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審決分類 審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 登録しない Y33
管理番号 1206781 
審判番号 不服2007-27026 
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-10-03 
確定日 2009-10-29 
事件の表示 商願2006- 99291拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「鶴太郎」の文字及びその文字の読みを小さく表したと認められる「つるたろう」の文字を二行にして縦書きに書してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成18年10月25日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、太田プロダクションに所属し、画家、俳優として活躍している片岡鶴太郎の著名な略称と認められる『鶴太郎』の文字よりなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年3月19日付けで証拠調べの結果を通知した。

第4 職権証拠調べに対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。

第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり、「鶴太郎」の文字及びその文字の読みを小さく表したと認められる「つるたろう」の文字を二行にして縦書きに書してなるものである。
そこで、本願商標の構成中にある「鶴太郎」の文字(語)が、他人の名称等の著名な略称に該当するかを考察するに、例えば「8号が、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定した趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。すなわち、人は、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない利益を保護されているのである。略称についても、一般に氏名、名称と同様に本人を指し示すものとして受け入れられている場合には、本人の氏名、名称と同様に保護に値すると考えられる。そうとすると、人の名称等の略称が8号にいう『著名な略称』に該当するか否かを判断するについても、常に、問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当でなく、その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきものということができる。」(平成16年(行ヒ)第343号 最高裁第二小法廷 平成17年7月22日判決)との判示がなされており、これと同旨の判示をした判例はこの他にも多数存するところである。
そうとすれば、当審における前記第3の通知した事実より、太田プロダクションに所属し、画家、俳優として活躍している片岡鶴太郎(本名 荻野繁雄)は、1980年代よりテレビのバラエティー番組、ドラマ及び映画等に数多く出演し、例えば、片岡鶴太郎が出演又は司会をする番組である場合には、その番組名に「鶴太郎のテレもんじゃ」及び「鶴太郎のトークアトリエ」等のように「鶴太郎の○○○」として「鶴太郎」の語を冠するテレビ及びラジオ番組が数多く存したことが認められる。
また、1980年代より現在に至るまで片岡鶴太郎のことを指し示す語として「鶴太郎」の略称が数多く使用されている事実が認められ、さらに、近年においては画家としての評価が高まることにより、「鶴太郎作」、「鶴太郎流」、「鶴太郎ワールド」、「鶴太郎芸術」、「鶴太郎のぬり絵」、「鶴太郎工房」、「鶴太郎美術館」、「鶴太郎アートハウス」、「鶴太郎絵日記」及び「鶴太郎ラベル」等、「鶴太郎」の語が、画家である片岡鶴太郎を指し示す略称として新聞、テレビ等において広く使用されている事実が認められる。
そして、商品の包装並びに日本酒及び焼酎のラベル等に片岡鶴太郎による絵画又は書をあしらった商品が存することが認められ、それらの商品を説明する記載の中においても片岡鶴太郎を指し示す語として「鶴太郎」の略称が使用されている事実が認められる。
以上の事実を総合勘案すると、「鶴太郎」の文字(語)は、演芸及び書画等の業界を超えて、片岡鶴太郎を指し示す略称として一般に受け入れられているものと判断される。
したがって、本願商標の構成中にある「鶴太郎」の文字(語)は、上記の片岡鶴太郎の著名な略称と認めるのが相当である。
また、請求人が、本願商標につき商標登録を受けることについての承諾書等の提出がないことから、その承諾を得たことを確認することもできない。
してみれば、本願商標は、他人の著名な略称からなる商標であり、かつ、当該他人の承諾を得ているとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
証拠調べ通知の内容
1 本願商標を構成する「鶴太郎」及び「つるたろう」の文字(語)が、画家、俳優である片岡鶴太郎の著名な略称と認められる事実について(以下、文字の下線は当合議体が線引きしたものである。)
(1)「日経プラスワン」(2008年11月8日付け9頁)
「エチカの鏡(フジ系) 心温まる話、現場から紹介、人気女優が案内役に」を見出しのもと、「実は、今回のゲスト、片岡鶴太郎は以前、勝彦さんに会っていた。勝彦さんはこの筆で書や絵をかいていて、画家でもある鶴太郎と接点があったのだ。思いも掛けずエチカの鏡で対面した鶴太郎は『いろいろなことがあったとは思わせないくらい元気な方だった』」の記載がある。
(2)「日本経済新聞 地方経済面(千葉)」(2008年9月4日付け39頁)
「お待たせ、鶴太郎ワールド、千葉三越で2年ぶり個展 100作品、トークショーも。」を見出しのもと、「芸術家としても活躍するタレントの片岡鶴太郎さんの絵や陶器など約百点を集めた個展が六-十五日、千葉三越で開かれる。二年ぶり、三回目の開催で、初日の午後にはトークショーも予定。鶴太郎さんは『こちらから、ここを見てほしいというものはない。どう感じてもらえるかだけです』と話す。花や魚、野菜、果物などを、日本画の岩絵の具を使って繊細なタッチで描く”鶴太郎ワールド”を自己分析すると、色へのこだわりという。」の記載がある。
(3)「共同通信」(2006年12月25日付け)
「独自の美を追体験『鶴太郎のぬり絵 四季の花と果物編』」を見出しのもと、「役者片岡鶴太郎は、国内だけでなくパリでも個展を開いた画家でもある。・・・その独自の世界を、ファンが自ら追体験することができる『鶴太郎のぬり絵』が世界文化社から出版された。・・・原画を参考に鶴太郎が記す彩色ガイドに従ってもよし。自ら鉛筆を取るのが面倒という人も、この本で楽しさに開眼することがありそう。九九八円。」の記載がある。
(4)「朝日新聞 大阪地方版/石川」(2006年12月23日付け25頁)
「見る・知る・楽しむ 文化・まち・ナビ/石川県」を見出しのもと、「片岡鶴太郎『織と染』美術展 26日まで、金沢市・・・芸術家としても注目を集める片岡氏が主宰する『鶴太郎工房 苺庵』の8周年を記念し、織の立体感と染めの色彩が見事な作品約40点を展示、販売。入場無料。」の記載がある。
(5)「日本経済新聞 地方経済面(茨城)」(2006年1月18日付け41頁)
「つくばフェスタで展示、イベント建築物、競売 鶴太郎さんデザインも提供。」を見出しのもと、「入札にかけるのは企業パビリオンデ使った部材や小民家近くの展示小屋、その関連備品など。タレントの片岡鶴太郎さんがデザインした『鶴太郎アートハウス』は現在の場所で保管し店舗用などで使いたい人を探す。」の記載がある。
(6)「読売新聞 東京朝刊」(2005年10月7日付け33頁)
「高円宮妃久子さま、TXで来県、つくばや土浦を視察」を見出しのもと、「久子さまは記念のテープカット後、明治時代に建てられた農家を移築した古民家や、タレントの片岡鶴太郎さんが企画する『鶴太郎アートハウス』など、多彩な展示や住宅を見学された。」の記載がある。
(7)「読売新聞 大阪夕刊」(2005年8月23日付け13頁)
「画業10周年記念 片岡鶴太郎ガラス展 ?花との出会い・池坊由紀?」を見出しのもと、「役者としてテレビや映画、舞台で活躍中の片岡鶴太郎は、身近な素材をテーマにした軽妙洒脱(しゃだつ)な日本画や墨彩画を描くことで知られているが、近年はガラス絵やガラス立体作品も意欲的に制作している。・・・今回は、今年画業10周年を迎えるのを記念し、ガラス作品の新作約110点に、墨彩画を加えた計約130点で構成する。会場には、池坊由紀・華道家元池坊次期家元の特別協力により、鶴太郎作のガラス花器に生けられた独創的な生け花も並ぶなど、花の息吹が吹き込まれたガラスの造形美が堪能できるまたとない機会となる。鶴太郎は絵画のほか、着物の絵付けや陶芸、漆芸など幅広い分野で才能を発揮。2001年には念願だったパリでの個展を成功させた。」の記載がある。
(8)「日本経済新聞 地方経済面(四国)」(2004年6月11日付け12頁)
「玉藻公園で大茶会、名物かまど、13日、取引先ら3000人招く。」を見出しのもと、「鶴太郎氏の銅版画も贈呈 ・・・事前に予約のあった参加者には俳優で画家でもある片岡鶴太郎氏に依頼して描いてもらった四国八十六番札所志度寺の十一面観音菩薩像の銅版画(三十七センチ×四十センチ)を贈呈する。」の記載がある。
(9)「毎日新聞 地方版/鳥取」(2004年5月28日付け22頁)
「片岡鶴太郎さんの絵、西陣織で鮮やかに 鳥取で『織と染展』」を見出しのもと、「鶴太郎さんは近年、絵画などの制作でも知られ、95年からは毎年のように各地で個展を開催。自然の素材を題材にしたほのぼのとした絵は人気があるという。展示品は、鶴太郎さんの下絵を素にした額装や軸装など、西陣織のオリジナル作品で計43点。日本の伝統的な染めの色彩に、織りの立体感を加えた、独自の表現法が特徴という。企画した・・・『絵と文字の集大成。飾り気のないものをありのままに描いた鶴太郎芸術に触れてみては』と話している。」の記載がある。
(10)「共同通信」(2004年5月4日付け)
「『情報BOX』 鶴太郎が東海道の四季描く 清水寺の紅葉を着物に」を見出しのもと、「片岡鶴太郎が東京から京都までを1年かけて旅し、風景を絵にしていく静岡朝日テレビ開局25周年記念番組『鶴太郎が描く 四季 平成の東海道五十三次』が22日、テレビ朝日系で放送される。制作は静岡朝日テレビ。」の記載がある。
(11)「朝日新聞 東京地方版/新潟」(2004年3月31日付け30頁)
「片岡鶴太郎さんの絵画83点展示 豊栄のビュー福島潟」を見出しのもと、「豊栄市の水の駅『ビュー福島潟』で、俳優で画家としても知られる片岡鶴太郎さんが描いた絵画83点を展示した『鶴太郎 福島潟美術館』が始まり、市民らが鑑賞に訪れている。4月6日まで。福島潟に自生するヨシで作った和紙に、墨や岩絵の具でブドウやユズ、モモを淡い色彩で描いた作品や、キンギョやアユの絵を掛け軸に仕立てたものなど鶴太郎さんの豊かな感性が表現されている。新潟伊勢丹でも、百余点の作品が展示されている。」の記載がある。
(12)「朝日新聞 東京地方版/群馬」(2003年8月18日付け31頁)
「一流音楽家、世界から 草津で国際音楽フェス開幕」を見出しのもと、「一方、好評の『街角コンサート』(草津音楽アカデミー友の会主催)も湯畑周辺や道の駅などで開催され、訪れた観光客らの人気を集めていた。同コンサートは、期間中、毎日、温泉街やホテルロビー、鶴太郎美術館などで開かれる。問い合わせは、・・・」の記載がある。
(13)「毎日新聞 東京夕刊」(2003年8月18日付け5頁)
「(今夜のテレビ指定席)趣味悠々 鶴太郎流墨彩画塾 楽しみながら描く・・・」を見出しのもと、「片岡鶴太郎自身、絵を始めたのは40歳前。上手に描こうなんて考えず、『楽しみながら描いてきた』という。とはいえ鶴太郎のような画才が誰にでもあるわけではない。今夜のお題の『さば』で見せる鶴太郎の色彩感覚は、はっと息をのむほどに非凡。さばの肌って青だけじゃない。黄、朱、ピンク、青銅。素人には見えない色が、彼の目には見える。奇抜と思えたそれぞれの色が、完成した絵の中では見事なハーモニーを奏でている。この塾の生徒たち、高橋英樹、田中好子、岩崎宏美、仁科亜季子の4人も鶴太郎の自由な心に触れて表情が緩んでくる。」の記載がある。
(14)「朝日新聞 東京地方版/新潟」(2003年8月17日付け25頁)
「親子で鶴太郎さんと絵画 ヨシ漉いた和紙に 福島潟」を見出しのもと、「画家としても活躍するタレントの片岡鶴太郎さんと子供たちとで、絵を描くイベント『夏休み鶴太郎絵日記』がこのほど、福島潟をのぞむ豊栄市の水の駅『ビュー福島潟』であった。」の記載がある。
(15)「共同通信」(2003年7月14日付け)
「列島・北から南から(東北)」を見出しのもと、「鶴太郎美術庭園 福島市の飯坂温泉に20日、『片岡鶴太郎美術庭園』がオープンする。タレント片岡鶴太郎さんの絵画や陶芸品など約70点を展示。温泉街の新たな観光スポットとして期待されている。」の記載がある。
(16)「読売新聞 東京朝刊」(2002年2月6日付け33頁)
「片岡鶴太郎さんの美の世界 そごう大宮店で11日まで」を見出しのもと、「俳優の片岡鶴太郎さんの織額展『鶴太郎 織と染』が五日、JR大宮駅西口のそごう大宮店六階画廊で始まった。十一日まで。鶴太郎さんが描いた作品を職人が西陣織に仕上げて、額装したもので、鳥を描いた『我れ風をきって』、魚の『虹鱒賛歌』『はまち賛歌』、カエルを描いた『雨じゃあ仕様』など四十二点が展示されている。フグの掛け軸やフクロウ、おこぜのハンカチなども並んでいる。同店では『鶴太郎さんの美の才能と西陣の伝統技術が融合した美術品を多くの方々に見てもらいたい』と話している。」の記載がある。
(17)「読売新聞 中部朝刊」(2001年7月11日付け31頁)
「中京テレビの放送番組審議会『極楽味めぐり』について合評」を見出しのもと、「五月に中部各県で放送した番組『鶴太郎の極楽味めぐり・日本海の旬を食べる』について合評した。・・・『鶴太郎の言葉を越えた豊かな表情や人柄がよく出ていた』などの意見や感想が出された。」の記載がある。
(18)「日刊スポーツ」(2001年7月6日付け15頁)
「ボクシング 前WBA世界ライト級王者畑山隆則 明日のラジオで進退問題語る」を見出しのもと、「同番組は畑山のセコンドでもあるタレント片岡鶴太郎がパーソナリティを務める。畑山は8時18分から同40分までの『鶴太郎のトークアトリエ』コーナーに生出演。1日にジュリアン・ロルシー(29=フランス)に王座を奪われ進退が注目される中、信頼する鶴太郎に胸中を明かす。」の記載がある。
(19)「日経プラスワン」(2000年5月5日付け7頁)
「TVセレクション 生活・健康。」を見出しのもと、「伊東家の食卓 日本系9日後7・0 今回のゲストは片岡鶴太郎。パック入りの豆腐を持って登場した鶴太郎は、このパックのフタをきれいにはがす裏ワザを披露する。」の記載がある。
(20)「日経流通新聞」(1999年9月18日付け4頁)
「包装に鶴太郎さんの書・絵、宝来屋製菓(新製品)」を見出しのもと、「包装に鶴太郎さんの書・絵 タレントの片岡鶴太郎の書と絵を包装にあしらった揚げあられ『鶴小餅(つるこもち)』。絵入りカード(全54種類)も1枚ずつ封入。片岡さんの作品のファン層があられの購買層と重なるため大人向けキャラクター商品として開発。塩味、エビ入り、トウガラシ風味の3種類の揚げあられを、それぞれ食べ切りサイズの小袋にパック。塩4袋、エビ2袋、トウガラシ2袋入り。オープン価格で300円前後。」の記載がある。
(21)「日本経済新聞 夕刊」(1988年10月21日付け10頁)
「得意のノリ、『宣伝なんです』(CMアラカルト)」を見出しのもと、「病院の一室、医者風の鶴太郎のわきで、患者風の樹木希林が視力検査中である。目をこらすようにして文字を読みあげる希林。『ピップエレキバンは、磁力でこりをほぐします』まじめな顔でこたえる鶴太郎。『うん、問題ないみたいですよ』・・・希林に対し、鶴太郎は突然カメラに向かって『宣伝なんですよ』とこたえるのだ。」の記載がある。
(22)「日経流通新聞」(1988年9月10日付け16頁)
「タレントブランド、鶴は千年?(風)」を見出しのもと、「コメディアンの片岡鶴太郎も東京・渋谷に衣料雑貨店『鶴太郎』を開き、芸能ファンを喜ばせている。」の記載がある。
(23)「日本経済新聞 夕刊」(1988年5月12日付け13頁)
「今、もてる”おしょうゆ顔”-淡泊で飽きこない、我を通さず物腰柔らか(婦人)」を見出しのもと、「『おしょうゆ顔。ソース顔。これからは、だししょうゆ顔』。タレントの鶴太郎が演じるキッコーマンのテレビコマーシャルだ。鶴太郎は『おしょうゆ顔』では手で目じりを目一杯後ろに引いて見せる。『ソース顔』の時は・・・」の記載がある。
(24)「日本経済新聞 朝刊」(1986年11月16日付け28頁)
「ぷっつん(ことばと世相)」を見出しのもと、「『あいつ、ぷっつんだな』のように言う。もっぱら若者相手にテレビで司会役をしている片岡鶴太郎が言って、この『ぷっつん』、目下、若者のあいだに流行中である。脳の回路、つまり神経や血管がぷつんと切れているの意味で、頭がおかしい、普通ではないことをいう。鶴太郎は、これを流行させて『つるちゃんのぷっつん5(ファイブ)』という番組もできた。」の記載がある。
(25)「NHK趣味悠々」を見出しのもと、「続 鶴太郎流墨彩画塾 風景を描く・・・第3弾は今までとちょっと趣向を変えてやります。その一つとして風景に挑戦していこうと思っています。鶴太郎流を参考にして、皆さまもご自身の目で自然を切り取って、イメージを膨らませ、自分流の絵を描いていただきたいと思います。またご一緒に、絵を楽しんでいきましょう。・・・出演者紹介 片岡鶴太郎・・・」の記載がある。
(http://www.nhk.or.jp/syumiyuuyuu/tsuru.html)
(26)「鶴太郎流 墨彩画入門:書籍:片岡鶴太郎 角川書店・角川グループ」を見出しのもと、「鶴太郎流 墨彩画入門 あなたもすぐにはじめたくなる。難しいこと一切抜きの墨彩画入門!著者:片岡鶴太郎 内容:手軽にはじめられて、難しいことは一切なし。それでいて墨の味わい豊かで、奥の深い「墨彩画」の世界へようこそ。今まで絵を描いた経験がなくても心配はありません。人気の片岡鶴太郎氏が懇切丁寧に指導いたします。」の記載がある。
(http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200510000253)
(27)「鶴太郎のぬり絵 四季の花と果物編 書籍・ムック 商品詳細」を見出しのもと、「美しい墨彩画が手軽に描ける!鶴太郎のぬり絵 四季の花と果物編 片岡鶴太郎(著) 定価:998円(本体950円) 内容紹介:鶴太郎流大人のぬり絵ワールドで心身ともにリフレッシュ 片岡鶴太郎の墨彩画の塗り絵19作品を収録。原画の墨の部分を微妙に残した”ぼかし絵”に、水彩色鉛筆や筆で彩色するだけで、誰にでも簡単に鶴太郎流の墨彩画を描くことができます。片岡鶴太郎自身による、ぬり方指導も付いています。」の記載がある。
(http://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/06251.html)
(28)「片岡鶴太郎-Wikipedia」を見出しのもと、「・・・多方面での活動・・・1988年には、『今までの自分が嫌になり、それを否定したかった』という理由からプロボクサーテストを受験。当時ボクシングのプロテストの受験資格年齢は29歳までであったため、33歳(当時)の鶴太郎には本来受験資格がなかったが、日本ボクシングコミッション(JBC)に懸命に頼み込み、『合格しても試合には出場できない』という条件で特別に受験が叶い合格した。受験にあたって前年から減量を始め、それまでの"小太り"から急激にシャープな体型に変わった。プロテスト後は鬼塚勝也や畑山隆則のマネージャーとして、タイトルマッチではセコンドを務めるなど両人の世界王座奪取に大きく貢献。1988年から1994年に放送され『現代版寅さん』と好評を得た『季節はずれの海岸物語』では主役の高村圭介を好演すると同時に、鬼塚勝也との共演も果たした。1988年公開の映画『異人たちとの夏』出演での数多くの受賞をきっかけとして、活動の軸足を俳優に移し、1991年のNHK大河ドラマ『太平記』の北条高時役で役者としての決定的評価を得ることになる。大河ドラマでは後年、『元禄繚乱』でも英一蝶役を怪演した。1990年代には横溝正史原作一連の推理ドラマに、主人公の探偵・金田一耕助役で毎年出演(計9本)し、石坂浩二や古谷一行らと並んで金田一役の代表的俳優の一角を占めることになった。以降も『家栽の人』では植物を愛し人間の本質を見抜く暖かみのある桑田判事役を、『ララバイ刑事』ではどこか虚無的な雰囲気のある刑事を好演するなど、コンスタントに活躍を見せている。近年は2時間サスペンスドラマの主役として活躍する機会が多く・・・芸術家としての片岡鶴太郎 ・・・タモリに影響を受け、挿絵を描くことを始める。コメディアンとしての仕事から距離を置くにつれ、1989年にドラマ『志功の青春記 おらあゴッホだ』で若き頃の棟方志功を演じたことをきっかけに、水墨画を描くことや陶芸など美術方面へ傾倒していく。岡本太郎とバラエティ番組『鶴太郎のテレもんじゃ』で共演したことから知り合い、岡本によってその才能を評価され自信を持ったとされる。この番組では、岡本とは対等に渡り合っていた。群馬県吾妻郡草津町、福島県福島市に美術館、石川県加賀市、佐賀県伊万里市に工藝館がある。右利きだが、ボクシングがオーソドックス・スタイル(左手が前、右手は退く)だったがゆえに絵は必ず左手で描いている。鶴太郎が鯛を描いた台紙を用いた『鶴太郎めで鯛電報』が2000年5月14日よりNTTから販売されている。台紙内部に格納された鯛と海老の絵は取り外してコースターなどに利用できるようになっている。青森大学で芸術論を担当。2003?2004年にはNHK『趣味悠々』で講師をつとめた。2003年、奈良県當麻寺中之坊に天井画を揮毫し奉納。2004年秋より、文化勲章受章者や日本芸術院会員ら一流画家の作品にまじって、写仏道場の格天井に飾られている。作品名は『天井より海を眺め』。最近では、ドラマの収録の合間に近所の人に請われ口紅一本で絵を描くこともある。・・・出演・・・バラエティ ◇日本テレビ系 テレビに出たいヤツみんな来い!!(1982年、本名の荻野繁雄名義で素人に混ざって毎週ネタを披露)、今日もワクワク(1985年-1986年)、鶴ちゃんのトッピング(1985年-1986年)、鶴ちゃんのプッツン5(1986年-1994年)、鶴太郎のテレもんじゃ(1986年-1988年)、鶴太郎の危険なテレビ(1988年)、ダウンタウンの裏番組をブッ飛ばせ!!(坂上二郎のものまねで男性軍キャプテンを担当)、発明将軍ダウンタウン(パネラーとして不定期に出演)、世界一受けたい授業(ゲスト出演2007年8月4日放送分) ◇TBSテレビ系 クイズダービー(ゲスト解答者として出演)、枝里子と鶴太郎のデータブティック(1984年-1985年) ◇フジテレビ系 お笑い大集合(1978年-1980年、この番組でものまね芸人としてのテレビでのデビューを果たす。)、オレたちひょうきん族、笑ってる場合ですよ!(ツービートの代役)、オールナイトフジ、夕やけニャンニャン(1985年4月-9月)、笑っていいとも!(1984年-1993年、1994年-1995年)、スターどっきり(秘)報告(レポーターとして出演)、上海紅鯨団が行く(1986年-1987年、関西テレビ制作)、鶴太郎のギャグハラスメント、FNSスーパースペシャル1億人のテレビ夢列島、爆笑そっくりものまね紅白歌合戦(審査員として出演)、トリビアの泉(ゲスト出演2004年7月21日、2005年7月13日放送分)、脳内エステ IQサプリ(ゲスト出演2006年3月25日放送分)、タカトシ×くりぃむのペケ×ポン(ゲスト出演2007年7月10日放送分)、SMAP×SMAP(コーナーレギュラー)、爆笑レッドカーペット ◇テレビ朝日系 週間漫画ゲラゲラ45(1979年-1983年、番組後期のレギュラー)、ぶったま!ピープー(1983年)、アイドルパンチ(1984年-1985年)、鶴ちゃんのおもいっきりポコポコ(1986年)、鶴太郎の大人によくないテレビ(1986年-1987年)、ツルーライトゾーン(1988年)、クイズMONOものがたり(1988年) ◇テレビ東京系 ヤンヤン歌うスタジオ(1986年-1987年、あのねのねの後任の二代目司会者)、クイズ赤恥青恥(1995年-2003年)、いい旅夢気分(不定期)・・・」の記載がある。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%87%E5%B2%A1%E9%B6%B4%E5%A4%AA%E9%83%8E)
(29)「伊勢丹立川店(7階特設会場)」において、平成20年8月13日(水)?18日(月)に開催された「片岡鶴太郎展」の広告パンフレット及び入場券に、「役者にして画家、一方で陶芸や染色にも多彩な才能を発揮する片岡鶴太郎氏。本展では、画業13年を迎え、・・・ますます磨きのかかった鶴太郎ワールドを、ごゆっくりお楽しみ下さい。」の記載がある。
(30)「福島 片岡鶴太郎美術庭園」(福島県福島市飯坂町字銀杏1-13)を観光客等に紹介するために配布されているパンフレットに、「感性の華が薫る 鶴太郎ワールド 小京都であそぶ 安らぎの空間」の記載がある。

2 本願商標を構成する「鶴太郎」及び「つるたろう」の文字(語)が、本願指定商品「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を扱う業界において、画家、俳優である片岡鶴太郎の著名な略称と認められる事実について(以下、文字の下線は当合議体が線引きしたものである。)
(1)「鶴太郎『鯛より』と月の井純米セット イオンのオンラインショッピング」を見出しのもとに、「鶴太郎『鯛より』と月の井純米セット 茨城県月の井酒造 鶴太郎『鯛より』と月の井純米セット720ml×2価格(税込):3100円・・・商品詳細☆別送お取り寄せ☆片岡鶴太郎氏の描く鯛が印象的なのどごしなめらかな吟醸酒と、淡麗辛口な淡麗純米酒のセット。」の記載がある。
(http://www.aeonshop.com/tpshop-bin/tpshop_top.pl?itemlist_max_count=30&category_lid=2008&category_item_workfile=nwww8_20090204200834_25834&page_id=4&category_mid=40&category_sid=50&item_sort_key=0&itemlist_start_index=0&seqno=190271&purchase=1)
(2)「茨城の酒 月の井 月の井酒造(株)」を見出しのもとに、「純米大吟醸 片岡鶴太郎 月の井 1.8L 5,250円・・・選び抜かれた山田錦をぎりぎりまで醸し上げその淡麗華美な味わいを鶴太郎氏の手による朱赤のラベルに添えて生まれました」の記載がある。
(http://www.melonnomori.com/shiraisaketen27.htm)
(3)「(正価販売)赤霧島 900ml 鶴日和(鶴太郎ラベル)1800ml 各1本 酒どんどん Yahoo!店 Yahoo!ショッピング」を見出しのもと、「(正価販売)赤霧島900ml・鶴日和(鶴太郎ラベル)1800ml 各1本 計2本セット 赤霧島と鶴日和の芋焼酎飲み比べセットです。・・・商品説明 赤霧島と鶴日和の芋焼酎飲み比べセットです。25度 赤霧島 900ml 1本(霧島酒造・宮崎)定価1234円 25度 鶴日和(つるびより) 1800ml 1本 (白金酒造・鹿児島) 定価 2415円の計2本セットです。25度 赤霧島 超品薄の商品の定価販売です。25度 鶴日和(つるびより) 数少ない木桶の蒸留器で蒸留した焼酎をブレンド。片岡鶴太郎デザインのその名も鶴日和。白麹のすっきりした飲み口と木桶蒸留の柔らかさが特徴の焼酎です。」の記載がある。
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/sakedondon/akakiri009.html)
(4)「山中片岡鶴太郎工藝館 過去のニュース」を見出しのもと、「ミュージアムショップにて鶴太郎さんがラベルをデザインした日本酒の取り扱いをはじめました。」の記載がある。
(http://www.shozando.co.jp/news.html)

3 以上の事実よりすれば、太田プロダクションに所属し、画家、俳優として活躍している片岡鶴太郎(本名 荻野繁雄)は、1980年代よりテレビのバラエティー番組、ドラマ及び映画等に数多く出演し、例えば、片岡鶴太郎が出演又は司会をする番組である場合には、その番組名に「鶴太郎のテレもんじゃ」及び「鶴太郎のトークアトリエ」等のように「鶴太郎の○○○」として「鶴太郎」の語を冠するテレビ及びラジオ番組が数多く存したことが認められる。
また、1980年代より現在に至るまで片岡鶴太郎のことを指し示す語として「鶴太郎」の略称が数多く使用されている事実が認められ、さらに、近年においては画家としての評価が高まることにより、「鶴太郎作」、「鶴太郎流」、「鶴太郎ワールド」、「鶴太郎芸術」、「鶴太郎のぬり絵」、「鶴太郎工房」、「鶴太郎美術館」、「鶴太郎アートハウス」、「鶴太郎絵日記」及び「鶴太郎ラベル」等、「鶴太郎」の語が、画家である片岡鶴太郎を指し示す略称として新聞、テレビ等において広く使用されている事実が認められる。
そして、商品の包装並びに日本酒及び焼酎のラベル等に片岡鶴太郎による絵画又は書をあしらった商品が存することが認められ、それらの商品を説明する記載の中においても片岡鶴太郎を指し示す語として「鶴太郎」の略称が使用されている事実が認められる。
以上の事実を総合勘案すると、「鶴太郎」の文字(語)は、演芸及び書画等の業界を超えて、片岡鶴太郎を指し示す略称として一般に受け入れられているものと判断される。
そうとすれば、本願商標の構成中にある「鶴太郎」の文字(語)は、上記の片岡鶴太郎の著名な略称と認めるのが相当である。
また、請求人が、本願商標につき商標登録を受けることについての承諾書等の提出がないことから、その承諾を得たことを確認することもできない。
してみれば、本願商標は、他人の著名な略称からなる商標であり、かつ、当該他人の承諾を得ているとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するといわなければならない。


審理終結日 2009-08-21 
結審通知日 2009-08-25 
審決日 2009-09-08 
出願番号 商願2006-99291(T2006-99291) 
審決分類 T 1 8・ 23- Z (Y33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 旦 克昌
小畑 恵一
商標の称呼 ツルタロウ、ツルタロー 
代理人 綾田 正道 

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