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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2008890092 審決 商標
無効2008890093 審決 商標
無効2008890090 審決 商標
無効2008890091 審決 商標
無効2008890086 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない 032
審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない 032
審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効としない 032
管理番号 1210056 
審判番号 無効2008-890094 
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-09-26 
確定日 2010-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4133037号商標及び登録第4144135号商標及び登録第4347375号商標及び登録第4379712号商標及び登録第4379715号商標及び登録第4379716号商標及び登録第4383603号商標及び登録第4383604号商標及び登録第4383605号商標の商標登録無効審判事件について、審理の併合のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 無効請求に係る商標
1 無効2008-890086事件に係る登録第4383604号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成8年12月17日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、平成12年5月19日に設定登録されたものである。

2 その外、併合した各審判事件に係る登録第4383605号商標及び登録第4379715号商標及び登録第4347375号商標及び登録第4144135号商標及び登録第4383603号商標及び登録第4379716号商標及び登録第4379712号商標及び登録第4133037号商標についての商標の構成、登録出願日、設定登録日、指定商品・指定役務は、別掲(2)ないし(9)に示すとおりである(以下、上記した登録第4383604号商標をも含めて「本件各商標」という。)。
以下、審理を併合した審判事件を一括していうときは、「本件各審判」という。

第2 請求人の主張
請求人は、本件各商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び平成21年5月13日付け上申書を提出し、同年8月3日付け、同月6日付け、同月7日付け及び同月11日付けの答弁に対する弁駁書を提出し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第72号証(枝番号を含む。また、甲第13号証ないし甲第17号証は、証拠番号が重複しているので、便宜上、平成21年5月13日付けの上申書に添付された甲第13号証の1を甲第12号証の2の1、甲第13号証の2を甲第12号証の2の2、同じく甲第14号証を甲第12号証の3、同じく甲第15号証を甲第12号証の4、同じく甲第16号証を甲第12号証の5、同じく甲第17号証を甲第12号証の6とする。)を提出した。
1 無効理由について
(1)本件各商標の図形部分(以下「本件図形」という。)に酷似する図形(別掲(10)。以下「引用図形」という。甲第2号証)については、証拠により次の事実が認められる。
まず、引用図形は、1963年にマサチューセッツ州ウスター市(ボストンに次ぐ第2の都市)に基盤をおくステート生命保険会社が、その前年にオハイオ州のギャランティ保険会社を買収し、これを子会社のウスター火災保険会社と合併させたが、合併後の再編成させた従業員の意識は低かったことから、ステート生命保険の副社長は「友愛キャンペーン」を提案し、その推進役にウスター・ギャランティ保険会社のマーケティング担当のジョイ・ヤング夫人を選任した。1963年12月、彼女は、フリーのグラフィックデザイナーのハーベイ・ボール(Harvey Ball)を訪ね、従業員を励ますようなシンボルとしてバッジやカードやポスターに使える小さいスマイルを作ることを依頼したところ、10分程で書き上げたのが引用図形の「スマイリー・フェイス」であったという(甲第3及び第4号証)。
このように、この「スマイリー・フェイス」は地方の一生命保険会社のキャンペーン・マークとして採用された後、人気が高まり普及したのであった。
ハーベイ・ボールは2001年4月12日に79才で死去したが、引用図形を、地元保険会社の依頼で1963年12月に作成したときに彼が受取った報酬は、僅か45ドルだったといわれている(甲第3号証)。
また、このスマイリー・バッジは、保険会社の従業員のみならず、顧客にも好評で、やがて1960年代末には車のバンパーのステッカーやTシャツにも登場し、70年代には全米の人気キャラクターから全世界に広まったという。
このような単純なオリジナル・キャラクター・マークが、全米のみならず、全世界に流行した理由について、ハーベイ・ボールは、「スマイリーは年齢、肌の色、政治、宗教を乗り越える。これほど単純な形で、肯定的なメッセージを運ぶ芸術作品がかつてあっただろうか。」と、創作の意図と心境を述べている(甲第4号証)。
(2)この引用図形は、米国郵便公社が発行する郵便切手(33セント)に、1970年代に活躍したセレブリティの一つと紹介され、ライフスタイル部門の人気投票では、他を大きくリードしている記事が、1998年9月24日付けのTelegram Gazetteに掲載されている(甲第5号証)。ここに、同公社が発行した投票のためのパンフレット(甲第6号証)も提出する。
(3)引用図形の著作者であったハーベ・ボールが79才で死去した事実は、わが国の2001年(平成3年)4月14日及び4月15日の新聞各紙が報じている(甲第7号証)。その中で、例えば、産経新聞平成13年4月14日夕刊は、「『ラブ・アンド・ピース』のシンボルとして流行し、最盛期の71年には五千万個以上のバッジが売れた。しかし、商標や著作権を申請することはしなかった。」と記載している。
また、ハーベイ・ボールの死去のニュースは英国の新聞各紙(甲第8号証)及び米国の新聞各紙(甲第9号証)において報じられている。
本件各商標の被請求人は英国在住の者であるが、本件図形の創作者は被請求人であるとの記載をしている新聞は一紙もない。
以上の英国、米国の新聞各紙の多くは、その記事の見出しにハーベイ・ボールを“inventor of smile face”と称している。
(4)ハーベイ・ボールが生涯をすごしたマサチューセッツ州ウスター市では、「スマイリー・フェイス」はハーベイ・ボールが創作した者であると公認された「宣言書」が発行されているし、1996年7月10日は、「ハーベイ・ボールの日」と設定されているのである(甲第10号証)。
また、この事実を裏付ける証拠としては、次の大きな事実がある。
一つは、ウスター市の「歴史博物館」において、ハーベイ・ボールと「スマイリー・フェイス」が取り上げられ、「スマイリー展」が開催されかつ延長されたとの事実(甲第3号証)。
二つは、1998年2月28日にウスター市の市政150年式典において、同州出身の上院議員ジョン・ケリー(2004年の米国大統領候補)は、来賓演説の中で、「スマイリー・フェイスはハーベイ・ボールによって創作されたもの」であることを公言している事実(甲第11号証)。
三つは、1999年9月27日にマサチューセッツ州上・下院議員総会において、「スマイリー・フェイス」がハーベイ・ボールによって創作されたことが公認され、決議宣言がされた事実(甲第12号証)。
(5)ハーベイ・ボールの死去後は、息子のチャールズ・ボールが「スマイリー・フェイス」に係る引用図形の著作物の著作権を相続しており、同氏が代表者であるアハルト・ボール・エンド・ブローダー・ピーシー(Ahalt,BallBrodeur, P.C)において、前記著作権を管理している。
なお、同氏は「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団(Harvey Ball World Smile Foundation) (マサチューセッツ州ウスター,フロントストリート22,POBox171)」の代表者でもある。
(6)商標法第4条第1項第7号該当性について
(ア)商標法は、登録商標に化体された営業者の信用の維持を図るとともに、商標の使用を通じて商品又はサービスに関する公正な取引秩序を維持することが目的とされている。
そして、商標法は登録要件として、前記目的を実現する条項に「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は商標登録を受けることができないと、商標法第4条第1項第7号において規定している。
その趣旨は、過去の審判決例によれば、その商標の構成自体が過激、卑猥な文字、図形である場合および商標の構成自体がそうでなくとも、その時代に応じた社会通念にしたがって検討した場合、当該商標を採択し使用することが社会公共の利益に反し、または社会の一般的道徳観念に反するような場合、あるいは他の法律によってその使用が禁止されている商標や国際信義に反するような商標である場合も含まれているものとみるのが相当であると解されている。
(イ)ところで、本件図形は、前記したとおりスマイル・フェイス又はオリジナル・キャラクターとしてのスマイリーの引用図形(甲第2号証)を直ちに認識させる酷似のものであるから、その構成態様からみて、本件各商標の商標権者となった被請求人が、わが国特許庁へ本件各商標に係る登録出願をした際には、すでにその出願日前に生じていた他人(ハーベイ・ボール)の著作権に抵触していたのであり、また著作権者に無断で商標登録出願をしたのであるから、この出願行為は、引用図形のスマイル・フェイスが有する著名性に只乗りする不正の目的をもって冒用出願されたものといわざるを得ない。
すなわち、本件各商標は、引用図形の著作物に依拠し、これを模倣又は剽窃して、その登録出願をしたものであるところ、本件各商標の商標権者が第三者に対して商標の使用許諾契約を行っている事実は、本来、他人の著作権と抵触するにもかかわらず、前記著作権者による許諾を得ずに行っている行為であるから、正に商標法第29条により登録商標の使用が制限されているにもかかわらず、これを行っていることになる。
これに対し、他人の著作物の冒用と認められる場合は、登録要件として公序良俗違反と解するよりは、商標法第29条本文の商標権行使の制限規定の適用問題として侵害裁判所で取り上げるものと解する考え方があり得るかも知れない。しかしながら、侵害裁判所における特許法第104条の3の規定の適用を考えるならば、現在では、特許庁と裁判所との垣根は殆どなくなり、特許庁審判においては、著作権等他の法律違反の登録商標に対しても商標法第4条第1項第7号による無効理由とし得ることはいうまでもないのである。
したがって、そのような本件各商標の登録やそれに基づく第三者への使用許諾を商標法が認めることは、不法行為の正当性を被請求人に認める結果となるから、正に法の矛盾であり、公序良俗に反する登録として無効とされるべきものである。
本件各商標は、本件図形と欧文字とからなるものであり、本件図形は本件各商標の中心的部分を占めている。そして、前述のとおり、本件図形はハーベイ・ボールがこれを創作したことが認められる引用図形の著作物(作品work)と酷似するものであるところ、わが国の著作権法においては、保護を受ける著作物として「条約によりわが国が保護を負う著作物(著作権法第6条第3号)が挙げられており、米国民が創作した著作物についても当然わが国が条約により保護の義務を負う以上は、わが国の著作権法による保護を受けるものである。
わが国及び米国は、ともに「ベルヌ条約パリ・アクト」(以下「ベルヌ条約」という。)に加盟し、ベルヌ条約上、同盟国である米国民は内国民待遇を受け、同盟国国民が本国で最初に公にした著作物として、わが国の法令が日本国民に現に認めている著作権法上の保護を当然受けることになる(ベルヌ条約第5条)。
このように、本件各商標は、これを著作権者に無断で使用することは、商標法第29条による規制の対象となるのであり、かつ著作権法第21条の複製権、第112条の差止請求権、第113条の侵害とみなす行為等によっても規制されているのであるから、本件各商標は、正に商標法第4条第1項第7号の運用指針の一つである「他の法律によって、その使用等が禁止されている商標」に該当するものといえるのである。
(ウ)また、ハーベイ・ボールの創作に係る引用図形の著作物は、米国が誇る重要な文化的遺産であり、わが国においても世代を超えて広く親しまれ、わが国と米国との友好関係に重要な役割を担ってきた作品であり、わが国が引用図形の著作物の価値や名声や評判を損なうおそれがあるような酷似図形である本件図形の商標登録を一私人に認めることは、わが国と米国との国際信義に反する行為となり、両国の国民的公益を損なうおそれが高くなり、及び引用図形の著作物は強力な顧客吸引力を有するものであり、引用図形と酷似する図形から成る本件各商標の登録を、引用図形の著作物とは何らの関係のない一私人に認め、その使用を独占させることは穏当でないことなどを総合考慮すれば、本件各商標は商標法第4条第1項第7号の「公序良俗を害する商標」に該当し、商標登録を受けることができないものである。
(7)なお、被請求人は、これまで主張していた、1970年に「スマイル・フェイス」をフランスで創作した、及び仏国新聞「フランス・ソワール紙」に関係があった等は、虚偽の事実であったことが判明している。東京高裁判決(平成11年(ネ)第5027号)でもそれらの事実は否定されているし、請求人関係の聞き取りでも、被請求人は「フランス・ソワール紙」に関係しておらず、逆に「フランス・ソワール紙」がアメリカのハーベイ・ボールの流行をまねたものであり、それを被請求人が登用し勝手に商標登録をしたにすぎないことを証言している。被請求人の登録商標と「フランス・ソワール紙」の使用商標を比較してみればすぐわかる(甲第12号証2の1及び2)。
請求人関係の「有限会社ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッド」は、米国国内で19件の登録商標と122件の公告商標を得ている。これは、「スマイリー・フェイス」が米国でハーベイ・ボールのものであると公認されたものである(甲第12号証の3)。
現在、被請求人は米国で本件各商標のスマイルの図形は所有していない。(甲第12号証の4)なお、被請求人が米国で出願した商標(本件各商標)等は、異議申立てを受け、2009年3月20日の商標裁判所の判決で拒絶された(甲第12号証の5)。
米国で被請求人は、商標登録を行い金銭を要求する商標ブローカーの立場だと判断されている(甲第12号証の6)。
(8)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件各商標の場合、本件図形又はこれに類似する図形が、引用図形の著作物の著作者であるハーベイ・ボール又はハーベイ・ボールの正当な承継人の業務又はそれらの者から許諾を得て業務を行っている者の業務(「他人の業務」)に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であることが明らかであるから、本件各商標は、本号の「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するものといえるのである。
(9)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件各商標の場合、前述のとおり、本件図形に酷似する引用図形が、引用図形の著作物の著作者であるハーベイ・ボール又はハーベイ・ボールの正当な承継人の業務又はそれらの者から許諾を得て業務を行っている者の業務(「他人の業務」)に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国におけるキャラクター・マーチャンダイジング業界に関係する業者(一次需要者)や商品の購入者(二次需要者)の間に広く認識されているにも拘わらず、被請求人は自ら登録商標を使用せず、これと同一又は類似の商標を使用することが見込まれる者に対し、商標権を行使して不正の利益を得る目的や他人に損害を加える目的を有している者であるから、本件各商標は全体として不正な目的をもって使用されているものといえる。
したがって、本件各商標は、本号の「他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするもの」に該当するものといえるのである。
(10)むすび
以上のとおり、本件各商標に係る商標権者である被請求人は、まず引用図形に係る「スマイリー・フェイス」の著作物の著作権者ではなく、引用図形の著作物の著作権を侵害する者であるから、その意味で公の秩序または善良の風俗を害するおそれがあるというべきであり、また引用図形の著作物は米国が世界に誇る重要な文化的遺産であり、わが国と米国との友好関係に重要な役割を演じてきた作品といえるものであり、さらにわが国が引用図形の著作物の価値、名声、評判を損なうような酷似図形の本件図形の商標登録を一私人に認めることは、わが国と米国との間の国際信義に反する行為で両国の公益を損なうことになるから、引用図形の著作物に無関係の一私人に使用を独占させることは穏当ではないことを総合考慮するならば、本件各商標は商標法第4条第1項第7号に違反して登録を得たものというべきであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録は無効とされるべきである。
2 弁駁
(1)請求人の立場
請求人は、ハーベイ・ボールの創作・著作した「スマイリー・フェイス」の日本国内での商品化事業の総代理店である「ジャス・インターナショナル株式会社」(以下「ジャス」という。)の代理人である(甲第62号証ないし甲第64号証)。請求人は、「スマイリーフェイス」の商品化を希望する日本国内の企業をジャスに紹介しており、実績がある。
本件各商標の存在は、請求人の事業運営の使用を来すものである。したがって、請求人は、本件各審判を請求する資格があるといえる。
(2)本件各商標は不正の目的をもって、「不正に登録」されたものである
ア 「フランス・ソワール紙」は、1970年当時「スマイル・キャンペーン」を行っており、それらは全て被請求人と無関係であった。被請求人は、「フランス・ソワール紙」の成功を見て、そのデザインの良さを見て盗用したといわれている。いつの間にか「フランス・ソワール紙」のデザインを「自分が創作した」と主張するようになった。自己の創作・著作説は虚偽の事実である(甲第13号証ないし甲第17号証)。
イ 被請求人の日本国内での不正行為
被請求人は、平成9年2月ころ、日本国内代理人株式会社イングラム(以下「イングラム」という。)と共同し、日本で記者会見を行い、「スマイルは自分が著作権と商標権を有している」、「無断使用者には断固たる処置を行う」と宣言した。
当時、日本では、昭和45年の「スマイル・ブーム」が終了し「スマイルは誰でも使って良い」と思っていたメーカーたちは「スマイル商品」を製造、販売していたがそれを知り、混乱した。当時多額の支払いを強要された企業(30社)は、同時に広告費の負担も要求され「共同広告」を行っている(甲第18号証ないし甲第21号証)。
東京高裁平成11年(ネ)第5027号判決で、被請求人は、日本では著作権を有していないこと、「フランス・ソワール紙」とは関係がないことが判示された(甲第13号証)。
ウ 日本の実情を見ても、昭和45年(1970年)には「ニコニコ・マーク」の流行があったことは、誰にでも知られている事実であり、被請求人の商標権の取得の主張は、昭和47年であるので、本人の日本での行為は「詐欺犯罪」であると断定できる。
エ 被請求人は、平成8年ころから代理人「イングラム」を使って、日本国内での「スマイル商標」の出願を行い、21件の商標分野で登録を成功させた(甲第23号証)。被請求人は、その登録商標を唯一の武器として、日本のメーカーから使用料名目で多額の金銭を支払わせた。
被請求人は、日本での「スマイルの流行」は自分たちの「スマイル登録商標」の存在によるものであると主張している。しかし、日本の昨年の「スマイル商標」を見ても、被請求人の登録商標を使用した商品は1つもファッション雑誌等で見ることはなかった。
以上を考えると、被請求人等の商品化事業は、全て請求人及びジャス関連の過去の実績と、その後のジャス等の努力を利用していることは明白である。
したがって、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生じるおそれがある商標(商標法第4条第1項第15号)に該当する。
オ 「フランス・ソワール紙」がハーベイ・ボールをまねて、それを被請求人が盗用して、商標登録を行ったものであるから、被請求人の登録商標の基本図形はハーベイ・ボールのものである(甲第26号証及び甲第27号証)。
以上を考えると、被請求人の日本での行動の全ては公序良俗に反し、商標法第4条第1項第7号に該当する。
カ 1998年7月1日「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙を最初に「スマイルは誰のものか」の論争が米国であった。被請求人は、暗にハーベイ・ボールによる著作を認めるような発言をしている。
キ 米国で被請求人とウォルマートの間で「スマイル商標」を巡る争いがあり、その判決で被請求人は全面敗訴となり、米国でのスマイル商標は全て拒絶となった(甲第31号証ないし甲第33号証)。
(3)日本での「スマイル商品化事業」について
ア 日本で最近も「スマイル」の流行があった。それらの商品は「ニコちゃん」の愛称で若い女性に呼ばれた(甲第34号証)が、「ニコちゃん」の愛称は昭和45年当時の「ニコニコ・マーク」の呼び方の略称である。そのことを考えると、「スマイリー・マーク」はあくまでもハーベイ・ボールによってもたらされたものであり、そこで作られた良いイメージを日本人が代々受け継いでできたものといえる。それには、被請求人は無関係である。
したがって、他人の業務に係る商品又は役務を・・・日本国内又は外国で需要者間に・・・不正の目的をもって使用するもの(商標法第4条第1項第19号)に該当する。
イ 被請求人が主張する「スマイル登録商標によって『スマイルの商品化事業』が日本に受け入れられた」は事実ではない。それは「商標権」を盾にメーカーや小売りに圧力をかけ、仕方なく被請求人を受け入れざるを得なかったにすぎない。
もし日本の消費者が「スマイル」を受け入れられたとしたら、過去の「ニコニコ・マーク」の流行、その後のジャス等がハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団と協力して数々のボランティア活動を行い、著名人の参加を得て広報を行い、新聞や雑誌やテレビ等で宣伝を繰り返した努力の結果である。
(4)答弁書への反論
ア 本件各商標と同一の商標21件の内20件の商標の登録が、不使用取消審判で取消しになっている。
イ 被請求人は、「キューピー人形事件」の事例を提出し、著作権について主張しているが、「キューピー事件」は20億円の金員を奪取する目的で、正常な訴訟ではなく、参考になる事例ではない。
ウ 被請求人は、「赤毛のアン」の事件と比較するが、請求人が主張するマサチューセッツ州は、米国の他の州と比較にならない程、その影響力は米国で知られている。また、上記判決は外国の「知的財産権」と無関係な人物が日本国内で無断で商標登録することは認めないとの趣旨であったと考えられる。
エ 機関紙(SMILEY NEWS)は、毎回3万部を小売店、ファッション・メーカーに配布しており、2か月に1回の発行であり(甲第41号証)、ファッション業界では誰でも知っている程有名である。
オ 請求人は、引用商標の創作・著作者が「ハーベイ・ボールであるとしても無関係」と主張するが、被請求人は、米国訪問時に本件各商標がハーベイ・ボールのものと知りながら帰国後それを剽窃してその原型を商標登録したものであり、不正な行為であり、上記のように無関係とはいえない。
カ 特許庁の審査官が、「出願された商標が他人の著作権と抵触するかどうかについて必要な調査及び人展判断を遂げた上で当該商標の登録査定又は拒絶査定を行うことは、相当な困難が伴う」ことを主張するが、それは警察官の数が少ないから犯罪の一つ一つを見張れないので犯罪がなかったと主張するのと同じであって、受け入れられない。そのため、改正され「商標法第29条」で「他人の著作権と抵触するときは・・・商標登録を使用することはできない」と定められている。
キ 被請求人は、本件各商標を1971年に創作し、まず仏国において商標登録し、使用を許諾してきたと主張するが、前述のようにそれは事実ではない。
ク ハーベイ・ボールの引用商標の創作についてはこれまで多くの証拠によって証明されている。また、世界中の600人以上の著名人が認め「名誉スマイル大使」に就任し、財団に協力している。創作・著作の事実の説明のため、資料を追加提出する(甲第43号証ないし甲第57号証)。
ケ 「本件各商標は被請求人の独創に係る創作であって、その出願・登録について他人の営業活動を妨害するなど不正に使用する目的など一切なかった」と主張するが「東京高裁判決」で「被請求人のビジネスは詐欺の様相を示す」と判示されたことはどのように説明するのか。
コ 「ハーベイ・ボールが引用図形の創作者であったことが世界的に広く知られていたという事実は見あたらない」と主張するが、それらの説明は前述の「名誉スマイル大使の就任」で証明されている。
さらに、米国のテレビで紹介され(甲第58号証)、米国を代表するイメージとして公式ビデオに取り上げられ(甲第59号証)、ハーベイ・ボールの死去は、日本をはじめ世界中の新聞で大々的に報道された(甲第60号証)。
サ 「請求人が主張する『スマイリー・フェイス』については、その著作物としての著名性はおろか、商標としての著名性すら獲得していない」と主張するが、日本での「ニコニコ・マーク」の流行は、サンスター文具によって、1993年以降の米国のハーベイ・ボールの流行をまねたことは多くの関係者によって証言されている。
シ 本件各商標は、被請求人の不正行為を肯定するために後付けで商標登録されたもので不正な行為といわざるを得ない。
ス 被請求人は、「どのような意味において引用図形は『米国が誇る重要な文化遺産』であり日米の友好関係に重要な役割を担ったのか、全く説明がされていない」と主張するが、米国映画「フォレスト・ガンプ」でもそのように描かれている(甲第61号証)。
セ 人口643万人のマサチューセッツ州の上・下院議員総会で可決したことは、軽く扱うべきではなく、本件各商標の登録は、日本と米国政府(マサチューセッツ州)との間の国際信義に反するものといえる。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べている。
1 利害関係について
無効審判の請求人は、審判請求をするについて法律上の利益を有することを要すると解されるが、本件各審判請求人は、本件各商標の無効審判を請求する利益に関して何ら明らかにしていないから、請求人が本件無効審判の請求人適格を有するとは認められないものである。よって、本件無効審判は請求人適格を有しない者による不適法な請求である。
2 請求人の主張について
請求人は、本件各商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に該当する、として本件各商標の登録無効を請求している。しかし請求人のかかる主張は、以下のとおり、何ら根拠がないものである。
3 本件各商標と引用図形について
(1)本件各商標と引用図形の態様
本件各商標は、太線で描かれた正円図形内に、上端から全体の高さの4分の1程度のところの左右対称の位置に、黒塗りの縦長楕円形を2つ並べ(両縦長楕円形の中心間の間隔は直径の約4分の1)、この2つの縦長楕円形の下に、外輪郭を表す円の下半分の曲線に沿うように描かれた中心半径約150度で右上・左上の両端上がりの円弧状の深い弧線と(円周の約40%分の長さで両端は全体の高さの2分の1の位置)、その両端に楕円状の図形(左端)と平たい三角形状の図形(右端)を描いてなるもので、全体としては一見して、人の笑顔をデフォルメし、簡潔的・印象的に表現したものと認識されるものである(図形部分のみ)。
一方、引用図形については、甲第2号証に記載のとおりであり、正円図形内に、上端から正円図形の全体の高さの5分の1程度のところの左右対称の位置に、黒塗りの縦長楕円形の点を2つ並べ(両縦長楕円形の中心間の間隔は直径の約5分の1とかなり狭い)、この2つの縦長楕円形の下に、両端部に黒塗りの潰れた楕円を配する右上・左上の両端上がりの楕円状の鋭角な弧線(弧の下部は下端から高さの4分の1のところに、両端部分は下端から全体の高さの半分からやや上程度に位置する)を描いた図形を表してなるものである。また、甲第2号証中の「1996年7月8日 TELEGRAM(テレグラム紙)」の記事とおぼしき部分の記載によると引用図形は黄色で、この図形は円輪郭内部が塗りつぶされているものと思われる(「黄色いスマイリー・フェイス」等の記述より推察される)。 なお、甲第2号証については、その出所が「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団 日本支部」であり、該財団発行の機関誌であると思われるが、この機関誌が一体どのような方法で誰に配布されているのかが不明である。例えば、引用図形が附された商品の購買者に配られたり、新聞折り込み広告やダイレクトメール等で不特定多数に配布されているなど、一般的に配布され、その発行部数や配布方法も明らかである等、該機関誌の出版物としての性格や客観性が明らかであれば被請求人としても甲第2号証の内容について争うつもりであるが、被請求人はこのような機関誌を見たこともないし、この機関誌の存在の噂も聞いたこともない。つまり、これら該機関誌は請求人(が所属する関連団体)が無効審判、登録異議申立、各種裁判において提出する目的のみをもってして作成した私的な資料であると推察されるし、その内容は請求人(が所属すると思われる関連団体)による引用図形の使用実績を自らで示すことのみを意図したものであろうと思われるから、全く客観的な内容の証拠ではなく、その証拠能力について疑義がある。
(2)引用図形の著作権について
(a)著作権と商標登録要件の概要
請求人は、要旨、本件各商標は引用図形の著作物に依拠し、著作権法第21条の複製権等によってその使用が規制されているから、「他の法律によって、その使用等が禁止されている商標」に該当し、また、米国が誇る文化的遺産であるハーベイ・ボールの創作に係る引用図形の著作物に酷似する本件図形の商標登録を一私人に認めることは、わが国と米国との国際信義に反する行為であるから、本件各商標は商標法第4条第1項第7号の「公序良俗を害する商標」に該当する、と主張する。
まず、その使用が他人の著作権と抵触する商標であっても、商標法第4条第1項第7号についての商標審査基準にいう「他の法律によって、その使用等が禁止されている商標」には該当しないことは、「キューピー人形事件」(東京高判平成13年5月30日(平成12年(行ケ)第386号)において判示されているから、仮に万一ハーベイ・ボールが引用図形の著作権者であるとしても、そのことと本件各商標が商標法第4条第1項第7号に該当することは関係ないので、この点についてはこれ以上反論する必要はないと思料する。
なお、該判決において「特許庁の審査官が、出願された商標が他人の著作権と抵触するかどうかについて必要な調査及び認定判断を遂げた上で当該商標の登録査定又は拒絶査定を行うことには、相当な困難が伴うのであって、特許庁の商標審査官にこのような調査をさせることは、極めて多数の商標登録出願を迅速に処理すべきことが要請されている特許庁の事務処理上著しい妨げとなることは明らかであるから、商標法4条1項7号が、商標審査官にこのような調査等の義務を課していると解することはできない」、「審査と審判とで認定判断の内容等が異なることを前提とする原告の上記主張は、採用することができない」と判示されているので、請求人が主張するようなハーベイ・ボールが「スマイリー・フェイス」を創作し、引用図形が氏の著作物であるのか否かについて、本件各審判においてはこれ以上論点にする必要もないのだが、この事実確認が、本件各商標の商標法第4条第1項第7号の他の要件への該当判断にも間接的に多少影響を与える可能性があるとも思われるので、念のため下記に反論・意見を述べておくこととする。
(b)いわゆるスマイルマークの範疇に属する図形とそれらの創作者・著作者について 被請求人は本件各商標を1971年に創作し、まずはフランスにおいて自己の商標権を登録し、他人にそれら商標の使用を許諾してきた。
一方で請求人は、ハーベイ・ボールが1963年12月にステート生命保険会社からの依頼で「スマイリー・フェイス」を生み出した、また、このマークの著作権者である、と主張する。しかしながら請求人提出の全証拠によると、ハーベイ・ボール及び引用図形に触れたもっとも古い証拠は1996年のもの(甲第3号証)にすぎず、1963年当時の記事や当時のハーベイ・ボールのデッサン等を示した具体的・直接的な立証が一切ないため、請求人主張の事実の真偽について確認する術が無い。請求人は、ハーベイ・ボールが引用図形の創作者であると主張するなら、少なくとも当時の具体的資料(例えばステート生命保険会社による「スマイリー・フェイス」キャンペーンの当時の広告資料や新聞記事等)を提出し、ハーベイ・ボールが1963年に「スマイリー・フェイス」を生み出したことを示す具体的な事実を史実として示すべきである。なお念のため述べるが、甲第3号証及び甲第4号証、甲第7号証ないし甲第9号証のように、博物館の紹介文(甲第3号証、1996年)や紹介記事(甲第4号証、2001年)、ハーベイ・ボールの死亡記事(甲第7号証ないし甲第9号証、2001年)による、ハーベイ・ボールが「スマイリー・フェイス」を創作した・考案者であるとの記述は、具体的にそれら紹介文・記事の筆者が参照したと考えられる「史料」の裏付けがない。また、こうした紹介文・記事の内容は、請求人による事実の創作について各種アピール、宣伝活動、ロビー活動を行い、それらに基づいて書かれたと推測することも十分に可能である。つまり、請求人においてそれら記事内容等が事実であると主張するなら、まずはそれらの筆者が参照した客観的「史料」を提出されたい。
さらに、請求人は、甲第3号証、甲第6号証、甲第10号証ないし甲第12号証により、ハーベイ・ボールが生涯過ごしたマサチューセッツ州ウスター市が、「スマイリー・フェイス」はハーベイ・ボールが創作者であるとの「宣言書」を発行し、1996年7月10日は「ハーベイ・ボールの日」と設定されたこと(甲第10号証より、ハーベイ・ボールの75歳の誕生日パーティーでの出来事と思われる)、ウスター市の「歴史博物館」においてハーベイ・ボールと「スマイリー・フェイス」が取り上げられ「スマイリー展」なるものが開催されたこと、引用図形が米国郵便公社発行の郵便切手の広告に採用されたこと、1998年2月28日のウスター市の市政150年式典において上院議員ジョン・ケリーが演説の中で「スマイリー・フェイスはハーベイ・ボールによって創作されたもの」と公言したこと、1999年9月27日にマサチューセッツ州上・下院議員総会において「スマイリー・フェイス」がハーベイ・ボールによって創作されたことが公認され決議宣言がされた」(実際の決議事項は「ワールド・スマイリー・デイ」なるものの開催に参加し、そのテーマを承認する、程度のものである)、等述べている。しかしながら、この程度の事実のみをもってして、ハーベイ・ボールが「スマイリー・フェイス」又は引用図形の著作者であることの公的証明とはならないことはいうまでもない。また、引用図形の構成は極めて単純・簡潔な態様であって特段独創的なデザインでもないし、いわゆるスマイルマークの範疇に属する図形は我が国でも多様なデザインのものが多く存在していることからも、何人もが創作し得る図形であると思料されるものである。そして、それら個々の図形は社会通念上、他人の著作物の複製又は翻案に当たるものではないと判断されることが取引の安定の観点からしても穏当である。
(3)本件各商標と引用図形の類似性について
引用図形は黄色の色彩を有し、本件各商標とは目や、口の位置・角度において細かい差異があるものである。したがって、引用図形と本件各商標の創作的部分は細かい点において相違するものであり、仮に百歩譲って、引用図形がハーベイ・ボールの創作だとしても、本件各商標は細かい点において引用図形とは相違するものであって、引用図形に依拠して作成されたものではなく、被請求人自身の独創による創作物であることに変わりはない。
なお、この点につき、ハーベイ・ボール又はその関連団体による現在継続中又は過去の商標登録出願における審査において、本件各商標と引用図形とが類似と判断され、引用図形については登録が認められていない、又は、認められなかった事案が存在するが、そもそも商標の類似関係と著作物の類似関係の判断(他人の著作物の複製又は翻案に当たるか否かの判断)は同一の判断基準によるものではない。そもそも、前記「キューピー人形事件」において判示されているように、「特許庁は、狭義の工業所有権の専門官庁であって、著作権の専門官庁ではないから、先行著作物の調査、二次的著作物の創作的部分の認定、出願された商標が当該著作物の創作的部分の内容及び形式を覚知させるに足りるものであるかどうか、その創作的部分の本質的特徴を直接感得することができるものであるかどうかについて判断することは、特許庁の本来の所管事項に属するものではな」いから、特許庁が出願商標について行う商標の類似判断基準と著作権に係る依拠性判断(他人の著作物の複製又は翻案に当たるか否かの判断)は何ら直接的な関係性がないものである。
(4)商標法第4条第1項第7号該当性について
(ア)請求人の具体的主張について
(a)他人の著作物と出願商標について
請求人は、他人の著作権に抵触する商標登録出願についての商標法第4条第1項第7号該当性について種々持論を述べているが、それら持論及び主張は、本件との関係性を逸脱した極めて個人的な論、又は、意見・要望を展開しているにすぎず、被請求人としてもそれら持論及び主張と本件との関連を把握しきれない。請求人の主張を一読すると、現行の商標法は著作物に対する保護規定が十分整っていないから、ひとまず商標法第4条第1項第7号で対応すべき、との請求人の意向が読み取れるが、本件各審判は、そうした請求人の持論・意見・希望に係る法政策論や立法論についてその是非や展望・改正について議論すべき場ではないし、被請求人としてもそれら希望に対する意見を述べる立場にない。したがって以下では、過去の審決・判決例に沿って本件各商標についての商標法第4条第1項第7号の適用の可否について述べる。
まず、上記で述べたとおり、引用図形がハーベイ・ボールの著作物であるという確証が得られていないこともあり、引用図形が著作物であるとの前提に立った請求人の主張は全く失当である。
請求人は、本件各商標の登録出願前において、本件各商標は他人(ハーベイ・ボール)の著作権に抵触しており、著作権者に無断で登録出願したから、不正の目的をもって冒用出願されたものであると主張する。しかしながら、繰り返すように、本件各商標は被請求人の独創に係る図形であって、その出願・登録について、他人の営業活動を妨害するなど不正に使用する目的など一切なかったものである。また、審判請求時においても本件各商標の登録により我が国の商取引の秩序が乱されていることもなく、請求人提出の全証拠からもそうした事実は見当たらない。さらに、本件各商標の出願時・登録時及び本件各審判請求時において、ハーベイ・ボールが創作したと請求人が主張する引用図形が実際に世界中で一般的に広く使用されていた事実は見当たらないし、請求人が主張するようにハーベイ・ボールが引用図形の創作者であったことが世界的に広く知られていたという事実も見当たらない。引用図形はスマイルマークの範疇に属する図形の一種であるが、そもそも本件各商標の出願時から現在までの間、スマイルマークの範疇に属する図形のブームはとっくに終焉しているし、今日に至るまで我が国においても多数のスマイルマークの範疇に属する図形が使用・商標登録がされてきたことからも、引用図形はすでに相当程度希釈化してしまっていると考えるのが自然である。このことからも、スマイルマークの範疇に属する図形の一つであるハーベイ・ボールが創作したと請求人が主張する「スマイリーフェイス」については、その著作物としての著名性はおろか、商標としての著名性すら獲得されていないといえる。
また、仮にハーベイ・ボールが引用図形について著作権を有していたとしても、我が国の商標法上は、他人の著作権と抵触する商標に係る登録を明示的に禁止する規定は一切存在しない。請求人は「特許庁審判においては、著作権等他の法律違反の登録商標に対しても7号規定による無効理由とし得ることはいうまでもない」と持論を展開するが、少なくとも「他の法律」に著作権法が含まれるべきでないことは、前掲の「キューピー人形事件」(東京高判平成13年5月30日(平成12年(行ケ)第386号)において既に判示されている。
また、請求人は上記主張に続き、「そのような(商標法第4条第1項第7号違反の意味と思われる)本件各商標の登録やそれに基づく第三者への使用許諾を商標法が認めることは、不法行為の正当性を被請求人に認める結果となるから、正に法の矛盾であり、公序良俗に反する登録」と主張する。しかし、この主張は現行の商標法の規定を全く顧みておらず、請求人の独自の持論にすぎない。
(b)本件各商標の商標法第4条第1項第7号該当性
商標法第4条第1項第7号は、公の秩序または善良の風俗を害するおそれのある商標は商標登録を受けることができない旨規定し、商標審査基準によると、おおよそa)当該商標の構成自体が矯激、卑猥、差別的な文字、図形である場合など、その商標を使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反する場合、b)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、c)当該商標ないしその使用が特定の国若しくはその国民を侮辱し又は一般に国際信義に反するものである場合、のそれぞれである。なお、過去の判決においては、これらa)?c)以外にも、「特定の商標の使用者と一定の取引関係その他特別の関係にある者が、その関係を通じて知り得た相手方使用の当該商標を剽窃したと認めるべき事情があるなど、当該商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、その商標登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合」(東京高判平成16年12月21日 平成16年(行ケ)第7号)と判示したものもあるが、これら判決後の知財高判平成20年6月26日(平成19年(行ケ)第10391号、第10392号)において、「当該出願人が本来商標登録を受けるべき者であるか否かを判断するに際して,先願主義を採用している日本の商標法の制度趣旨や,国際調和や不正目的に基づく商標出願を排除する目的で設けられた法4条1項19号の趣旨に照らすならば,それらの趣旨から離れて,法4条1項7号の『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ』を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは,商標登録の適格性に関する予測可能性及び法的安定性を著しく損なうことになるので,特段の事情のある例外的な場合を除くほか,許されないというべきである」、「 特段の事情があるか否かの判断に当たっても,出願人と,本来商標登録を受けるべきと主張する者(例えば,出願された商標と同一の商標を既に外国で使用している外国法人など)との関係を検討して,例えば,本来商標登録を受けるべきであると主張する者が,自らすみやかに出願することが可能であったにもかかわらず,出願を怠っていたような場合」と判示されていることから、前記東京高裁平成16年12月21日判決(平成16年(行ケ)第7号)において判示された商標法第4条第1項第7号の拡大解釈に基づく当事者間の私的領域への同号の適用の指針は、場合にもよるが(例えば著名な著作物の題号の場合など)、もはや一般的には実効性がないものであろう。
したがって、ここでは本件各商標の商標法第4条第1項第7号該当性について、上記a)?c)のみを基準として検討する。
まず上記基準a)について、あえて述べるまでもなく、本件各商標の構成は矯激、卑猥、差別的な文字、図形からなるものではないから、基準a)には該当しない。
また、上記基準b)については、本件各商標は何ら「他の法律」によって使用等が禁止されているものではないことは明らかである。繰り返すが、仮に万一本件各商標が他人の著作権と抵触する商標であるとしても、上記基準b)にいう「他の法律」によって、その使用等が禁止されている商標」には該当しないことは、「キューピー人形事件」(東京高判平成13年5月30日(平成12年(行ケ)第386号)において判示されている。
すると、本件各商標が商標法第4条第1項第7号に該当するためには、上記基準c)に該当することが立証されていなければならないということになる。この点につき、請求人は何ら証拠を挙げることなく、要旨、引用図形はハーベイ・ボールの著作物であり米国の文化的遺産としても価値あるものだから、本件各商標登録はその著作物の価値や名声・評判を損なうおそれがあり、日米の国際信義に反する行為である、とだけ主張する。つまり、いったいどのような意味において引用図形は「米国が誇る重要な文化的遺産」であり日米の友好関係に重要な役割を担ったのか、全く説明がされていない。商標法第4条第1項第7号該当性について、過去の判例の多くは、個別具体的事情を総合考慮し、適用の可否を判断しているが、請求人の上記主張は具体的事情が全く示されておらず、被請求人としても反論のしようがない。
なお、請求人は、むすびの項目において、「本件に対しては・・・参考事例となる」として過去の審決・判決を挙げているので、ここでは請求人の参考事例のうち、「赤毛のアン事件」(知財高判平成18年9月20日(平成17年(行ケ)第10349号)と本件各商標の登録出願における個別具体的な事情等を、請求人に代って比較・検討する。
「赤毛のアン事件」は、カナダ国の小説家モンゴメリが著した著名な小説の原題「Anne of Green Gables」を、カナダ国の一企業が商標登録出願し登録が認められた商標について、カナダ国プリンス・エドワード・アイランド州が無効審判請求をし、特許庁が、指定商品中の第9類についての商標登録は日本とカナダ国政府との間の国際信義に反してなされたから商標法第4条第1項第7号の規定に違反して無効であるとの審決をしたため、商標権者であるカナダ国の一企業が同審決の取消しを求めた事案であった。そして、該判決においては、a)本件各商標は世界的に著名で高い文化的価値を有する作品の原題であって、指定商品との関係で該著作物や原作者の価値、名声、評判を損なうおそれがないとはいえない、b)該著作物はカナダ国の誇る重要な文化的遺産であって日本においても親しまれ、我が国とカナダ国の友好関係に重要な役割を担ってきた作品である、c)したがって本件各商標の登録を認めることは我が国とカナダ国の国際信義に反し、両国の公益を損なうおそれが高い、d)該著作物の原題「Anne of Green Gables」の文字からなる標章はカナダ国において公的標章として保護されている、e)該著作物は大きな顧客吸引力をもつ、f)商標権者と著作者の遺産相続人との間の合意に照らし、商標権者による商標登録出願の経緯には社会的相当性を欠く面があったことは否定できない、と認定し、これらを総合考慮した結果、カナダ国の一企業の登録商標「Anne of Green Gables」は商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するから、審決の判断は正当であったと帰結している。
まずa)の点について、「赤毛のアン事件」においては、該著作物は1908年に出版されて以来、カナダ国内はもとより、多くの言語に翻訳され世界的ベストセラーになり、さらにテレビ化・映画化・舞台化され多くの観客を魅了してきたこと、カナダ国の公的諮問機関が1943年に著者であるモンゴメリをカナダ国の歴史上の重要な人物に指定したこと、登場人物の家のモデルとなった家及び周辺は国立公園内で保護されていること、プリンス・エドワード州政府は該著作物と関係のある施設や場所を整備、保全するなどの努力を行っていること、などから、カナダ国政府が該著作物の文化的な価値を積極的に高く評価し、カナダ国及びその国民においても該著作物がカナダ国の誇るべき重要な文化的遺産として認識されている、と認定され、「Anne of Green Gables」が世界的に著名で高い文化的価値を有する該著作物の題号であると判断された(なお、「著作物の評価や名声がその題号に化体し」とも判示されている)。これに対し、本件についてみると、引用図形にまつわる事情としては、請求人提出の全証拠からは、引用図形が世界的に著名であることや、例えば漫画・アニメ化されるなどの引用図形の2次的使用の事実も見いだせない。また、ウスター歴史博物館における引用図形の展示は常設展ではないし、米国郵便公社による切手のキャンペーンにおいて引用図形が採用されたのも、所詮国民の投票によって選ばれたにすぎないから、これら事実からすると、合衆国政府並びに州政府が引用図形を文化的遺産として積極的に保護しているとは到底認められないものである。
b)について、「赤毛のアン事件」においてはa)のとおり、該著作物はカナダ国の誇る重要な文化的遺産であると認定され、さらに我が国に関する事実として、我が国からも該著作物の舞台であるプリンス・エドワード島に毎年多くの日本人が観光に訪れており、日加外交関係樹立70周年の記念祭においてカナダ国首相から日本語訳者の孫に文化交流促進功労賞が手渡されたこと、「愛・地球博」においても登場人物に関する様々な行事を開催したこと、などが認定され、該著作物が我が国とカナダ国の友好関係に重要な役割を担ってきたと判断された。これに対し、本件についてみると、これに類する事実が一切ない。本件においては証拠として提出されていないが、被請求人の商標についてされた別の無効審判において提出された証拠によると(必要であれば提出の用意がある)、そもそもスマイルマークの範疇に属する図形は、我が国においては本件各商標の出願前から現在に至るまで数多くの多様な図形が多くの出願人によって登録出願・商標登録又は使用がされてきたものであり、例えば1970年代においては、「ニコニコ・マーク」「スマイル・マーク」「ラブピース」のマークとして我が国の企業(例えばサンスター文具社等)が独自にスマイルマークを国内で流行させてきた経緯がある(その後すぐに流行は収束した)。つまり、確かに過去においては引用商標に似た図形が我が国でも流行となったものの、それは米国の文化的遺産として親しまれたのではなく、我が国で独自にデザインされたスマイルマークの範疇に属する図形が、米国での実情と関係なく我が国で親しまれ流行となったマークなのである。また、そうした我が国での過去の流行時から現在まで、我が国で独自に歩んできたスマイルマーク又はハーベイ・ボールが創作したと請求人が主張する引用図形が、我が国と米国との友好関係に重要な役割を担った事実(我が国での式典等)について、被請求人は不知である。
c)については、事実関係は上記a)、b)のとおりであるから、本件についていえば、本件各商標の登録が我が国と米国の国際信義に反し両国の公益を損なうおそれは全く見いだせない。
d)において、「赤毛のアン事件」においては、該著作物の原題「Anne of Green Gables」の文字標章がカナダ国において公的標章として保護されている。これに対し、本件についてみると、引用図形は、合衆国政府又は州政府から公的標章と同様の性質をもった保護がされているとはいえない。なお請求人は、マサチューセッツ州ウスター市が「スマイリー・フェイス」はハーベイ・ボールが創作者であるとの「宣言書」を発行(甲第10号証)、1998年2月28日のウスター市の市政150年式典において上院議員ジョン・ケリー氏が演説の中で「スマイリー・フェイスはハーベイ・ボールによって創作されたもの」と公言した(甲第11号証)、1999年9月27日にマサチューセッツ州上・下院議員総会において「スマイリー・フェイス」がハーベイ・ボールによって創作されたことが公認され決議宣言がされた」(甲第12号証)などの事実を述べるが、そうした宣言や公言によって引用図形が公的に保護されていることの証左とはならないし、他人が引用図形に似た標章を商標として登録することが公的に禁止されていることにもならない。つまり、引用図形は合衆国政府等による公的な保護を何ら受けているわけではないのである。このことよりしても、本件各商標の登録は、我が国と合衆国政府等との間で何ら国際信義に反するものではないといえる。
e)についても、「赤毛のアン事件」においては該著作物が世界的に著名であるから、その題号自体は計り知れない経済的価値を有すると判断されているが、本件については、そもそも引用図形が仮にハーベイ・ボールの著作物であるとしても、その事実は世界的に一般に広く知られている事実とはいえない。また、我が国においても多数のスマイルマークの範疇に属する図形が使用・商標登録されていることからしても、そもそもスマイルマークの範疇に属する図形についての著作権の帰属先が曖昧に捉えられているのでおり、ハーベイ・ボールの著作物であると請求人が主張する引用図形に限っていえば、その引用図形自体の経済的価値については、スマイルマークの範疇に属する全図形の有する経済的価値の中のほんの一部を構成するに過ぎない。
最後にf)について、「赤毛のアン事件」においては、カナダ国の一企業(商標権者)が「Anne of Green Gables」の商標登録出願前において、著作者の遺産相続人との合意書により著作者の遺産相続人が該著作物に関する全ての権利を有することを確認しているにも関わらず、自らで商標登録出願に至ったものであり、この点において商標権者による出願の経緯には社会的相当性を欠く、と判断されている。本件についてみると、本件各商標は被請求人の独創に係る図形であり、被請求人はハーベイ・ボールと、互いの創作した図形に関する権利関係に関する確認書のような私的文書を作成する必要もなかった。また、そもそも互いの間に一切の取引関係はなかったものである。また、被請求人は、引用図形の使用を阻害したり、他のスマイルマークの範疇に属する図形に係る他人の使用を阻害する目的もないし、それら他人の営業の妨害をする意図もない。被請求人は自身の創作したスマイルマークについて、1971年の創作時以来、それを他人に使用許諾し、使用料収入を得るというライセンスビジネスを行ってきたものだが、そのようなビジネスモデルの前提として、商標ライセンス契約における対象標章に係る権利を定義するため、また、ライセンス契約後におけるライセンシーによる標章の使用を安全なものとするためにも、商標登録は欠かせないものであって、その意味で被請求人の本件各商標の出願の経緯は、一切社会的相当性を欠くものではない。
以上のとおり、請求人が「参考事例となる」として挙げる「赤毛のアン事件」と本件とを比較し、本件に係る個別具体的な事実を総合考慮するも、本件各商標の登録は我が国と米国との国際信義に反するものではないと思料される。
したがって、本件各商標は、商標法第4条第1項第7号該当性に係る現行の判断基準に照らし、いずれの基準にも該当しないものであるから、請求人の主張は理由がない。
(イ)「赤毛のアン事件」について付記
ちなみに、「赤毛のアン事件」においては本件と事案が異なり、著作物の題号についての事案であるが、その中で、「本件著作物のような世界的に著名な題号が有する経済的な価値は,計り知れないものがある」とした上で「本来万人の共有財産であるべき著作物の題号について,当該著作物と何ら関係のない者が出願した場合,単に先願者であるということだけによって,当該指定商品等について唯一の権利者として独占的に商標を使用することを認めることは相当とはいい難く」と判示しており、その著名な著作物と何ら関係のない者が行った出願・登録は「公の秩序または善良の風俗を害するおそれのある商標」に該当すると解するべきであるとしている。しかしその一方で、「当該著作物の著作者が死亡して著作権が消滅した後も,その相続人ないし再相続人がその題号について,強い権利を行使することを認めることは,著作権を一定の期間に限って保護し,期間経過後は万人がこれを自由に享受することができる状態になるものと想定した著作権法の趣旨に反する」、「著作者の相続人やその運営・管理する団体による著作物の題号の商標登録が,当該著作物,原作者又は主人公の価値,名声,評判を維持・管理するなどの公益に資する場合は格別,単に私的な利益を追求するものであれば,上記第三者の場合と同様,そのような商標登録が我が国の公序良俗に反するものとして制限されることも当然あり得るというべきである」旨判示されている。
つまり、「赤毛のアン事件」では、著作物及び題号の著名性が認定され、それと併せ、著作物の題号を万人の共有財産とし、著作物の題号が万人の共有財産である以上、私的利益を追求する商標登録であれば、著作権の相続人やその運営・管理する団体による著作物の題号の商標登録も我が国の公序良俗に反するものとして制限されることも当然あり得るとしているのである。
本件引用図形は著作物の題号に係るものではないので厳密には事案は異なるが、仮に上記「赤毛のアン事件」での判示事項を本件等に類推適用するならば、引用図形が仮に合衆国政府並びに州政府が文化的遺産として積極的に保護する世界的に著名な図形であると認定されるのであれば、引用図形は万人の共有財産と認定されることに等しいのであり、その場合、私益を追求する意図をもってなされた商標登録は我が国の公序良俗に反するとして、何人にも許されないと解されるものである。
そうすると、本件とは全く関係ないが、ハーベイ・ボール及び遺産相続人、その運営・管理団体による私益目的での引用図形の登録は全て無効理由(商標法第4条第1項第7号に該当)が存在することになる。故ハーベイ・ボールの関連団体であると思われる「有限会社ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッド」は、有限会社である以上私的利益を追求する企業であると思われるが、該有限会社は、引用図形と同一の図形を商標の図形部分の構成とする商標として、例えば登録第5220819号、同第5109675号、 同第4891190号、同第4856556号、同第4856555号、同第4836807号、同第4836806号、 同第4827596号、同第4811505号、同第4773644号、同第4758540号、同第4758529号、同第4758527号、同第4746890号、同第4732728号、同第4732727号、同第4696054号、同第4696053号、同第4696052号、同第4695530号、同第4673629号、同第4665607号、同第4665594号、同第4665592号、同第4590881号、同第4574597号、同第4574596号、同第4574594号、同第4574592号、同第4556531号、同第4556530号、同第4551122号、同第4551121号、同第4551120号、同第4539704号、同第4516643号、同第4370013号、同第4268265号を所有している。また、同社名義で例えば商願2008-100088、2008-99673、2008-99672、2008-98784、2008-98783、2008-98782、2008-98781、2008-98780、2008-98779、2008-98778、2008-98777、2008-98776、2008-93419、2008-83397、2008-49350、2008-4647、2004-79003、2004-78985として引用図形からなる商標が登録出願されている。いうまでもなく、本件の審決の内容によっては、これら商標権又は出願は全て商標法第4条第1項第7号に該当するとされ、無効又は登録が拒絶されるおそれがあることになる。この点は請求人の関心に合致することと思われたので、念のため述べた。
(5)本件各商標の商標法第4条第1項第15号及び同第19号該当性について
商標法第4条第1項第15号及び同第19号は、引用商標の周知・著名性が前提になっていると解される。
そこで、請求人提出の全証拠を検討するも、請求人の引用図形が周知・著名な「商標」であることは全く明らかにされていない。仮に1963年にハーベイ・ボールによって創作されたスマイリー・フェイスがある程度知れ渡っているとしても、その「スマイリー・フェイス」が、本件各商標の出願時及び登録時から現時点に至るまでの間、誰のどのような業務に係る商品又は役務を表示するものとして周知・著名な標章であったのかが、判然としない。基本的な話ではあるが、商標法が予定する商標の周知・著名性とは、ある標章が特定の商品又は役務について使用された結果、その商品又は役務について標章が周知・著名となっている場合をいうのであり、標章のみはそれ自体がある程度知れ渡っていたとしても、それが何らかの業務に係る商品又は役務との繋がりにおいて広く知れ渡っているのでなければ、商標法の予定する周知・著名な商標には該当しないものである。本件各審判請求については、請求人は実際に商標を使用している商品・役務(もちろん、実際に取引の対象となっているもの)はおろか、それら商品・役務の販売高や販売量、営業の規模を明らかにする具体的資料の類いも一切提出しておらず、請求人の引用商標の周知・著名性を認めるには相当の無理がある。
したがって、本件各商標と引用図形の類似性や被請求人の不正の目的について反論するまでもなく、本件各商標が商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しないことは明らかであり、請求人の主張は失当である。
(6)本件各審判請求の理由の全体について
請求人は本件各商標は商標法第4条第1項第7号、同第15号、同第19号に該当すると主張する。しかしながら請求人は、本件各商標の商標法第4条第1項第7号該当性の主張において「ハーベイ・ボールの創作に係る引用図形の著作物は、米国が誇る重要な文化的遺産であり・・・わが国が引用図形の著作物の価値や名声や評判を損なうおそれがあるような酷似図形である本件図形の商標登録を一私人に認めることは、わが国と米国との国際信義に反する行為となり・・・本件各商標は商標法第4条第1項第7号の『公序良俗を害する商標』に該当」すると述べている。つまり、請求人において、引用図形と酷似する図形が我が国で登録されることは米国との関係において国際信義に反し「公序良俗を害する商標」であると主張するのは、(その是非はさておき)引用図形の著作物が公益的な性質を有していることを前提としているのである。にもかかわらず、請求人は本件各商標は商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当すると主張する。言うまでもなく両規定は、「他人の業務に係る商品又は役務」について標章が使用された結果、その「他人の業務に係る商品又は役務」について標章が周知・著名となっている場合をいうのであって、その前提としては私益の保護規定である。
したがって、請求人は引用図形が公益的に保護されるべきとして本件各商標の無効を声高に主張していながら(商標法第4条第1項第7号該当性)、同時に、私益の追求に基づく本件各商標の無効の主張を行っているのであり(同第15号、同第19号該当性)、つまりは互いに排他的な主張を惜しげも無く行っているのである。いうまでもなくこれら主張は互いに矛盾するのであるから、本件各審判請求はその論拠が破綻しているのであって、主張に一貫性がなく支離滅裂な審判請求理由であるといわざるをえない。
(7)むすび
以上のとおり、本件各商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号、同第19号に違反して登録されたものではない。

第4 当審の判断
1 利害関係について
本件審理に関し当事者間に利害関係についての争いがあるので、まず、この点について判断する。
甲第62号証ないし甲第64号証によれば、請求人は、ジャス・インターナショナル株式会社と「SMILEY FACE」の商品化を希望する企業を紹介する代理人契約を行っていることが認められる。
そして、本件においては、請求人は、その主張に照らせば、本件各商標と上記「SMILEY FACE」商標との間で、出所の混同を生ずるおそれがあると思料しているものと認められ、本件各商標の登録の有無により、引用商標の登録の所有者の地位に影響を受ける者といい得るものであるから、請求人が本件各商標の登録の無効を求め、本件各審判請求をすることについて、法律上の利害関係があるものというべきである。

2 事実関係
(1)請求人の提出した証拠からは以下の事実が認められる。
ア 引用図形は、1970年代前半に米国において流行し、引用図形やこれとやや異なるデザインの図形を付した商品を各社が多数販売していたこと(甲第15号証)。
また、サンスター文具が、引用図形とほぼ同様のマークを取り入れてた文具を1970年から販売し、日本においても引用図形及びそれと近似する図形が「スマイルマーク」等と称され流行したこと(甲第15号証)。
イ 引用図形は、ハーベイ・ボールによって、1963年に創作されたものであるとされ、ウスター市は、ハーベイ・ボールが引用図形の著作者として、ハーベイ・ボールの75歳の誕生日である1996年7月10日をハーベイ・ボールの日」としたほか、ウスター市歴史博物館において同日ころに「スマイリー展」が開催されたこと。1998年2月28日に行われたウスター市市政150周年記念式典において米国上院議員ジョン・ケリー、郵政公社の来賓らが引用図形がハーベイ・ボールの創作である旨の発言をしたこと(甲第2号証、甲第3号証、ほか)また、2001年4月12日にハーべー・ボールが死去し、それについて、日本をはじめ、米国、イギリスなどの新聞において、「スマイルマーク」の創作者として取り上げられ、報道されたこと(甲第4号証、甲第7号証ないし甲第9号証、甲第41号証、ほか)。
ウ 被請求人は、我が国において、引用図形とその特徴を共通にする図形を商標登録し、「イングラム」を代理店として、ライセンス事業を行ったこと(甲第18号証の1及び2、甲第19号証、甲第20号証、ほか)。なお、被請求人は、1971年に被請求人図形を創作したとしていたが、その点についての的確な証拠はなく、むしろ、請求人の創作の事実を疑わせる、若しくは否定する事実がある(甲第14号証ないし甲第17号証、甲第21号証、甲第22号証、甲第28号証の1、ほか)。
エ 1998年に米国郵政公社が米国の1970年代を象徴する出来事等にまつわるものとして発行した記念切手の一つに引用図形に関するものがあったこと(甲第5号証、甲第6号証、甲第26号証の1ないし3、ほか)。また、引用図形は「AMERICAN CLASSICS」と題するビデオに取り挙げられ、紹介されたほか、1994年に上映された米国映画「フォレスト・ガンプ」において米国1970年ころのシーンに登場している(甲第44号証)。
オ ハーベイ・ボールは、「スマイリーマークを世界平和の礎とする」として、1999年10月1日にウスター市「ワールド・スマイル・デイ」が開催されたこと。このイベントにはウスター市が協力し、また、マサチューセッツ州が参加することについてマサチューセッツ州上院及び下院による合同決議が1999年9月27日になされたこと(甲第12号証)。
その後、ハーベイ・ボールの死後設立されたハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団により、「ワールド・スマイル・デイ」は、ウスター市において、毎年開催され、「第4回ワールド・スマイル・デイ」が2002年10月4日に開催されたこと(甲第41号証)。
なお、これらの「ワールド・スマイル・デイ」について、米国等で広く報道されたというような証拠はない。
カ ハーベイ・ボールワールド・スマイル財団は、「スマイリーマークを世界平和の礎とする」を目的として、米国その他の国において、著名人に「名誉スマイル大使」就任を要請し、協力を得たこと。なお、本件各商標の出願時及び登録査定時における協力者の人数は明らかではないが、2004年4月10日付け「SMILE NEWS 2004年春号 VOL.15」によれば、178人の氏名が認められる(甲第41号証)。
我が国においても「名誉スマイル大使」として2003年1月1日付け発行の「SMILEY NEWS」には、会長、副会長、推進委員としてテレビタレントなどの著名人279名が「名誉スマイル大使」として活動していること、それらの賛同者の中には、「スマイリー・マークのバッジなどを身につけテレビ出演したことが認められる(甲第41号証)。
キ なお、本件各商標が商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に係る無効事由に該当するかどうかの基準日は、登録査定時(若しくは出願時及び登録査定時)であるから、本件各商標の登録査定時以降の事情についての証拠は採用できない。
また、請求人は、本件各商標の出願時及び登録査定時において、引用図形がハーベイ・ボールワールド・スマイル財団などの特定の者の業務に係る商品であることを表示する商標として、広く知られていると認めるに足る証拠を何ら提出していない。

3 商標法第4条第1項第7号該当性について
請求人が、本件各商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして主張している以下の2点について検討する。
(1)請求人は、「本件各商標は、引用図形の著作物に依拠し、これを模倣又は剽窃して、その登録出願をしたものであるところ、本件各商標の商標権者が第三者に対して商標の使用許諾契約を行っている事実は、本来、他人の著作権と抵触するにもかかわらず、その著作権者による許諾を得ずに行っている行為であるから、正に商標法29条により登録商標の使用が制限されているにもかかわらず、これを行っていることになる。したがって、そのような本件各商標の登録やそれに基く第三者への使用許諾を商標法が認めることは、不法行為の正当性を被談求人に認める結果となるから、正に法の矛盾であり、公序良俗に反する登録として無効とされるべきものである。』と主張している。
上記主張は、本件各商標が、請求人の主張する著作権に抵触することを理由にするものである。
しかしながら、図形等からなる商標について登録出願がされた場合において、その商標の使用が他人の著作権を侵害しこれと抵触するかどうかを判断するためには、単に当該商標と他人の著作物とを対比するだけでは足りず、他人の著作物について先行著作物の内容を調査し、先行著作物の二次的著作物である場合には、原著作物に新たに付与された創作的部分がどの点であるかを認定した上、出願された商標が、このような創作的部分の内容及び形式を覚知させるに足りるものであるかどうか、このような創作的部分の本質的特徴を直接感得することができるものであるかどうかについて判断することが必要である。著作権は、特許権、商標権等と異なり、特許庁における登録を要せず、著作物を創作することのみによって直ちに生じ、また、発行されていないものも多いから、特許庁の保有する公報等の資料により先行著作物を調査することは、極めて困難である。
また、特許庁は、狭義の工業所有権の専門官庁であって、著作権の専門官庁ではないから、先行著作物の調査、二次的著作物の創作的部分の認定、出願された商標が当該著作物の創作的部分の内容及び形式を覚知させるに足りるものであるかどうか、その創作的部分の本質的特徴を直接感得することができるものであるかどうかについて判断することは、特許庁の本来の所管事項に属するものではなく、これを商標の審査官が行うことには、多大な困難が伴うことが明らかである。
さらに、このような先行著作物の調査等がされたとしても、出願された商標が他人の著作物の複製又は翻案に当たるというためには、上記のとおり、当該商標が他人の著作物に依拠して作成されたと認められなければならない。依拠性の有無を認定するためには、当該商標の作成者が、その当時、他人の著作物に接する機会をどの程度有していたか、他人の当該著作物とは別個の著作物がどの程度公刊され、出願された商標の作成者がこれら別個の著作物に依拠した可能性がどの程度あるかなど、商標登録の出願書類、特許庁の保有する公報等の資料によっては認定困難な諸事情を認定する必要があり、これらの判断もまた、狭義の工業所有権の専門官庁である特許庁の判断には、なじまないものである。
加えて、上記のとおり、特許庁の審査官が、出願された商標が他人の著作権と抵触するかどうかについて必要な調査及び認定判断を遂げた上で当該商標の登録査定又は拒絶査定を行うことには、相当な困難が伴うのであって、特許庁の商標審査官にこのような調査をさせることは、極めて多数の商標登録出願を迅速に処理すべきことが要請されている特許庁の事務処理上著しい妨げとなることは明らかであるから、商標法第4条第1項第7号が、商標審査官にこのような調査等の義務を課していると解することはできない。
してみれば、その使用が他人の著作権と抵触する商標であっても、商標法第4条第1項第7号に規定する商標に当たらないものと解するのが相当であり、同号の規定に関する商標審査基準にいう「他の法律(注、商標法以外の法律)によって、その使用等が禁止されている商標」には該当しないものというべきである。
したがって、本件各商標が他人(ハーベイ・ボール)の著作権に抵触する商標であるという理由をもって、商標法第4条第1項第7号に該当するということはできない。
(2)請求人は、「引用図形の著作物は、米国が誇る重要な文化的遺産であり、わが国においても世代を超えて広く親しまれ、わが国と米国との友好関係に重要な役割を担ってきた作品であり、わが国が引用図形の著作物の価値や名声や評判を損なうおそれがあるような酷似図形である本件図形の商標登録を一私人に認めることは、わが国と米国との国際信義に反する行為となり、両国の国民的公益を損なうおそれが高くなり、及び引用図形の著作物は強力な顧客吸引力を有するものであり、引用図形と酷似する図形から成る本件各商標の登録を、引用図形の著作物とは何らの関係のない一私人に認め、その使用を独占させることは穏当でないことなどを総合考慮すれば、本件各商標は商標法第4条第1項第7号の『公序良俗を害する商標』に該当する。」と主張する。
確かに、前記2で認定したとおり、引用図形は、米国において、1970年前半ころに流行し、各種商品に使用されたことが認められ、その後、日本においても流行したことが認められる。
しかしながら、引用図形が米国において前記時期に流行したことから、米国の1970年代を端的に表すもの一つのとして、米国の1970年代に関する記念切手に採用されたり、ビデオや映画中に取り上げられている事実が認められるとしても、引用図形が我が国と米国との友好関係を担ってきたとすべき証拠は、請求人の提出する証拠によっては何ら認めることはできない。加えて、引用図形が米国において文化遺産として保護されているとする事情も認められない。
さらに、ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団が米国マサチューセッツ州ウスター市を中心として、その財団の活動に使用している事実はあることは認められるとしても、引用図形がその活動を表示するものとして、米国においても、我が国においても、広く知られているとするような事実は認められない。
そうとすると、本件各商標が引用商標に酷似するものであるとしても、被請求人が本件各商標を採択使用することが、国際信義に反する行為とはいうことができない。
したがって、この点についての請求人の主張は採用しない。
(3)したがって、本件各商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第15号該当性について
請求人は、「本件各商標の場合、本件図形又はこれに類似する図形が、引用図形の著作物の著作者であるハーベイ・ボール又はハーベイ・ボールの正当な承継人の業務又はそれらの者から許諾を得て業務を行っている者の業務(『他人の業務』)に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であることが明らかであるから、本件各商標は、本号の『他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標』に該当するものといえるのである。」と主張している。
しかしながら、本件各審判請求は、本件各商標は、後記5のとおり、被請求人が「不正の目的をもって商標登録を受けた場合」に該当しないものであり、加えて、上記2で認定した事実によれば、引用図形が特定の者の業務や商品に使用され、本件各商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者にその出所を表すものとして知られているというような事実もない。
したがって、本件各商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

5 商標法第4条第1項第19号該当性について
請求人は、「本件各商標の場合、本件図形に酷似する引用図形が、引用図形の著作物の著作者であるハーベイ・ボール又はハーベイ・ボールの正当な承継人の業務又はそれらの者から許諾を得て業務を行っている者の業務(『他人の業務』)に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国におけるキャラクター・マーチャンダイジング業界に関係する業者(一次需要者)や商品の購入者(二次需要者)の間に広く認識されているにも拘わらず、披読求人は自ら登録商標を使用せず、これと同一又は類似の商標を使用することが見込まれる者に対し、商標権を行使して不正の利益を得る目的や他人に損害を加える目的を有している者であるから、本件各商標は全体として不正な目的をもって使用されているものといえる。したがって、本件各商標は、本号の「他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするもの」に該当するものといえるのである。」旨主張する。
しかしながら、上記2で認定した事実によれば、引用図形がハーベイ・ボール財団及びその関係者の業務に係る商品を表示する商標として広く知られているとは認められない。また上記2(1)で述べたとおり、本件各商標が著作権に抵触するかどうかは、判断し得ないものであって、被請求人が本件各商標権により本件各商標の使用を許諾し、使用料を得ることが必ずしも不正の目的を有するとはいえず、その他本件全証拠によっても本件各商標が「不正の目的を持って使用するものである」と認めることはできない。
したがって、本件各商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

6 まとめ
以上のとおり、本件各商標は商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項第1号に該当しない。
なお、請求人は、平成21年8月28日付け上申書において、「答弁書に対する補充を提出するので、それまで審理終結を待ってもらいたい」旨主張しているが、未だ提出されず、かつ、被請求人の答弁に対して既に5回の弁駁書の提出を行っているので、本件各審判を終結した。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)登録第4383604号商標(無効2008-890086)
(ア)商標の構成


(2)登録第4383605号商標(無効2008-890087)
(ア)商標の構成
登録第4383604号商標(別掲(1))と同じ
(イ)登録出願日:平成8年12月17日
(ウ)設定登録日:平成12年5月19日
(エ)指定商品:第5類「歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,人工受精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳糖,ばんそうこう,包帯,包帯液」

(3)登録第4379715号商標(無効2008-890088)
(ア)商標の構成
登録第4383604号商標(別掲(1))と同じ
(イ)登録出願日:平成8年12月17日
(ウ)設定登録日:平成12年4月28日
(エ)指定商品:第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,盗難警報器,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム,動力付床洗浄機,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター、但し、計算尺を除く」

(4)登録第4347375号商標(無効2008-890089)
(ア)商標の構成

(イ)登録出願日:平成8年7月24日
(ウ)設定登録日:平成11年12月24日
(エ)指定商品:第20類「家具,貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,葬祭用具,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,うちわ,買物かご,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。),植物の茎支持具,食品見本模型,人工池,すだれ,ストロー,せんす,洗濯挟み,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),つい立て,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),ハンガーボード,びょうぶ,ベンチ,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),盆(金属製のものを除く。),マネキン人形,麦わらさなだ,木製又はプラスチック製の立て看板,郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),洋服飾り型類,理髪用いす,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,あし,い,おにがや,きょう木,しだ,すげ,すさ,竹,竹皮,つる,とう,麦わら,木皮,わら,きば,鯨のひげ,甲殻,さんご,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,海泡石,こはく」

(5)登録第4144135号商標(無効2008-890091)
(ア)商標の構成
登録第4347375号商標(別掲(4))と同じ
(イ)登録出願日:平成8年5月31日
(ウ)設定登録日:平成10年5月15日
(エ)指定商品:第24類「ふきん,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブルカバー,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」

(6)登録第4383603号商標(無効2008-890092)
(ア)商標の構成
登録第4347375号商標(別掲(4))と同じ
(イ)登録出願日:平成8年7月24日
(ウ)設定登録日:平成12年5月19日
(エ)指定商品:第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」

(7)登録第4379716号商標(無効2008-890093)
(ア)商標の構成
登録第4383604号商標(別掲(1))と同じ
(イ)登録出願日:平成8年12月17日
(ウ)設定登録日:平成12年4月28日
(エ)指定商品:第29類「豆,食用たんぱく」

(8)登録第4379712号商標(無効2008-890094)
(ア)商標の構成
登録第4347375号商標(別掲(4))と同じ
(イ)登録出願日:平成8年5月31日
(ウ)設定登録日:平成12年4月28日
(エ)指定商品:第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」

(9)登録第4133037号商標(無効2008-890095)
(ア)商標の構成
登録第4347375号商標(別掲(4))と同じ
(イ)登録出願日:平成8年5月31日
(ウ)設定登録日:平成10年4月10日
(エ)指定役務:第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,通信衛星による通信,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」

(10)引用図形


審理終結日 2009-11-05 
結審通知日 2009-11-18 
審決日 2009-12-01 
出願番号 商願平8-59188 
審決分類 T 1 11・ 22- Y (032)
T 1 11・ 271- Y (032)
T 1 11・ 222- Y (032)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
内山 進
登録日 2000-04-28 
登録番号 商標登録第4379712号(T4379712) 
代理人 唐牛 歩 
代理人 太田 恵一 
代理人 金塚 彩乃 
代理人 ジャス・インターナショナル 株式会社 
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