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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない X2930
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X2930
管理番号 1190879 
審判番号 不服2008-10814 
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-28 
確定日 2009-01-05 
事件の表示 商願2007- 92776拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年8月29日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同20年3月18日付け提出の手続補正書により、第29類「発酵処理されたにんにく,発酵処理されたにんにくを用いた加工品」及び第30類「発酵処理されたにんにくを用いた菓子及びパン,発酵処理されたにんにくを用いた調味料(角砂糖・果糖・氷砂糖・砂糖・麦芽糖・はちみつ・ぶどう糖・粉末あめ・水あめ・ごま塩・食塩・すりごま・セロリーソルト・うま味調味料を除く。),発酵処理されたにんにくを用いたぎょうざ,発酵処理されたにんにくを用いたしゅうまい,発酵処理されたにんにくを用いたすし,発酵処理されたにんにくを用いたたこ焼き,発酵処理されたにんにくを用いた肉まんじゅう,発酵処理されたにんにくを用いたハンバーガー,発酵処理されたにんにくを用いたピザ,発酵処理されたにんにくを用いたべんとう,発酵処理されたにんにくを用いたホットドッグ,発酵処理されたにんにくを用いたミートパイ,発酵処理されたにんにくを用いたラビオリ,発酵処理されたにんにくを用いた即席菓子のもと」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1642418号商標(以下「引用商標1」という。)は、「スパーライフ」の文字を横書きしてなり、昭和56年8月6日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年12月26日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りされ、さらに、平成16年10月27日に指定商品を、第1類「人工甘味料」、第5類「乳糖,乳児用粉乳」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2412068号商標(以下「引用商標2」という。)は、「スパーライフ」及び「SPERLIFE」の文字を二段に横書きしてなり、平成元年1月30日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年5月29日に設定登録されたものである。その後、同14年4月23日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同15年6月18日に指定商品を、第29類「パン酵母を主原料とし、食物繊維、乳酸菌、抹茶を配合した顆粒状の加工食品,パン酵母を主原料とし、抹茶を配合した顆粒状の加工食品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,豆腐,凍り豆腐,油揚げ,こんにゃく,豆乳,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,酒かす」、第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,茶の葉,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。)

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、薄い灰色の色彩を施した横長矩形内の横幅およそ4分の3程度のスペースの中に、上段に「スパンライフの」の文字を表し、その下段に該文字よりも非常に大きく「黒大蒜」の文字を表してなり、また、横幅およそ4分の1程度のスペースの中に、赤い色彩を施すと共にやや右斜め下に向けて、「豊熟」及び「発酵」の各文字を、まとまりよく二段に表してなるものである。
そして、本願商標を構成する各文字は、常に一体不可分のものとして観察されなければならない格別の理由は見出し得ないことから、「スパンライフの黒大蒜」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るところ、その構成中下段の「黒大蒜」の文字部分は、「黒い大蒜」を看取させ、本願指定商品との関係においては、商品の品質、原材料を表示してなるに止まり、請求人も自認するとおり、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いといわざるを得ないものであり、また、上段の「スパンライフの」の文字中、「スパンライフ」の文字部分は、「の」の文字に比べて太字で表されていることから、看者の注意を惹きやすく、さらに、語尾の「の」は所有、所属等を表す格助詞であることからすれば、「スパンライフ」の文字部分も、それ自体、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというべきである。
しかして、「スパンライフの黒大蒜」の文字に相応して、「スパンライフノクロニンニク」の称呼のほかに、「スパンライフ」の文字部分に相応して、単に「スパンライフ」の称呼をも生じ、また、特定の意味合いを有しない一種の造語というべきである。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、「スパンライフの黒大蒜」の構成中、上段に記載されている「スパンライフ」の文字部分に着目し、該文字から生ずる「スパンライフ」の称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないとみるのが相当である。
したがって、本願商標から、「スパンライフ」の称呼をも生ずるものである。
他方、引用商標1は、前記2のとおり、「スパーライフ」の文字を横書きしてなるところ、これより「スパーライフ」の称呼を生じること明らかであって、また、特定の意味合いを有しない一種の造語というべきである。
また、引用商標2は、「スパーライフ」及び「SPERLIFE」の文字を二段に横書きしてなるところ、一般に片仮名文字と欧文字とを併記した構成の商標において、その片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、片仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるから、そうとすれば、「スパーライフ」の文字を捉えて「スパーライフ」の称呼のみを生ずるものであって、また、特定の意味合いを有しない一種の造語とみるのが相当である。
そこで、本願商標から生ずる「スパンライフ」の称呼と引用商標から生ずる「スパーライフ」の称呼についてみるに、両称呼は、長音を含めて共に6音構成からなり、そのうち「ス」「パ」「ラ」「イ」「フ」の5音を共通にし、相違するのは、第3音における撥音「ン」と長音「ー」の差異のみである。
そして、該差異音である撥音「ン」は、弱く響く鼻音であることから、破裂音で明瞭に発音される前音「パ」の音に吸収され明確に聴取し難い音となり、また、長音「ー」は、前音の「パ」の母音「ア」の発音を継続させることから、明瞭に発音される「パ」の音に吸収されて必ずしも長音の一音として明確に聴取されない音となるものである。
さらに、該差異音が称呼の識別において比較的聴取し難い中間に位置することに加えて、それらの音に続く「ラ」の音は、有声の弾音で比較的強く発音される音であることから、なおさら、該差異音は聴取され難い音となるというべきである。
そうすると、該差異音が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
次に、観念についてみると、本願商標中「スパンライフ」の文字部分と引用商標とは、共に造語であることから、観念において比較し得ないものである。
さらに、外観についてみると、本願商標中「スパンライフ」の文字部分と引用各商標の外観は、前記2のとおり、共に片仮名文字を横書きしてなる構成、又は、片仮名文字を横書きした文字を有する構成よりなるものであって、両者は「ス」「パ」「ラ」「イ」「フ」の5文字を共通にすることから、これらを、時と処を異にして離隔的に観察した場合には、前記構成文字よりみて、外観上も近似した印象、記憶、連想等を、取引者、需要者に与えるものであるといわざるを得ない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念においては比較し得ないとしても、外観においては近似性を有し、称呼においては類似するものであることから、全体として相紛れるおそれのある類似する商標といわざるを得ず、また、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「本願商標の構成中、『スパンライフの』及び『豊熟・発酵』の文字部分が、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、該各文字部分をもって本願商標と引用商標との類否の判断対象となるものであるから、本願商標と引用商標とは非類似である。」旨主張する。
確かに、「豊熟・発酵」の文字部分は、引用商標と類似しないことは明らかであり、また、「スパンライフの」の文字部分が識別力を有し、引用商標との類否を判断する対象となり得ることは否定し得ないものの、該文字の構成中から、「スパンライフ」の文字自体が独立して識別力を有するものであり、「スパンライフ」の文字部分と、引用商標とが類似するものであること前記認定のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標



審理終結日 2008-11-04 
結審通知日 2008-11-05 
審決日 2008-11-18 
出願番号 商願2007-92776(T2007-92776) 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (X2930)
T 1 8・ 262- Z (X2930)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤田 和美 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 岩崎 安子
小畑 恵一
商標の称呼 ホージュクハッコー、スパンライフノクロニンニク、スパンライフ 
代理人 富沢 知成 

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