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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y29
管理番号 1212886 
審判番号 取消2009-300457 
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-04-15 
確定日 2010-02-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第4754725号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4754725号商標の指定商品中、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品」については、その登録は取り消す。 本件審判の請求に係る指定商品中、第29類「加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」については、その請求を却下する。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4754725号商標(以下「本件商標」という。)は、「イカ次郎」の文字を標準文字で表してなり、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」及び第30類「菓子」を指定商品として、平成15年6月27日に登録出願、同16年3月12日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成21年5月7日にされている。

第2 請求人の主張
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中『第29類 食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。』について、その登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
1 取消事由
本件商標は、指定商品中「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」について、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)乙各号証について
ア 乙第1号証
被請求人は、乙第1号証のカタログはその最下欄右端に「2006.5」とあることから、これは2006年5月に作成したものであるなどと主張する。
しかし、2006.5という数値を2006年5月に作成したものと解釈する合理的根拠はない。
また、被請求人が主張するように乙第1号証が同人商品のカタログであれば、カタログには通常発行者等の記載のある奥付や連絡先等の記載が存在するはずであるが、乙第1号証にはそれがなく、これが実際に存在していた商品カタログではなかったことの証左である。
乙第1号証は、本件審判事件にあわせて都合良く作成されたものである。
イ 乙第2号証
被請求人は、乙第2号証は乙第1号証のカタログを納品したことを証明するものであると主張する。
しかし、乙第2号証が乙第1号証のカタログを納品したものであることはなんら示されていない。
また、乙第2号証の納品書及びその控えにはいずれも、乙第2号証の作成者とされる株式会社創基(以下「創基社」という。)の押印すら存在せず、そのような納品書は通常存在しないから、乙第2号証は、証拠適格を欠くものである。
乙第2号証は、本件審判事件にあわせて都合良く作成されたものである。
ウ 乙第3号証ないし乙第6号証について
乙第3号証ないし乙第6号証は、その作成者及び作成日すら不明であり、そもそも証拠適格を欠くものである。
乙第3号証ないし乙第6号証は、本件審判事件にあわせて都合良く作成されたものである。
エ 乙第7号証
乙第7号証は、平成19年5月11日に「ふわりとイカ次郎」なるものが、被請求人から(株)鈴木芳喜堂宛に送られた証拠のようにも見える。
しかし、宅配便の配達伝票は、依頼主側で任意に作成できるものであるから、これに示される配達伝票が該日付けに作成されたものであるとは認めることができない。
また、配達伝票を用いて実際に商品が(株)鈴木芳喜堂宛に送られたことを証明する事実はなんら示されていない。
乙第7号証は、本件審判事件にあわせて都合良く作成されたものである。
(2)指定商品との関係について
乙各号証における「ふわりとイカ次郎」がどのようなものであるかについてはなんら示されていない。
特に、本件商標の指定商品は、要するに「食用魚介類,肉製品,加工水産物を除く」であるところ、被請求人が使用していたと主張する商品は、指定商品から除かれることが明確に意思表示された「加工水産物」であると推測される。
よって、仮に被請求人の主張が正しかったとしても、本件商標を指定商品に使用していたことにはならない。
(3)使用商標と登録商標との関係について
被請求人は、「ふわりとイカ次郎」という商標の使用が「イカ次郎」という商標の使用にも相当する旨を主張する。
しかし、すべての乙各号証において明記されているのはあくまで「ふわりとイカ次郎」であり、これと「イカ次郎」とが社会通念上同一ということはできないし、この商標から「イカ次郎」の部分のみを抜き出して、登録商標の使用を証明することもできない。
また、指定商品と被請求人が使用していたと主張する商品との関係がなんら説明されていない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1 第1答弁の理由
被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件商標の指定商品中「第29類 食用魚介類(生きているものを除く),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」について、本件商標を使用している事実を証明する。
(1)乙第1号証のカタログは、その最下欄右端に「2006.5」とあるがこれは、2006年5月に作成したものであり、「ふわりとイカ次郎」の8gと25g用が掲載されている。
(2)乙第2号証は、乙第1号証のカタログを2006年5月に作成したものを2006年6月30日に納品したことを証明する創基社の納品書の写しであり、このカタログは、作成以降、被請求人の商品の案内として使用されて来たものである。
(3)乙第3号証は、被請求人のNB商品出荷量一覧であり、第2頁目の「その他」の個所に、「ふわりとイカ次郎」の「8g」の分として、2006年度(平成18年4月ないし同19年3月)以降2007年度(平成19年4月?5月)までの分が出荷量として表示されている。
(4)乙第4号証は、被請求人の「アイテム別売上一覧」であり、第2頁目の「その他」のアイテムに「ふわりとイカ次郎」の「8g」の分として2006年度(平成18年4月ないし同19年3月)4月以降2007年度(平成19年)5月までの分が表示されている。
(5)乙第5号証は、本件商標の表示された「魚介乾製品」を入れる25g用の包装用袋であり、前記乙第3号証の出荷量の数字はこの包装用袋を単位としたものである。
(6)乙第6号証は、本件商標の表示された「魚介乾製品」を入れる8g用の包装用袋であり、前記乙第3号証の出荷量の数字はこの包装用袋を単位としたものである。
(7)乙第7号証は、宅配便用伝票写しであり、上段のAは「ふわりとイカ次郎」8g用を株式会社合食大阪支店から株式会社鈴木芳喜堂へ届ける伝票であり、40袋を3箱、平成19年5月11日に受付けた宅配便の伝票の写しである。
また、下段のBは「ふわりとイカ次郎」8g用を株式会社合食大阪支店から株式会社鈴木芳喜堂へ届ける伝票であり、40袋を3箱、平成19年5月21日に受付けた宅配便の伝票の写しである。
以上のように、「魚介乾製品」の入った包装袋に本件商標を付して使用されていることが証明される。
2 第2答弁の理由
(1)乙各号証について
請求人は、乙各号証が本件審判事件にあわせて都合良く作成されたものであると主張する。
しかし、乙第1号証は、本件商標権者が作成使用した合食珍味カタログの「製品の御案内」の抜粋であって、カタログの全体ではない。また、「2006.5」の数字が、2006年5月に作成したことを示すことは、カタログ製作等に当たっては通常のことである。
さらに、乙第2号証ないし乙第7号証は、いずれも証拠として適格性を有するものである。
(2)指定商品との関係について
本件商標の指定商品については、類似商品・役務審査基準の第29類中「・・・,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)」と記載すべきを「・・・,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」と記載したためであり、「)」の記入箇所に由来するものである。
(3)使用商標と登録商標との関係について
ア 乙第5号証及び乙第6号証の包装用袋の裏面には、「イカ次郎の秘密」と記載してあり、「イカ次郎」が商標として記載されており、本件商標の使用は、この乙第5号証及び乙第6号証によって証明されるものである。
イ 乙第5号証及び乙第6号証には、「ふわりと」と「イカ次郎」がそれぞれ並列縦書きしてある。この並列縦書き商標は、「イカ次郎」の商標の使用としても社会通念上同一と認められるといえるものである。

第4 当審の判断
本件審判は、本件商標をその指定商品中「第29類 食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」について、その登録の取消しを求めているところ、被請求人の提出に係る証拠(乙各号証)によって、被請求人が取消請求に係る指定商品についての商標法第50条第2項所定の要件事実を証明し得たものか否かについて検討する。
1 提出された乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、「合食珍味カタログの製品のご案内抜粋」とする2枚の写しからなるものであり、1葉目には「製品のご案内」の文字が表されており、2葉目には、「いかバリエーションおつまみ2」の表題の下、「いかの色々な味わいをお楽しみください」との表示と共に、7種の製品が掲載されており、右下隅に「2006.5」の文字が表示がされている。
そして、その製品中、左側下段に「ふわりとイカ次郎 25g」の見出しの下、中央部分に「この食感、クセになる。」の文字が白抜きで記載された赤色の短冊形を介して、その左右に顕著に、赤色に銀色の縁取りをし、白色ないし灰色のグラデーションによって籠字風に表してなる「ふわりと」と「イカ次郎」の各文字を併記し、左下に判読不能な文字を表した製品の写真と共に、「スルメイカを、製法にこだわり、程よくしっとりとした抜群の食感に仕上げました。」との商品説明の記載のほか、「規格:25g」、「JANコード:4901540 365405」及び右下に「G25」と記載されている。
同じく、右側下段に「ふわりとイカ次郎 8g」の見出しの下、上記と同様の製品写真及び商品説明の記載のほか、「規格:8g」、「JANコード:4901540 366730」及び右下に「G25」と記載されている。
(2)乙第2号証は、創基社の作成に係る表題を「納品書」及び「納品書(控)」とする内容を同じくする取引書類の写しであり、日付けを「2006年06月30日」、宛先を「株式会社合食東京支店 御中」、及び「商品名/作業内容」の欄に「合食珍味カタログ’06 デザイン デザインDTP」などと記載されている。
(3)乙第5号証は、魚介乾製品を入れる包装用袋(25g用)の現物であり、その表面は、乙第1号証の左側下段に掲載された写真と同じ体裁と認められ、左下に「イカ珍味の革命。ふわりとしたナゾに迫る!」の文字が記載されており、裏面には、左側に「栄養成分表」の欄、「(株)合食 お客様相談室」のフリーダイヤルや合食ホームページのURL及びバーコードとその下に「4 901540 365405」の数字が記載され、同右側に表面と同様の「この食感、クセになる。」の文字が白抜きで記載された赤色の短冊形を中央に表し、その左右に顕著に「ふわりと」と「イカ次郎」との各文字が併記され、その下には、「イカ次郎の秘密 4つのこだわり」の見出しの下、「1.素材へのこだわり 北海道産の前浜物と呼ばれる、鮮度の良い『するめイカ』を使用。」及び「3.製法へのこだわり 高圧力、高温加熱で各工程にじっくり時間を掛け、旨味を引き出す工夫を凝らしました。」の記載、さらに、名称の欄に「魚介乾製品」、原材料名の欄に「いか(北海道産)、醤油、砂糖、食塩・・・」、内容量の欄に「25g」及び販売者の欄に「株式会社 合食 G25」及び「神戸市兵庫区中之島1丁目1番1号」と記載されている。
(4)乙第6号証は、魚介乾製品を入れる包装用袋(8g用)の現物であり、その表面は、乙第1号証の右側下段に掲載された写真と同じ体裁と認められ、左下に「イカ珍味の革命。ふわりとしたナゾに迫る!」の文字が記載されており、裏面には、左側に「栄養成分表」の欄、名称の欄に「魚介乾製品」、原材料名の欄に「いか(北海道産)、醤油、砂糖、食塩・・・」、内容量の欄に「8g」及び販売者の欄に「株式会社 合食 G25」及び「神戸市兵庫区中之島1丁目1番1号」との記載、「(株)合食 お客様相談室」のフリーダイヤルや合食ホームページのURL及びバーコードとその下に「4 901540 366730」の数字が記載され、同右側に「イカ次郎の秘密 4つのこだわり」の見出しの下、「1.素材へのこだわり 北海道産の前浜物と呼ばれる、鮮度の良い『するめイカ』を使用。」及び「3.製法へのこだわり 高圧力、高温加熱で各工程にじっくり時間を掛け、旨味を引き出す工夫を凝らしました。」と記載されている。
(5)乙第1号証の左右下段の製品と乙第5号証及び乙第6号証の包装用袋の現物は、前者の写真と後者の表面の体裁、JANコードの数字とバーコード下の数字、「G25」の記号などからして、同じものものとみて差し支えないものである。
2 前記1の認定事実によれば、商標法第50条第2項所定の要件事実について以下のように判断できる。
(1)使用者
包装用袋(乙第5号証及び乙第6号証)の裏面に記載された販売者の欄における「株式会社 合食」及び「神戸市兵庫区中之島1丁目1番1号」の表示は、本件商標に係る商標登録原簿(甲第2号証)の権利者の名称及び住所と符合するものであるから、その使用者は「商標権者」であると認められ、この点について当事者間に争いはない。
(2)使用商標
製品の写真(乙第1号証)及び包装用袋の表面(乙第5号証及び乙第6号証)に顕著に表した「イカ次郎」の文字(以下「本件使用商標」という。)は、その右に表された「ふわりと」の文字と「この食感、クセになる。」の文字が白抜きで記載された赤色の短冊形を介し、隙間をもって分離して表されているから、視覚上、該「ふわりと」の文字と分離して看取されるものである。
そして、上記短冊形に表された「この食感、クセになる。」の文字と該包装用袋の表面の左下に、「ふわりとしたナゾに迫る!」の文字が表されていることを総合してみれば、短冊形の右に表された「ふわりと」の文字は、商品の食感を端的に表したものとして認識、把握される場合も決して少なくないとみるのが相当であるから、「イカ次郎」の文字との比較においては、自他商品の識別標識としての機能が弱いということができる。
そうすると、本件使用商標は、それ自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たす場合もあるというべきである。
そして、本件使用商標と「イカ次郎」の文字を標準文字で表してなる本件商標とは、書体において相違するとしても、いずれも「イカ」の片仮名文字と「次郎」の漢字の組合せからなること明らかであるから、本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
なお、請求人は、乙各号証において明記されているのはあくまで「ふわりとイカ次郎」であり、これと本件商標とが社会通念上同一ということはできない旨主張する。
確かに、乙第1号証、乙第5号証及び乙第6号証における「ふわりと」と「イカ次郎」の各文字は、いずれも赤色に銀色の縁取りをし、白色ないし灰色のグラデーションによって籠字風に表してなるものであるから、該各文字が一体的に看取される場合があることを必ずしも否定するものではない。
しかし、「ふわりと」と「イカ次郎」の各文字は、視覚上、不可分一体的に表されているものではなく、上記のとおり、短冊形を介して分離して表されており、かつ、包装用袋の表面(乙第5号証及び乙第6号証)に表示された「この食感、クセになる。」及び「ふわりとしたナゾに迫る!」の文字とを総合してみれば、該「ふわりと」の文字自体は、商品の食感を端的に表すものとして印象されて商取引に資される場合も決して少なくないということができるから、本件使用商標をもって本件商標の使用というべきである。
よって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)使用時期
「製品のご案内」(乙第1号証)の2葉目の右下隅には、「2006.5」の文字が表示されているところ、創基社に係る「株式会社合食東京支店」宛ての「納品書」及び「納品書(控)」の写し(乙第2号証)において、その日付が「2006年06月30日」であること、「商品名/作業内容」の欄に「合食珍味カタログ’06」と記載されていることを合わせてみると、該「2006.5」の文字は、2006年5月に作成されたことを表したものと理解することができるものである。
そして、かかる「納品書」及び「納品書(控)」の写しが2006(平成18)年6月30日付けであることに加えて、乙第1号証に掲載された製品と同じ体裁からなる包装用袋(乙第5号証及び乙第6号証)が作成されていることをも総合して勘案すれば、被請求人(商標権者)の取扱いに係る該製品は、実際に販売されていたというのが相当であり、該製品を掲載した「製品の御案内」と題するカタログ(乙第1号証)も頒布されたとみるのが自然であるから、この乙第1号証は、少なくとも同日以降、本件審判の請求の登録前3年の終期である平成21年5月6日までの間に日本国内において、頒布されたと推認することができる。
なお、請求人は、「2006.5」という数値を2006年5月に作成したものと解釈する合理的根拠はないと主張する。
しかし、カタログ類に発行時期等を表すために、この種の表示を類型的に使用していることは、各種業界において、一般に行われているということができるばかりでなく、上記のとおり、「2006.5」の文字を「2006年5月」と解することは、「納品書」及び「納品書(控)」の写し(乙第2号証)によっても裏付けられるものである。
また、請求人は、「製品のご案内」(乙第1号証)に通常発行者等の記載のある奥付や連絡先等の記載がないことをもって、実際に存在していた商品カタログではなかった旨主張する。
しかし、該「製品のご案内」に掲載してある製品写真、「JANコード」及び右下の「G25」の記号(品番)が包装用袋(乙第5号証及び乙第6号証)と全て符合することから、乙第1号証が商標権者(被請求人)に係る商品カタログの抜粋と認められ、かつ、上記のとおり、「納品書」及び「納品書(控)」の写し(乙第2号証)によって、その作成時期が裏付けられることをも勘案すれば、乙第1号証は、本件商標に係る商標登録の取消しを免れるために作成されたものではなく、実際に頒布されたものとみるのが自然である。
その他、請求人の主張をもって、この認定を左右すべきものと確証させる事実は見いだせないから、同人の主張はいずれも理由がない。
(4)使用商品
ア 被請求人は、「魚介乾製品」について本件商標の使用をしている旨主張するところ、乙第1号証によれば、「ふわりとイカ次郎 25g」と「ふわりとイカ次郎 8g」の各見出しの下、「スルメイカを、製法にこだわり、程よくしっとりとした抜群の食感に仕上げました。」との商品説明が認められ、さらに、乙第5号証及び乙第6号証によれば、包装用袋の裏面に、「イカ次郎の秘密 4つのこだわり」の見出しの下、「1.素材へのこだわり 北海道産の前浜物と呼ばれる、鮮度の良い『するめイカ』を使用。」及び「3.製法へのこだわり 高圧力、高温加熱で各工程にじっくり時間を掛け、旨味を引き出す工夫を凝らしました。」の記載並びに名称の欄に「魚介乾製品」、原材料名の欄に「いか(北海道産)、醤油、砂糖、食塩・・・」と記載されていることが認められる。
そして、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第8版対応〕」(特許庁商標課編 平成14年1月 社団法人発明協会発行)によれば、第29類の「加工水産物」の見出しの下に「塩干し、かす漬け、くんせい、缶詰、瓶詰等各種加工したもの及びこれらを冷凍したものが含まれる。加工せずに単に冷凍したもの及び塩蔵したものは、この概念に属さず、本類食用魚介類(生きているものを除く。)に属する。」と記載されていることにかんがみると、商標権者が本件商標を使用したとする商品は、「いかの加工水産物」(以下「本件使用商品」という。)と解されるものであり、これは、取消請求に係る指定商品中、「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品」のいずれにも該当するものではない。
イ 請求人は、被請求人が使用したと主張する商品は、指定商品から除かれることが明確に意思表示された「加工水産物」であると推測されるから、本件商標を指定商品に使用していたことにはならない旨主張するのに対して、被請求人は、本件商標の指定商品については、類似商品・役務審査基準の第29類中「加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)」と記載すべきを「加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」(以下「本件指定商品」という。)と記載したためであり、「)」の記入箇所に由来するものである旨主張するので、更に進んで、本件使用商品が取消請求に係る指定商品中、本件指定商品に該当するか否かについて検討する。
商標法第27条第2項は、「指定商品又は指定役務の範囲は、願書の記載に基づいて定めなければならない。」と規定しており、同法にいう「指定商品」とは、商標登録出願人が同法第6条第1項の規定により商標登録出願に係る願書に、その出願に係る商標を使用するものとして指定した商品であるところ、商標登録出願に当たり、いかなる商品を指定商品とするかは、商標登録出願人の意思にゆだねられているものであるから、商標登録出願が商標登録された場合には、願書に記載された指定商品の解釈は、商標権の効力が指定商品と同一又は類似の商品若しくは役務に及ぶこと(同法第25条、同第37条)を踏まえれば、商標権の効力の及ぶ範囲を公示する商標登録原簿に記載された指定商品の表示を第三者がどのように理解するかという観点から判断すべきと解される。
これを本件についてみるに、本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」及び第30類「菓子」とするものであり、これらは、本件商標に係る願書に徴すれば、その「【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】」の欄に記載された指定商品と一致することが認められる。
そして、本件商標の指定商品中、本件指定商品は、その末尾が「除く。」と記載されていること明らかであるから、本件商標の指定商品中、第29類に属する指定商品において、本件指定商品が含まれないことを明示したものとして理解されるといわなければならず、商標登録原簿が商標権の内容を公示するものであることからすれば、上記判断を覆す合理的理由は見当たらない。
してみれば、本件商標の指定商品中、第29類に属する商品の表示には、商標登録出願当初から「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を含む「加工水産物」が除かれて出願され、それが登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件使用商品は、取消請求に係る指定商品中、本件指定商品に該当するものではない。
ウ 小括
以上によれば、本件使用商品は、取消請求に係る指定商品のいずれにも該当しないというべきである。
その他、取消請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていたことを認めるに足る証左は見いだせない。
3 まとめ
(1)前記2(4)のとおり、取消請求に係る指定商品中、「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品」については、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件商標と社会通念上同一の商標の使用を証明したものということはできない。
また、被請求人は、取消請求に係る上記指定商品について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを主張するものでもない。
(2)取消請求に係る指定商品中、本件指定商品についての本件審判の請求は、取り消すべき対象がない不適法なものであって、その補正をすることができないものである。
(3)したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品」について、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
取消請求に係る指定商品中、「加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」)を除く。」についての請求は、商標法第56条第1項において準用する特許法第135条の規定により、これを却下する。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-12-02 
結審通知日 2009-12-04 
審決日 2009-12-22 
出願番号 商願2003-53519(T2003-53519) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y29)
最終処分 成立 
前審関与審査官 堀内 仁子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2004-03-12 
登録番号 商標登録第4754725号(T4754725) 
商標の称呼 イカジロー 
代理人 谷山 守 
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