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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0335 審判 全部申立て 登録を維持 X0335 |
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管理番号 | 1205360 |
異議申立番号 | 異議2008-900414 |
総通号数 | 119 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-11-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-10-17 |
確定日 | 2009-10-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5155604号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5155604号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5155604号商標(以下「本件商標」という。)は、「ビューレックス」の片仮名文字と「BEAULEX」の欧文字を二段に書してなり、平成20年1月30日に登録出願、 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第35類「商品の販売に関する情報の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、平成20年8月1日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要旨 (1)引用商標 国際登録第845561号商標(以下「引用商標」という。)は、「BEAUPLEX」の欧文字を書してなり、ベネルクス商標庁においてした2004年8月19日の商標出願に基づきパリ条約第4条による優先権の主張をして2005年1月26日に国際登録され、第1類「Chemical products used for manufacturing cosmetics.」、 第3類「Cosmetics and hair lotions.」及び第5類「Pharmaceutical and sanitary preparations.」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録されたものである。 (2)理由の要点 本件商標は、以下の(ア)及び(イ)により、その登録を取り消されるべきである。 (ア)商標法第4条第1項第11号該当について 本件商標と引用商標とは、語頭の4文字である「BEAU」及び語尾の「LEX」は配列が完全に一致し、また、引用商標中「P」の文字は、印象が残りにくく、看者の注意が届き難い真ん中の位置にあるから、両者を離隔的に観察した場合、外観上互いに見誤るおそれがある。 してみれば、本件商標は、引用商標と外観について相紛らわしく類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (イ)商標法第4条第1項第15号該当について 引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の開発に係る化粧品用ビタミン製剤に使用されるものであり、申立人の主力ブランドの一つとして我が国を含む世界の多数国で商標登録されており、その結果、化粧品について周知・著名となり、現在では、取引者・需要者において、申立人の製造・販売に係る商品と認識されるに至っているものである。 申立人の引用商標に係る商標と類似する本件商標が、申立人の業務に係る商品と密接な関連性を有するその指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ない(狭義の混同)。仮に百歩譲って、このような狭義の混同が否定されたとしても、申立人の商標の周知・著名性及び両商品の密接な関連性にかんがみれば、少なくとも、申立人と一定の経済的関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがある(広義の混同)。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、「ビューレックス」の片仮名文字と「BEAULEX」の欧文字からなるものであるから、「ビューレックス」の称呼を生じ、特別の観念を生じない造語と認められる。 一方、引用商標は「BEAUPLEX」の欧文字からなるものであるから、「ビュープレックス」の称呼を生じ、特別の観念を生じない造語と認められる。 そこで本件商標と引用商標の類否について検討するに、まず、外観についてみてみると、本件商標と引用商標とは、語頭の「BEAU」及び語尾の「LEX」の文字を共通にするものの、中間において「P」の文字の有無の差異を有し、構成全体が7文字若しくは8文字といった比較的短い構成よりなるものであるから、「P」の文字が全体に与える影響も決して小さいものとはいえず、全体として区別し得るものというべきである。 また、本件商標から生ずる「ビューレックス」の称呼と引用商標から生ずる「ビュープレックス」の称呼とは、 中間において「プ」の音の有無の差異を有するものであり、かつ、該差異音の前音が長音であることから、「ビュー」と「プレックス」に区切るように称呼され、該差異音が比較的強く発音されることから、明瞭に聴取され、これらを一連に称呼しても十分に聴別できるものというべきである。 さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、比較すべきところがないものである。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について 申立人は、引用商標を使用し、申立人の使用する商標は、本件商標の登録出願時において、需要者の間に広く認識されるに至っているとして、甲第10号証ないし甲第57号証を提出している。 そこで、上記申立人提出の証拠についてみてみるに、甲第10号証ないし甲第14号証は、申立人会社の周知・著名性に関する証拠であって、該証拠には、申立人の使用商標に関する記載は何ら認めることができない。 甲第15号証ないし甲第48号証は、申立人の「BEAUPLEX」の文字からなる商標の世界各国の登録状況を示すものである。 甲第49号証は、申立人が我が国において開催したセミナーのタイムスケジュール表であり、「ビュープレックスVH/マルチビタミン」の紹介が行われるセミナーであることは認められるとしても、規模、開催回数、参加者及び開催日は不明である。 甲第50号証は、申立人の広告宣伝資料であるが、配布時期、配布先、配布量等は明らかでない。 甲第51号証及び甲第55号証は、2007年5月付けのプレゼンテーション用資料であるが、配布先、配布量等は明らかでない。 甲第52号証は、2008年10月22日付けのインボイス、甲第53号証は、2008年4月23日作成の「安全データシート」であり、いずれも本件商標の出願日後のものである。 甲第54号証は、カネダ株式会社の2007年11月19日の申立人を含む原料メーカーによる商品のプレゼンテーションの案内であるが、該案内の配布数及びプレゼンテーションへの参加者数等は不明である。。 甲第56号証は、「BEAUPLEX」をキーワードとして、甲第57号証は「BEAUPLEX DSM」をキーワードとして、Googleで検索した1-20件までの検索結果であるが、いずれも日本語以外の言語によるものである。 以上の提出した証拠によれば、申立人はビタミン製剤に「BEAUPLEX」の商標を使用していること、当該ビタミン剤は化粧品の製造に用いられる商品であることは認められるにしても、申立人の使用商標がビタミン製剤に使用する商標として取引者、需要者に広く認識されているものとはいえない。 また、本件商標と申立人の使用商標は、(1)で述べたとおり、相紛れるおそれのない別異の商標であり、他に本件商標が申立人使用商標とその出所について混同を生ずるおそれがあるとする格別の事情も見いだせない。 してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用したとしても、これに接する需要者が申立人使用商標を想起又は連想して、当該商品を申立人又 は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断すべきものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-09-15 |
出願番号 | 商願2008-5990(T2008-5990) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X0335)
T 1 651・ 271- Y (X0335) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
内山 進 稲村 秀子 |
登録日 | 2008-08-01 |
登録番号 | 商標登録第5155604号(T5155604) |
権利者 | 株式会社ニッセンホールディングス |
商標の称呼 | ビューレックス、ボーレックス |
代理人 | 工藤 莞司 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 黒川 朋也 |
代理人 | 齋藤 宗也 |
代理人 | 上原 空也 |
代理人 | 福井 陽一 |