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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X111937
管理番号 1190882 
審判番号 不服2008-19247 
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-30 
確定日 2009-01-05 
事件の表示 商願2007-87009拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第11類「面状発熱体,業務用床暖房装置,その他の暖冷房装置,家庭用床暖房装置,その他の家庭用電熱用品類,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,加熱器,調理台,流し台」、第19類「面状発熱体と一体化された木製の床暖房用床材,その他の床暖房用床材」及び第37類「床暖房一式工事,その他の建設工事,業務用床暖房装置の修理又は保守,家庭用床暖房装置の修理又は保守,加熱器の修理又は保守」を指定商品及び指定役務として、平成19年8月8日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)ないし(3)に記載のとおりである。
(1)登録第1917388号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DANTEC」の欧文字を横書きしてなり、昭和59年7月5日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療用機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同61年12月24日に設定登録され、その後、平成9年8月8日及び同18年11月21日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第3336033号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ダンテック」の片仮名文字を横書きしてなり、平成5年3月23日に登録出願、第37類「化学プラントの設備工事,貯蔵タンクの工事,建築一式工事,土木一式工事,鋼構造物の工事,管工事,機械器具設置工事,化学プラント設備の保守,貯蔵タンクの保守,建築物の保守,船舶の保守,配管の保守」を指定役務として、同9年8月1日に設定登録され、その後、同19年7月31日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4010769号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年3月23日に登録出願、第37類「化学プラントの設備工事,貯蔵タンクの工事,建築一式工事,土木一式工事,鋼構造物の工事,管工事,機械器具設置工事,化学プラント設備の保守,貯蔵タンクの保守,建築物の保守,船舶の保守,配管の保守」を指定役務として、同9年6月13日に設定登録され、その後、同19年5月29日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめて「引用各商標」という。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「暖」の漢字と「テック」の片仮名文字とを「暖テック」と横書きしてなるところ、「暖」の文字の一部が赤色に着色されているものの、他の文字部分は赤茶色にて統一して書されてなり、しかも、「暖」と「テック」の両者は近接して書されていることから、全体としても外観上まとまりよく一体的に表されていると看取され得るものであり、これより生ずると認められる「ダンテック」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そうすると、たとえ構成中の「暖」と「テック」の各文字が漢字と片仮名文字とを用いて表されているとしても、まとまりよく一体的に表された本願商標においては、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが相当であって、これを殊更「暖」と「テック」の部分に分離観察しなければならない特段の理由も見いだし難いものである。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「ダンテック」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一種の造語であるといえる。
これに対し、引用商標1は、前記2のとおり、「DANTEC」の欧文字を書してなるところ、該文字は、何らの意味を有しない造語と認められるものであるから、これより、一般に親しまれた英語読み風に「ダンテック」の称呼を生ずるとみるのが自然である。
また、引用商標2は、前記2のとおり、「ダンテック」の片仮名文字を横書きに書してなるところ、該文字は、何らの意味を有しない造語と認められるものであり、これより、構成文字に相応して「ダンテック」の称呼を生ずるものである。
さらに、引用商標3は、別掲(2)のとおり、欧文字をやや図案化してなるものであるが、このように図案化された欧文字に接する取引者、需要者は、これを一連の欧文字を羅列したものとして看取し、前後の文字の配列等から全体的に判断して、称呼する場合が極めて多いものとみるのが相当である。
そうとすれば、引用商標3は、その構成が「DANTEC」の欧文字を書してなるものと無理なく解されるところから、これより「ダンテック」の称呼を生ずるものといえ、かつ、特定の意味を有しない造語と認められるものである。
してみれば、本願商標と引用各商標とは、外観において差異を有し、観念において比較できないとしても、いずれも、「ダンテック」の称呼を共通にする点において相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用各商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものを含むものである。
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、本願商標に接する取引者、需要者は、「暖テック」を「あたためる」の意味を有する「暖」の語と「科学技術」の意味を有する「テック」の語とを組み合わせた語、すなわち、「『暖』の科学技術」ないしは
、「暖めることに関する科学技術」と認識し記憶するものであり、また、本願商標は全体として、「ダンテック」と一連かつ一気に称呼されるというよりも、「ダン」と明瞭かつ強く発音された後に一拍置いて「テック」と発音され、「ダン・テック」の称呼が商ずる旨主張する。しかしながら、本願商標は、たとえ、その構成において「暖」及び「テック」の文字を組み合わせたものであるとしても、前記認定のとおり、該文字は、一体としてまとまりよく表されている造語であることから、請求人が主張する意味合いを看者が直ちに認識するともいい難く、また、「ダン」と発音された後に一拍置いて「テック」と称呼する証左も見いだせないものである。
さらに、請求人は、他の登録例を挙げ、本願商標は登録されるべきである旨主張するが、請求人の挙げた登録例は、対比する商標の構成態様等において本件とは異なるものであるから、上記登録例等をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当ではなく、上記登録例等の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではない。よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本願商標


(2)引用商標3



審理終結日 2008-10-30 
結審通知日 2008-11-04 
審決日 2008-11-17 
出願番号 商願2007-87009(T2007-87009) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X111937)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 文宏真鍋 伸行 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
木村 一弘
商標の称呼 ダンテック 
代理人 新田 研太 
代理人 小石川 由紀乃 
代理人 鈴木 由充 

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