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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y32
管理番号 1209895 
審判番号 取消2008-300796 
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-06-25 
確定日 2009-12-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4634080号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4634080号商標(以下「本件商標」という。)は、「Everest Water」の欧文字を横書きしてなり、平成14年4月8日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,ミネラルウォーター」を指定商品として同15年1月10日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張(要点)
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、第32類の全指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人の提出に係る乙各号証をもってしては、「ミネラルウォーター」について、本件商標の使用の事実が証明されているとはいえない。
(ア)乙第2号証ないし乙第4号証について
乙第3号証及び乙第4号証は、いずれも、適宜、コンピュータソフトウェアで作成して、カラーレーザープリンタで出力した簡易なチラシである。そして、該チラシの販売事務所には住所が記載されていないため、このチラシを受け取った人は、販売事務所の住所が明示されていないことに不安感を抱き、商品(ミネラルウォーター)を安心して購入することができないものと考えられる。したがって、このチラシは、商品の販売を目的として作成されたものとは言い難い。
また、乙第3号証の右下には「2006年2月現在」と記載されており、乙第4号証の右下には「2007年2月現在」と記載されているが、通常、このようなチラシに、日付を大きく記載するということは商慣行上非常に不自然である。しかも、この日付は、公的に証明されたものでなく、日付に客観的な証明性がないため、被請求人が適宜記載したものであるといわざるを得ない。
以上のことから、乙第3号証及び乙第4号証は、いずれも、本件審判請求の予告登録前3年以内に本件商標の使用事実を客観的に証明する証拠としては不適切であり、不使用による商標登録の取り消しを免れるためにのみ作成された虚偽の証拠であると認められる。
(イ)乙第5号証及び乙第6号証について
乙第5号証に記載の「龍門堂」は取引相手であるとされているが、インターネットを検索してみると、「龍門堂」は、全国にたくさんあるため(例えば、長野県塩尻市、埼玉県戸田市、静岡県浜松市、鹿児島県姶良郡、東京都大田区、福岡県大川市など)、書類を作成するため、適当に記載したと考えられる。「友岡」というサインがあるが、答弁書には、友岡氏がどのような処遇の人か記載されていない。納品書及び物品受領書の伝票番号は、いずれも200800002となっており、伝票番号200800001の納品書及び物品受領書が存在しないのかという疑問がある。平成18年2月から、乙第3号証のチラシを配布していたということが事実であるというならば、平成18年及び平成19年の納品書及び物品受領書も提示できるはずである。また、乙第5号証に記載された手書きの日付は、公的に証明されたものでなく、日付の客観的な証明性がないため、被請求人が適宜記載したものであるといわざるを得ない。
乙第6号証には、「津田雄大」という記載があるが、この記載と納品書及び物品受領書に記載された文字は、いずれも右上がりであり、同一人が記載したものと推定される。急いで作成したため、伝票番号200800003の納品書には、有限会社スプリングの印が押されていない。また、乙第6号証に記載された手書きの日付は、公的に証明されたものでなく、日付の客観的な証明性がないため、被請求人が適宜記載したものであるといわざるを得ない。
なお、「Everest Water」は、315円(税込)であり、決して高い商品でないため、平成18年2月から乙第3号証のチラシを配布していたことが事実であるというならば、ある程度まとまった販売実績があるはずである。
以上のことから、乙第5号証及び乙第6号証は、本件審判請求の予告登録前3年以内に本件商標を使用した事実を客観的に確認できる証拠としては不適切である。
(ウ)乙第7号証ないし乙第11号証について
乙第7号証ないし乙第11号証には、本件商標の記載はもちろんのこと、本件商標と社会通念上同一である商標の記載もないため、これらの証拠は、本件商標の使用事実を立証するものでない。

3 被請求人の主張(要点)
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。
(1)平成20年11月17日付け答弁書
本件商標は、その指定商品中「第32類 ミネラルウォーター」について、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本商標権についての通常使用権者である有限会社スプリングにより使用されている。
(ア)乙第1号証は、商標権者と通常使用権者との通常使用権許諾証書の写しである。これにより、商標権者と有限会社スプリングとの間に通常使用権許諾契約が平成15年2月1日から平成25年1月10日まで存することは明らかである。なお、乙第2号証の証明書に示されているように、商標権者は、通常使用権者の取締役である。
(イ)乙第3号証は、有限会社スプリングが商標権者の経営するラーメン店(乙第8号証ないし乙第11号証)、その他の場所において、2006年2月以降に配布していた「ミネラルウォーター」に関するチラシであり、そこには、本件商標を付した「ミネラルウォーター」が掲載されている。また、乙第4号証は、上記同様に、有限会社スプリングが2007年2月以降に配布していた「ミネラルウォーター」に関するチラシであり、本件商標を付した「ミネラルウォーター」が掲載されている。
(ウ)乙第5号証は、有限会社スプリングから、その取引相手である龍門堂への2008年5月12日付けの「エベレストウォーター」の納品書控の写し及び龍門堂から有限会社スプリングへの同日付の「エベレストウォーター」の物品受領書の写しである。これらにおける品名表記は、いずれも片仮名ではあるが、本件商標と同一とみなされるべきものである。
これらの伝票における価格は、乙第3号証及び乙第4号証に記載の価格と合致し、また、品名欄に「ウォーター」の文字が存することから、これらの伝票の対象商品が有限会社スプリングが販売するミネラルウォーターであることは明らかであり、遅くとも2008年5月12日の時点で、ミネラルウォーターにつき、本件商標が使用されていたことが分かる。
更に、乙第6号証からも、2008年5月12日(異議決定注:15日の誤記と認められる)の時点で、ミネラルウォーターにつき本件商標が使用されていたことが分かる。
(エ)乙第7号証は、有限会社スプリングがカイラス社からミネラルウォーターを仕入れた際の納品書とその領収書である。これからも、有限会社スプリングがミネラルウォーターを取り扱っていることが明らかである。
(オ)乙第8号証ないし乙第11号証は、商標権者が営むラーメン店に関する情報であり、通常使用権者は、該店舗に、乙第3号証等のチラシを置き、注文販売をしている。
(カ)以上の証拠から、本商標権についての通常使用権者が本件審判請求の予告登録前3年以内に、本件商標を本件審判の請求に係る「ミネラルウォーター」について使用していたことが明らかである。
(2)弁駁に対する平成21年6月15日付け答弁書
(ア)請求人は、被請求人が提出したチラシを、「カラーレーザープリンタで出力した簡易なチラシ」としたうえで、「販売事務所の住所が記載されていないため、このチラシを受け取った人は、販売事務所の住所が明示されていないことに不安感を抱き、商品(ミネラルウォーター)を安心して購入できないであろう。したがって、このチラシは商品の販売を目的として作成されたものとは言い難い。」と述べている。
しかし、請求人が述べていることは、単に請求人が受けた印象であって、一般需要者がそのような印象を抱くとは限らず、むしろそのようような印象を抱く者がいたとしても、チラシの使用証明としての効力に何ら影響を及ぼすものではない。
(イ)乙第3号証及び乙第4号証はしっかりとした印刷物であって、レーザープリンタで即席で作成した簡易なチラシではない。仮に、カラーレーザープリンタで作成したチラシであったとしても、チラシとしての効力に何ら変わりはない。コストをかけて体裁のよいチラシを作成するか否かは、そのコストに見合う売り上げが期待できるかどうかによるのであり、本件の場合のチラシは、主にラーメン店において配布しているものであるため、乙第3号証及び乙第4号証の体裁のチラシで十分にその役割を果たしている。
(ウ)請求人は、「乙第3号証及び乙第4号証のチラシは販売事務所の住所が明示されていないことに不安感を抱き、商品(ミネラルウォーター)を安心して購入できないであろう。」としているが、その意とするところが理解できない。そもそもチラシをどのようなデザインに仕上げるかは作成者(商品取扱者)の自由であり、そのチラシによる宣伝広告効果の責任も当該作成者が負うのであって、仮にあるチラシにつき、第三者が宣伝効果が薄いと考えたとしても、当該チラシ配布者にとっては、そのチラシがチラシとしての存在意義を失うものではない。
したがって、需要者が不安感を抱くか否かに関係なく、商品に関する広告(チラシ)に標章を付して頒布等する行為は商標の使用に該当することに疑いの余地はない。
(エ)乙第3号証の右下の「2006年2月現在」、乙第4号証の右下の「2007年2月現在」の記載が商慣行上非常に不自然であり、また、日付に客観的な証明性がないため、被請求人が適宜記載したものとしている。
しかし、本件ミネラルウォーターは外国からの輸入品であって、価格に変動が生ずる可能性があるため、「2006年2月現在」及び「2007年2月現在」の価格をそれぞれ示しているのであって、それには大きな意味があり、何ら不自然なところはない。
(オ)請求人は乙第2号証の有限会社スプリングの現在事項全部証明書の目的に「ミネラルウォーターの販売」に関する事項が記載されていないことが極めて不思議に思える旨主張している。
しかし、該目的欄に、以後取扱うことになる各商品をすべて羅列する必要はないことは言うまでもないところであり、請求人がなぜ不思議に思うのか理解できない。
(カ)請求人は、被請求人の取引相手である「龍門堂」と同名称の店舗等が全国にたくさんあるため、乙第5号証は不使用による商標登録の取り消しを免れるためにのみ作成した虚偽の証拠としている。
しかし、この種の伝票で、特に継続的取引関係にある相手方に対しては、いちいち住所まで書かないのが一般である。請求人の主張は、同名称である店舗等が全国各地に存する場合には当該店舗は商標の使用の証明をすることができないということにもつながり、明らかに不当なものである。
(キ)乙第5号証が虚偽のものではないことを立証するために、龍門堂治療 院の証明書を補充する(乙第12号証)。
(ク)請求人は、伝票番号がいずれも「200800002」であって、「200800001」が存在しないのかという疑問があるとし、また、乙第3号証のチラシを根拠に、平成18年及び平成19年の納品書及び物品受領書も提示できるはずであるとしている。
しかし、審判においては、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者や通常使用権者等が、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明するに足りる証拠を提出すれば足り、その間のすべての取引書類を提出する必要は全くない。
(ケ)乙第5号証に記載された手書きの日付は、公的に証明されたものではないため、使用証明の証拠として不適切としているが、第三者(当該取引相手)の証明について、更に公的証明を得る必要はないと考える。
(コ)請求人は乙第6号証に対して、同一人が記載したものと推定されるとしているが、通常、納品書と物品受領書は便宜上同?人が作成するものである。
(サ)乙第6号証に記載された手書きの日付は、公的に証明されたものではないため、使用証明の証拠として不適切としているが、これについては第三者の証明を得ており(乙第13号証)、これについても更に、公的証明を得る必要はないと考える。
(シ)よって、本件審判請求は成り立たない旨の審決を求める。

5 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第1号証は、「通常使用権許諾証書」と題する書面であり、平成15年2月1日付けで、本商標権者が有限会社スプリングに対して、本商標権について地域を「全部」、期間を「平成15年2月1日から平成25年1月10日」、内容を「全部」とする通常使用権を許諾した旨が記載されている。
(イ)乙第2号証は、有限会社スプリングの「現在事項全部証明書」であり、会社成立の年月日として「平成15年2月17日」、役員に関する事項として「取締役 春日剛」と記載されている。
(ウ)乙第3号証及び乙第4号証は、いずれも「ミネラルウォーター」に関するチラシと認められるものであり、「Everest Water/エベレスト ウォーター」の商標が表示されたミネラルウォーターのペットボトルを中央に配し、「ヒマラヤからの贈りもの/Everest Water/エベレスト ウォーター/1000ml 315円(税込)」の記載があり、下部には、販売事務所の電話(FAX)番号とともに、販売元として、「有限会社スプリング」の名称と住所、電話(FAX)番号が記載されている。そして、右下には、乙第3号証のチラシには「2006年2月現在」とあり、乙第4号証のチラシには「2007年2月現在」と記載されている。
(エ)乙第5号証及び乙第6号証は、いずれも、納品書とそれに対応する物品受領書であり、品名の欄には「エベレストウォーター」とあり、数量、単価、金額が記載されているものである。乙第5号証は、有限会社スプリングが龍門堂へ宛てた2008年5月12日付けのものであり、受領者のものと推認される友岡のサインが記載されている。乙第6号証は、有限会社スプリングが津田へ宛てた2008年5月15日付けのものであり、受領者のものと推認される津田雄大のサインが記載されている。
(オ)乙第7号証は、東京都三宅島のカイラス社が有限会社スプリングへ宛てた平成20年4月11日付けの納品書及びそれに対応するものと認められる受領書であり、品名の欄には「ミネラルウォーター」とあり、数量、単価、金額が記載されている。同号証は、「Everest Water」の商標に係るものであるのか明らかでなく、本件商標の使用の事実を示すものとはいえないが、有限会社スプリングがカイラス社から「ミネラルウォーター」の納品を受けていた事実は確認することができる。
(カ)乙第8号証ないし乙第11号証は、ラーメン店に関するインターネット情報であり、被請求人は、商標権者が営むラーメン店(昭和)に関する情報である旨述べている。
(2)上記において認定した事実によれば、被請求人(商標権者)の通常使用権者と認められる有限会社スプリング(乙第1号証)は、本件審判の請求の登録(平成20年7月14日)前3年以内である2006年当時から、「Everest Water/エベレスト ウォーター」の商標が表示されたミネラルウォーターのチラシ(乙第3号証及び乙第4号証)を被請求人の経営するラーメン店(乙第8号証ないし乙第11号証)等において配布していたものと推認され、2008年5月12日に龍門堂へ、また、同年5月15日に津田へ当該ミネラルウォーターを納品していたものと認められる(乙第5号証及び乙第6号証)。
なお、有限会社スプリングの「現在事項全部証明書」(乙第2号証)によれば、有限会社スプリングの成立年月日は「平成15年2月17日」となっている。このことからみれば、乙第1号証の「通常使用権許諾証書」は、該会社の成立以前に作成されていたことになり、些か不自然ではあるが、商標権者は有限会社スプリングの取締役となっていることからみて、被請求人(商標権者)と有限会社スプリングとの間に、本商標権について黙示の使用許諾があったことを否定することはできない。
してみれば、本商標権についての通常使用権者である有限会社スプリングは、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、「ミネラルウォーター」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたものと認められる。
(3)請求人の主な反論について
(ア)請求人は、乙第3号証及び乙第4号証のチラシはコンピュータソフトウェアで作成してカラーレーザープリンタで出力した簡易なチラシであること、このようなチラシに日付を大きく記載することは商慣行上不自然であり、この日付は、公的に証明されたものでないことを挙げて反論している。
しかしながら、請求人が主張しているように、該チラシがコンピュータソフトウェアで作成してカラーレーザープリンタで出力された簡易なチラシであったとしても、チラシの作成は必ずしも全て印刷業者に依頼するものとはいえず、また、近年におけるプリンター機器の普及とも相俟って、事業者が自らチラシを作成したとしても不自然なこととはいえず、それが取引の場において頒布されたものであれば、商標についての使用行為とみて差し支えないものというべきである。そして、そのような場合、日付の大きさやチラシの体裁を含めて、請求人がいうところの商慣行にそぐわないものであったとしても、そのこと故に、商標の使用事実を証明する証拠として不適切なものであるとはいえない。また、このチラシが発行された日付が客観的なものではないとしても、この証拠のみによって、使用の事実を認定しているのではなく、他の証拠と併せて使用の事実を認定しているのであるから、この点についての請求人の主張は、上述の判断に影響を与えるものとは認められない。
(イ)請求人は、乙第5号証に記載されている「龍門堂」は全国にたくさんあるため、適当に記載したと考えられること、「友岡」というサインがあるが、答弁書には、友岡氏がどのような処遇の人か記載されていないこと、乙第6号証の納品書と物品受領書に記載された文字は、いずれも右上がりであり、同一人が記載したものと推定されること、伝票番号200800003の納品書には、有限会社スプリングの印が押されていないこと、また、乙第5号証及び乙第6号証に記載された手書きの日付は、公的に証明されたものでなく、日付の客観的な証明性がないことを挙げて反論している。
しかしながら、乙第5号証に記載されている「龍門堂」という名称の店舗が全国にたくさん有るからといって、該宛名が適当に書かれたものであるとはいえず、これが不実の記載であることを認めるに足る証拠も提出されていない。また、納品書(物品受領書)に記載されるサインは、受領したことの証として記載されるにとどまるものであって、その受領者がどのような処遇の人であるかまで詮索されることは、通常はないものというべきである。
請求人は、乙第6号証の納品書と物品受領書に記載された文字がいずれも右上がりであり、同一人が記載したものと推定される旨述べているが、「津田様」の文字と「津田雄大」のサインとは、いずれも右上がりであるとしても、その筆跡には差異が認められるものである。また、確かに、伝票番号200800003の納品書には、有限会社スプリングの印が押されていないが、伝票番号200800003の納品書と伝票番号200800003の物品受領書とは、一体的に作成され、対をなしているものと認められるものであり、物品受領書には有限会社スプリングの印が押されていることからみて、単純な押印漏れとみるのが相当である。
そしてまた、請求人は、乙第5号証及び乙第6号証に記載された手書きの日付は、公的に証明されたものではない旨述べているが、日常行われている安価な商品の取引の際に作成される取引書類について、公的な証明を受けて保存するというようなことは、通常、あり得ないことというべきである。
そうとすれば、乙第5号証及び乙第6号証は、その体裁からみても、取り消しを免れるためにのみ作成された虚偽の証拠であるとはいえず、請求人の主張を認めるに足る証拠も提出されていない。
なお、その他にも、請求人は、平成18年2月から、乙第3号証のチラシを配布していたということが事実であるというならば、平成18年及び同19年の納品書及び物品受領書も提示できるはずである旨主張している。
確かに、証拠が多ければ、より一層、使用の事実が明らかになるとはいえるが、いたずらに、被請求人に証明の負担を課すことは適切なこととはいい難く、提出された証拠によって、要証期間内における使用の事実が把握できれば、それをもって足るものというべきである。
そうとすれば、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る第32類の指定商品中の「ミネラルウォーター」について使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-10-16 
結審通知日 2009-10-21 
審決日 2009-11-04 
出願番号 商願2002-33148(T2002-33148) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y32)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 堀内 仁子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2003-01-10 
登録番号 商標登録第4634080号(T4634080) 
商標の称呼 エベレストウオーター、エベレスト 
代理人 齋藤 晴男 
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