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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X35
管理番号 1206650 
審判番号 不服2008-17400 
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-07 
確定日 2009-10-14 
事件の表示 商願2007-33089拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「YAMAMOTO-MS」の文字を標準文字で表してなり、第35類「めっき装置の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,実験用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,その他の理化学機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,測定機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,整流器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,その他の配電用又は制御用の機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,回転変流機の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,調相機の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電線及びケーブルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電子計算機用プログラムの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,その他の電子応用機械器具及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,磁心の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,抵抗線の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電極の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年4月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『YAMAMOTO-MS』の文字を標準文字で表してなるところ、ありふれた氏のひとつである『山本』をローマ字で表示したものと認められる『YAMAMOTO』の文字と役務の種別・規格等を表す記号・符号として一般に使用されているローマ字2字の一類型と認められる『MS』の文字を「-」(ハイフン)を介して結合したものにすぎないから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「YAMAMOTO」の文字と「MS」の文字を「-」(ハイフン)を介した態様よりなるところ、両文字部分は、ハイフンによって視覚上分離して看取されるばかりでなく、常に一体不可分のものとして認識されるべき格別の理由は見出し難いものである。そして、その構成中前半の「YAMAMOTO」の文字は氏の一つである「山本」を表したと認識されるものであり、「山本」の氏がありふれていることは、例えば、東日本電信電話株式会社発行「ハローページ、東京都23区個人名全区版・下巻」に「山本」姓の電話加入者が多数掲載されていること及び佐久間英著「日本の姓」(文藝書房発行)において、「多い姓の六千傑」として、「山本」の氏が「4位 約九十万」との記載があることからも明らかである。そして、日常の商取引において氏を表す場合、漢字に限らず、欧文字で表す場合も決して少なくないことからすると、構成中「YAMAMOTO」の文字部分が、ありふれた氏の「山本」を、単に欧文字で表したにすぎないものと容易に理解されるというのが自然である。
また、構成中後半の「MS」の文字は、特定の意味合いを表す語又は表示として一般に親しまれているとは認められず、商品・役務の種別・規格等を表す記号・符号として取引上普通に採択・使用されているローマ字2字の類型の一つであると認められる。
そして、かかる態様の標章が商品・役務の種別・規格等を表示するための記号・符号として採択・使用されている実情が認められることが、例えば、以下のインターネットにおけるウェブサイトの情報等からも窺い知ることができる。
(1)日立ハイテクのウェブサイトにおいて、「日立液体クロマトグラフ質量分析計 NanoFrontier LD」の見出しのもと、「関連製品:NanoFrontier eLD(LC-MS)New!」の記載。(http://www.hitachi-hitec.com/science/ms/nanofrontier_ld.html)
(2)不動産ソフトのウェブサイトにおいて、「不動産ソフト -Fudosan-MS-」の見出しのもと、「不動産ソフト『Fudosan-MS』は不動産業務に必須な物件管理・顧客管理など豊富な機能を備えております!」の記載。(http://www.fudosan-ms.com/index.php?catid=2)
(3)Baby-Gのオフィシャル WEBサイトにおいて、「LINE UP」の見出しのもと、「クール&スポーティーな女性のために。G-ms」の記載。(http://baby-g.jp/lineup/g-ms.html)
以上によれば、「YAMAMOTO」と「MS」の語を「-」(ハイフン)を介して結合してなる本願商標は、その各構成文字部分が前記のとおりに理解・認識されるものであって、これらが全体として特定の意味合いを生じるものとは言えず、その他特定の観念のある語又は表示として親しまれているものともいえないから、その指定役務に使用された場合、これに接する取引者、需要者をして「山本なる者の取扱いに係る種別・規格MSの役務」の如き意味合いを認識させるに止まり、結局、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、諸外国での本願商標の登録例を挙げ「諸外国での登録例は審査に影響を与えることが十分にあるべきである。」旨主張しているが、登録の判断については、各国は属地主義を採用しているものであり、我が国と外国とでは法制度及び商取引の実情を異にするものであるから、外国の登録例があることをもって、我が国においても直ちに本願商標を登録すべきであるとはいえないことは明らかというべきであるから、該主張を採用することはできない。
また、請求人は、「出願人の業界は狭く『YAMAMOTO-MS』は世界的にも著名であるかはともかく少なくとも周知である。」旨主張しているが、提出された証拠を徴するも、本願商標が世界的に著名又は周知であることを立証するに足る証左はない。
また、請求人は「商標法第3条第1項第6号に該当するから、例えば同3条2項が主張できないとするのは本末転倒である。」旨述べているが、その主張のみがなされているにすぎず、提出された資料によっては、本願商標がその指定役務に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できるに至ったものである事実は認められず、本願商標が商標法第3条2項の要件を具備するものであることを裏付ける証拠もない。
さらに、請求人は、「拒絶査定であげられている参考情報として示されているものは、ローマ字2字と数字から構成されるものであるが、本願商標は人名とローマ字から構成されるため、参考情報と同様に考えることは妥当ではない。」旨主張しているが、その文字の構成態様もいまだ普通に用いられる方法の域を脱しない程度のものであるから、たとえ、人名とローマ字から構成される参考情報がないとしても、そのことだけをもって、本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たすとは認められないから、結局、請求人の主張は採用できない。
してみれば、本願商標は、その指定役務に使用しても、取引者、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-08-11 
結審通知日 2009-08-17 
審決日 2009-08-28 
出願番号 商願2007-33089(T2007-33089) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長澤 祥子豊瀬 京太郎吉澤 拓也 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小田 昌子
久我 敬史
商標の称呼 ヤマモトエムエス、ヤマモト 
代理人 磯野 富彦 

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