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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X12 |
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管理番号 | 1205393 |
異議申立番号 | 異議2009-900124 |
総通号数 | 119 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-11-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-04-03 |
確定日 | 2009-09-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5192505号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5192505号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5192505号商標(以下「本件商標」という。)は、「IMPREZA BEAMS EDITION」の欧文字と「インプレッサビームスエディション」の片仮名文字を二段に横書してなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成19年11月21日に登録出願、平成20年12月26日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりである。 (1)登録第4774128号商標(以下「引用A商標」という。) 引用A商標は、「BEAMEDITION」の欧文字を標準文字で書してなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く),乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成15年12月11日に登録出願、平成16年5月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (2)登録第4774129号商標(以下「引用B商標」という。) 引用B商標は、「BEAM EDITION」の欧文字と「ビームエディション」の片仮名文字を二段に横書してなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く),乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成15年12月11日に登録出願、平成16年5月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 申立ての理由 本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。その理由は、以下のとおりである。 本件商標の構成中、「IMPREZA」及び「インプレッサ」の文字部分は、「紋章」「金言」などの意を持つ英語「IMPRESA」からの造語であって、商標権者の取り扱いにかかる乗用車の商標として取引者・需要者に広く認識され知られているものである。 また、「BEAMS」及び「ビームス」は、「梁」「光線」の意味を持つ平易な英単語「beam」の複数形であることが容易に想起され、その語の持つ意味からして自動車を形容する用語として一般的ではなく識別力のある語と言える。 さらに「EDITION」及び「エディション」は、「版」の意味を持つ英語であり乗用車の特別仕様であることを表す用語として取引者・需要者に広く認識され使用されている語であり、一般的な名称であることは明らかである。また、「○○○EDITION」のように他の語に付随して使用され、消費者にその特別仕様車の特徴を認知させる役割を担っている用語である。 そうすると、本件商標は、上記のとおり「IMPREZA」「インプレッサ」の部分は取引者・需要者に広く認知されている商標権者の商標である。一方後半部の「BEAMSEDITION」及び「ビームスエディション」は、「(複数の)ビーム光線のようなイメージを持つ特別仕様車」という意味を持つ造語であり、後半部分「BEAMS EDITION」及び「ビームスエディション」だけで識別力を有する。また、前半部分と後半部分は、その意味合いから、一連の親しまれた熟語的意味合いを有するとは認識されないし、たとえ一連に称呼したとしても10音以上からなる称呼は冗長であり、取引者、需要者が一連で記憶し称呼するとは考えにくい。 よって本件商標は、広く知られた商標と、識別力のある語を単に結合したものというべきであり、かつ、一連の熟語的意味合いを有するとも認識されているものではないから、その構成中の「IMPREZA」「インプレッサ」の文字部分と「BEAMS EDITION」「ビームスエディション」の文字部分とは、それぞれ独立して自他商品識別力を有し、「ビームスエディション」の称呼をも発生させるものとみるのが相当である。 してみれば、本件商標は、「インプレッサ」の「ビームスエディション」であると認知され、それらの称呼によって取引に資される場合があるため、「ビームスエディション」の称呼が発生する。 他方、引用商標は、その構成文字に相応して「ビームエディション」の称呼が生ずることが明らかである。 本件商標と引用商標の称呼を比較するに、本件商標「ビームスエディション」引用商標「ビームエディション」の差異はわずかに「ス」の一文字である。また、両商標は共に英単語であり、名詞「BEAM」に「S」が付随しているかいないか、つまり単数形か複数形かの差異のみである。 してみれば、本件商標と引用商標の称呼は6・7音からなる冗長なものであり、その中の「ス」の有無のみによる差異は微細であるため、よって称呼において本件商標と引用商標は類似するものである。 また、本件商標と引用商標の外観を比較してみるに、その構成態様に大きな差異はなく、双方の商標に独特な部分のない普通の書体にて書された商標であり、外観も極めて類似するものである。 さらに、本件商標と引用商標の観念を比較してみるに、上述のとおり本件商標の「BEAMS EDITION」部分は前部の「IMPREZA」から分断され独立看取されるものであるから、「光線(の束ようなイメージの)特別仕様車」の意味を有する造語であり、その差異となる単数形か複数形かという微小な違いは大きな差異ではなく、観念についても類似するものである。 そして、本件商標と引用商標の指定商品は、前記したとおり同一のものである。 したがって、上記のとおり外観・称呼・観念の全ての要素で本件商標と引用商標は類似するものである。 また、本件商標のように、他人の商標と極めて類似する商標を採択しようとするとき、自己の周知/著名商標と結合しさえすれば商標登録されるという方法がまかりとおれば、出所の混同が生じ、ひいては需要者の利益を保護するという商標法の目的に反する恐れがあるものと考える。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。 4 当審の判断 商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)、また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁及び最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決参照)。 これを本件についてみるに、本件商標は、上述したとおり、「IMPREZA BEAMS EDITION」の欧文字と「インプレッサビームスエディション」の片仮名文字を二段に横書してなるものであり、各文字の大きさ及び書体は同一であって、「IMPREZA」と「BEAMS」との単語の間及び「BEAMS」と「EDITION」との単語の間が欧文表記において一般的に行われているように一文字相当分の間隔を有するほか等間隔に欧文字と片仮名文字を二段にまとまりよく表されているものであるから、「BEAMS EDITION/ビームスエディション」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構成されているということはできない。 また、本件商標の構成中の「BEAMS EDITION/ビームスエディション」の文字部分が、本件商標の登録査定がなされた平成20年10月29日当時、本件登録異議の申立てに係る指定商品の取引者や需要者に対し商標権者又は申立人の商品の出所である旨を示す識別標識として強く支配的な印象を与えるものであったと認めるに足る事実は認められない。 このほか、本件商標について、その構成中の「BEAMS EDITION/ビームスエディション」の文字部分を取り出して観察すべき事情を見いだすことはできないから、本件商標と引用各商標の類否を判断するに当たっては、その構成部分全体及びその構成中の周知・著名性を有する「IMPREZA/インプレッサ」の文字部分を対比するのが相当であり、その構成中の「BEAMS EDITION/ビームスエディション」の文字部分だけを引用各商標と比較して本件商標と引用各商標の類否判断をすることは許されないというべきである。 してみれば、本件商標は、その構成部分全体及びその構成中の「IMPREZA/インプレッサ」の文字部分が特定の意味を有さない語よりなると認められるものであるから、「インプレッサビームスエディション」及び「インプレッサ」の称呼を生じるが、観念を生じないものである。 引用各商標は、上述したとおりの構成よりなり、その構成中の「BEAM」及び「ビーム」の文字部分が「光線」などの意味を有する英語とその発音であり、同じく「EDITION」及び「エディション」の文字部分が、「版」の意味を有する英語とその発音であり、乗用車を取り扱う業界においては特別仕様であることを表す用語として普通に使用されている語であると認められ、我が国においてよく知られた語であるから、いずれの引用商標も一連一体のものとして看取され、その構成文字に相応して「ビームエディション」の称呼を生じ、特定の意味を有しない造語を表したものとみるのが相当である。 したがって、本件商標と引用各商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても異なるものであることは明らかであるから、類似する商標であるということはできない。 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-09-07 |
出願番号 | 商願2007-117643(T2007-117643) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X12)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 飯田 亜紀 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 井出 英一郎 |
登録日 | 2008-12-26 |
登録番号 | 商標登録第5192505号(T5192505) |
権利者 | 富士重工業株式会社 |
商標の称呼 | インプレッサビームスエディション、インプレッサ、インプレザ、ビームスエディション、ビームス、ビームズ、エディション |
代理人 | 大房 孝次 |
代理人 | 谷山 尚史 |