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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X05
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X05
管理番号 1206660 
審判番号 不服2009-524 
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-06 
確定日 2009-10-19 
事件の表示 商願2007- 40256拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「瞬間リフレッシュ」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年4月23日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同19年9月19日付け提出の手続補正書により、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳幼児用粉乳」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『瞬間リフレッシュ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中『リフレッシュ』の文字は『気分をさわやかにすること。元気を回復すること。』の意味を有する語であるから、全体として、『瞬間に気分をさわやかにすること』程の意味合いを極めて容易に認識させるものである。そして、本願の指定商品中には、前記意味合いに相応する商品があり、また、指定商品以外の商品にも、『ミントの刺激的な清涼感が一気に広がる「瞬間リフレッシュ」する驚きと、口の中がすっきりする』と宣伝される『フィルム状の清涼菓子』が販売されている実状にある。そうとすると、本願商標をその指定商品中、例えば『口中清涼剤,ハーブ等の香りで清涼感が得られる薬剤,清涼感のある涙液型目薬,清涼感のあるコンタクトレンズ専用目薬』に使用するときは、『瞬間にリフレッシュ感が得られる商品』であることを認識させるにとどまり、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年5月29日付けで証拠調べの結果を通知した。

4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
本願商標は、その構成中「リフレッシュ」の文字が多義語であり、具体的に商品の品質等を表示するものとはいえないから、最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決で判示する「取引に際して必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するもの」ともいえず、特定人による独占使用が公益に反する商標には当らない。証拠調べ通知は、単に「リフレッシュ」や「瞬間リフレッシュ」の文字が、商品の使用感を表す文字として使用されている事実を示すに止まり、「瞬間リフレッシュ」の文字が、本願指定商品の市場において使用されている証明はなされていない。よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり、「瞬間リフレッシュ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「瞬間」の文字は、「またたく間。瞬時。」等の意味を有し、また、「リフレッシュ」の文字は、「気分をさわやかに一新すること。元気を取り戻すこと。」(いずれも「広辞苑第六版」)等の意味を有する文字であることから、全体として、「瞬時に気分をさわやかにする」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、前記3証拠調べ通知によれば、「リフレッシュ」の文字は、本願指定商品中「目薬、口中清涼剤」において、前記意味合いをもって使用されているものであり、また、「瞬間リフレッシュ」の文字は、本願指定商品中「口中清涼剤」のほか、皮膚や肌に使用して清涼感を感じる「化粧品」において、前記意味合いをもって使用されているものであり、さらに、請求人も自認するとおり、両各文字は、商品の使用感を表す文字として一般に使用されているものである。
また、前記通知によれば、本願指定商品中、目薬及び口中清涼剤等薬剤を取り扱う業界においては、瞳や口内に清涼感や爽快感を与え、リフレッシュできる商品が流通している実情にあるといい得るものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品中、清涼感や爽快感を与える商品、例えば「目薬、口中清涼剤等薬剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「瞬時に気分をさわやかにする商品」と認識し、商品の使用感、すなわち商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識、把握するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たす商標とは認識し得ないというべきであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、その構成中『リフレッシュ』の文字が多義語であり、具体的に商品の品質等を表示するものといえないから、最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決で判示する『取引に際して必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するもの』とはいえず、特定人による独占使用が公益に反する商標には当らない。証拠調べ通知は、単に『リフレッシュ』や『瞬間リフレッシュ』の文字が、商品の使用感を表す文字として使用されている事実を示すに止まり、『瞬間リフレッシュ』の文字が、本願指定商品の市場において使用されている証明はなされていない。」旨、主張する。
しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日判決言渡)旨判示されており、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、その指定商品の取引者、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられているかによって判断されなければならないところ、本願商標は、「瞬時」の意味を有する「瞬間」の文字と、本願指定商品の分野で、商品の使用感を表す文字として、一般に使用されている「リフレッシュ」の文字との結合からなるものと容易に認識されることから、「瞬時に気分をさわやかにする商品」と理解され、商品の品質等を表示したものと認識されることは、前記認定のとおりであり、たとえ「リフレッシュ」の文字が多義語であるとしても、このように理解することを妨げる特段の事情とまでは認められないものである。
そして、同号の適用において、現実に使用されている等の事実は、必ずしも要求されないと判示されていることからすれば、本願指定商品を取り扱う業界において「瞬間リフレッシュ」の文字の使用が極めてわずかであるとしても、それを理由に同号の適用を免れるということにはならないというべきである。
そうとすれば、本願商標は、指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示の商標といわざるを得ず、このような商標を特定人に独占させることは適切ではないといわなければならない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
証拠調べ通知の内容

「瞬間リフレッシュ」の文字に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
1 「瞬間」及び「リフレッシュ」の各文字が有する意味。出典は何れも「広辞苑第六版」。
(1)「瞬間」の文字が有する意味。
「またたく間。きわめてわずかな時間。瞬時。」
(2)「リフレッシュ」の文字が有する意味。
「気分をさわやかに一新すること。元気を取り戻すこと。」
2 「リフレッシュ」の文字が、本願指定商品との関係において、前記1の意味合いをもって、商品の使用感を表す文字として、新聞記事及びインターネット上のウェブサイトにおいて、一般に使用されている事実。
(1)「[LMS]目薬 花粉症にも効き目」の見出しのもと、「目薬の清涼感は、気分までリフレッシュしてくれる。」との記事(2008.03.04 読売新聞大阪夕刊 5頁)。
(2)「[健康プラス]疲れ目リフレッシュ(1)まばたきして乾燥防ごう」の見出しのもと、「疲れた目を癒やすには、どうすればいいか。手軽な方法を紹介しよう。(中略)ドライアイには、まず、目を潤すまばたきを意識的に増やしてみよう。時々ギュッと目を閉じるのもよい。まばたきは涙のポンプの働きもする。涙腺から新しい涙が送り出され、古い涙は目頭の涙小管から鼻に抜けて排出される。涙が出にくい時は、目薬で補うのも一つの手だ。」との記事(2008.05.14 読売新聞東京朝刊 16頁)。
(3)「ライオン株式会社」のウェブサイトにおいて、「スマイルコンタクト クールフレッシュ 」の項に、「疲れた瞳のリフレッシュを考えたコンタクト用目薬」及び「高い清涼感で、コンタクトレンズ装着時の瞳をリフレッシュ」との記載(http://www.lion.co.jp/ja/seihin/brand/018/13.htm)。
(4)「常盤薬品工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「医薬品『眼眼目薬』新発売」の項に、「点眼剤の使用目的として、『目のリフレッシュ』が『疲労回復』に続く結果になっており※1、また受験生のリフレッシュシーンを問うアンケートにおいても4人に1人がリフレッシュしたい時には「目薬を注す」と回答しています※2。こういった結果からも『点眼剤⇒リフレッシュ』は非常に日常的であるといえます。これらの背景をふまえ、このたび『清涼感=リフレッシュ』にこだわった新感覚の点眼剤『眼眼目薬』(がんがんめぐすり)を発売致します。」との記載(http://www.tokiwa-blog.jp/news/news/pdf/gangan070305.pdf)。
(5)「参天製薬株式会社」のウェブサイトにおいて、「サンテピュア」の項に、「サンテピュアは、結膜(白目の部分)の充血をしずめて澄んだ瞳に導き、栄養を補給して目の疲れをやわらげるめぐすりです。スッキリとしたさし心地で、目をリフレッシュしてくれます。」との記載(http://hitomi-sukoyaka.com/product/sante_pure.html)、「サンテFXネオ」の項に、「サンテFXネオは、疲れた目の組織代謝を促進し、目の疲れ・充血などに効果を発揮します。さらに、強い清涼感のあるさし心地で目の表面から爽快感が広がります。目をリフレッシュさせたい!!そんなニーズに応える目薬です。」との記載(http://hitomi-sukoyaka.com/product/sante_fx_neo.html)及び「サンテFX Vプラス」の項に、「サンテFX Vプラスは、ビタミン・アミノ酸などの栄養成分をはじめ、7種の有効成分を充実配合。目に栄養を与え、組織代謝を促進し、目の疲れ・充血を効果的に改善します。さらに、突き抜ける爽快感が瞳に冴えわたり、瞳をリフレッシュ!!」との記載(http://hitomi-sukoyaka.com/product/sante_fx_v_plus.html)。
(6)「ゼリア新薬工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「新ローゼビヤン【目薬】」の項に、「瞳をやさしくリフレッシュ」との記載(http://www.zeria.co.jp/healthcare/product/list.php?id=8)。
(7)「ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社」のウェブサイトにおいて、「目薬」の項に、「バイシンは、いろいろな充血に作用して、疲れた目をリフレッシュさせます。」との記載(http://www.jnj.co.jp/consumer/otc/eye/index.html)。
(8)「楽天」のウェブサイトにおいて、「お口瞬間リフレッシュ!! 噛むエチケットはじめましょ!【吐息美人】」の項に、「瞬間・・お口スッキリ お口のオシャレ 息リフレッシュ」との記載(http://www.rakuten.co.jp/lifetech/771537/1080755/)。
(9)「小林製薬株式会社」のウェブサイトにおいて、「スピードブレスケア」の項に、「お口瞬間リフレッシュカプセルです。お口に入れるとカプセルがはじけて、液体ミントが瞬時に息をリフレッシュ。」との記載(http://www.breathcare.jp/lineup2.html)。
(10)「小林製薬株式会社」のウェブサイトにおいて、「目もとひんやりシート」の項に、「製品特徴水分・清涼剤をたっぷり含んだ不織布シートがつめたい刺激で緊張した目もとをリフレッシュします。」との記載(http://www.kobayashi.co.jp/seihin/mhs/index.html)。
3 「瞬間リフレッシュ」の文字が、各種商品について、前記1の意味合いをもって、商品の使用感を表す文字として、インターネット上のウェブサイトにおいて、一般に使用されている事実。
(1)「netprice」のウェブサイトにおいて、「THE BODY SHOP ペパーミント クーリング フットリフレッシュセット」の項に、「日中お役立ちなのは、メントールが足の疲れをクールに和らげる足用スプレー。ストッキングの上からも手軽にシュッとひと吹きできるから、オフィスでも外出先でも脚から瞬間リフレッシュ!」との記載(http://www.netprice.co.jp/netprice/library/goods/123239/)。
(2)「楽天」のウェブサイトにおいて、「資生堂エージープラス クリアシャワーシート<L>40枚入れ×3個」の項に、「●汗・におい・よごれをしっかり拭き去る瞬間リフレッシュシート」との記載(http://item.rakuten.co.jp/matsuda88/4901872369812/)。
(3)「ケンコーコム」のウェブサイトにおいて、「メンズフレッシュライト フェイシャルシート クール13枚」の項に、「『メンズフレッシュライト フェイシャルシート クール13枚』は、汗やアブラをしっかりふき取って、瞬間リフレッシュできる洗顔シートです。」との記載(http://www.kenko.com/product/seibun/sei_834263.html)。
(4)「プロが選ぶ サロン化粧品 通販サイト」のウェブサイトにおいて、「【ケント ヘアーフォーム(SH) 】」の項に、「髪と肌を、ピュアな香りで瞬間リフレッシュ。男性化粧品シリーズ」との記載(http://salon-cosme.com/SHOP/kenthfSH330.html)。


審理終結日 2009-08-17 
結審通知日 2009-08-21 
審決日 2009-09-03 
出願番号 商願2007-40256(T2007-40256) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X05)
T 1 8・ 272- Z (X05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井出 英一郎前山 るり子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 瀧本 佐代子
岩崎 安子
商標の称呼 シュンカンリフレッシュ、シュンカン、リフレッシュ 
代理人 石塚 勝久 
代理人 遠山 勉 
代理人 松倉 秀実 
代理人 川口 嘉之 
代理人 世良 和信 

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