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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200722851 審決 商標
不服20093220 審決 商標
不服200721053 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 登録しない X42
管理番号 1208320 
審判番号 不服2008-33024 
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-12-25 
確定日 2009-12-07 
事件の表示 商願2007-82055拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「口腔内科学会」の文字を標準文字で書してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年7月10日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、原審における平成20年8月19日付け手続補正書により、第42類「口腔内科に関する研究およびこれに関する情報の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中に『学者相互の連絡、研究の促進、知識・情報の交換、学術の振興を図る協議などの事業を遂行するために組織する団体』を意味し、全体として団体の名称を表示するものとして用いられる『学会』の文字を有してなるから、この学会との関係が認められない一私人たる出願人が、これを本願の指定役務について使用したときは、恰も当該名称の団体の取り扱いにかかる役務であるかの如く認識させ、商取引における秩序を乱すおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「口腔内科学会」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中「学会」の文字は、「学者相互の連絡、研究の促進、知識・情報の交換、学術の振興を図る協議などの事業を遂行するために組織する団体」(広辞苑第6版)を意味するものである。
また、その構成中「口腔内科」の文字は、フリー百科事典「ウィキペディア」によれば、「歯科医学の一分野。口腔に症状をおよぼす全身性の疾患を診断し、外科的なアプローチとは異なる方法で口腔疾患の治療を行うもの」を意味するものであるが、現在のところ、「口腔内科」は、正式な標榜科名(病院や診療所が外部に広告できる診療科名)として認められてはいないものの、北海道大学、北海道医療大学、日本大学、東京歯科大学、松本歯科大学など国内のいくつかの歯学部で講座あるいは診療科として開設されており、患者数の急激な増加に伴い、一般に認識されつつある分野である。
さらに、歯学系学会間の交流推進を図る団体である日本歯学系協議会の加盟団体の中には、現に活動しており、多くの会員数を擁する「日本口腔科学会」「日本口腔外科学会」等が存在している事実も認められる。
ところで、商標法第4条第1項第7号の規定の趣旨は、商標の構成自体がきょう激、卑わいな文字、図形である場合及び商標の構成自体がそうでなくとも、指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合も含まれるものとみるのが相当と解されるところ、「口腔内科学会」は、請求人も述べているとおり、現在、設立前の実体のない学会であり、かつ、請求人が該名称の学会との関係において、本願を出願し権利を取得するべき正当な地位を有する者であることも明らかにされていないものである。
そして、上記の実情に鑑みれば、「口腔内科学会」の文字からは、看者をして「口腔内科についての学者が研究上の協力、連絡、意見交換などのために組織する団体」を認識させるものであり、該学会に係る正当な地位を有する者であることが明らかでない請求人(出願人)が、私的独占使用の目的をもって採択し、これを商標として登録することは、その役務の需要者、取引者をして、実際に存在する学会であると誤認せしめ、当該役務が、かかる「学会」と何らかの関係を持つものと理解させ、さらに、前記した実在する学会と相紛らわしく混同を生じやすいものといわざるを得ないものであり、他の歯学、歯科関係者による口腔内科関連の学会の名称の使用を困難又は不可能にするだけでなく、商標権を巡る争いなど、無用な混乱を招くおそれがあり、公正な競業秩序を害するおそれがあるから、請求人(出願人)が、該学会の名称を採択し、これを商標として登録することは、社会公共の利益に反し、また、社会の一般的道徳観念に反するものというのが相当である。
なお、請求人は「『口腔内科学研究会』が『口腔内科学会』の前身であり、当該研究会関連の出願を本願商標の共同出願人である「株式会社タキザワ漢方廠」が出願した実績があるから、本願商標の団体に対しても当然に関係あるものと想像でき、本願商標を出願し権利を取得すべき正当な地位にあるといえる旨主張しているが、前記したとおり、該名称の学会は実体のないものであり、かつ、請求人が該名称の学会との関係において、本願を出願し権利を取得するべき正当な地位を有する者であることを示す具体的な証拠が提出されているとも認められないから、請求人の該主張を採用することはできない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-08-19 
結審通知日 2009-09-11 
審決日 2009-09-28 
出願番号 商願2007-82055(T2007-82055) 
審決分類 T 1 8・ 22- Z (X42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長澤 祥子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 久我 敬史
小田 昌子
商標の称呼 コークーナイカガッカイ、コークーナイカ 

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