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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X0103 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X0103 |
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管理番号 | 1192295 |
審判番号 | 不服2008-15058 |
総通号数 | 111 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-06-16 |
確定日 | 2009-01-19 |
事件の表示 | 商願2007-87087拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、「ピーラブル」の片仮名文字と「PEELABLE」の欧文字を上下二段に表してなり、第1類「シール剤,コーティング剤,その他の化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),塗装用パテ」、第2類「染料,顔料,塗料,防錆グリース」及び第3類「床用ワックス剥離剤,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,塗料用剥離剤,つや出し剤,せっけん類」を指定商品として、平成19年8月8日に登録出願され、指定商品については、原審における同20年2月19日提出の手続補正書により補正され、さらに、当審において、同年9月12日付け手続補正書により、第1類「汚れ防止用コーティング剤,コーティング剤(化学品に属するものに限る。)」及び第3類「保護被覆様加工用つや出しコーティング剤」に補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『剥く。剥がす』を意味する英語『PEEL』と、『?できる。可能にする。』を意味する接尾語『ABLE』よりなる『PEELABLE』の文字と、その表音『ピーラブル』の文字とを上下二段に普通に用いられる方法で書してなり、全体として『剥がせる,剥がし易い』程の意味合いを容易に理解させるものである、これを本願指定商品中、上記文字に照応する商品(例えば、『剥がし易い機能を有する商品』或いは『剥がし易くする商品』等)に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、単に商品の品質、用途、機能等を認識するに止まるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審において通知した証拠調べ通知と審尋 1 証拠調べ通知 当審において、本願商標を構成する「ピーラブル」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を有するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した内容は、以下のとおりである。 本願商標は、「剥く。剥がす」を意味する英語「PEEL」と、「?できる。可能にする。」を意味する接尾語「ABLE」よりなる「PEELABLE」の欧文字と、その表音と認識、理解される「ピーラブル」の片仮名文字を上下二段に普通に用いられる方法で書してなるものである。 本願商標を構成する各語の意味合いよりすれば、全体として「剥がせる,剥がし易い」程の意味合いを容易に理解させるものである。 当審において、本願商標の構成中、片仮名文字より構成された、「ピーラブル」の語の使用実態、あるいは、指定商品との関係における「ピーラブル」の語が商品の品質を表すものとして使用されている実態に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認めらる。 そうとすれば、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する商品(例えば、「剥離し易い機能を有する商品」或いは「剥離し易くする商品」等)に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、単に商品の品質、用途、機能等を認識するに止まるものといわなければならず、商標法第3条第1項第3号に該当し、これ以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので同法第4条第1項第16号に該当するものである。 これに対して意見がある場合には、この通知の発送の日から40日以内に意見書を提出されたい。 (1)「株式会社国際技術開発センター」(http://www.itdc-patent.com/)のホームーページの「最新収録セット案内」の項、「特許収録セット平成14年発行一覧」よりリンクされる、セット番号「9284」で表示される内容によれば、「ペイント除去剤の組成と剥離の方法」のタイトルの下、「日本特許公開平成12年」の詳細項目の項番51として、「ピーラブルコーティング組成物・・・」の表示の記載がある。 (2)2006.7.5付けの「日刊工業新聞」15頁には、「インタビュー/福くぁさーきっとフォイル社長・久森猛氏」の見出しの下に、「高温プレス下で薄箔を剥がせる『高温剥離ピーラブル銅箔』で・・・」の記載がある。 (3)2002.10.1付けの「化学工業日報」3頁には、「シールドエアジャパン、賞味期限伸ばす食品トレーを開発」の見出しの下に、「表面のバリア層のみを剥がせる『ケース・レディー・ピーラブル・バリアフォーム』は・・・」の記載がある。 (4)1991.12.20付けの「化学工業日報」4頁には、「福田金属箔粉工業、5・9ミクロンの極薄電解銅箔を国産技術で生産」の見出しの下に、「・・・、引きはがして利用するタイプ(ピーラブルタイプ)に分かれている。」の記載がある。 (5)1991.2.22付けの「化学工業日報」10頁には、「食品工業特集 食品包装材料、特性バランスで樹脂系優位(企画記事)」の見出しの下に、「・・・、易はく離(ピーラブル)包装材料、・・・」の記載がある。 (6)「水性生分解 コーティング剤」の見出しのもと、「ピーラブルコーティング」の項の特徴・用途の欄に「剥離可能なコーティングフィルム」との記載 (http://www.taiyolpg.com/kats_main.html) 2 審尋 当審において、本請求の指定指定商品について、当該表示の示す権利範囲が不明確であるとして通知した内容の要旨は以下のとおりである。 記 請求人は、原審における平成19年12月28日付け「拒絶理由通知書」において、商標法第6条第1項及び同第2項に該当するとされた指定商品「シール剤,コーティング剤」につき、原審において、同20年2月19日付け提出にかかる「手続補正書」により、「シール剤」を削除し、「コーティング剤」については、商品の説明をしているが、当該表示は、権利範囲が不明確な商品表示である。 そして、当該商品の説明によると、指定商品の表示を、例えば、以下のように表示するのが適当と認める。 なお、適正な表示に補正したとしても、別途送付の「証拠調べ通知」で示す拒絶理由に該当するものである。 また、本件に対し、所定の期間内に具体的な回答がされず、あるいは、審理進行を猶予し得る合理的理由がないときは、本件審理を終結することとする。 なお、当通知に対する回答書を、この審尋の発送の日から40日以内に提出して下さい。 「コーティング剤」については、「用途」により、その指定商品の区分と権利範囲が特定されるので、用途を具体的に明記しなければならない。 第1類 ・汚れ防止用コーティング剤 ・コーティング剤(化学品に属するものに限る。) 第2類 ・保護用のコーティング塗料 第3類 ・保護被覆加工用つや出しコーティング剤 第4 証拠調べ及び審尋に対する請求人の回答の要旨 当審において行った、上記の「証拠調べ通知」に対して、請求人は何ら反論していない。 当審において行った、上記の「審尋」に対して、請求人は、回答書及び手続補正書を提出した。回答書の要旨以下のように述べている。 また、手続補正書により、指定商品を、上記第1のとおり補正した。 本審判事件に関して、平成20年9月2日付けで審尋が通知された。 そこで、当該通知の指摘に鑑み、審判請求人は同日付け提出の手続補正書で本願商標の指定商品を以下のとおり、補正した。 [第1類] 汚れ防止用コーティング剤,コーティング剤(化学品に属するものに限る。) [第3類] 保護被覆加工用つや出しコーティング剤 上記補正手続きにより、権利範囲が明確な商品表示になったものと思料する。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号の該当性について 本願商標は、前記第1のとおり、「ピーラブル」の片仮名文字と「PEELABLE」の欧文字を上下二段に表してなるものである。 そして本願商標を構成する欧文字部分は、平易な英語で「剥がす」等の意味を有する「PEEL」の文字及び「可能である」等の意味を有する「ABLE」の文字を結合させた構成よりなるものと容易に理解し得ることから、全体として「剥がせる,剥がし易い」程の意味合いを極めて容易に理解させるとするのが相当である。 さらに、上記第3の証拠調べ通知書において示したとおり、本願商標の構成中、「ピーラブル」の片仮名文字が前記の意味合いで使用されている事実、及び、指定商品を取り扱う業界において、前記の意味合いの品質を表す語として使用されている事実が認められる。 そうとすれば、本願商標をその指定商品中、例えば、「剥離し易い機能を有する商品」等に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、単に商品の品質、機能等を認識するにとどまるものとするのが相当である。 2 商標法第4条第1項第16号の該当性について 本願商標が、商品の品質等を表示するものであることは上記1のとおりであるから、これをその指定商品中、上記品質に照応しない商品に使用したときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものと認める。 3 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2008-11-20 |
結審通知日 | 2008-11-21 |
審決日 | 2008-12-03 |
出願番号 | 商願2007-87087(T2007-87087) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(X0103)
T 1 8・ 272- Z (X0103) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 謙司 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
馬場 秀敏 杉山 和江 |
商標の称呼 | ピーラブル |
代理人 | 加藤 恭介 |
代理人 | 福田 伸一 |
代理人 | 福田 武通 |
代理人 | 福田 賢三 |