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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X141618
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X141618
審判 査定不服 外観類似 登録しない X141618
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない X141618
管理番号 1213063 
審判番号 不服2009-650055 
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-04-24 
確定日 2009-12-24 
事件の表示 国際登録第944986号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「DIPLOMAT」の欧文字を書してなり,国際登録において指定された第11類,第14類,第16類,第18類,第20類に属する商品を指定商品として,2007年(平成19年)10月12日を国際登録の日とするものである。その後,指定商品については,原審における平成20年11月27日付け手続補正書により,第14類「Horological and chronometric instruments.」,第16類「Stationery and writing implements,in particular fountain pens;stationery portfolios,cases for writing implements,business card boxes,pencil cups,receipt boxes,pen stands,roller blotters,desk pads.」及び第18類「Small leather goods,namely purses,wallets,key wallets,cases,in particular cases for writing implements,key cases,credit card cases,business card holders of leather.」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が,商標法第4条第1項第11号に該当するとして,引用した登録第4888245号商標(以下,「引用商標」という。)は,「Diplomat」の欧文字を横書きしてなり,平成16年9月8日に登録出願,第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,ロケット,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗り物の故障の警告用の三角標識,鉄道用信号機,発光式又は機械式の道路標識,火災報知器,ガス漏れ報知器,事故防護用手袋,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,保安用ヘルメット,防火被服,防塵マスク,防毒マスク,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,磁心,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済ビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシーン,駐車場用硬貨作動式ゲート,自動販売機,金銭登録機,計算尺,手動計算機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,電気計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,郵便切手のはり付けチェック装置,電動式扉自動開閉装置,検卵器,電気溶接装置,電子出版物」を指定商品として,同17年8月19日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標の類否について
本願商標は,前記1のとおり,「DIPLOMAT」の欧文字を横書きしてなり,「外交官,外交家」等の意味を有する英語であるから,その構成文字に相応して「ディプロマット」の称呼が生ずるものである。
一方,引用商標は,前記2のとおり,「Diplomat」の欧文字を横書きしてなり,「外交官,外交家」等の意味を有する英語であるから,「ディプロマット」の称呼を生ずるものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において「外交官,外交家」の観念を生じる点で共通し,称呼においても「ディプロマット」の称呼を生じる点で共通している。また,外観においては,いずれもアルファベットで普通に用いられる方法で表したものであり,本願商標が「DIPLOMAT」と全体を大文字で表記しているのに対して,引用商標は「Diplomat」と1文字目を大文字で,その他の文字を小文字で表記している点においてのみ異なるものであるが,このような違いが及ぼす印象は僅かなものであって,外観上も近似した印象を与えるものである。
したがって,本願商標と引用商標とは,称呼及び観念を同一にし,また,外観においても大文字表記か小文字を含む表記かという僅かな違いを除き,殆ど同一といえるものであるから,両者を同一又は類似の商品に使用したときには、出所の混同のおそれのある互いに類似する商標というべきである。
(2)商品の類否について
原査定においては,本願商標の補正後の指定商品中,第16類「Stationery and writing implements,in particular fountain pens;stationery portfolios,cases for writing implements,business card boxes,pencil cups,receipt boxes,pen stands,roller blotters,desk pads.(文房具及び筆記用具,特に万年筆,紙はさみ,筆記用具用ケース,名刺用箱,鉛筆立て,レシート用箱,筆立て,ローラー式吸い取り紙(文房具),デスクパッド」(以下「本件商品」という。)と引用商標の指定商品中「計算尺」(以下「引用商品」という。)が類似するものと判断されている。
ところで,商品の類否に関しては,「指定商品が類似のものであるかどうかは・・・商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく,それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により,それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には,たとえ,商品自体が互いに誤認混同を生ずる虞がないものであっても,それらの商標は商標法・・・にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。」(昭和33年(オ)第1104号判決 昭和36年6月27日判決言渡),「商標法第4条第1項第11号にいう商品の類否を判定するに当たっては,・・当該指定商品が互いに原材料・品質・形状・用途を異にするものであっても,それに同一又は類似の商標を使用すれば同一営業主の製造または販売にかかる商品と需要者又は取引者において誤認混同するおそれがある場合には,これらの商品は,類似の商品と解するのを相当とする」(昭和60年(行ケ)第50号判決 昭和60年10月31日判決言渡)と判示されているものである。
これを踏まえて,本件商品と引用商品の類否を以下に検討する。
本件商品は,読書したり,書き物をしたりするときに使う文房具に属する商品と認められ,通常,文房具店で販売されるものであるところ,引用商品は,「乗・除・累乗・累乗根などの計算が簡単な操作で求められる物差(ものさし)型の器械。」(「広辞苑 第6版」2008年1月11日発行 株式会社岩波書店)であって、計算をするものである。そして,本件商品中の「万年筆」及び引用商品は,「商品大辞典」(1996年4月15日 東洋経済新報社発行)によれば,「文化用品 情報用品」の見出しの中の「文具,事務用品」の項目の中に含まれるものとして記載されており,「計算尺(slide rule)」は,種類として,事務一般用,技術者用,精密用,ポケット用,学習用のほか特殊計算尺として大気汚染用,カロリー用,空調設備用,体重バランス用,工具寿命用など,そのほかでは丸形計算尺各種がある,と説明されている。他に本件商品中「紙はさみ,筆記用具用ケース」は,表示は相違するものの,「バインダー,ファイル,筆入れ」として,同じ「文具,事務用品」の項目の中に見つけることができる。さらに,産業上の諸統計の作成に使用されるほか,各企業,業界における商品コードの基準としても利用されている「日本標準商品分類(総務庁編集,財団法人全国統計協会連合会 平成8年9月第3版発行)」(以下,「日本標準商品分類」という。)によれば,その序説に記載の如く,商品の用途,機能,材料,成因を基準として類似するものごとに集約し,中分類番号を基本コードとしているところ,この「日本標準商品分類」によれば,本件商品中「万年筆」及び引用商品「計算尺」は,どちらも共に「中分類93 文具,紙製品,事務用具及び写真用品」に分類される商品である。また,本件商品と引用商品は,いずれも机の上で勉強したり、書類や帳簿を作成する際に使用される商品であり,両者は,文房具や事務用品を取り扱う販売店において取り扱われているものであるから,その販売場所を共通にする場合があるものというべきである。そして,「計算尺」を製造している業者が,「文房具」も製造していることがあることよりすれば,本件商品と引用商品とは,製造業者を同じくする場合もあり,需要者,取引者についても,文房具店を利用する一般的な需要者,取引者という点において共通にする場合があるといい得るものである。
そうとすれば,本件商品と引用商品とは,互いに品質・形状・用途を異にするものであっても,その製造,販売,需要者層において同じくする場合がある類似する商品にあたるといわなくてはならない。
なお,請求人(出願人)は,審判請求書において,「計算尺」は,現在においては取引場面・使用場面いずれにおいても「文房具類」とは類似する点は殆どなく,「計算尺」について,「文房具類」に近い商品として捉えるのは無理がある旨述べているが,商標の類否は,対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであり,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり,その具体的取引状況に基づいて判断すべきであり,上記具体的な取引状況とは,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものと解すべきであるところ(平成19年(行ケ)第10039号判決 平成19年8月28日判決言渡),請求人(出願人)が指摘するような「計算尺」についてその商品の製造数が少なくなっている等の取引態様があるとしても,それは,請求人(出願人)が今後も変化する余地のないものとして,取引の実情の一側面を述べているものであり,現在,少ないながらも分度器などと一緒に文房具店において販売されていること及び製造業者,需要者も同じくする場合があることを併せ考えると,前記(1)のとおり,商標において類似する本願商標と引用商標を,それぞれの指定商品に使用するときは,これに接する需要者,取引者は,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれが少なからずあるものというべきである。
したがって,本件商品と引用商品とは類似する商品と判断するのが相当であり,他に両商標が類似の指定商品に使用された場合に,その取引者,需要者において商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがないと認めるに足りる証拠も見いだせないから,請求人の主張は採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり,本願商標と引用商標とは商標が類似するものであり,かつ,その指定商品においても類似するものであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すべき限りでない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-07-16 
結審通知日 2009-07-22 
審決日 2009-08-17 
国際登録番号 0944986 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X141618)
T 1 8・ 264- Z (X141618)
T 1 8・ 262- Z (X141618)
T 1 8・ 263- Z (X141618)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 清川 恵子
野口 美代子
商標の称呼 ディプロマット 
代理人 田島 壽 
代理人 原 隆 
代理人 青木 篤 

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