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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X3043
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X3043
管理番号 1205317 
審判番号 不服2008-30326 
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-11-28 
確定日 2009-10-07 
事件の表示 商願2008- 17571拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「MOCHISWEETS」の欧文字と「モチスイーツ」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなり、第30類「菓子及びパン」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成20年3月7日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『MOCHISWEETS』の文字と『モチスイーツ』の文字とを2段に書してなるところ、例えば、『餅スイーツ』、『mochi sweets(モチスイーツ)』、『もちスイーツ』の語が新聞記事、インターネット記事に掲載されており、餅を原料とした餅菓子が存在することやスイーツという語がケーキ、菓子などを意味する語として知られているから、菓子との関係からみて『MOCHISWEETS』『モチスイーツ』という表示は餅を使用した菓子、餅を使用したケーキほどの意味を想起させるものと認められる。そうとすれば、本願商標を指定商品中『餅と洋菓子材料とを組み合わせて作った菓子』に使用するときは、『餅と洋菓子材料とを組み合わせて作った菓子』ほどの意味を理解させるにとどまり、商品の品質、原材料を表示したものと認められる。また、本願商標を指定役務中『餅と洋菓子材料とを組み合わせて作った菓子の提供』について使用するときは、『餅と洋菓子材料とを組み合わせて作った菓子の提供』ほどの意味を理解させるにとどまり、役務の質を表示したものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

本願商標は、「MOCHISWEETS」の欧文字と「モチスイーツ」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなるところ、構成中の「MOCHI」及び「モチ」の文字部分は、指定商品又は指定役務との関係において、「糯米を蒸し、つきつぶして成形したもの」を意味する「餅」の語の表音をヘボン式ローマ字及び片仮名で表したものと容易に理解、認識されるものである。また、「SWEETS」及び「スイーツ」の文字部分は、「甘いもの。菓子。ケーキ、パイなど。デザート。」(現代用語の基礎知識2009 株式会社自由国民社)の意味を有する語として一般に親しまれているものであるから、本願商標は、全体として「餅を使用した菓子(スイーツ)」程の意味合いを極めて容易に理解、認識させるものである。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中「餅を使用した菓子」、「餅を使用した菓子を主とする飲食物の提供」に使用するときは、取引者、需要者は、商品の品質又は役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、自他商品又は自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、商品の品質又は役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
また、本願商標を前記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
原審において提示した証拠に加えて、「MOCHISWEETS」「モチスイーツ」「もちスイーツ」「餅スイーツ」「餅すいーつ」の文字が、「餅を使用したお菓子」ほどの意味合いをもって、菓子等に使用されている事実。

(1)「Yahoo!ショッピング 有限会社笹福」のウェブサイトにおいて、「生クリームと自家製あんをやわらかいお餅で包んだ大福。母の日に!mochi sweets(宇治金時)【生クリーム大福】」の見出しの下に「ほろ苦い宇治抹茶を練りこんだ生クリームと笹福自慢の自家製あんを、やわらかくてコシのあるお餅で包みました。」との記載がある。(http://store.shopping.yahoo.co.jp/sasafukuzwebshop/ms03.html)
(2)「ルネッサンス リゾート ナルト」のウェブサイトにおいて、「MOCHI SWEETS」の見出しの下に「讃岐の伝統あんもちをアレンジした冷たいフルーツフレーバー、楽しい新しい食感スイーツを。」との記載がある。(http://www.renaissance-naruto.com/newsrelease/shikokusynsai.pdf)
(3)「日経トレンディネット」のウェブサイトにおいて、「モチモチの食感が受けている 売れるモチスイーツを食べ比べ」の見出しの下に「和ブームが追い風となり、餅を使った“モチスイーツ”が人気を集めている。1980年代に登場し、今なお愛され続けている大福アイスとイチゴ大福は、いわば2大モチスイーツ。しかし最近のモチスイーツは、実にバラエティ豊か。餅や薄い求肥(ぎゅうひ。和菓子の材料、餅の一種)で包んだ大福タイプが主流なのは替わらずだが、中身は何でもあり。意表を突くコンビネーションが楽しめるのが、トレンドだ。」との記載がある。(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080310/1007875/)
(4)「日経トレンディネット」のウェブサイトにおいて、「『神楽坂 茶寮』の『季節のプリン大福』」の見出しの下に「クリームやフルーツでなく、プリンやスポンジを使ったモチスイーツもある。・・・餡とプリンとスポンジが3層になって入っている。クリーム系の軟らかい大福と違い、餡にもプリンにもしっかりとした硬さがある。薄い求肥で包まれているため、モチの存在感は薄く、食べてみるとまるで和風のケーキを食べている印象。」との記載がある。(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080310/1007875/?P=2)
(5)「日経トレンディネット」のウェブサイトにおいて、「丸山茂樹氏が紹介した『ブルーベリーちーず大福』」の見出しの下に、「次に、インターネット上で人気の2つのモチスイーツを紹介しよう。まず2006年春から発売している沢田本店(埼玉)の「ちーず大福」。厚みのある餅に、チーズクリームが挟まれた一品だ。・・・もう1点が、2008年初頭から発売を始めている大黒屋(福島)の「マシュマロプリン」だ。中身はカスタードクリームとカラメル。プリンを丸ごと薄い餅皮に詰めたようなスイーツで、手に持つと崩れそうなほど軟らかい。」との記載がある。(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080310/1007875/?P=3)
(6)「ベルメゾンネット」のウェブサイトにおいて、「もちスイーツ6つの味を食べ比べ」の見出しの下に「あん・ずんだ・ごま・くるみ・ココアミルク・イチゴミルク、6種のおもちづくし!食べたいときにひとつずつ自然解凍で食べられる手軽さもうれしい。」との記載がある。(http://www.bellemaison.jp/100/pr/510200901/808803/)
(7)「こしのなかこく広報室」のウェブサイトにおいて、「もちスイーツ宇治抹茶」の見出しの下に「(写真中)やわらかな餅であんと宇治抹茶クリームを包み込みました。」との記載がある。(http://kenkob.blog76.fc2.com/blog-entry-209.html)
(8)「楽天市場 もち処木の幡」のウェブサイトにおいて、「夏の人気のもちスイーツが全部入ったお得セット!」の見出しの下に「夏の代名詞、福島の献上桃『あかつき』を使った桃餡がたっぷり入った夏限定もちロール」との記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/konohata/hanngaku_9/)
(9)「エキサイトニュース」のウェブサイトにおいて、「お餅なのにふわふわ? 新感覚・餅スイーツ『もっちーず』」の見出しの下に「大福のような定番和菓子に欠かせないお餅だが、最近は洋菓子にもお餅を使ったものが多く登場している。まず思いつくのは、一大ブームとなった『いちご大福』からの流れで誕生したと思われる洋風大福。チョコレートやクリームの入った餅スイーツは今や定番にもなりつつある。中にはスポンジも一緒にショートケーキ丸ごと入っているものも。あとはアイスクリームかな。お餅と洋風デザートの出会いはどれも人気商品だ。」との記載がある。(http://www.excite.co.jp/News/bit/00091167305215.html)
(10)「夢通販」のウェブサイトにおいて、「無農薬栽培のこだわり抹茶すいーつ 抹茶餅」の見出しの下に「新作!京都宇治抹茶餅スイーツお抹茶をご紹介いたします。・・・こんな手作業で丹精をこめ、手間暇かけた最高の抹茶をこだわりのお餅にたっぷり練りこみました。」との記載がある。(http://www.yumetuuhan.com/DreamShop/Gourmet/Sweets_33.aspx)

第4 請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対し、何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり、「MOCHISWEETS」の欧文字と「モチスイーツ」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなるところ、構成中の「MOCHI」及び「モチ」の文字部分は、指定商品又は指定役務との関係において、「糯米を蒸し、つきつぶして成形したもの」を意味する「餅」の語の表音をヘボン式ローマ字及び片仮名で表したものと容易に理解、認識されるものである。また、「SWEETS」及び「スイーツ」の文字部分は、「甘いもの。菓子。ケーキ、パイなど。デザート。」(現代用語の基礎知識2009 株式会社自由国民社)の意味を有する語として一般に親しまれているものである。
そして、前記第3の証拠調べ通知によって示したとおり、菓子を取り扱う業界においては、「MOCHISWEETS」「モチスイーツ」「もちスイーツ」「餅スイーツ」「餅すいーつ」の文字が、「餅を使用したお菓子」程の意味合いをもって、商品の品質、原材料を表す語として一般に使用されているものである。
そうとすれば、「MOCHISWEETS」と「モチスイーツ」の文字からなる本願商標は、全体として「餅を使用した菓子(スイーツ)」程の意味合いを極めて容易に理解、認識させるものである。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中、第30類「餅を使用した菓子」及び第43類「餅を使用した菓子を主とする飲食物の提供」に使用するときは、取引者、需要者は、商品の品質、原材料又は役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、自他商品又は自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、商品の品質、原材料又は役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
また、本願商標を前記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、本願商標「MOCHISWEETS」「モチスイーツ」は、他の語と組み合わせる際に一般に食品としての「餅」を表示するものとは異なる特殊な表現態様である「MOCHI」および「モチ」を含んでなるものとして採択されたものであり、それ自体、自他商品の識別力を有するものである旨主張するが、商標を採択使用する際に漢字をローマ字又は片仮名文字で表示することは普通に行われていることであるから、請求人の主張は採用することができない。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではなく、本願については前記のとおり判断するのが相当であるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2009-07-30 
結審通知日 2009-08-07 
審決日 2009-08-18 
出願番号 商願2008-17571(T2008-17571) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X3043)
T 1 8・ 13- Z (X3043)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 平澤 芳行
小畑 恵一
商標の称呼 モチスイーツ 
代理人 森本 直之 

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