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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z0105091016 |
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管理番号 | 1211506 |
審判番号 | 不服2009-650039 |
総通号数 | 123 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-03-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-18 |
確定日 | 2009-11-19 |
事件の表示 | 国際登録第911927号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第1類,第5類,第9類,第10類及び第16類に属する国際登録において指定された商品を指定商品として,2006年(平成18年)9月1日にEuropean Communityにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年10月18日を国際登録の日とするものである。その後,指定商品については,原審における平成20年9月29日付けの手続補正書により,第1類「Unprocessed artificial resins,unprocessed plastics;manures;adhesives used in industry;polymer resins.」,第5類「Diagnostic test strips for use in chemical detection and in the field of glucose monitoring.」,第9類「Spectrometers;apparatus for diagnostic purposes(other than for medical or veterinary purposes);diagnostic testing kits for diagnostic instruments(other than for medical or veterinary purposes);hologram sensors;sensors;assay monitoring apparatus and instruments not for medical purposes;holographic metrology instruments for holographic sensors,and testing sensor strips for measuring pathogens,micro-organisms levels of microbial contamination and glucose;test strips for measuring levels of chemicals,micro-organisms,pathogens and levels of microbial contamination parts as laboratory apparatus and instruments;interactive holograms.」,第10類「Sensor holograms for medical use;holographic sensors;testing sensor strips for measuring pathogens,micro-organism levels,microbial contamination and glucose;sensors for blood glucose monitoring and measuring.」及び第16類「Adhesives for stationery or household purposes;security paper;sensitized security papers;security tagged paper;parts and fittings for all the aforesaid goods.」とされたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するとして,以下の登録商標を引用して拒絶したものである。 (1)登録第2724332号商標は,「SMART」の欧文字を横書きしてなり,平成2年10月30日登録出願,第11類「電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として,同11年7月2日に設定登録され,その後,商標権一部取消し審判が請求され,指定商品中「電子応用機械器具」については,その登録を取り消す旨の審判の確定登録が同15年12月10日になされ,さらに,存続期間の更新登録が同21年4月21日になされているものである。 (2)登録第4356623の1の2号商標は,「スマート」の片仮名文字と「SMART」の欧文字とを二段に横書きしてなり,平成7年7月5日登録出願,同12年1月28日に設定登録された登録第4356623号の商標権の分割に係るものであって,第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,ロケット,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,消防艇,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,抵抗線,電極,溶接マスク,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム,潜水用機械器具,但し,電子式卓上計算機を除く」を指定商品として,同18年10月5日に商標権の分割移転の登録がなされ,現に有効に存続しているものである。 (3)登録第4356634号の1の2商標は,「SMART」の欧文字と「スマート」の片仮名文字を二段に書してなり,平成8年11月20日登録出願,同12年1月28日に設定登録された登録第4356634号の商標権の分割に係るものであって,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,加工ガラス(建築用のものを除く),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,ロケット,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,潜水用機械器具,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,但し,電子式卓上計算機を除く」を指定商品として,同18年10月5日に商標権の分割移転の登録がなされ,現に有効に存続しているものである。 (4)登録第4550241号の2商標は,「Smart」の欧文字を標準文字で表してなり,平成12年10月17日登録出願,同14年3月8日に設定登録された登録第4550241号の商標権の分割に係るものであって,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,潜水用機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置,但し,電子式卓上計算機を除く」を指定商品として,同18年10月5日に商標権の分割移転の登録がなされ,現に有効に存続しているものである。 (5)登録第4693972号商標は,別掲2のとおりの構成からなり,平成11年8月11日登録出願,第12類「エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車椅子,動力伝導装置,タイヤ又はチューブの修繕用ゴム貼り付け片」を指定商品として,同15年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (以下,これらをまとめて「引用商標」という。) その他,「SMART」,「スマート」又は「smart」の文字を構成文字とする登録第423714号の1商標,登録第4234127号商標,登録第4356623号の1の1商標,登録第4356634号の1の1商標,登録第4550241号の1商標及び登録第4575674号商標を引用したものである。 3 当審の判断 本願商標は,別掲1のとおり,9個の濃淡をつけた,角の丸い小さな正方形を菱形に配し,それを囲むように円図形が描かれ,その下部に太く大きく「smart」の欧文字が表され,さらにその下段に細く小さく「holograms」の欧文字を書してなるものである。 ところで,商標は,その作成者の意図如何にかかわらず,常に必らずしもその構成部分全体の名称によって称呼,観念されず,しばしば,その一部だけによって簡略に称呼,観念され,一個の商標から二つ以上の称呼,観念の生ずることがあり,また一個の称呼,観念のみが許されるのは,各構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している場合に限られると解される(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁参照)(平成19年(行ケ)第10039号判決 平成19年8月28日言渡)ところ,本願商標は,前記のとおり,その外観上,図形部分と文字部分とが分離されないような態様で構成されているものではなく,また,図形部分と文字部分とが不可分のものとして一つの観念を形成しているものともいえないから,両部分は,これを分離して観察することが取引上不自然と考えられるほど不可分一体に結合しているということはできないものであり,さらに,文字部分についても,その大きさに顕著な差異を有していることから,外観上,二段書きされたそれぞれの文字も分離して把握されることも少なくないものである。 そして,「smart」の文字は,「利口な,洗練された,精密で高度な」等の意味を有する英語であり,「holograms」の文字は,「ホログラム,レーザー写真」を意味を有する英語の複数形を理解させる語であるが,「smart」の語には前記意味合いのみならず,我が国においては,「体つきやものの形が細くすらりとして恰好がよいさま」(「広辞苑 第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)等の意味をも理解させる多義的な語として親しまれた語であるから,「smart」と「holograms」の文字全体から,直ちに,特定の観念を生ずるものとはいえない。そうとすれば,これらの文字を密接不可分に把握しなければならないとする特段の理由は見いだすことができないものであり,また,「holograms」の文字は,前記のとおり「ホログラム」の複数形の意味を理解させる語であるところ,本願指定商品中「ホログラムセンサー,双方向式のホログラム,医療用のセンサー用ホログラム,ホログラフィックセンサー」等との関係においては,「ホログラムを利用した商品,ホログラム」程の意味合いを理解させ,商品を表す文字部分と認められる。そうすると,本願商標構成中の中央部に大きく顕著に書した「smart」の文字部分が,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る部分として認識され,簡易迅速を旨とする取引の実際にあっては,取引者,需要者は,「smart」の文字部分に着目して,該文字から生ずる「スマート」の称呼及び「利口な,洗練された」等の観念をもって取引に資する場合も少なくないというべきである。 これに対して,引用商標は,「SMART」の文字,「スマート」と「SMART」の文字の上下二段書き,「SMART」と「スマート」の文字の上下二段書き,「Smart」の文字及び「smart」の文字を構成文字とするところ,これらは表記の違いがあるとしても「利口,洗練された」などの意味を有する一般的に知られた英語である「smart」の文字を有するので,「スマート」の称呼及び前述の観念を容易に理解させるものである。 そうとすれば,本願商標と引用商標は,外観において差異を有するとしても「smart」の構成文字を同じくし,称呼及び観念を共通にするものであるから,両者を同一又は類似の商品に使用した場合には,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるというべきであり,かつ,両者の指定商品は類似するものである。 なお,請求人(出願人)は,審判請求書で,「本願商標の図形は,ホログラムを模した図形であり,文字部分は,一体的を有する構成となっており,本願商標は一体として,『S字模様の高感度ホログラム』といった意味を感得することができる。また,『smart holograms』の文字は,請求人(出願人)固有の名称を一体的に表示した,請求人(出願人)の出所に係る商品であることを観念させるものである。さらに,『smart』の語は,指定商品との関係で,高性能,高機能といった商品の品質等を想起させることから出所識別力が弱い部分であるといえる。そして,『SMART(スマート)』を含む商標が多数併存登録されている実情は,『SMART(スマート)』の語単独では自他商品識別標識機能を発揮できないものである」旨述べ,「本願商標は,一体のものとして自他商品の識別力を具備しているものであるから,『スマートホログラムス』の称呼をもって取引されることは明白である。」と述べている。 しかしながら,前記判決のとおり,商標は,請求人(出願人)の作成意図にかかわらず,常に必らずしもその構成部分全体の名称によって称呼,観念されず,しばしば,その一部だけによって簡略に称呼,観念を生ずることがあるところ,本願商標の構成からは,「smart」の文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているといえないことは前述のとおりである。また,商標の類否判断要素としての観念とは,多くの取引者,需要者がその商標自体から直ちに一定の意義を想起させるものであることを要するものというべきであり(平成2年(行ケ)第213号判決 平成5年3月30日言渡),請求人(出願人)が主張するような図形からの観念,文字部分からの観念が,多くの取引者,需要者が,直ちに想起する一定の意義として浸透していたとの事実を認めるに足りる証左もない。また,請求人(出願人)は,「SMART(スマート)」を含む商標登録例を挙げているが,本願商標の指定商品との関係で「holograms」の文字に出所表示の識別機能を見いだすことができず,「smart」の文字部分が識別標識としての機能を果たす文字部分と認識されることも少なくないことは前述のとおりである。したがって,請求人(出願人)が挙げる登録例をもって本願商標を構成する「smart」の文字単独で自他商品識別標識機能を発揮しないということはできない。さらに,請求人(出願人)は,本願商標からは,請求人(出願人)の名称を観念するものである旨述べているが,それを認めるに足りる証左の提出もなく,本願商標に接する取引者,需要者が,直ちに請求人(出願人)の出所に係る商品であることを理解するものとも認め難い。したがって,いずれの請求人(出願人)の主張も採用できない。 以上のとおり,本願商標と引用商標とは外観において差異を有するとしても,称呼及び観念において類似し,かつ,両者の指定商品は類似するものであるから,本願商標とその他の引用登録商標との類否について判断するまでもなく,本願商標は商標法4条1項11号に該当すると認められる。 したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことはできない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別記】 |
審理終結日 | 2009-06-25 |
結審通知日 | 2009-06-29 |
審決日 | 2009-07-10 |
国際登録番号 | 0911927 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Z0105091016)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 八木橋 正雄 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
野口 美代子 清川 恵子 |
商標の称呼 | スマートホログラムズ、スマート、ホログラムズ |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 山口 現 |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 原 隆 |