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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y07091011374245
管理番号 1205203 
審判番号 不服2007-33243 
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-12-10 
確定日 2009-09-24 
事件の表示 商願2006- 46305拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「FUSION UV SYSTEMS」の欧文字を横書きしてなり,第7類,第9類,第10類,第11類,第37類,第42類及び第45類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成18年5月19日に登録出願,その後,指定商品及び指定役務については,同19年4月16日付け手続補正書において,最終的に,第7類「紫外線硬化型樹脂硬化装置,製缶機械用・コンパクトディスク製造装置用・塗装機械用・印刷又は製本機械用・木工用又は合板用の機械用・床タイル・大理石のフロア材又はフローリング材の表面コーティング加工機械用又は石材加工機械用・プラスチック加工機械用・ガラス器製造機械用・ディスプレー装置製造・回路基板製造又は半導体製造装置用の紫外線硬化樹脂を利用した塗料・インキ・接着剤の乾燥・硬化用及び紫外線硬化樹脂被膜形成のための乾燥・硬化用紫外線照射装置,半導体製造における紫外線硬化樹脂の硬化促進用紫外線照射装置,紫外線遮蔽塗料の塗布施工用の塗装装置,プラスチック又は金属又は紙の上に塗布したコーティング材又は接着剤を硬化させるための紫外線照射装置,半導体製造における感光性材料の露光用紫外線照射装置,半導体製造装置用紫外線照射装置,ケーブル製造機械用ケーブル被覆膜硬化用紫外線照射装置,印刷又は製本用の機械器具,塗装機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置」,第9類「マイクロ波増幅器,マイクロ波発生装置,紫外線測定器,測定機械器具,紫外線照射装置用コンピュータプログラム,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,配電用又は制御用の機械器具」,第10類「医療用紫外線ランプ,医療用機械器具」, 第11類「紫外線ランプ及びその部品(医療用のものを除く。),無電極紫外線ランプ及びその部品(医療用のものを除く。),電球及び照明用器具,紫外線を利用した水質汚濁防止用殺菌・浄化装置,紫外線を利用した浄水装置,紫外線ランプを利用した業務用日焼け装置,紫外線灯を使用した殺菌機能を有する空気清浄機,浄水装置」,第37類「紫外線硬化型樹脂硬化装置の修理又は保守,製缶機械用・コンパクトディスク製造装置用・塗装機械用・印刷又は製本機械用・木工用又は合板用の機械用・床タイル・大理石のフロア材又はフローリング材の表面コーティング加工機械用又は石材加工機械用・プラスチック加工機械用・ガラス器製造機械用・ディスプレー装置製造・回路基板製造又は半導体製造装置用の紫外線硬化樹脂を利用した塗料・インキ・接着剤の乾燥・硬化用及び紫外線硬化樹脂被膜形成のための乾燥・硬化用紫外線照射装置の修理又は保守,紫外線遮蔽塗料の塗布施工用の塗装装置の修理又は保守,プラスチック又は金属又は紙の上に塗布したコーティング材又は接着剤を硬化させるための紫外線照射装置の修理又は保守,半導体製造における感光性材料の露光用紫外線照射装置の修理又は保守,半導体製造における紫外線硬化樹脂の硬化促進用紫外線照射装置の修理又は保守,半導体製造装置用紫外線照射装置の修理又は保守,ケーブル製造機械用ケーブル被覆膜硬化用紫外線照射装置の修理又は保守,印刷又は製本用の機械器具の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,プラスチック加工機械器具の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,紫外線ランプ及びその部品(医療用のものを除く。)の修理又は保守,無電極紫外線ランプ及びその部品(医療用のものを除く。)の修理又は保守,医療用機械器具の修理又は保守,電球及び照明用器具の修理又は保守,紫外線を利用した水質汚濁防止用殺菌・浄化装置の修理又は保守,紫外線を利用した浄水装置の修理又は保守,紫外線ランプを利用した業務用日焼け装置の修理又は保守,紫外線灯を使用した殺菌機能を有する空気清浄機の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守」,第42類「紫外線を利用した機械・装置の開発・試験・設備の設計・研究及びこれらに関する助言,紫外線照射装置・機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他のその用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,紫外線ランプ・紫外線照射装置・機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,理化学機械器具の貸与」及び第45類「紫外線ランプ(医療用のものを除く。)の貸与,電球及び照明用器具の貸与」に補正されたものである。

第2 引用商標
1 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(6)のとおりである。
(1)登録第1943115号商標(以下,「引用商標1」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,昭和58年11月17日に登録出願,第9類「産業機械器具,動力機械器具,風水力機械器具,事務用機械器具,その他の機械器具で他の類に属しないもの,これらの部品および附属品,機械要素」を指定商品として,同62年3月27日に設定登録され,その後,平成9年7月4日及び同19年4月3日の二回にわたり,存続期間の更新登録がなされ,その後,同20年9月10日に指定商品について,第6類「金属製管継ぎ手」,第7類「金属加工機械器具,化学機械器具,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)及び第9類「アーク溶接装置,金属溶断機,電気溶接装置」とする指定商品の書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
(2)登録第3188474号商標(以下,「引用商標2」という。)は,「フュージョン」の片仮名文字を横書きしてなり,平成4年9月22日に登録出願,第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリ?ン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩,マッサ?ジ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,栄養の指導,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,かつらの貸与,植木の貸与,測定器の貸与,コンバインの貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ?プその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与」を指定役務として,同8年8月30日に設定登録され,その後,商標権一部取消し審判が請求され,指定役務中「電子計算機プログラムの設計・作成又は保守」についての登録を取り消す旨の審決の確定登録が同16年4月27日になされ,さらに,同18年8月29日に存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
(3)登録第3288738号商標(以下,「引用商標3」という。)は「フュージョン」の片仮名文字を横書きしてなり平成6年4月20日登録出願第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,電動三輪車」を指定商品として,同9年4月25日設定登録されたものであるが,その商標権は,商標登録原簿の記載によれば,同19年4月25日に存続期間満了により消滅し,同19年12月26日にその抹消登録がなされているものである。
(4)登録第4731644号商標(以下,「引用商標4」という。)は,「FUSION」の欧文字を標準文字で表してなり,アメリカ合衆国における2002年6月27日の商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成14年11月6日登録出願,第10類「血管移植片」を指定商品として,同15年12月5日に設定登録され,その後,商標権取消し審判の請求により,商標登録を取り消す旨の審決が確定し,同19年11月8日に,商標権の登録の抹消がなされているものである。
(5)登録第4734652号商標(以下,「引用商標5」という。)は,「FUSION」の欧文字を横書きしてなり,平成12年12月26日に登録出願,第9類「オーディオ機器,ビデオ機器,サングラス,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,電気ブザー,盗難警報器,保安用ヘルメット,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,その他の保安用機械器具,スライドフィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として,同15年12月19日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
(6)登録第5049480号(商願2006-22810,以下,「引用商標6」という。)は,「FUSION」の欧文字を横書きしてなり,アメリカ合衆国における2005年9月16日の商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成18年3月14日に登録出願,第9類「製造自動化の分野において使用されるコンピュータソフトウェア」を指定商品として,同19年5月25日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
2 原審において本願の拒絶の理由に引用した商願2004-82779(以下,「引用商標7」という。)は,「FUSION」の欧文字を標準文字で表してなり,アメリカ合衆国における2004年3月9日の商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成16年9月8日に登録出願,第10類「医療用機械器具」を指定商品とし,その後,登録第5148470号として,同20年7月4日に設定登録がされ,現に有効に存続しているものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標構成中の「UV SYSTEM」の文字部分が自他商品及び役務の識別標識としての機能を有するか否かについて,職権により証拠調べを行った結果,以下の1及び2に記載のとおりの使用の事実を発見したので,商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に対して通知を行った。
そして,これらの使用の事実よりすれば,本願商標中,自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は,「FUSION」の文字部分にあるとみるのが相当であるから,本願商標からは,単に「フージョン」の称呼をも生ずるというのが相当であること,及び引用各商標からは,その構成中の「FUSION」又は「フュージョン」の文字に相応して,「フュージョン」の称呼をも生ずるというのが相当である旨を述べ,請求人の意見を求めた。

1.「FUSION」,「UV」及び「SYSTEM」の文字について
(1)「FUSION:1.融解,融合 2.融解物 3.合同,連合」等(「小学館ランダムハウス英和大辞典」1999年1月10日第2版 株式会社小学館発行 1080頁)
「フュージョン[fusion]1.核融合 2.ジャズ,ロック,ソウル,ラテン音楽などの要素が入り混じったポピュラーミュージック」(「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」2005年10月20日 株式会社三省堂発行 921頁)
「フュージョン〔fusion〕1.核融合 2.ジャズとソウルなどを融合した音楽。」(「現代用語の基礎知識2008」株式会社自由国民社発行 1538頁)
(2)「UV:ultraviolet」(前出「小学館ランダムハウス英和大辞典」 2997頁)
「UV〔ultraviolet rays〕紫外線。」(前出「現代用語の基礎知識2008」 1475頁)
「UV:ultra-violet(ray or light);紫外(線または光)(「略語大辞典 第2版」平成15年2月10日 丸善株式会社発行 1532頁)
(3)「SYSTEM:1.系統;組織網;装置,システム」(前出「小学館ランダムハウス英和大辞典」 2751頁)
「システム[system]1.組織,制度 2.体系,系統 3.方式,仕組み 4.《電算》問題を処理するための方式。ハードウェア,ソフトウェアを含めたものをいう。 (前出「コンサイスカタカナ語辞典」 440頁)
2.本願指定商品及び指定役務との関係において,「UV SYSTEM」の文字及び「UV system」の文字に通じる「UVシステム」の文字が,紫外線を利用した装置又は紫外線を利用したシステムを理解させる語として使用されている例について
(a)「UV光モニタリング装置」,「UV装置の中に組込み,UV光を測定します:」(スライド1枚目),「Peak performance from your PRIME UV System」(スライド2枚目)との記載(Prime UV Systems,Inc.のウェブページ(http://www.jpforms.net/prime%20system/presentations%201/Prime%20UV%202003%20JP%209.ppt#478,1,UV光モニタリング装置))。
(b)「紫外線装置 紫外線硬化装置」,「UV-SYSTEM」との記載(株式会社マックステックのウェブページ(http://www.valley.ne.jp/~maxtec/catalog/catalog02.html))。
(c)「TEC スーパースプレッディング」,「溶剤系塗料・UV塗料・コーター用特殊樹脂ロール SPECIAL RESIN ROLL FOR COATING(FOR SOLVENT SYSTEM・UV SYSTEM)」との記載(テクノロール株式会社のウェブページ(http://www.technoroll.co.jp/pdf/13.pdf))。
(d)「光ファイバ線引装置と線引炉シミュレーション」の見出しのもと,「1.光ファイバ線引装置」,「1.1装置の概要 図1に光ファイバ線引装置の全体図を,図2に光ファイバ線引工程の概念図を示す。・・・・・引取る過程で,クラッド表面を傷つきから保護するための紫外線硬化樹脂被覆を行う。・」,図1及び図2中に「UV system」の記載(株式会社神戸製鋼所のウェブページ(http://www.kobelco.co.jp/technology-review/pdf/58_2/092-095.pdf ))。
(e)「分析室機器リスト ’08/8/8」「・・分離分析装置〔機器〕高速液体クロマトグラフ〔機種〕Waters allaiance UVsystem」との記載(大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所のウェブページ(http://www.nibb.ac.jp/~analyins/kikilist/kiki.html#I))。
(f)「高度消毒技術としてのローズチタニアUVシステム」の見出しのもと,「抄録 近年,食中毒の主要な原因微生物として注目されているノロウイルス(NV)は,汚染された水域に生息する魚貝類の体内に濃縮され,かかる魚貝類を生食することで発症することから水系感染症であるといわれている。・・・NV対策技術としての光触媒/紫外線消毒(ローズチタニアUVシステム)の適用可能性について検討し,・・」との記載(新日本製鐵株式会社のウェブページ(http://www.nsc.co.jp/tech/report/pdf/38208.pdf ))。
(g)「印刷タイムス ●リョービ・東洋インキが次世代LED-UVシステムを共同開発」の見出しのもと,「・・省エネルギーで環境負荷が少ない次世代の『LED-UV印刷システム』を共同で開発したことを発表した。同システムは,UV波長を発生させる産業用LED-UV照射システムを松下電工から供給を受け,東洋インキ製造が開発したLED用UVインキを使用して,リョービが世界で初めて,オフセット印刷機での開発に成功したもの。」との記載(株式会社印刷之世界社の運営するウェブページ(http://www.monz.co.jp/2008/02/leduv.html))。
(h)「FUJIFILM Japan 印刷 UV照射システム Radiset Radiset ラディセット プレミアムUVシステム 主な仕様 UVシステム基本構成例」との記載(富士フイルム株式会社のウェブページ(http://fujifilm.jp/business/printing/pressroom/uvirradiation/radiset/spec.html))。
(i)「情報ライブラリー 納入施設例 光応用分野 京都迎賓館 アイテップUVシステム 京都府京都市 和風庭園池のしつらえを維持する浄化システム・・・殺菌線(253.7nm)とオゾン線(184.9nm)を効率よく発生させるUVランプ。」との記載(岩崎電気株式会社のウェブページ(http://www.iwasaki.co.jp/info_lib/eoe/26.html))。
(j)「ケイテックUV-システム」,「世界初のハードフロアー専用コーティング UV硬化樹脂とUV照射機を使用した新システムの仕上がりは,床にフィルムを貼ったような感じに仕上がります。」との記載(有限会社ケイテックのウェブページ(http://www.nbs-map.com/~k-tec/uv/uv_index.html))。
(k)「紫外線消毒装置(UVシステム) 技術提案者:(株)西原環境テクノロジー」との記載(財団法人 下水道新技術推進機構 研究第一部の運営するSPRIT21のウェブページ(http://www.jiwet-spirit21.jp/confluence/pdf_cimt03/22.pdf))。
(l)「国交省/合流式下水道改善技術説明会開催,メーカーら25者が参加」の見出しのもと,「〈消毒〉▽西原環境テクノロジー=紫外線消毒装置(UVシステム)」との記載(2005.5.13 日刊建設工業新聞 2頁)
(m)「日本電池,UV照射システムを拡販,ビルトインなど対応強化」の見出しのもと,「日本電池は,UVインキやUV塗料,UV接着剤など向けの紫外線照射システム『GS UVシステム』の拡販に力を注ぐ。」との記載(2003.10.1 化学工業日報 5頁)。
(n)「水循環利用の中水システムを国立京都国際会館に納品/岩崎電気」の見出しのもと,「《本文》・・・震災などの非常時には,アイテップUVシステムで敷地内の幸が池の水を,紫外線殺菌,オゾン酸化分解,高速ろ過する。」との記載(2003.3.13 建設通信新聞)。
(o)「売上高が過去最高 ハリソン東芝3月期」の見出しのもと,「部門別売り上げの前期比伸び率は・・・・▽UVシステム事業部96.9%増-など。」との記載(2002.5.31 愛媛新聞朝刊)。
(p)「われらエコ企業(15)エンバイシス,PCB処理などにも意欲」の見出しのもと,「エンバイシスは,水処理システムを中心とする環境機器メーカー。・・・『当社の技術を特徴づける商品』が,光触媒UVシステム『Tio(ティオ)』だ。」との記載(2001.7.27 日刊工業新聞 21頁)。
(q)「ミヤマ,地下水浄化・排水・廃液装置を開発-酸化剤に鉄触媒組み合わせ」の見出しのもと,「ミヤマは,紫外線(UV)と酸化剤に新たに鉄触媒を組み合わせた地下水浄化・排水・廃液装置「フォーサイトUV・MCSシリーズ」を開発した。・・・・・同装置のUVシステム(特許出願中)については,紫外線殺菌装置の大手,千代田工販から技術協力を得た。」との記載(2000.10.9 日刊工業新聞 10頁)。
(r)「UV・EBキュアリング ウシオ電機(企画記事)」の見出しのもと,「印刷分野を中心とした国内ニーズはこのところ,高速処理と省スペース,低コスト化の動きが急ピッチで進んでいる。そこで,こうしたニーズに対応するため,ハイパワーUVシステムを開発,『ユニキュアシステム』のラインに加えた。」との記載(1995.5.29 化学工業日報 9頁)。
(s)「三機工業,クリーンルーム用搬送システムを開発。発塵抑え高速搬送。受注開始」の見出しのもと,「浄化装置として,ULPAフィルターを使った独自の『PEA・UVシステム』を導入,チューブ全体を密閉することでクラスー〇の高清浄度を実現したという。」との記載(1993.11.30 日刊工業新聞 12頁)。
(t)「西原環境衛生研究所,UV消毒装置を独占販売,カナダ社と提携」の見出しのもと,「西原環境衛生研究所はカナダのトロージャン社と独占販売代理店契約を締結,トロージャン社製の紫外線(UV)消毒装置の国内販売を開始した。・・・トロージャン社は欧米中心に700基以上のUVシステムを納入した実績がある。」との記載(1993.6.21 化学工業日報 13頁)。
(u)「RADTECH EUROPE’93 地中海舞台に交流(企画記事)」の見出しのもと,「放射線硬化-過去,現在,未来」,「機器・電子線(EB)」,「ケミストリー(1)放射線重合(2)カオチン重合,応用(3)EB(4)UV《木材及び金属のコーティング》・・・・・(1)制御された環境に優しいEBによるラッカー,ホイル,接着剤の硬化(2)低電圧(120k)EBシステム(3)EB加速器による深部への照射(4)EB技術:産業のニーズに応える(6)ウェブ・プレス用のUVシステム(6)放射線硬化用のウェブ・コーティングと積層ライン(7)UV硬化用の新エキシマーUV源(8)ロードトロン・プロジェクト:進行状況《電気および電子》」との記載(1993.5.27 化学工業日報 7頁)。
(v)「アイ・グラフィックス,窒素バージUVシステム開発。ランニングコスト3分の1」の見出しのもと,「アイグラフィックスは,ランニングコストを大幅に低減した特殊ノズルによる窒素バージUV(紫外線)システムを開発した。」との記載(1992.4.16 日刊工業新聞 10頁)。(w)「家田貿易,動物実験用紫外線照射装置を輸入販売」の見出しのもと,「家田貿易は,紫外線(UV)障害の発生メカニズムの解明,対応策の研究を目的とした動物実験用UV照射装置「UVバイオトロニク」の輸入・販売を近く開始する。フランスのヴィルバー ルーマット社製のUVシステムの新型機。」との記載(1989.8.22 化学工業日報 10頁)。

第4 請求人(出願人)の意見の要旨
請求人(出願人)は,平成20年2月13日付け提出の手続補正書において,「本願商標の構成文字は,同書体にて一体的に表され,請求人(出願人)の名称『フュージョンユーブイシステムズインコーポレーテッド』の略称を観念させるものであり,請求人(出願人)は,アメリカ合衆国を基点に世界的に活躍しているから,請求人(出願人)の名称の略称を表すものとして,取引者,需要者の間に広く認識されている。仮に名称の略称と認められないとしても,後半の『UV SYSTEMS』の文字部分を省略して,『FUSION』の文字部分のみをもって取引に当たる特段の理由もなく,『UV SYSTEMS』の文字部分は,商品又は役務の記号・符号の一形態と認め得る証左はない。本願商標は,『フュージョンユーブイシステムズ』の一連の称呼のみを生じ,『商標登録出願人』又は『紫外線システムズの融合』,『紫外線システムズの提携』などの観念を生じるものであるから,本願商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきである。」旨述べて,既登録例を挙げて本願も同様の判断がなされるべきである,と主張している。
そして,上記第3の証拠調べ通知に対しては,平成21年2月17日付け提出の意見書において,前記の手続補正書と同じく本願商標の一体性と本願商標全体の称呼は冗長ではなく請求人(出願人)の名称の略称を観念するものである旨述べ,略称でないとしても「『フュージョン(Fusion)』の語は,『融合,溶解』などの意味を有し,カタカナ語辞典にも掲載されるような一般に親しまれた語であるから,本願商標の『FUSION UV』の語は,『紫外線による融合,溶解』ほどの意味合いを表し,全体として,『紫外線による融接(溶解)システムズ』の意味合いを表すものである。そうとすると,『FUSION』の語自体が自他商品の識別力が弱いものというべきであり,一体的に表された構成文字全体として把握されるもので,『FUSION』の文字部分が独立して認識されるとすべき特段の理由がないものである。したがって,本願商標と引用各商標とは外観,称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。」旨主張している。

第5 当審の判断
1 本願商標について
商標の類否については,「一般に,簡易,迅速をたっとぶ取引の実際においては,各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているのでない商標は,常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼,観念されず,しばしば,その一部だけによって簡略に称呼,観念され,1個の商標から2個以上の称呼,観念の生ずることがあるのは,経験則の教えるところである。そして,この場合,1つの称呼,観念が他人の商標の称呼,観念と同一または類似であるとはいえないとしても,他の称呼,観念が他人の商標のそれと類似するときは,両商標はなお類似するものと解するのが相当である」(最高裁昭和38年12月5日判決 民集17巻12号1621頁)(平成16年9月30日判決言渡 平成16年(行ケ)第49号 )と判示されていることを踏まえて,以下検討する。
本願商標は,前記1のとおり,「FUSION UV SYSTEMS」の欧文字を表してなるものであるが,「FUSION」,「UV」及び「SYSTEMS」の各文字の間に半角程度の空間があることから,それぞれの文字は,視覚上分離して把握し得るものである。
また,本願商標構成中「FUSION」の文字は,「融解,融合,(音楽の)フュージョン」などの意味合いを有する語であり,「UV」は,紫外線を意味する英語「ultra violet」の略語として一般的に広く知られており,「SYSTEMS」の文字は,「組織,ネットワーク,装置」の複数形を意味する語と容易に理解されるものであるところ,これらの語を常に一体のものとして把握すべきような意味上の関連性はなく,かつ,これらを一体として認識,把握しなければならないとする格別の事情は認められない。
そして,その構成中の「UV SYSTEMS」の「UV SYSTEM」の文字部分は,上記第3の2に記載のとおりの事実よりすれば,「紫外線を使用した機器,装置」ほどの意味合いを理解させる語として,一般に使用されているものと認められるから,本願の指定商品及び指定役務との関係よりすれば,複数形を表す「S」を付加したにすぎない「UV SYSTEMS」の文字部分は商品の品質,役務の質を表わす語として認識する場合も決して少なくないものとみるのが相当であり,自他商品,役務の識別標識としての機能を果たしていないか,或いは極めて弱いものと認識されるというべきである。そうすると,語頭の「FUSION」の文字と「UV SYSTEMS」の文字部分との間に密接不可分の関係があるものということもできず,本願商標の構成全体から生ずる「フュージョンユーブイシステム」の一連の称呼が,やや冗長であることも相俟って,簡易迅速を旨とする商取引の実情においては,構成中,語頭にある「FUSION」の文字部分に識別力を見いだし,該文字より生ずる「フュージョン」のみの称呼をもって取引に資する場合も少なくないものといわなければならない。してみれば,本願商標は,その構成文字全体に相応して「フュージョンユーブイシステム」の称呼を生ずるほかに,その構成中,前半の「FUSION」の文字部分に相応して「フュージョン」の称呼を生ずるものであり,これよりは「融合,融解,フュージョン」の観念を生ずるものである。
2 引用商標3及び4について
引用商標3及び4は,前記第2の(3)及び(4)に記載のとおり,商標登録原簿に徴すれば,前者は,同19年4月25日に存続期間満了により消滅し,同19年12月26日にその抹消登録がなされているものであり,後者は,商標権取消し審判により,同年10月15日に商標登録を取り消す旨の審決が確定し同年11月8日に,商標権の登録の抹消がなされているものであるから,引用商標3及び4をもって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は,解消した。
3 本願商標と引用商標1,2,5ないし7(以下,これらをまとめていうときは「引用各商標」という。)との類否について
本願商標よりは,前述のとおり,全体の構成文字に相応して「フュージョンユーブイシステム」の称呼を生ずるとしても,簡易迅速を旨とする取引の実際にあっては,取引者,需要者は,自他商品,役務の識別標識としての機能を果たし得る「FUSION」の文字部分に着目して,該文字から生ずる「フュージョン」の称呼及び「融合,融解,フュージョン」の観念をもって取引に資する場合も少なくないというのが相当である。
他方,引用商標1は,別掲のとおり,中央に位置する黒い横長楕円形の中に白抜きで「FUSION」の欧文字が表され,その後部に同様の白い楕円形を「×」の形に配した構成よりなるところ,該図形部分と文字部分とは観念上密接な関係を有するものとも認められず,常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の理由があるものとはいえない。そうとすれば,引用商標1よりは,その構成中,中央に配され,看者の注意を惹き、強い印象を与えると認められる「FUSION」の文字部分を捉え,これより生ずる「フュージョン」の称呼及び「融合,融解,フュージョン」の観念を生ずるものというべきである。そして,引用商標2,5ないし7は,「FUSION」の欧文字又は「フュージョン」の片仮名文字を横書きに普通に用いられる方法で表された構成よりなるから,該文字に相応して「フュージョン」の称呼及び「融合,融解,フュージョン」の観念を生ずるものである。 そうすると,本願商標と引用各商標とは「フュージョン」の称呼及び「融合,融解,フュージョン」の観念を同じくするものである。
次に,外観についてみると,本願商標と引用商標1とは,外観において相違するものであるが「FUSION」の欧文字部分を共通にするものであり,引用商標5ないし7とは,同じ「FUSION」の欧文字で構成又は該文字を有しているから,外観において近似するものであり,さらに,引用商標2についても,構成する片仮名文字「フュージョン」は,格別特徴的な態様を有するものではなく,普通に用いられる文字よりなるから,称呼及び観念の共通性に影響を及ぼす程の顕著な差異があるものとはいい難い。
以上によれば,本願商標と引用商標1とは,称呼及び観念を同じくし,外観については、構成する欧文字部分については近似した印象を与えるものであり,本願商標と引用商標5ないし7は,称呼及び観念を共通にし,外観においても「FUSION」の文字を同一にするものであって,また,本願商標と引用商標2は,外観上相違はするものの,称呼及び観念を同じくするものであるから,本願商標と引用各商標は,これを同一又は類似の商品に使用したときは,その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。また,本願商標の指定商品及び指定役務は,引用各商標にかかる指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務が包含されているものである。したがって,本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお,請求人(出願人)は上記第4に記載のとおり述べ,本願商標は登録されるべきである旨を主張しているが,本願商標より「FUSION」の文字部分が自他商品,役務の識別標識としての機能を果たし得るものであって,本願商標と引用各商標の外観,称呼及び観念についての判断は前述のとおりである。また,商標の類否判断要素としての観念とは,多くの取引者,需要者がその商標自体から直ちに一定の意義を想起させるものであることを要するものというべきである(平成5年3月30日言渡,平成2年(行ケ)第213号)ところ,本願商標「FUSION UV SYSTEMS」の文字全体より,請求人(出願人)が主張するような「商標登録出願人」を直ちに認識させると認められる証左を見いだすことはできず,上記第4の請求人(出願人)提出の手続補正書においては「FUSION」と「UV SYSTEMS」の語順を逆にした「紫外線システムズの融合」等の意味合いを表すものと主張する一方,意見書においては,「紫外線による融接(溶解)システムズ」等の意味をも表すと別の意味合いを主張していることからも,本願商標全体より,直ちに一定の意義を想起させるものであるということはできない。また,請求人(出願人)が挙げる登録例は,商標の具体的構成において,本願商標とは事案を異にするものであって,これら事例をもって,本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適当でなく,かつ,本願商標と引用商標の類否の判断は,当該出願に係る商標と他人の登録商標(引用商標)との対比において,個別・具体的に判断すべきものであるところ,本件においても,両者の外観,称呼,観念を総合的に判断したものであり,請求人(出願人)の主張は,採用することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 引用商標1 登録第1943115号商標


審理終結日 2009-04-20 
結審通知日 2009-04-21 
審決日 2009-05-11 
出願番号 商願2006-46305(T2006-46305) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y07091011374245)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小畑 恵一土井 敬子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
清川 恵子
商標の称呼 フユージョンユウブイシステムズ、ヒュージョンユウブイシステムズ、フユージョンユウブイ、ヒュージョンユウブイ、フユージョン、ヒュージョン 
代理人 安田 徹夫 
代理人 平木 祐輔 

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