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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X42 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X42 |
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管理番号 | 1197292 |
審判番号 | 不服2008-17935 |
総通号数 | 114 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-07-14 |
確定日 | 2009-04-27 |
事件の表示 | 商願2007- 39042拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「パソコンレスキューサービス」の文字を標準文字で書してなり、第42類「コンピュータデータの回復,コンピュータ上でのコンピュータプログラムの動作・障害の回復に関する助言,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,コンピュータソフトウェアの最新化,電子計算機システムの設計・導入に関する助言,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,計測器の貸与,電子計算機の貸与,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として、平成19年4月19日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同20年3月6日付け手続補正書により、第42類「コンピュータデータの回復,コンピュータ上でのコンピュータプログラムの動作・障害の回復に関する助言,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,コンピュータソフトウェアの最新化,電子計算機システムの設計・導入に関する助言,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,電子計算機の貸与,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,電子計算機用プログラムの提供」に補正され、さらに、当審における同年8月29日付け手続補正書により、最終的に、第42類「コンピュータデータの回復,コンピュータ上でのコンピュータプログラムの動作・障害の回復に関する助言,コンピュータソフトウェアの最新化,電子計算機システムの設計・導入に関する助言,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,電子計算機用プログラムの提供」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『パソコンレスキューサービス』の文字を標準文字で表してなるものであるが、これを構成する『パソコン』の文字は、『パーソナルコンピューター』の略称として一般に使用されている語で、『レスキュー』の文字は、『救助。救援。』などの意味を有する語であるから、当該文字全体よりは『パーソナルコンピューターに関して救援を行うサービス(役務)』程の意味合いを認識させるにすぎず、また、パーソナルコンピューターに関する問題に対応する役務(例えば、コンピュータシステムやコンピュータプログラムの設計、コンピュータプログラムの動作トラブルの回復などの役務)について、『パソコンレスキューサービス』、『PCレスキューサービス』、『パソコンレスキュー』といった文字が使用されている実情も認められるから、これをその指定役務のうちパーソナルコンピューターに関する諸問題を助ける役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして前記意味合いを認識するに止まり、単に役務の質、内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知(平成20年11月27日付け)し、意見を求めた。 (1)「朝日新聞」(1998年2月11日付け、大阪地方版/島根) 「今年度の『ベンチャー企業支援』、県内の2社選ぶ /島根」の見出しの下、「『パソコンレスキュー事業』の専門会社で、トラブルも多いパソコンの維持、管理に当たり、パソコンを大量使用する企業を有償でサポートしている。」の記載がある。 (2)「日刊工業新聞」(1998年2月5日付け、7頁) 「コア、ユーザーの総コストを削減。新サービス展開」の見出しの下、「主なサービスメニューとして(1)ヘルプデスクセンターの構築・管理・運営・維持を総合的に請け負う『ヘルプデスクアウトソーシング』(2)オンライン・リモートによるパソコンレスキューやウイルス駆除などの『オンライン・リモートコントロール』・・・」の記載がある。 (3)「パソコンレスキューのNECTY」を見出しとするウェブサイトにおいて、「パソコンレスキューサービスって何の事?」の見出しの下、「▼こんなパソコントラブルの時にご利用ください ・パソコンが起動できなくなった ・さっきまで動いていたパソコンが突然動かなくなった ・ 画面が途中でフリーズ(固まる?)する ・ひょっとしてウイルスに感染したかも・・・などなど、パソコンのトラブル(パソコントラブルならなんでもOK!)でお困りの方へ当社担当者が出向き、お客様のパソコントラブルを解消、問題を解決するサービスです。」の記載がある。 (http://necty.net/) (4)「パソコンレスキューサービス」を見出しとするウェブサイトにおいて、「パソコンレスキューサービス PRSでは、広島を中心に、パソコン修理・講習 パソコントラブル全般、等の出張サービス(総合サポート)を行っています。パソコンの組み立て講習や、ウイルスの処理等もお任せください!!」の記載がある。 (http://www.prs809.com/) (5)「イーライフ・パソコン出張サポート(東京 神奈川 埼玉 千葉)格安料金」を見出しとするウェブサイトにおいて、「[主なパソコンサポート内容]」の見出しの下、「よくある作業(パソコンレスキューサービス・PCサポート) ■トラブル原因究明・パソコントラブル解決(自作PCトラブルも可能) ■パソコン初期設定・インターネット接続設定・メール設定 ■パソコン再セットアップ・スパイウェア駆除・パソコンウィルス駆除 ■パソコンリカバリー作業(OS入れ替え)・パソコン初期化・OSアップグレード ■主にWindowsOSですが、Apple・マッキントッシュのマックOSも可能 ■作業前にはパソコンデータ移動やデータバックアップも致します」の記載がある。(http://www.552525.com/modules/support0/) (6)「PCサポート パソコンの修理やトラブル解決にお役立てください。」を見出しとするウェブサイトにおいて、「■ パソコンレスキューサービス」の見出しの下、「パソコンの様々なトラブルに対応いたします。『パソコンが起動しない』『ウィルスに感染した』『プリンタが動かない』『パソコンを速くしたい』など、かけつけ修理と郵送による宅配修理がございます。どちらもデータ保全を第一に作業をおこないます。」の記載がある。 (http://elf-corp.co.jp/index-2.html) (7)「HTSパソコンレスキュー 北陸東和サンソフト」を見出しとするウェブサイトにおいて、「HTSパソコンレスキューのご案内」の見出しの下、「PCの新規導入設置や障害発生時のデーター保存・環境再現までを手厚くレスキューします。」の記載がある。 (http://hts.pctakumi.com/pcr1.htm) (8)「パソコンサポート119(印刷用)」を見出しとするウェブサイトにおいて、「■パソコンレスキューサービス」の項目に、「・パソコン故障修理・初期セットアップ・接続・増設・点検保守サービス・OSリカバリー・ウイルス駆除/対策・データバックアップ・データ救出サービス・データ完全消去・パソコンリサイクル」の記載がある。(http://ps119.jp/print/index.html) (9)「パソコンレスキュー」の見出しの下、「パソコンが動かなくなった!インターネットに接続できない!メールの送信や受信ができない!プリンターが動かないので印刷できない!ウイルスに感染して、どうして良いかわからないパソコンのトラブルを解決するサービスがパソコンレスキューサービスです」の記載がある。 (http://www.doctorlink.info/pasokonservice.html) (10)「オフィスコア パソコン出張訪問サポート」を見出しとするウェブサイトにおいて、「システム開発・・・とパソコン訪問サポート(インターネット設定・無線LAN設定・IP電話設定・パソコン訪問設定・パソコン出張講習・パソコン修理・パソコンレスキューサービス他)のオフィスコア」の記載がある。 (http://park20.wakwak.com/~ofc/) (11)「株式会社 北陸コンピュータービジネス」を見出しとするウェブサイトにおいて、「業務内容」の項目に、「◆ 業務用 ソフトウェア開発 ◆ LAN・インターネット接続サービス ◆ OA機器・OA用品の販売 ◆ パソコン レスキュー サービス」の記載がある。 (http://www.hcb.co.jp/) (12)「和歌山県 全国パソコン110番 トラブルレスキュー 出張サポート パソコン教室」を見出しとするウェブサイトにおいて、「トラブルレスキュー」の見出しの下、「パソコンドック24」の項目に、「パソコンドック24は 迅速性と利便性を追求した新しいパソコンレスキューサービスです。・・・トラブルの内容や症状などをコールセンターで受付後、24時間以内に専門スタッフがお客様のもとへ駆けつけます。」の記載がある。 (http://www.pasocon110.com/db/list/30wakayama00.htm) (13)「ビジネスのアライアンスプロバイダー 有限会社ケイ・アイ」を見出しとするウェブサイトにおいて、「TOPICS」の項目に、「パソコン・レスキュー・サービス スタート お使いのパソコンのトラブル、使い方のサポート、ハードディスク内のデータの保護、ウィルス対策、無線LAN設定等、訪問サポートいたします。」の記載がある。 (http://www.keiai.biz/) (14)「会社概要|システム開発のサンライズシステム株式会社」を見出しとするウェブサイトにおいて、「事業内容」の項目に「・一般企業向け業務システム一括請負開発及び運用保守 ・パソコン教室運営(ももたろうパソコン教室立花校 2001年9月21日開校) ・ホームページ作成(ネクサスコミュニケーションズ業務提携) ・レンタルサーバー(ホームページ預かり) ・パソコンレスキューサービス ・LAN(ネットワーク)構築」の記載がある。 (http://www.srs.gr.jp/company.htm) (15)「パソコンサポートKPS」を見出しとするウェブサイトにおいて、「安心の月額制ITコンサルティングから、出張パソコンレスキューサービス等地域に密着したサービスをご提供いたします。」の記載がある。 (http://www.h6.dion.ne.jp/~k.p.s/) 4 証拠調べ通知に対する意見 前記3の証拠調べ通知に対して、請求人からは、指定した期間内に何らの意見、応答はなかった。 5 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「パソコンレスキューサービス」の文字を書してなるところ、その構成中の「パソコン」の文字は、「パーソナルコンピューターの略」を、「レスキュー」の文字は、「救助、救援」をそれぞれ意味する語(いずれも、「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行参照)として、ともに一般に広く知られているものであることから、全体として、「パーソナルコンピューターの救援サービス」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。 そして、前記3の証拠調べ通知で示した事実によれば、「パソコンレスキューサービス」の文字は、本願指定役務を取り扱う業界において、「パソコンのウィルス感染やパソコンが起動しない等、パソコンに関する様々なトラブルを解決するためのサービス」程の意味合いとして、一般に広く使用されていることが認められる。 してみれば、本願商標は、これをその指定役務中、「コンピュータデータの回復,コンピュータ上でのコンピュータプログラムの動作・障害の回復に関する助言」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「パソコンの様々なトラブルに関する救援サービス」であること、すなわち、役務の質を表示したものとして認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当であって、また、本願商標を上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 なお、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定役務との関係における、その役務の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、上記判断は左右されるものではなく、本願商標については上記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-02-26 |
結審通知日 | 2009-02-27 |
審決日 | 2009-03-12 |
出願番号 | 商願2007-39042(T2007-39042) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(X42)
T 1 8・ 13- Z (X42) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 板谷 玲子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 稲村 秀子 |
商標の称呼 | パソコンレスキューサービス、パソコンレスキュー、レスキューサービス、レスキュー |
代理人 | 澤 喜代治 |