERRY」と大きく表示されている(乙第1号証、甲第6号証及び甲第7号証)。また、テナントとして入っているOSU301ビルの案内板にも、「PINK BERRY」という店舗として掲示されている(甲第8号証)。そして、商品については、値札(乙第5号証、甲第9号証)、ビニールの手提げ袋(乙第8号証、甲第10号証)に「PINK BERRY」の表示がある。
他方で、該店舗で販売されている商品は、例えば、甲第9号証のパーカのように、別ブランドである「R&B」のタグと紙タグが付いているものである。「R&B」は、有限会社R&Bの商品の出所を示すものである(甲第11号証)。さらに、被請求人が乙第5号証の3で示しているTシャツも、有限会社ベリータジェーピーのネットショッピングのサイト「Happy急便」で販売されており(甲第12号証)、値札以外のタグは他者の商品の出所を示すものとなっている。
そもそも、商標は、自他商品識別機能と品質保証機能を有するものであり、ある標章が商標として使用されたか否かは、当該標章が商品について使用されたことにより、その商品についてこれらの機能を営むに至ったか否かによるべきである。
しかるに、「PINK BERRY」の店舗で商品を購入する需要者は、同じ商品に付されている製造元を示す他者のタグ(例えば、「R&B」)を見て当該商品を購入するか否かを判断するのであり、商品の出所は製造元である他者(例えば、「R&B」)との認識を有するのが通常である。これに対し、「PINK BERRY」のタグについては、値札として認識するとともに、屋号をそのまま印刷したものと見ることになる。ビニールの手提げ袋も同じである。商標の品質保証機能の点を考えた場合でも、需要者である若い女性は、食料品等と異なりファッションに関しては、試着による着心地と見た目のデザイン性の高さを自ら評価するのであり、他店でも購入することのできる商品の販売店に品質保証を求めることはないといえる。該店舗で販売されている商品は、前述したように若い女性をターゲットとした廉価なものであるから(甲第9号証の2)、若い女性は、該店舗でセレクトされ販売している点に着目して商品を購入するのではなく、あくまで、製造元を見て商品そのものの品質に着目して購入するかどうかを判断するのであり、商品についての自他識別機能や品質保障機能の観点からは、「PINK BERRY」の表示は意味をなさない。
むしろ、若い女性をターゲットとして廉価な洋服等の販売店としての「PINK BERRY」に求められているのは、商品が似合う似合わない、サイズが合う合わないといったことから、複数の商品によるコーディネートといったことまで、店員による的確な商品選択及びアドバイスであるから、「PINK BERRY」という標章に関連づけられているのは、そこで販売されている商品自体ではなく、小売業務において行われる顧客に対する便益の提供である。
これらのことから、被請求人の「PINK BERRY」は、屋号を表した看板をそのまま値札及びビニールの手提げ袋に印刷したものにすぎず、むしろ顧客に対する便益の提供に密接に結びついているものであるから、その使用は、第25類の商品に関するものではなく、第35類の役務に関する使用というべきである。
なお、被請求人が提出している乙第4号証の「Pink berry」のタグの付いた商品、乙第5号証の2及び乙第6号証の「PINK BERRY」の紙タグについては、過去にそのようなものを使用した商品を製造・販売していたとしても、本件審判の請求の登録前3年以内に取り扱ったものではない。すなわち、3年以上前である平成17年4月26日に、被請求人が転居した名古屋市西区浅間二丁目1番2号丸一浅間ビルは、2階に被請求人のオフィスがあったものの、3階には被請求人が経営する「美肌クリニック名古屋」があり、洋服等とは無縁の業態であった(甲第13号証)。他方、洋服の販売を行う「PINK BERRY」に関しては、上記転居の1か月後にテナントの賃貸借契約を締結しているが(乙第2号証)、単なる小売店舗であり、他者製造の製品を販売するのみである。上記転居以降は、被請求人は、自社オリジナルの「Pink berry」のタグをつけた商品を製造する機会も場所も持たなかったことは明らかである(甲第1号証及び甲第13号証)。被請求人が今回提出した乙第4号証のような商品が現在も販売されているとすれば、それは、本審判請求が出された後のいわゆる「駆け込み使用」であって、不使用取消を免れる理由とはならない。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、本件審判請求の日前少なくとも3年以内に使用された事実があり、現在も継続して使用されているものである。
(1)商標権者による商標の使用
本件商標権者である有限会社ダックスは、甲第1号証中の「履歴事項全部証明書」に記載されているとおり、愛知県名古屋市において「1.紳士服及び衣料品の販売、2.靴・カバン及び皮革製品の販売、3.服装飾品その他の洋品雑貨の販売、4.上記各号に付帯する一切の業務」を営む者である。
そして、本件商標権者は、愛知県名古屋市中区大須三丁目3-60に所在の「OSU301ビル」の1階において、平成17年から、小売店舗として「PINK BERRY 大須店」を営業し(乙第1号証ないし乙第3号証)、10代から20代の女性を主対象とした衣類等を販売している。この店舗が入居している「OSU301ビル」は、大須中華街を含み名古屋市の大須地区のランドマークとして名古屋地区の住民には広く知られた建物である。
(2)商標と商品との関係
本件商標権者は、同所において衣類に「Pink berry」の商標が記されたタグを付した衣類を販売している(乙第4号証)。この他にも、「PINK BERRY」の商標が記された下札も商品である衣類に付されている(乙第5号証ないし乙第7号証)。また、「PINK BERRY」の商標が記された手提げ袋もこれら商品である衣類を収納する包装として使用されている(乙第8号証及び乙第9号証)。
(3)使用商標と登録商標との関係
本件商標は、「Pink berry」の標準文字である。一方、本件商標権者が使用している商標は、乙第1号証、乙第4号証ないし乙第6号証及び乙第8号証に示すように、「Pink berry」又は「PINK BERRY」である。乙第4号証に示すような商標「Pink berry」は、本件商標と同一であり、また、乙第1号証、乙第5号証、乙第6号証及び乙第8号証に示すような商標「PINK BERRY」は、本件商標の一部の文字をアルファベットの小文字から大文字に書き換えたものにすぎず、実質的に同一である。
(4)使用の時期
本件商標権者は、上述のように平成17年にOSU301ビルにおいて衣類小売店の「PINK BERRY」の営業を開始し、現在も継続して営業をしている(乙第2号証及び乙第10号証)。
なお、本件商標権者は、小売店を開業する以前から本件商標を付した衣類を他者経営の小売店へ卸売り販売を行っていた。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、本件商標権者によって、本件審判請求の日前、少なくとも3年以内に使用された事実があり、かつ、現在も使用が継続されているのであるから、本件審判請求は、成り立たないものである。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第1号証は、商標権者が営業する小売店舗を撮影した写真であり、店舗の看板には、「PINK BERRY」の欧文字が表示されており、店舗内には、各種の洋服が多数展示され、店舗中央の下部に靴が展示されている様子を見て取ることができる。そして、この写真には、カメラ内の表示機能によって撮影年月日を表示したと認められる「2008.08.19」の文字が写っている。
乙第2号証は、「定期建物賃貸借契約書(事業用)」と題する書面の写しであり、借主である商標権者(有限会社ダックス)と貸主である合資会社大須屋洋服店との間で、平成17年5月27日付けで締結されたものであり、物件の表示として「大須301」、使用目的として「婦人衣料品及び雑貨品の販売の用に供する店舗」、契約期間として「平成17年5月27日から平成22年5月26日までの5年間」等の事項について定められていることが認められる。
乙第3号証は、大須商店街連盟発行の名古屋市大須地区のガイドマップ「OSUMAP’07-’08」であり、その紹介店舗の一つとして、「301ビル PINK BERRY 大須店」があり、「裏原系からコアなパンク・ゴスロリ・コスプレまで、大須っ子が狙うアイテムかなりアリ!!」と記載されており、洋服を展示した店舗の様子を示す写真が掲載されている。
乙第4号証の1及び2は、「Pink berry」の欧文字が表示されたタグが付されている洋服の写真である。
なお、この写真の撮影日を明らかにする表示は見いだせない。
乙第5号証の1ないし3は、「PINK BERRY」の欧文字や金額等が表示された下札が付されている状態の洋服、ティーシャツが展示されている写真である。このうち、乙第5号証の2には、上記の下札の外に、ピンク色の文字で表された「PINK BERRY」の商標が表示されている下札が付されている。
そして、これらの写真には、カメラ内の表示機能によって撮影年月日を表示したと認められる「2008.08.19」の文字が写っている。
乙第6号証は、「PINK BERRY」の文字が表示された下札の表面及び裏面を複写したと認められるものである。
乙第7号証は、「仕入伝票」と題する書面の写しであり、社店名として「(有)ダックス御中 安藤社長様」、年月日として「08/3/29」、取引先名として「(株)レビジュ」、品名の欄には「PINK BERRY下札」、数量の欄には「5000」等の事項が各記載されている。
乙第8号証は、「PINK BERRY」の欧文字が表示されている手提げ袋の写真であり、乙第9号証は、該手提げ袋についての納品書の写しと認められるものであって、2006(平成18)年5月18日に、株式会社折兼から有限会社ダックスへ5450枚納品された旨の事項が記載されている。
(2)上記において認定した事実によれば、被請求人(商標権者)である有限会社ダックスは、平成17年5月27日に合資会社大須屋洋服店との間で「大須301」の建物について、「婦人衣料品及び雑貨品の販売」を使用目的として、契約期間を「平成17年5月27日から平成22年5月26日までの5年間」とする定期建物賃貸借契約を締結し(乙第2号証)、少なくとも2007(平成19)年ないし2008(同20)年当時において、「301ビル PINK BERRY大須店」において、若い女性向けの洋服を販売していた(乙第3号証)ものと認められ、乙第3号証に掲載されている写真及び「PINK BERRY」の欧文字が表示された看板が掲げられている乙第1号証の店舗の写真により、上記店舗で女性向けの洋服を展示した様子を窺い知ることができる。
そうすると、「PINK BERRY」の欧文字が表示された店舗の看板(乙第1号証)は、少なくとも2007(平成19)年以降に掲げられていたと優に推認できるものであり、該店舗において、洋服を中心として取り扱っていたと認められるものである。
また、乙第5号証の1ないし3によれば、店舗内に展示されていたと推認される各種の洋服には、「PINK BERRY」の欧文字が表示された下札が付されており、この中でも、乙第5号証の2の洋服には、ピンク色の文字で表された「PINK BERRY」の商標が表示されている下札が付されていることが認められる。そして、このピンク色の文字で表された「PINK BERRY」の商標が表示されている下札は、乙第6号証に示されている下札と同じものと認められ、乙第7号証によれば、2008(平成20)年3月29日に、株式会社レビジュから被請求人に対して、5000枚納品されたものと推認し得るものである。
以上の乙各号証を総合してみれば、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録(平成20年7月17日)前3年以内に、「301ビル PINK BERRY大須店」における店舗(以下「本件店舗」という。)の看板及び洋服に付した下札にピンク色で「PINK BERRY」の欧文字(以下「本件使用商標」という。)を表示し、本件取消請求に係る指定商品に含まれる「洋服」を展示・販売していたものと認められる。
そして、本件店舗の看板及び洋服に付されている下札に表示されている本件使用商標は、「Pink berry」の欧文字からなる本件商標とは、欧文字の大文字と小文字の差異のみであり、いずれも「ピンクベリー」(ピンク色の果実)という同一の称呼、観念を生ずるものであるから、本件商標と社会通念上同一というべきものである。
(3)請求人の主な主張について
(ア)請求人は、「CECIL McBEE」(セシル・マクビー)等の例を挙げて、ファッションに敏感な若い女性層は、アルファベットの大文字と小文字を厳密に区別してブランド名を認識しており、文字列の一部を小文字から大文字に書き換えたものは実質的に同一ではないというべきであるから、「PINK BERRY」の構成からなる商標は、本件商標の使用にはあたらない旨主張している。
しかし、商標の使用は、商標を付する対象に応じて、適宜に変更を加えて使用されるのがむしろ通常であり、請求人の提出に係る証拠(甲第4号証及び甲第5号証)によっては、店舗名及びブランド名を欧文字で表したものであることを認め得るに止まり、請求人の上記主張を裏付ける証左ということはできないばかりでなく、本件使用商標の場合も、上記のとおり、本件商標とは欧文字における小文字と大文字の差異があるのみであって、いずれも「ピンクベリー」(ピンク色の果実)という同一の称呼、観念を生ずるものであるから、商標の持つ出所識別標識としての機能自体に差異があるものとはいえず、商標法第50条第1項括弧書きの「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」を踏まえてみても、本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべきである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(イ)請求人は、被請求人の使用に係る「PINK BERRY」の標章は、屋号を表した看板をそのまま値札及びビニールの手提げ袋に印刷したものにすぎず、むしろ顧客に対する便益の提供に密接に結びついているものであるから、その使用は、第25類の商品に関するものではなく、第35類の役務に関する使用というべきである旨主張している。
しかし、乙第5号証の2に示されている本件使用商標が表示されている下札の使用態様をみれば、商品「洋服」について、商標としての機能を果たしているものといわざるを得ないばかりでなく、本件店舗においては、取消請求に係る指定商品に含まれない靴を取り扱っていることを認め得るとしても、主たる取扱い商品は洋服であること明らか(乙第1号証及び乙第3号証)であるから、本件店舗の看板に表示された本件使用商標は、洋服と密接な関連性を有し、商品「洋服」の広告としての機能を果たしているものとみるのが相当である。
そして、商標法第2条第1項第1号は、「業として商品を(略)譲渡する者がその商品について使用をするもの」と定めており、商標の使用者が商品を生産していなくても、他人が生産した商品を買い入れ、これを消費者に販売する行為は、右にいう「譲渡」に該当するものであることからすれば、本件店舗の看板に表示された本件使用商標は、小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供についての使用と解することを必ずしも否定するものではないが、その理由をもって、商品についての使用が認められないものでもなく、同法第2条第3項第8号で規定する「商品(略)に関する広告(略)に標章を付して展示(略)する行為」にも該当するものというべきである。
したがって、この点についての請求人の主張も採用できない。
(ウ)請求人は、被請求人が提出している乙第5号証の2等の「PINK BERRY」のタグについて、過去にそのようなものを使用した商品を製造・販売していたとしても、過去3年以内に取り扱ったものではなく、被請求人には、自社オリジナルの「Pink berry」のタグをつけた商品を製造する機会も場所も持たなかったことは明らかである旨主張している。
確かに、乙第5号証の3には、生地にプリントされているマークからみて、他社の製造によると思われる洋服もあり(甲第12号証)、被請求人の店舗においては、他社の製造に係る洋服をも販売していたものと認められる。
しかし、請求人が主張しているように、被請求人が洋服を製造する場所を持たなかったとしても、洋服等の商品については、委託生産により、自社ブランドの商品を調達することは充分に可能なことであるから、請求人が主張する理由をもって、被請求人において、自社ブランドの商品がなかったとはいえず、また、上記のとおり、商標の使用者が商品を生産していなくても、他人が生産した商品を買い入れ、これを消費者に販売する行為は、商標法第2条第1項第1号で規定する「譲渡」に該当するものであるから、販売標としての商標の機能を否定するかの如き請求人の主張は到底採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者により、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「洋服」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-05-07 
結審通知日 2009-05-11 
審決日 2009-05-22 
出願番号 商願平11-78597 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z25)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 田中 亨子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2000-07-07 
登録番号 商標登録第4398833号(T4398833) 
商標の称呼 ピンクベリー、ベリー 
代理人 三木 茂 
代理人 特許業務法人 サトー国際特許事務所 
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