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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1194071 
異議申立番号 異議2008-900230 
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-05-28 
確定日 2009-02-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5115709号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5115709号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5115709号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年7月11日に登録出願、第25類「被服,履物」を指定商品として、平成20年1月22日に登録査定、同年2月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人「リテイル・ブランド・アライアンス・インク」(以下「申立人リテイル社」という。)は、次のア及びイの商標を引用している。
ア 登録第4755108号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成15年6月25日に登録出願、第18類「ハンドバッグ,トートバッグ,バックパック,リュックサック,トランク,アタッシュケース,書類入れかばん,ダッフルバッグその他のかばん類,財布,札入れ,キーケース,カード入れ,名刺入れ,その他の袋物,かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」及び第25類「レインコート,その他のコート,ショートパンツ,ズボン,ジャケット,スーツ,スカート,イブニングドレスその他のドレス,その他の洋服,セーター,カーディガン,ベスト,その他のセーター類,タンクトップ,Tシャツ,スポーツシャツ,ポロシャツ,その他のワイシャツ類,パジャマその他の寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,アスコットタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年3月12日に設定登録されたものである。

イ 別掲(3)のとおりの構成からなり、申立人リテイル社が被服及びその関連商品に使用してきたものとする商標(以下「引用B商標」という。)

(2)登録異議申立人「バレンシアガ」(以下「申立人バレンシアガ社」という。)は、次のア及びイの商標を引用している。
ア 登録第2695782号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成4年2月24日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同6年9月30日に設定登録、その後、平成17年6月22日に指定商品を第24類「布製身の回り品,ベッドシーツ、その他の敷布,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」に書換登録、そして当該商標権は、現に有効に存続しているものである。

イ 登録第2592763号商標(以下「引用D商標」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成4年2月24日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として、同5年10月29日に設定登録、その後、平成17年2月2日に指定商品を第18類「パラソル・その他の傘,傘の部品及び附属品」及び第25類「履物」に書換登録、そして当該商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立の理由
(1)申立人リテイル社は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録を取り消されるべきものであるとし、その理由の要点を次のように述べて、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番を含む。)を提出した。
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、二つの欧文字「B」を背中合わせにしてデザイン化したものであり、「ビイビイ」と称呼される。
一方、引用A商標は、二つの欧文字「B」を背中合わせにしたデザインを要部とし、双葉を模したデザインと数字「1818」を三角円の中に配置した紋章の構成からなるものであり、「BBクレスト」と呼ばれるが、その自然な称呼は「ビイビイ」、若しくは「ビイビイイチハチイチハチ」である。
そうとすれば、本件商標と引用A商標の称呼は同一であり相紛らわしく、また、観念においても両商標は「二つのB」及び「ビイビイ」であるから同一といえる。
さらに、外観において両商標は、太い曲線で描写された欧文字「B」を背中合わせにした構成が共通し、全体として同一の相紛らわしい印象を与える。よって、本件商標と引用A商標とは称呼・観念・外観において相類似し、かつ指定商品も相抵触するものである。

イ 商標法第4条第1項第15号について
申立人リテイル社の創業年を表す「1818」の表記つき引用A商標と、当該表記のない引用B商標は、1818年より世界各国で被服及びその関連製品を製造・販売する申立人リテイル社が、1915年からその商品・役務を示す商標として日本を含む世界各国で使用してきたものであり、2007年7月11日(本件商標登録出願日)には、申立人リテイル社の商品・役務を表示する商標として、日本国内において周知著名になっていた(甲第4号証ないし同第17号証)。
したがって、引用A商標と引用B商標は、永年にわたり申立人リテイル社の業務にかかる商品・役務を表示するものとして取引者・需要者間で広く認識されている申立人リテイル社の商標であるから、これと紛らわしい本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人リテイル社の業務にかかる商品若しくは申立人リテイル社と何らかの関係を有する者の業務にかかる商品であるかの如く商品の出所について混同を生じるおそれがある。

ウ 商標法第4条第1項第19号について
引用A商標と引用B商標は、申立人リテイル社の業務に係る商品・役務を表示するものとして、外国のみならず日本国内において取引者・需要者の間に広く認識されている申立人リテイル社の創作にかかる図形商標であるから、出願人が申立人リテイル社の著名商標に接する機会は十分あったと容易に推測でき、本件商標の登録が維持された時には、申立人リテイル社の日本における営業活動に混乱を生じ、また申立人リテイル社の商標の出所表示機能を希釈化させ、かつその名声を毀損するものであるから、申立人リテイル社の引用著名商標に類似する本件商標は、出願人が不正の目的をもって使用するものに他ならない。

(2)申立人バレンシアガ社は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとし、その理由の要点を次のように述べて、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
本件商標は、筆記体の「B」の欧文字を左右逆に背中合わせで横に二つ並べた構成からなり、その構成から「BB」の観念が看取され、「ビイビイ」の称呼を生ずる。
一方、引用C商標及び引用D商標は、扁平な欧文字「B」を左右逆に背中合わせで横に二つ並べ、さらに背中合わせの部分に黄色の3本の斜線を配した如き構成であり、その構成から「BBロゴ」と表記され、「BB」の観念が看取され、「ビイビイ」の称呼が生ずるものであるから、両商標は、「BB」の観念及び「ビイビイ」の称呼を共通にするものである。
また、本件商標と引用C商標及び引用D商標は、その指定商品において「被服」及び「履物」を同一とする。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標の構成
本件商標は、別掲(1)のとおり、子細にみれば、表裏に表された欧文字の「B」をモチーフにしていることは否定できないとしても、その抽出方法からみて、全体として、デフォルメされた蝶の如き印象を与える一種独特な構成からなる特異な図形とみるのが相当であって、本件商標からは、直ちに特定の称呼及び観念を生ずるものではないとみるのが相当である。

イ 引用商標の構成
申立人リテイル社の引用する引用A商標は、別掲(2)のとおり、丸みがかった三角形の輪郭内中央に、双葉を模したとする「Y」状形を配し、これを挟んで左右対称になる表裏に表された欧文字「B」を配し、そして、該「Y」状形の上段に小さく「1818」の数字を配した構成よりなるものである。
また、申立人バレンシアガ社の引用する引用C商標及び引用D商標は、別掲(4)のとおり、僅かな間隙をもって並列された左右対称になる表裏に表された欧文字「B」と、黄色に彩色された3本の斜線により、その両者のステム(幹線)を結びつけた如き印象を与える特異な構成よりなるものである。

ウ 観念、称呼の類否
申立人リテイル社の引用A商標から「二つのB」及び「ビイビイ」の観念、及び「ビイビイ」の称呼が生じ、また、申立人バレンシアガ社の引用C商標及び引用D商標から、「BB」の観念、及び「ビイビイ」の称呼が生ずるとしても、上記のとおり、本件商標からは、特定の称呼及び観念を生ずるものではないことから、これを前提に本件商標と引用A商標、引用C商標及び引用D商標とが観念及び称呼において同一又は類似するとの申立人リテイル社及び同バレンシアガ社のかかる主張は、採用できない

エ 外観の類否
まず、本件商標と申立人リテイル社の引用A商標とを比較するに、本件商標は、全体として、デフォルメされた蝶の如き印象を与える一種独特な構成からなる特異な図形であるのに対し、引用A商標は、表裏に表された欧文字「B」、丸みがかった三角形の輪郭や双葉を模したとする「Y」状形の構成要素からなり、両者はその構成態様において顕著な差異を有するものであるから、これに接する取引者、需要者には別異の印象を与えるものであって、時と処を異にして観察した場合でも外観上相紛れるおそれのないものとみて差し支えないといえる。
次に、 本件商標と申立人バレンシアガ社の引用C商標及び引用D商標とを比較すると、本件商標は、全体として、デフォルメされた蝶の如き印象を与える一種独特な構成からなる特異な図形であるのに対し、引用C商標及び引用D商標は、表裏に表された欧文字「B」と黄色に彩色された3本の斜線などを構成要素とするものであって、両者はその構成態様において顕著な差異を有するものであるから、これに接する取引者、需要者には別異の印象を与えるものであり、時と処を異にして観察した場合でも外観上相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。

オ 小括
そうしてみると、本件商標と引用A商標、引用C商標及び引用D商標とは、その観念、称呼及び外観のいずれからみても同一又は類似とすべき点は見当たらないから、両者は非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法4条1項11号に違反して登録されたものとできない。

(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
ア 申立人リテイル社に係る引用A商標及び引用B商標の周知、著名性
申立人リテイル社の提出された証拠(甲第1号証ないし甲第17号証)によれば、引用A商標と引用B商標が使用されていることが認められるとしても、その使用の期間、地域、規模、宣伝広告等をはじめ、使用に係る商品の具体的な取引状態、販売量、市場占有率等が明らかでなく、提出に係る証拠によっては当該商標が本件商標登録出願時において取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

イ 出所の混同、登録出願の不正性
また、本件商標と引用A商標とは、上記のとおり、商標において明らかに区別し得る別異の商標というべきであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用A商標及び申立人リテイル社の創業年を表すとする「1818」の表記のない引用B商標を連想又は想起させるものとはいえないものであって、その商品が申立人リテイル社又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
さらに、本件商標が申立人リテイル社の引用A商標及び引用B商標の出所表示機能を希釈化させたり、又は、その名声を毀損させるなど不正の利益を得る目的をもって登録出願されたものとはいえないものであって、不正の目的をもって使用するものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するものではない。

(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)引用A商標



(3)引用B商標



(4)引用C商標及び引用D商標

(色彩は原本参照)

異議決定日 2009-02-06 
出願番号 商願2007-77864(T2007-77864) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (X25)
T 1 651・ 271- Y (X25)
T 1 651・ 261- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 久我 敬史 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 佐藤 達夫
小川 きみえ
登録日 2008-02-29 
登録番号 商標登録第5115709号(T5115709) 
権利者 レジェンド トレーディング カンパニー リミテッド
代理人 田中 秀佳 
代理人 白石 吉之 
代理人 庄司 隆 
代理人 城村 邦彦 
代理人 河合 千明 

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