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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X30 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X30 |
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管理番号 | 1195578 |
審判番号 | 不服2008-21495 |
総通号数 | 113 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-05-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-08-21 |
確定日 | 2009-04-02 |
事件の表示 | 商願2007- 86470拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「野菜なパスタ」の文字を標準文字で横書きしてなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年8月6日に登録出願され、その後、原審における、同20年3月26日付け手続補正書により、第30類「パスタ用調味料,パスタ用香辛料,パスタ用食用粉類,パスタ,即席パスタ,調理済み冷凍パスタ」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『野菜』の文字と『パスタ』の文字とを格助詞『な』で結合したものと認識、理解させる『野菜なパスタ』の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品中『調理済み冷凍パスタ』に使用するときは、全体として『野菜入りのパスタ』を認識させるに止まり、単に該商品の原材料、品質を表示するにすぎないので、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記1のとおり、「野菜なパスタ」の文字を標準文字で横書きしてなるところ、その構成は、「野菜」の漢字2文字、「な」の平仮名文字1文字及び「パスタ」の片仮名文字3字からなるものである。 そして、該構成中、「野菜」の文字は「生食または調理して、主に副食用とする草本作物の総称。」を意味し、「パスタ」の文字は「イタリア料理に使う、小麦粉を水や卵で練った食品の総称。スパゲッティ・マカロニなど。また、その料理。」等を意味する語として、一般に親しまれており、また、これらの語(文字)を結合する「な」については、「(格助詞「の」の転)体言と体言とを接続して連体修飾を表す。」(いずれも株式会社岩波書店発行「広辞苑第6版」)助詞として、一般に知られているものである。 さらに、以下の新聞記事、インターネット上のウェブページの各記載からすると、補正後の指定商品中「調理済みの冷凍パスタ」については、各種野菜を使用した調理済み冷凍パスタが一般に販売されていることも認めることができる(以下、文字の下線は当合議体が線引きしたものである。)。 (1)1998年2月7日付け日経流通新聞6ページには、「日清製粉『マ・マー冷凍スパゲティー・きのこと野沢菜』(ヒット商品購入者調査)」と題する記事中、「日清製粉の『マ・マー 冷凍スパゲティ きのこと野沢菜』が着実に売り上げを伸ばしている。(途中省略)『きのこと野沢菜』は日清製粉が九六年八月に発売した冷凍スパゲティ。しめじ、しいたけ、えのきと野沢菜を具材に利用し、しょうゆで味付けした和風味スパゲティだ。」との記載がある。 (2)2000年2月25日付け流通サービス新聞10ページには、「冷凍食品、2000年春夏商品出そろう」と題する記事中、「冷凍パスタでは『野菜たっぷり完熟トマト』(同250円)など3アイテムを追加。また、『きのこと野沢菜』(同250円)など2アイテムをリニューアルした。」との記載がある。 (3)2000年8月12日付け読売新聞東京版朝刊10ページには、「野菜たっぷり冷凍パスタを発売へ/日清フーズ」と題する記事中、「日清製粉グループの日清フーズは、冷凍パスタ『赤ワインとガーリックで仕上げた野菜たっぷりミートソース』を22日、発売する。タマネギやトマトに加え、ズッキーニやナスなどの具も使って、ぜいたくな味わいを出したという。」との記載がある。 (4)2000年10月30日付け日経産業新聞27ページには、「冷凍パスタ、解凍ムラなくす??日清製粉、具材を4割増。」と題する記事中、「発売した新製品は冷凍パスタ『白ワインとガーリックで仕上げた魚介たっぷりのトマトソース』と『赤ワインとガーリックで仕上げた野菜たっぷりのミートソース』の二品。」との記載がある。 (5)2002年3月16日付け日経MJ(流通新聞)6ページには、「野菜の素材感たっぷり、カゴメ(新製品)」と題する記事中、「緑の野菜がたっぷり入った素材感とフレッシュ感のあるパスタの冷凍食品『ほうれん草とツナのスパゲティ』。(途中省略)具材にホウレン草とエンドウ豆、ツナを使用。」との記載がある。 (6)2005年2月4日付け日本経済新聞朝刊35ページには、「生めん使い冷凍パスタ??日清フーズ(ニューフェース)」と題する記事中、「日清フーズの生めんを使った冷凍パスタ『野菜の旨み豊かな完熟トマトソース 生パスタ』 生パスタは乾めんとは違ったもっちりとした食感と強いコシを持つという。具材にはトマトのほか、タマネギ、ニンニク、ニンジンなど10種類の野菜を使った。」との記載がある。 (7)日清フーズ株式会社家庭用冷凍食品サイトのウェブページ中、「商品ラインナップ」には、「イタリアンメニュー」(http://www.nisshin-foods.co.jp/frozen/lineup.html)として、「イタリア産完熟トマトの果肉を使った彩り野菜のポモドーロ」との記載及びその製品の画像が、また、「弾む生パスタ 野菜と魚介の旨み豊かなトマトクリームソース」との記載及びその製品の画像がある。また、「スパゲティ なす入りミートソース」には、「香味野菜とともにじっくり煮込んだ合挽き肉のコク豊かなミートソースです。野菜の旨みがアップしてさらに美味しくなりました。」との記載がある。 (8)日本製粉株式会社のウェブページ中、「商品紹介 家庭用商品 冷凍パスタ・冷凍リゾット」には、「オーマイプレミアム 海老と彩り野菜ぺペロンチーノスパゲッティ」(http://www.nippn.co.jp/products/home/20/detail221.html)として、「ぷりぷりの海老とたっぷりの彩り野菜(キャベツ・3色ピーマン・ブロッコリー)、ハーブでにおいを抑えたフライドガーリックをトッピング。」との記載が、また、「オーマイプレミアム 蒸し鶏と野菜柚子しょうゆスパゲッティ」(http://www.nippn.co.jp/products/home/20/detail399.html)として、「薄口しょうゆに柚子が香る上品なソース。柔らかな蒸し鶏とほうれん草やごぼう、にんじんで具だくさんに。」との記載がある。 (9)カゴメ株式会社のウェブページ中、「ニュースリリース 2004/1/27カゴメ、冷凍パスタ全面リニューアル ?コンセプトリファインに基づき、品質・デザインを一新?」(http://www.kagome.co.jp/news/2003/040127_7.html)には、「商品名」として、「小松菜とじゃこの和風スパゲティ、揚げなすときのこのミートソース、完熟トマトと厚切りベーコンのスパゲティ」との記載がある。 これらの事情を総合勘案すると、本願商標は、これをその指定商品中「調理済み冷凍パスタ」について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「野菜が使用されている調理済みの冷凍パスタ」程の意味合いを理解、認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものであるから、本願商標は、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものであり、かつ、これを上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。 なお、請求人は、「本願商標が『野菜』が何らかの形で関連することを暗示するという点まで否定するものではない。蓋し、『野菜』に関連するといっても、例えば『野菜のように彩りの鮮やかなパスタ』、『野菜のような食感のパスタ』といった様々な可能性が考えられるのであり、必ずしも『野菜入りの』という意味だけが一義的に導き出されるとは限らない。」旨主張しているが、上記の新聞記事やインターネットのウェブページの記載からすれば、調理済みの冷凍パスタ商品の具材に、野菜を使用している商品が製造販売されていることは、一般に知られているものといわざるを得ないことからすれば、本願商標からは、これに接する取引者、需要者が「野菜が使用されているパスタ」程の意味合いを容易に理解し、商品の品質、原材料を表したものと認識すると判断するのが相当である。 加えて、請求人は、「『野菜なパスタ』という表現は、本願指定商品の分野において『野菜入りのパスタ』を表す表現として一般的に使用されているとは言い難いものである。すると、本願商標は本願指定商品の原材料や品質の直接的表示というよりは、全体として一連の造語として認識されるとみるのが相当である」旨、主張している。 しかしながら、ある商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて争われた裁判(平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)の判決では、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」と判示しているところである。 してみると、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、本願指定商品の需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられるのかによって判断されなければならないものであるところ、本願商標が、その指定商品を取り扱う需要者等において、指定商品の品質を示すものとして認識されることは、上記認定のとおりであることからしても、かかる請求人の主張については採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2009-01-28 |
結審通知日 | 2009-02-03 |
審決日 | 2009-02-16 |
出願番号 | 商願2007-86470(T2007-86470) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(X30)
T 1 8・ 13- Z (X30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 梶原 良子、津金 純子 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
杉本 克治 小畑 恵一 |
商標の称呼 | ヤサイナパスタ |
代理人 | 鮫島 睦 |
代理人 | 勝見 元博 |
代理人 | 寺田 花子 |
代理人 | 田中 光雄 |