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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 05
管理番号 1197359 
審判番号 取消2007-300767 
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-06-13 
確定日 2009-03-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第642036号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第642036号商標の第5類「薬剤」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第642036号商標(以下「本件商標」という。)は、「BTDS」の文字を横書きしてなり、昭和37年4月10日に登録出願、第1類「薬剤、及びその他本類に属する商品」を指定商品として、昭和39年4月24日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年11月17日、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」に書換登録がなされたものである。
2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証を提出した。
(1)請求の理由
請求人の調査したところによれば、商標権者である被請求人が本件商標をその指定商品中の「薬剤」について使用している事実は発見できなかった。
また、本件商標に係る登録原簿上、専用使用権及び通常使用権の登録もない。
したがって、継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが上記指定商品について本件商標の使用をしていないと推認されるものであるから、本件商標の登録は、「薬剤」について、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)弁駁
本件商標を商品「薬剤」について過去3年以内に使用しているとの被請求人の主張は以下の理由により失当である。
ア 本件商標の使用にかかる商品は「薬剤」ではない。
被請求人は、本願商標は「ビスベンチアミン」(以下「本件商品」という。)の商標として使用されていると主張しているが、以下の理由により、当該商品は、第1類の「化学品」の範疇に属するものであって、被請求人の使用は「薬剤」について使用ではない。
ところで、本件商標は、平成16年11月17日付けにて、指定商品の書換登録がされており、国際分類第8版第5類で登録されているところ、国際分類第8版対応の「特許庁商標課編 商品区分解説」によれば、第5類の「薬剤」については、(1)薬事法(昭和35年法律145号)の規定に基づく“医薬品”の大部分、(2)同法にいう“医薬部外品”の一部、(3)農薬(薬事法にいう“医薬品”に含まれないもの“の大部分と説明されている(甲第1号証)。
一方、第1類「化学品」については、「“無機工業薬品”“有機工業薬品”“界面活性剤”と呼ばれる商品及び化学的製品を用途的にとらえた“化学剤”の大部分が含まれる」と説明されている。そして、「工業原料又は実験用として取引されるもの及び未だ用途が限定されないで取引されるものが含まれ、・・・同物質であっても他の用途に限定された取引の段階にあるものは含まれないし、未だ用途が限定されていない取引段階にある場合は、それが後に大部分他の用途に使用されようと、現段階ではこれらの概念に属する。」と概念付けられている(甲第2号証)。
そこで、本件商品について見るに、乙第1号証「BTDSの製品パンフレットの写し」によれば、本件商品の特徴として、「食品添加物として認可されている数少ないビタミンB1誘導体」と記載されている。また、本製品の規格として、「食品添加物」と記載されており、その用途としては、「健康食品素材(サプリメント)」「米、押し麦、小麦、乾麺、食パン等の食品への栄養強化」と記載されている。以上よりすれば、本件商標は、有機化合物の一種であるビタミン1誘導体を食品添加物として使用しているのであるから、「化学品」の範疇に属する商品である。
乙第1号証の「資料」の欄には「医薬品用途」の記載もあるが、本件商品は、上記したように「健康食品」や「米、押し麦などの商品」の添加剤としても使用されているものであり、専ら医薬品用途に使用されるものではなく、様々な用途に用いられる未だ用途が限定されていない商品であるから、「化学品」の範疇に属する商品である。
また、本件商標が「医薬品用途」に使用されていたとしても、本件商品は、薬剤を製造するための添加物、いわゆる薬剤を製造するための一つの原料であって、それ単独で医薬品として取引されているものではない。
被請求人提出の答弁書及び乙第2号証及び乙第3号証によれば、被請求人が製造した「ビスベンチアミン」が局外規(日本薬局方外医薬品規格)に適合した品質を持つものであることが説明されている。
しかし、局外規の基準となっている「日本薬局方外医薬品規格 2002」は、医薬品有効成分について纏められている第1部と、医薬品製剤について纏められている第2部より構成されており、本件商標「ビスベンチアミン」は、その第1部(医薬品有効成分)に収載されている(甲第3号証)。つまり、本件商品「ビスベンチアミン」は薬剤(医療用製剤)ではなく、原料(有効成分)のうちの一つでしかない。
その例として、甲第4号証の添付文書には、肝不全用経口栄養剤の組成物(原料)として、「ビスベンチアミン」「デキストリン」「硫酸銅」などが列挙されている。そして、特許庁電子図書館の商品・役務リストによれば、「デキストリン」「硫酸銅」はいずれも「化学品」に属する商品であると記載されている(甲第5号証及び甲第6号証)。このように、薬剤の組成物(原料)は「化学品」に属する商品であると扱われているものであり、よって、本件商品「ビスベンチアミン」も「化学品」の範疇に属する商品である。
このように、被請求人が本件商標を使用していると主張する本件商品は、それ単独で「薬剤」として取引されているものでない。したがって、本件商品は、「薬剤」の範疇に属する商品ではない。
過去の審決においても、「本件商標(ヒドロキシエチルセルロース)は、医薬品に用いられることはあっても、単独で医薬品として取引きされるものではなく、医薬品製造のための原材料(成分)の一つとして用いられるものであって・・・本件商標は、本件商標の指定商品中「薬剤」の範疇に属する商品ではなく、「化学品(他の類に属するものを除く)」の範疇に属する商品であると認められる。」と判断されている(平成11年審判第30762号:甲第7号証)。
以上よりすれば、被請求人が本件商標を使用していると主張する本件商品「ビスベンチアミン」は「薬剤」の範疇に属する商品ではない。よって、被請求人は、本件商標をその指定商品である「薬剤」について、使用したものとは認められない。
イ 乙第1号証の製品パンフレットが頒布されていることについて証明されていない
乙第1号証の製品パンフレットが被請求人の発行に係るものであるとしても、「商品又は役務に関する広告、取引書類に商標を付する」のみでは、商標法上の「使用」(商標法2条3項8号)に該当しない。広告、取引書類等を展示、若しくは頒布しなければ「使用」とは認められない。
乙第1号証は、「取引書類に本件商標を付」していることを証明するにすぎず、本件商標が付された「製品パンフレット」が展示、若しくは頒布された事実については一切証明されていない。また、乙第2号証ないし乙第3号証は、本件商標を付していない。
3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁及び弁駁に対する第二答弁をし、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出した。
(1)商標権者は、本件商標を指定商品中「薬剤」について、本件審判請求前3年以内に使用している。
乙第1号証は、本件商標に係る製品パンフレットであり、表紙には、大きく「BTDS」と製品名が記載されていること、また同表紙の最下段には「田辺製薬株式会社」と商標権者の表示があること、更に見開き頁には、商品名がBTDSであることのほか、製品の特徴や効果、とりわけ効果については、抗脚気、抗神経炎性ビタミンとして知られていることが記載されているなど、顧客向けの製品パンフレットであることが明らかである。
しかも、その最終頁最下段には、この製品パンフレットが2007年5月、すなわち本年5月に作成されたものであることが明記されており、現在、本件商標が使用されていることが明らかである。
また、乙第2号証は、BTDSを製造した商標権者が2005年1月に当該製品について行った試験成績表であり、本年3月に、製造番号511号70304のBTDSが、局外規に適合した品質を持つものであることが記載されている。
乙第3号証は、BTDSを製造したサンケミカル株式会社(商標権者のグループ企業)が本年3月に行った試験成績表であり、本年3月に、製造ロット番号70304のBTDSが、局外規に適合した品質を持つものであることが記載されている。
なお、局外規とは、正式には日本薬局方外医薬品規格と称される医薬品有効成分及び医薬品製剤の規格であり、これに適合することは医薬品としての品質を有することを意味し、現在は、厚生労働省医薬局長通知(平成14年9月20日)により通知された日本薬局方外医薬品規格2002がその基準となっている。
これらの証拠から、本商標権者が、本件審判請求の3年以内に本件商標を医薬品または食品添加物として使用していることが明らかである。
更に、乙第2号証の日付けから、本件審判請求前3月以前において本件商標が使用されていることが明らかであるため、本件商標の使用は、商標法第50条第3項に規定するいわゆる駆け込み使用に該当しないことも明らかである。
したがって、BTDSは、商標権者により、ビスベンチアミンの商標として適正に使用されていることが明らかである。
(2)弁駁に対する第二答弁
本件商標の使用に係る商品は「薬剤」ではないとの請求人の主張は失当である。
乙4号証は、(財)日本医薬情報センター(JAPIC)が編集・発行する「医療用医薬品集2007」であり、その薬効分類検索(179頁)には、ビタミンB1剤の一つとして「ビスベンチアミン」が分類され、同1806頁にはビタミンB1剤(ビタミンB1誘導体)として「ビスベンチアミン」の解説が掲載されている。
また、同書の凡例(vii頁)の略号・記号の欄には、(JAN)が「医薬品一般的名称」を示す旨明記されており、1806頁には「ビスベンチアミン」の欧文「bisbentiamine」の右側に(JAN)の記載がある。以上から、「ビスベンチアミン」は、医薬品である「ビタミンB1剤(ビタミンB1誘導体)」を示す一般名称であることは明らかである。そして、既提出の乙第1号証の製品パンフレットの表紙には、大きく「BTDS」と表示された右横に括弧書で(ビスベンチアミン)と明記されている。
ここで、ビタミンB1剤を含むビタミンB1剤(ビタミンB1誘導体)が「薬剤」であることは、特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準」の第5類中の記載内容(改訂第10版17頁)から明らかである。
なお、もし請求人が主張するように、本件商品が化学品であるとするならば、本件商標は、医薬品の一般名称である「ビスベンチアミン」ではなく、化学品の一般名称であるN,N’-〔ジチオビス〔2-〔2-(ペンゾイルオキシ)エチル〕-1-メチル-2,1-エセニジイル〕〕ビス〔N-〔(4-アミノ-2-メチル-5-ピリミジニル)メチル〕ホルムアミド〕やその略称の「ホルムアミド誘導体」などに、その商品名として使用されている必要がある。
乙第5号証は、平成5年10月29日付「商標権存続期間更新登録願」である。本更新登録願の添付書類「使用説明書」には、商標の使用に係る商品名として「持続性ビタミンB1剤」と記載され、使用の事実を示す書類として「製品要覧(タナベの製剤原料要覧)」が提出されている。そして、本要覧の目次には、ビタミン剤の一つとして商品名「BTDS」が記載されている。
上記使用証拠により、使用事実の立証によってはじめて更新登録が認められていた旧商標法下において更新が認められている。つまり、過去の特許庁の運用に照らしても、本件商標が使用されている商品は「薬剤」であるとの被請求人主張が首肯されるべきものであることは明らかである。
なお、請求人は、「本件商品は、専ら医薬品用途に使用されているものではなく、様々な用途に用いられる未だ用途が限定されていない商品であるから「化学品」の範嶋に属する商品である」旨主張しているが、かかる請求人の主張が失当であることは、過去の判決例から見て明らかである。
つまり、東京高裁S57年(行ケ)第67号事件では、「不使用取消審判の場で、商品は常にいずれか一つの分類に属すべきものであって、二つの分類に属することはありえないとするのは相当でなく、(中略)、当該二つの分類に属する商品について登録商標が使用されているものと扱って差支えないとうべき」と判示し、「石鹸」であるが同時に「化粧品」でもある商品として、「化粧品」についての使用を認定している。
また、東京高裁H12(行ケ)第447号(不使用取消審判請求事件)では、「本件使用商品は、薬事法上の「医薬品」としてではなく「医療用具」として承認を受け、保険の適用上「医療材料」として扱われているものではあるが、その成分、効用(コラーゲンによる止血作用)及び使用目的をみると、コラーゲンのもつ薬理学的作用により出血を止めるという点で「薬剤」的な性質をきわめて強く有する商品であり、現に、外科手術における止血に使用され、医師を中心とする医療関係者及び取引者・需要者の間で、薬事法及び保険適用上の「医薬品」である他の吸収性局所血剤と同類ないし同等のものとして捉えられている」と判示し、医療用具として承認を受けたものについて、「薬剤」としての使用を認定している。
以上より、本件使用商品は「薬剤」であるが、仮に一部の取引者において「化学品」として取引されていたとしても、そのことが本件商標に係る商品が「薬剤」であることを否定する根拠とは到底なりえない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標は、商標権者が指定商品中「薬剤」に使用しているものであるから、本件審判請求は理由がないことは明らかである。
4 当審の判断
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 被請求人の業務に係ると認められる製品パンフレット(乙第1号証)には、表紙の上段に「BTDS」の表示があり、また、その最終頁の右最下段に「2007年5月作成」の表示がある。
しかして、上記「BTDS」は、本件商標とその構成を同じにするものであるから、当該パンフレットには本件商標が表示されているものである。
また、同製品パンフレット中には、下記(ア)ないし(キ)が記載あるいは掲載されている。
(ア)「1品名」として「BTDS(ビスベンチアミン)」との記載と化学式、
(イ)「2特長」として、「・・・田辺製薬が医薬品用途として開発し、食品添加物として認可されている数少ないビタミンB1誘導体です。」「・・腸管吸収性及び組織移行性を高めた化合物で、体内で代謝されビタミンB1となり効果を発揮し、持続性があります。」「ビタミンB1特有の臭いはありません。」の記載、
(ウ)「3効果」として、「ビタミンB1は・・・抗脚気、抗神経炎性ビタミンとして知られています。」「ビタミンB1は・・・脂肪酸やアミノ酸の代謝にも関与します。」のほか、「ビスベンチアミンは医薬品(局外規)として巻末資料に示すような適応症が報告されています。その際は食品としては表示できません。」の記載、
(エ)「4物性」として、「白色の結晶又は結晶性粉末で、吸湿性もなく安定である。」「水溶液は苦味がある。」の記載、
(オ)「5用途」として、「健康食品素材(サプリメント)社会的・心理的ストレスが多いサラリーマン、・・・高齢者等の栄養強化」「栄養強化米、押麦、小麦粉、乾麺、食パン等の食品の栄養強化」の記載、
(カ)「6規格・表示・包装」として、「規格:食品添加物(指定添加物)」「表示:栄養強化目的で使用した場合・・・表示不要」、「栄養機能食品として使用した場合(ビタミンB1塩酸塩として)」について「栄養機能表示:ビタミンB1は炭水化物からエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」「注意喚起表示:本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康になるものではありません。一日摂取目安量を守ってください。」の各記載、
(キ)また、末尾に「資料(医薬品用途)」として、「ビタミンB1欠乏症の予防及び治療」「ビタミンB1の・・・不充分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能抗進症、・・・)」「ウェルニッケ脳症、脚気衝心、」「次の疾患の内・・・推定される場合(神経症、筋肉痛、・・・)」の記載、がある。
イ 被請求人による2005年1月11日付の「ビスベンチアミン」に係る試験成績表(乙第2号証)には、同ビスベンチアミンの性状や純度についての試験結果が示され、同物質が「局外規」に適する旨の判定がされている。
ウ サンケミカル株式会社による2007年3月16日付の「ビスベンチアミン」に係る試験成績表(乙第3号証)には、上記イと同様に試験結果が示され、「局外規」に適する旨の判定がされている。
(2)ところで、第5類の「薬剤」には、(I)薬事法(昭和35年法律145号)の規定に基づく“医薬品”の大部分[ここで医薬品とは、(a)日本薬局方に収められている物(b)人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用される物であって、器具器械でないもの(c)人又は動物の神体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって器具器械でないもの、をいう。]、(II)薬事法にいう“医薬部外品”の一部、(III)農薬(薬事法にいう“医薬品”に含まれない。)の大部分、が含まれると解される(「商品区分解説」(国際分類第8版対応:本件商標の指定商品についての書換登録時に対応のもの)参照)。
また、第1類の化学品については、一般に、無機工業薬品、有機工業薬品、界面活性剤、さらに化学的製品を用途的にとらえた化学剤が含まれる。そして、無機工業薬品及び有機工業薬品ともに、未だ用途が限定されていない取引段階にある場合は、それが後に大部分他の用途に使用されようと、現段階ではこれらの概念に属すると解されるものである(上記「商品区分解説」参照)。
(3)そこで、本件商標の使用に係る商品(以下「本件使用商品」という。)について、被請求人提出の証拠に徴すると、前記(1)のとおり、本件使用商品は、製品パンフレットの用途の項の記載によれば、「健康食品素材(サプリメント)」「栄養強化」に用いられるものであり、特長の項で「食品添加物として認可・・」とされ、「規格:食品添加物(指定添加物)」とされ、「注意喚起表示:本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康になるものではありません。」とされるものである。
しかして、これらを総合してみると、本件使用商品は、食品添加物として取引に供される化合物というべきであるから、「薬剤」の範疇には属さない商品と認められるものである。
そして、本件使用商品を構成する製品(ビスベンチアミン)は、その性質から医薬品の成分となり得るものであり、また、組成分として医薬品に用いられることがあると認められる(甲第3号証及び同第4号証)。しかし、医薬品用途を示唆するパンフレット(乙第1号証)の資料の項の記載や、本件使用商品を構成する製品の試験成績表(乙第2号証、乙第3号証)をもって、それが現に専ら医薬品として取引されたとすることはできないといわざるを得ない。
また、同製品が性質上複数の用途に適し、かつ、いずれにも使用し得るものとして取引に供される場合には、かかる取引段階の化合物は、用途が未特定の工業用薬品の一として、化学品に属すべき商品というのが相当である。
(4)以上、本件商標を表示した製品パンフレットは、「薬剤」に係るものとすることはできず、「化学品」に属する商品に係るものというべきであるから、これをもって、本件商標を指定商品中「薬剤」について使用したことが明らかにされたとは認められない。
なお、被請求人は、乙第4号証及び乙第5号証を提出し、本件使用商品は「薬剤」であるが、仮に一部の取引者において「化学品」として取引されていたとしても、そのことが本件商標に係る商品が「薬剤」であることを否定する根拠とは到底なり得ない旨主張する。
確かに、「JAPIC 医療用医薬品集2007」(乙第4号証)には、「ビスベンチアミン」が、ビタミンB1誘導体として,ビタミンB1の欠乏症の予防、治療に適応する旨の記載がみられる。しかしながら、薬効分類索引の「ビスベンチアミン」の項(1806)には、製品名とみられる「ベストン(田辺)」の記載があるものの、本件商標「BTDS」の表示は見当たらない。
また、乙第5号証は、「平成5年10月29日付 商標権存続期間更新登録願」であり、添付書類「使用説明書」には、商標の使用に係る商品名として「持続性ビタミンB1剤」とあり、添付資料のタナベの製剤原料要覧とタイトルされたカタログ中の目次には「2ビタミン剤」の項目に「ビタミンB1塩基酸塩」と並んで「BTDS」が記載され、かつ「BTDS」の備考欄には「製造専用」、「ビタミン主薬製剤製造(輸入)承認基準収載」と記載されている。
上記証拠よりすれば、本件使用商品(ビスベンチアミン)は、「薬剤」とは必ずしもいい得ず、むしろ、組成分として医薬品に用いられる「化学品」といわざるを得ないから、この点についての被請求人の主張は採用できない。
そして、他に本件商標が「薬剤」に使用をされたことを示す証拠はなく、また、その不使用について正当理由の主張及び立証はない。
したがって、本件商標は、商標法第50条により、指定商品中「薬剤」について、その登録の取消しを免れない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-03-06 
結審通知日 2008-03-07 
審決日 2009-01-26 
出願番号 商願昭37-10786 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (05)
最終処分 成立 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岩崎 良子
渡邉 健司
登録日 1964-04-24 
登録番号 商標登録第642036号(T642036) 
商標の称呼 ビイテイデイエス 
代理人 石津 義則 
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