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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200813097 審決 商標
不服200815736 審決 商標
不服2007650066 審決 商標
不服200726779 審決 商標
不服20053451 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Y30
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y30
管理番号 1197159 
審判番号 不服2007-29157 
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-10-26 
確定日 2009-04-17 
事件の表示 商願2006-39156拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり「朝食ドーナツ」の文字を横書きしてなり、第30類「ドーナツ」を指定商品として、平成18年4月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は「本願商標は、『朝食用ドーナツ、朝食に適したドーナツ』の意味合いを認識させる『朝食ドーナツ』の文字を標準文字で書してなるので、これをその指定商品に使用しても商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、提出された資料からは、本願商標の態様において、出願人の業務に係るものであると取引者、需要者間に広く知られるに至っているものとは認め難く、本願商標が商標法第3条第2項に該当するものとは認められない。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3項について
本願商標は、別掲のとおり、「朝食ドーナツ」の文字を書してなるものであるところ、構成中の「朝食」の文字は、「朝の食事」等の意味を有し、また、「ドーナツ」の文字は、「小麦粉に砂糖・バター・卵・ベーキング‐パウダーまたはイーストなどをまぜてこね、輪形・円形などに作って油で揚げた洋菓子。」の意味(共に「広辞苑第六版」)を有する語として、それぞれ一般に親しまれ使用されている語であって、本願商標は、これらの語を結合させたものと認識されるものであるから、これよりは、「朝食用のドーナツ」を容易に認識するものと認められる。
ところで、昨今、我が国の食事情は多様化してきており、朝食時において必ずしも米飯やパン以外にもいろいろな食品が食されている実情がある。
そして、朝食時において食する食品を本願商標のごとく、「朝食」の文字と食品名を結合させ「朝食○○」と称し、朝食用のものであることを表すことが、普通一般に行われており、「朝食ドーナツ」の語についても請求人以外の他人によって使用されている実情がみられ、このことは、以下の新聞記事情報及びインターネット上のウェブサイト情報によっても窺い知ることができる。
(ア)「[あんない]第12回諸口あきら墨の世界など」の見出しの下、
「◆第1回「“おしゃれ簡単”朝ごはんゼミナール」 11日13時、大阪市中央区西心斎橋のお米ギャラリー心斎橋。講師は料理研究家の坂本廣子さんの「ごはん加工品を使った朝食スープ。」との記載。(1997年10月8日 毎日新聞大阪朝刊 12頁)
(イ)「国際:拡大する都市の乳製品消費、生活必需品に移行(中国)」の見出しの下、
「(5)製品種類の分野が細かく分ける。一九九八年以前は牛乳だけの大規模な販売であったが、一九九八年からは製品差異化の時代に入り、種類の分野が細分化された。学生牛乳、朝食牛乳、カルシウム添加牛乳、鉄分入り牛乳、DHA牛乳などさまざまな機能性牛乳が開発された。」との記載。(2002年6月19日 日本食糧新聞)
(ウ)「◆シリアル食品特集:高まる健康志向背景に効果効能訴求で再拡大へ」の見出しの下、
「米食文化でかつ、多様な食文化を持つ日本の朝食では、米飯、パンなどライバルが多く、また近年では、朝食を食べない、朝食欠食の増加傾向が朝食シリアルの成長を阻む。」との記載。(2006年3月20日 日本食糧新聞)
(エ)「桃とバナナ使い、朝食ヨーグルト オハヨー乳業 /岡山県」の見出しの下、
「オハヨー乳業(本社・岡山市神下)は12月5日から、『これで朝食ヨーグルト』シリーズの第3弾『白桃&バナナ』を発売する。同シリーズは、忙しい朝にヨーグルトで手軽に朝食をとってもらおうと企画。」との記載。
(2006年11月15日 朝日新聞 大阪地方版/岡山 33頁)
(オ)「プレミックス特集:業務用プレミックス各社の動向=日清製粉グループ」の見出しの下、
「日清製粉グループ(東京都千代田区、・・・)の今年度上半期業務用プレミックス販売状況は、日清製粉(株)が販売している加糖ベーカリーミックスが微減で推移。カテゴリー別では2年前からドーナツミックスに注力し、リテールベーカリー、CVS、ドーナツカフェ、ドーナツ専門店などへ向けて提案を強化している。ユーザーとのコミュニケーションサイト「創・食Club」を充実化、これを活用してドーナツ類の品揃え、売場提案をユーザーに絶えず発信している。もの訴求より売場訴求に重点を置き、特に今年は「朝食ドーナツの提案」をメーンに据え、食シーンの拡大を図っている。(2006年12月22日 日本食糧新聞)
(カ)「andonand神保町店 アンドナンド ジンボチョウテン-朝食ドーナツ[食べログ]」の見出しの下、
「朝食ドーナツ かみさんと神保町で朝食をとりました。ミスタードーナツが展開している高級店andonand (アンドナンド)です。まだ、渋谷公園通りと神保町の2店舗のみの展開のようです。ショーケース内のドーナツを選んで、取ってもらうスタイルです。」との記載。(http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13044777/dtlrvwlst/710281/)
(キ)「クリスピー・クリーム・ドーナツ KrispyKremeDoughnuts☆新宿」の見出しの下、
「近くのホテルで宿泊していたため、ドリップコーヒーを買い、お部屋で朝食ドーナツ。。。かなり甘いので、コーヒーガブ飲みっ・・・笑」との記載。(http://boooobooooboooo.blog29.fc2.com/blog-entry-94.html)
(ク)「朝食ドーナツ(コンビニレシピ)」の見出しの下、
「朝食ドーナツ-(中略)-材料 ミニドーナツ2個 ポテトサラダ適量/作り方 1.ミニドーナツ2個にポテトサラダをはさむ。Memo冷蔵庫で30分ほど冷やすと、ポテトサラダがなじんでおいしいよ。」との記載。(http://blog.c-mam.co.jp/convini/2007/09/post_1562.html)
(ケ)「ミルクたっぷり朝食パン|産直ショップ フォーシーズン(ショップサーブサンプル)」の見出しの下、
「食パンの風味はたっぷりのミルクと絶妙な塩分と糖分のバランスできまり。朝食に軽くトーストしてたっぷりバターをつけてお召し上がりください。」との記載。(http://shopserve.ke.shopserve.jp/SHOP/bread002.html)
(コ)「カフェ・モカ」|朝食マフィン」の見出しの下、
「朝食マフィン 朝食用に『マフィン』を焼きました。」との記載。
(http://mocha.yorozu-surf.com/?eid=354932)
以上のことからすれば、殊更、特異な態様とは認められない「朝食ドーナツ」の文字よりなる本願商標を、その指定商品「ドーナツ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単にそのドーナツが朝食時に食するドーナツほどの意味合い、すなわち商品の品質を表示したものと理解・認識するにすぎないものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、本願商標が取引業界において、指定商品の品質、用途を表示するものとして使用されている事実がないから自他商品の識別力を有していること、及び過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録されるべきものである旨主張し、甲第145号証及び同146号証を提出しているが、出願された商標が、商標法第3条第1項第3号に該当する商標であるか否かについては、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年9月4日判決 東京高裁平成12年(行ケ)第76号)と判示されているところであるから、本願商標が商品の品質、用途を表示するものとして使用されている事実がないことを理由に登録されるべきとする請求人の主張は認められない。
また、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に登録されるべきである旨の主張については、それらの登録例は、商標の構成等において本件とは事案を異にするものであり、また、審決時において、個別具体的に判断されるものであって、本願商標については上記認定のとおりであるから、該主張についても認めることができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(2)商標法第3条第2項について
請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備している旨主張し、原審で提出した証拠(甲第1号証ないし同第144号証)及び参考資料1ないし10を援用し、当審において甲第149号証ないし甲第168号証を提出しているが、商標法第3条第2項により商標登録を受けることができるのは、使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって、かつ、使用に係る商品と出願に係る指定商品も同一のものに限られると解されるものである。
そこで、請求人提出の各証拠について検討するに、甲第1号証ないし同第144号証については、「朝食ドーナツ」の文字と「さとうをかけない」又は「豆乳入り(吹き出しの中に白抜き文字で表されたものを含む)」の文字とが結合したもの、及びこれらの文字の他に「北川製菓」の文字並びに欧文字一文字の「K」をデザイン化したと思しきロゴの下に小さな欧文字で「KITAGAWA」の文字を配してなる構成で使用されているものであるから、これらの証拠をもってしては、本願商標の態様で統一的に永年使用されてきたものと認めることができないものである。
次に、甲第149号証ないし同第155号証は、生協流通新聞及び本願指定商品が掲載されたカタログであるが、これらの証拠についても、甲第1号証ないし同第144号証と同様、本願商標の態様で統一的に使用されてきたものと認めることができないことに加え、これらの発行部数、発行期間等についても不明であることから、これらの証拠をもってしては、我が国における広告宣伝の効果によって、自他商品の識別力を有するに至っているとは認められない。
さらに、甲第156号証ないし同第168号証は、本願指定商品の包装箱の製作、カタログの印刷及び本願指定商品を販売したことを証する証明書であるが、これらの証明書によれば、包装箱の製作数、カタログの印刷部数及び本願指定商品の販売額等は把握できるものの、包装箱に印刷された商標及びカタログに掲載されている商標は、本願商標の態様と相違するものであるから、これらの証明書をもってしては、本願商標の態様で統一的に永年使用されてきたものと認めることができない。
また、その他の生産計画準備表、取引伝票等の各証拠については、他の各証拠と併せ勘案すれば、本願商標の態様で統一的に永年使用されてきたことを証する証拠としては、採用することができない。
そうとすれば、これら提出された証拠を総合勘案しても、本願商標それ自体が、自他商品の識別標識としての機能を有するに至っているとするには十分とはいえないものである。
加えて、本願商標「朝食ドーナツ」の語は、請求人以外の他人によっても普通に使用されている事実があること前記3(オ)ないし(ク)のとおりである。
してみれば、本願商標が、永年の使用により自他商品の識別力を有するものとして、本願商標の指定商品の分野における需要者に認識されるに至ったものとは認め難く、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備している旨の請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとし、商標法第3条第2項の要件を具備しないとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲)本願商標



審理終結日 2009-01-06 
結審通知日 2009-01-30 
審決日 2009-02-10 
出願番号 商願2006-39156(T2006-39156) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (Y30)
T 1 8・ 13- Z (Y30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深沢 美沙子田中 幸一 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 藤平 良二
岩崎 良子
商標の称呼 チョーショクドーナツ、チョーショク 
代理人 小平 進 

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