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審決分類 審判 判定 その他 属さない(申立て不成立) 130
管理番号 1194096 
判定請求番号 判定2007-600090 
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2009-04-24 
種別 判定 
判定請求日 2007-11-20 
確定日 2009-03-05 
事件の表示 上記請求人の登録第2694457号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 商品「ねぎ入りお好み焼き」に使用する(イ)号標章は、登録第2694457号商標の商標権の効力の範囲に属しない。
理由 1 本件商標
本件登録第2694457号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成4年3月31日に登録出願、第32類「ねぎ入りお好み焼き」を指定商品として、同6年9月30日に設定登録され、その後、同16年6月29日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、同17年6月1日に第30類「ねぎ入りお好み焼き」とする指定商品の書換登録がされたものである。

2 イ号標章
請求人が商品「ねぎ入りお好み焼き」使用する標章として示したイ号標章は、別掲2のとおり、「ねぎ焼」の文字よりなるものである。

3 被請求人
本件は、被請求人の存在しない判定請求であり、被請求人の反論は利用できない。

4 請求人の主張の要点
請求人は、商品「ねぎ入りお好み焼き」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属する旨の判定を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第47号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)判定請求の必要性
請求人は、本件商標の商標権者である(甲第1号証、甲第2号証)。請求人は、請求人が経営する店「やまもと」において、指定商品である「ねぎ入りお好み焼き」に本件商標を長年にわたって使用している。甲第3号証は、持ち帰りのための「ねぎ焼」を容れるのに用いられている紙製の包装箱である。
また、請求人は、本件商標のようなデザイン化された態様のもの(甲第2号証)とは別に、デザイン化されていない態様のもの(甲第4号証)を「ねぎ入りお好み焼き」に使用することを予定している。この甲第4号証は、本件商標とは表示態様が異なり、明朝体で表されたものであり、これが「イ号標章」である。
ところで、請求人においては、「ネギヤキ」の称呼が生じる標章は、それが片仮名文字より成る「ネギヤキ」、平仮名文字より成る「ねぎやき」、片仮名文字と漢字とが組み合わされた「ネギ焼(キ)」、平仮名文字と漢字とが組み合わされた「ねぎ焼(き)」、漢字の「葱焼(き)」のいずれであっても、また、明朝体、ゴシック体、デザイン化されたものなど、いずれの書体であっても、本件商標の禁止権の及ぶ範囲に含まれると推測していたところである。
「ねぎ焼(き)」「ネギ焼(き)」「葱焼(き)」などの名称は、現在、「やまもと」だけでなく、主として関西圏の一部のお好み焼き店において、各店が提供する料理名として、すなわち、役務商標として、使用されているが、各お好み焼き店が「ねぎ焼(き)」などの名称を商品商標として使用しているかどうか、すなわち、持ち帰り用や冷凍物などの商品に使用しているかどうかは確認していない。本件商標は指定商品について自他商品識別力を有するもので、普通名称でもなければ、原材料や品質を単に表示するに過ぎないものでもないと確信するが、同業者の中に本件商標は普通名称化していると主張する者もないではないので、請求人は、現在のところ、「ねぎ焼(き)」「ネギ焼(き)」「葱焼(き)」などの名称を使用しているお好み焼き店に対して本件商標を指定商品に使用しないことを求める警告などは行っていない。
以上の状況及び経緯から、請求人は、本件商標と表示態様が異なるイ号標章を使用するに当たり、イ号標章が本件商標の禁止権の及ぶ範囲に含まれることを確認するために、本件商標の商標権の効力の範囲について判定を求める。
(2)イ号標章の説明
イ号標章は、平仮名の「ねぎ」の文字と漢字の「焼」の文字とが組み合わされた「ねぎ焼」の文字が明朝体により一連一体に表されて成るものである。各文字は黒塗りであり、格別なデザインは施されていない。
(3)イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明
ア 本件商標の登録適格について
本件商標は、平仮名の「ねぎ」の文字と漢字の「焼」の文字とが組み合わされた「ねぎ焼」の文字が一連一体に表されて成るものである。各文字は白抜きの態様でデザイン化されているが、そのデザイン化の程度は「ねぎ焼」と十分に読める程度のものである。本件商標の指定商品は「ねぎ入りお好み焼き」である。ここで、「ねぎ入りお好み焼き」とは、ねぎが原料として入っているお好み焼きの意味であるが、「ねぎ焼」と名付けられ鉄板上で焼かれる料理は、1965年(昭和40年)頃に山本高恵が開業したお好み焼き店「やまもと」において創作されたもので、お好み焼き風ではあるが、それまでにない新しい種類の料理である。
本件商標は、指定商品を「ネギを主原料とするお好み焼」として出願されたところ、指定商品を「ねぎ入りお好み焼き」に補正するように補正指令があり(甲第9号証の1及び2)、これを受けて補正指令どおりに指定商品を補正したことで、登録査定がなされたものである。本件商標の出願は、自他商品識別力の有無(商標法第3条第1項各号)を全く問題とされることなく登録査定に至っている。本件商標は、白抜きのデザイン化された態様のものであるが、その書体に個性はあるものの、デザイン化の程度は、商品の広告や宣伝などにおいて、レタリング文字の使用形態の多様化が進展している実情に照らせば、普通に用いられる城を脱しない程度のものであるといえないでもない。
そうとすれば、本件商標は、文字の構成自体が自他商品識別標識としての機能を果たし得ると判断されて登録されたものである。すなわち、本件商標の「ねぎ」の部分が原材料を、「焼」の部分が加工方法を、それぞれ表すとしても、構成文字全体をもって一体不可分の造語として認識され把握されるものと判断されたのである。
イ 本件商標の使用状況について
「やまもと」では、創業後の1968年から現在に至るまで「ねぎ焼」をメニュー(料理名)として使用するとともに、お持ち帰り用の商品の包装箱などに本件商標を付するなどして本件商標を指定商品に使用している。
また、「やまもと」は、「ねぎ焼」が「やまもと」と不可分一体の関係であることを前面に押し出して長年にわたり営業活動を続け、その一方で、新聞社、雑誌社、放送会社などから度々取材を受け、新聞、雑誌、テレビなどの媒体を通じて「ねぎ焼」と「やまもと」とが不可分一体のものとして情報の伝達が行われた結果(甲第12号証ないし甲第43号証)、「ねぎ焼」は「やまもと」との関係で一般大衆に広く知れ渡るに至っている。
「やまもと」の本店は「ねぎ焼」の発祥の地である大阪の十三(じゅうそう)にあり、現在では、同じ十三と梅田とにそれぞれ一軒ずつ支店を構えている。「やまもと」は、大阪の味を提供する店として、「ねぎ焼」と一体不可分の関係で(一般に「ねぎ焼やまもと」と呼ばれている。)、特に関西圏において広く知られており、このことは上記から明らかである。
さらに、「ねぎ焼やまもと」の名は関西圏を越えて広く知れ渡るに至ったことから、いくつかの食品会社によって「やまもと」の「ねぎ焼」の味を各社の商品に取り込む試みがなされ、「やまもと」の協力のもとに商品開発が進められた結果、「やまもと」の「ねぎ焼」と関わりをもついくつかの商品が製品化された(甲第44号証ないし甲第47号証)。
上記の各製品について、重要なことは、いずれの製品の包装袋にも、「ねぎ焼」が登録商標であることを広く需要者に知らしめるための表示、すなわち、「『ねぎ焼』は大阪十三『やまもと』のお好み焼の登録商標です。」との表示がなされていることである。
請求人は、「ねぎ焼」の標章の使用を希望する者に対して、「ねぎ焼」は「やまもと」の商品(ねぎ入りお好み焼き)にのみ用いられるべき商標であることを認識してもらったうえで、各社の製品にその旨を表示してもらうことによって商標管理を徹底する努力を行ってきた。その結果、これらの商品の取扱業者や商品を購入した一般需要者は、前記の表示を見て、「ねぎ焼」が大阪十三「やまもと」の登録商標であることをあらためて認識することになった。
以上のことから、「ねぎ焼」は、食品関係の取引業者や一般需要者に広く知られた商標であって、「やまもと」の業務に係る「ねぎ入りお好み焼き」についての周知商標であると認識されており、強い自他商品識別力を有するものである。したがって、本件商標が普通名称化したという事実もなければ、「ねぎ焼」が単に商品の品質、原材料を表示したものであると認識されているという事実もない。
ウ 本件商標とイ号標章との類否について
本件商標は、甲第2号証から明らかなように、平仮名の「ねぎ」の文字と漢字の「焼」の文字とが組み合わされた「ねぎ焼」の文字が一連一体に横書きに表されて成るものである。各文字は白抜きの態様でデザイン化されているが、そのデザイン化の程度は「ねぎ焼」と十分に読める程度のものであるから、本件商標からは「ネギヤキ」の称呼が生じる。また、「ねぎ焼」からは「やまもと」において創作された新しい種類の商品としての「ねぎ焼」、すなわち、「薄く焼いた生地上にネギをたっぷりと置き、そこにイカ、牛肉、豚肉、エビ、牛スジなどの具を加えて焼き上げたもの」の観念が生じる。
これに対して、イ号標章は平仮名の「ねぎ」の文字と漢字の「焼」の文字とが組み合わされた「ねぎ焼」の文字が明朝体により一連一体に表されて成るものである。このイ号標章から「ネギヤキ」の称呼が生じ、また、「やまもと」において創作された新しい種類の商品としての「ねぎ焼」、すなわち、「薄く焼いた生地上にネギをたっぷりと置き、そこにイカ、牛肉、豚肉、エビ、牛スジなどの具を加えて焼き上げたもの」の観念が生じる。
上記のことから、本件商標とイ号標章とは、外観において相違するものの、称呼及び観念において一致しており、イ号標章は本件商標と類似するものである。
エ 「ねぎ焼」の語の普通名称化について
本件商標の「ねぎ焼」は、取引業者や一般需要者に広く知られ、「やまもと」の業務に係る「ねぎ入りお好み焼き」についての周知商標になっており、強い自他商品識別力を有するものであることは前記したとおりである。
したがって、本件商標が普通名称化しているという事実は存在しない。
料理名としての「ねぎ焼」について、辞書(例えば広辞苑)や百科辞典の類に「お好み焼き」の項目はあるが、「ねぎ焼」という項目はなく、また、「お好み焼き」の項目の中で、「ねぎ焼」に関して記載されているものを請求人は知らない。したがって、「ねぎ焼」という語が料理の一般名称であるとする根拠もなく、本件商標が「ねぎ入りお好み焼き」について普通名称化しているとする根拠もどこにも見出せない。
請求人の前記した商標管理の努力とマスコミによる周知化とによって、一般需要者や食品関係の取引業者は、「ねぎ焼」という語が、本来、「やまもと」の商品にのみ用いられるべき商標であると認識している。主として関西圏の一部のお好み焼き店においては、「ねぎ焼」の語を各店が提供する料理の名称として使用しているが、一般需要者や食品関係の取引業者は、それらのお好み焼き店が「やまもと」の許可を得て「ねぎ焼」の語を使用していると認識しているか、又は、「やまもと」に無断で「ねぎ焼」の語を使用していると認識しているものと推測され(現実に請求人に対してそのような問い合わせが度々ある。)、「ねぎ焼」という語を「やまもと」以外の店舗が自由に使用できるとは思っていない。
したがって、お好み焼き店において「ねぎ焼」の語を各店が提供する料理の名称として使用しているという事実があるからといって、そのことのみをもって、本件商標が指定商品の「ねぎ入りお好み焼き」について普通名称化したとする根拠となり得るものではない。
上記したとおり、イ号標章は商標法第26条第1項第2号の「普通名称」に当たらず、商標権の効力が及ぶことは明らかである。そして、イ号標章は本件商標に類似するものであるから、本件商標の商標権の禁止権が及ぶ範囲に含まれるものである。
オ 「ねぎ焼」の語が品質、原材料を表示するものかどうかについて
本件商標の「ねぎ焼」は、「ねぎ」の部分が原材料を、「焼」の部分が加工方法を、それぞれ表すとしても、構成文字全体をもって一体不可分の造語として認識されて登録されたものである。しかも、現在に至っては、本件商標の「ねぎ焼」は、取引業者や一般需要者に広く知られ、「やまもと」の業務に係る「ねぎ入りお好み焼き」についての周知商標であると認識されるに至っており、強い自他商品識別力を有するものである。
したがって、本件商標が単に商品の品質、原材料を表示したものであると認識されるようなことはない。
カ むすび
以上のとおり、イ号標章は、本件商標と類似する標章であり、その使用商品も本件商標の指定商品と同一の商品であるから、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。
よって、請求の趣旨のとおりの判定を求める。

5 当審の判断
商標権の効力は、商標権の本来的な効力である専用権(使用権)にとどまらず、禁止的効力(禁止権)をも含むものである(商標法第25条第37条)から、指定商品と同一又は類似する商品について、登録商標と同一又は類似の商標の使用に及ぶものであるが、同時に商標権の効力の及ばない範囲については、商標法第26条第1項各号に掲げるいずれかに該当する商標には、及ばないことが明らかである。
そして、その登録商標の範囲は、願書に記載された商標に基づいて定められるとすべきものである(同法第27条)。
そこで、本件商標とイ号標章について検討してみるに、本件商標は、別掲1のとおり、デザイン化された白抜き文字で「ねぎ焼」の文字を横書きしてなるところ、「ね」「ぎ」「焼」の文字は、それぞれの字体をデフォルメした態様で書されており、格別特徴的な文字として表されているものである。
そして、本件商標の指定商品は、「ねぎ入りお好み焼き」であり、通常、この商品は、冷凍食品として、あるいは、お好み焼き等を提供するお店(店舗)などにおいて、持ち帰り用として販売されている商品である。
その一方、お好み焼き等を料理として提供するサービスを行っているお店においては、「ねぎ入りお好み焼き」は、その店舗において提供する料理の一種類として提供されているものである。
そして、お好み焼き等を提供するお店では、「ねぎ入りお好み焼き」について、個々のお店によって、その材料、調理方法、味付け等、特色を出すため一様にはなり得ないものの、必ずネギを具材としたお好み焼きといえるものであり、これを「ねぎ焼き」「ねぎ焼」「ネギ焼き」「ネギ焼」などの名称により、お品書きや看板などにメニューの品目(料理名)として記載し、表記しているところである。
なお、これらの名称が料理名などとして使用されている事実については、きわめて多くの使用例を見いだすことができるものであるが、例えば、以下のインターネットのホームページ情報及び新聞記事情報により、その一端を窺い知ることができる。
<インターネットのホームページ情報>
(1)「ぐるなび 大阪版」のホームページにおける「ねぎ焼・お好み焼 福太郎」のウェブページには、「大阪の大阪らしいお店です^^」の見出しの下、「自家製醤油ダレで食べるねぎ焼は生地とのバランスが他店にない味を醸しだします。」と記載がある。(http://r.gnavi.co.jp/k226600/)
(2)「ねぎ焼『和』」のホームページにおける「トップページ ねぎ焼『和』」のウェブページには、「■アットホームなお店です」の見出しの下、「“ねぎ焼屋”といってもねぎ焼を始めお好み焼、焼きそば、オムそば、モダン焼はもちろんですが、・・・」と記載がある。(http://www14.ocn.ne.jp/~kazu1/)
(3)「げん気/GENKI」のホームページにおける「げん気 お好み焼・ねぎ焼・広島焼・一品料理・大阪梅田」のウェブページには、「お好み焼き ネギ焼 一品料理」の見出しの下、「お好み焼 ネギ焼 広島焼 なら『げん気』へ」と記載がある。(http://www.genki1993.com/)
(4)「ぐるなび 大阪版」のホームページにおける「お好み焼 ねぎ焼/ひろかずや 東通り店」のウェブページには、「あっさり醤油味のねぎ焼。こってりソース味のお好み焼。あなたはどちらをお選びになりますか?」の見出しの下、「当店一番の人気メニュースジねぎ焼。」と記載がある。(http://r.gnavi.co.jp/k111800/)
(5)「まきば亭」のホームページにおける「ねぎ焼・お好み焼・焼そば・いか焼/まきば亭」のウェブページには、「・・・特にヘルシーなねぎ焼、ボリュームたっぷりの焼そば、・・・。店内でも召し上がって頂けますが、原則として持ち帰り専門店。」と記載がある。(http://www.a-dos.ne.jp/map/kita/makibatei/)
(6)「ひとやすみ」のホームページにおける「ねぎ焼・お好み焼/ひとやすみ」のウェブページには、「人から人へ伝わるボリュームと感動の美味しさ」の見出しの下、「西尾市で超話題の、ねぎ焼、お好み焼き、焼そば、焼きうどんの専門店。」と記載がある。(http://www.nishio.or.jp/gourmet/hitoyasumi/hitoyasumi.html)
<新聞記事情報>
(1)1998年5月10日付け 毎日新聞地方版/大阪22頁には、「[食べまっせ]堺市 お好み焼き『福』/大阪」の見出しの下、「お好み焼きに比べボリュームが軽めの『ねぎ焼』(650円)や、『一銭洋食』(700円)もツマミとして人気。」と記載がある。
(2)1999年1月20日付け 日本食糧新聞には、「オタフクソース、お好み焼き提案会開く」の見出しの下、「・・・お好み焼、焼きそば、たこ焼、ねぎ焼、一品料理などの団らんメニュー提案と食材提案・・・」と記載がある。
(3)2000年4月14日付け 毎日新聞地方版/岡山には、「[オープンしました]お好み焼ハウスYamamoto/岡山」の見出しの下、「お薦めメニューは、薄く伸ばした生地に青ネギを載せ、細長くたたんで秘伝のしょうゆで味付けした『ねぎ焼』(350円)。」と記載がある。
(4)2003年2月14日付け 日本食糧新聞には、「『大阪ねぎ焼』発売(ブルドックソース)」の見出しの下、「ブルドックソース(・・・)は、調理品『大阪ねぎ焼』を2月5日から全国で新発売した。西の味として大阪名物『ねぎ焼』を家庭用商品として開発。▽『大阪ねぎ焼』は、小麦粉を溶いた生地に細かく輪切りにした青ネギをのせて焼いたお好み焼きの1種。」と記載がある。
(5)2005年3月5日付け 滋賀新聞朝刊2頁には、「おなじみです。ねぎ焼とコーヒーの店『そぼっくる』(野洲市)」の見出しの下、「480円のお好み焼きの豚玉や580円のねぎ焼=写真=は小学生がお小遣いで食べに来ることもあるとか。」と記載がある。
(6)2006年3月9日付け 産経新聞大阪夕刊10頁 タウンニュースには、「【デパ地下でつまみぐい】近鉄阿倍野本店『大寅』門真 れんこん天」の見出しの下、「・・・ネギや紅しょうががたっぷり入ったお好み焼き風『ねぎ焼』、・・・」と記載がある。
以上の事実からすると、「ねぎ焼き」「ねぎ焼」などの名称は、「ねぎ入りお好み焼き」について、広く一般に使用されている名称といえるものである。
そして、商品あるいは提供される食べ物(料理名)等について広く一般に使用される名称は、商品の取引や飲食物の提供といったサービス等において何人も使用を欲するものであり、特定人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そこで、上記した実情を踏まえてイ号標章についてみるに、イ号標章は、ごく普通に明朝体で書された「ねぎ焼」の文字よりなるものである。
そうすると、イ号標章の「ねぎ焼」の文字は、「ねぎ入りお好み焼き」について、広く一般に使用されている名称を普通に用いられる方法によって書したものであり、これを本件商標の指定商品「ねぎ入りお好み焼き」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品について一般に使用されている商品の名称を表示したものであると理解するものというのが相当である。
してみれば、イ号標章は、本件商標の指定商品「ねぎ入りお好み焼き」の商品名として一般的な名称であると認識されるに至っているものと認められるものであって、商標法第26条第1項2号に該当する商標といわざるを得ないものであるから、商標権の効力の及ばない範囲の標章と認められるものである。
そうとすれば、本件商標についての商標権の効力は、別掲のとおりの構成態様をもって、商標権の本来的な効力である専用権(使用権)を有するものであり、その禁止的効力(禁止権)については、イ号標章に及ぶものとはいえないものである。
したがって、商品「ねぎ入りお好み焼き」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(イ号標章)


判定日 2009-02-23 
出願番号 商願平4-50719 
審決分類 T 1 2・ 9- ZB (130)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 小松 里美
井出 英一郎
登録日 1994-09-30 
登録番号 商標登録第2694457号(T2694457) 
商標の称呼 ネギヤキ 
代理人 鈴木 由充 
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