• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y05
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y05
管理番号 1190813 
審判番号 不服2007-26691 
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-09-28 
確定日 2008-12-25 
事件の表示 商願2006-107313拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「吸水下着」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,衛生又は生理用パンティライナー,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用パンツ,失禁用ライナー,大人用紙オムツ,失禁用おしめ,失禁用吸収性ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成18年11月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『水分を吸いとる下着』の意味合いを看取させる『吸水下着』の文字を標準文字で表してなるものであるから、その指定商品中の『生理用パンティ,失禁用パンツ,失禁用吸収性ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着』に使用するときは、『水分を吸いとる下着である生理用パンティ・衛生又は生理用パンティライナー・失禁用パンツ・失禁用ライナー・失禁用吸収性ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着』を認識させるにとどまり、自他商品を識別するための標識としての機能を有せず、単に商品の品質・機能を表示したものにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記本願商標の文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年7月1日付けで証拠調べの結果を通知した。

4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
本願商標「吸水下着」の文字から、「水を吸う下着」程の意味合いは容易に理解、認識されても、吸いとる水分が何なのか特定できない。本願指定商品「失禁用下着」との関係においては、「汗を吸う下着」又は「尿を吸う下着」等多種多様な意味合いを認識させる十分識別力に富む造語商標である。また、「下着」の語は、「肌に直接つける衣服」を総称する「多義性」を有する語であって、「生理用品、失禁用品」の「直接的」かつ「具体的な」内容(形状等)を明確に伝達し得る言葉ではないため、商品の品質表示語として使用されることは稀な用語である。それゆえ、証拠調べ通知においても、「吸水下着」の語が品質表示語として、第三者による使用の事実を指摘していないところである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「吸水下着」と標準文字で表してなるところ、前記3(別掲)の証拠調べ通知で記載した事実からすれば、該文字より「水を吸う下着」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、商品「失禁用下着」の説明に、失禁の際に尿を吸い取る機能を表示する語として、「吸水」の文字が、市場において使用されている事実を窺い知ることができるものである。
また、商品「失禁用下着」には、その着用を他人に悟られることを防ぐふために、一般の下着と同様に、「パンツ」、「ショーツ」、「トランクス」及び「ブリーフ」等の形状をした商品が、製造、流通しているものであって、それらは、「吸水パンツ」、「吸水ショーツ」等のように、「失禁用下着」の機能を表す「吸水」の文字と、その形状を表す文字とを結合させて「吸水○○」と称されて、市場において、取引、販売されている実情にあるといい得るものである。
してみれば、本願商標「吸水下着」の文字を、その指定商品中、失禁用下着及びそれと同様の商品、例えば「失禁用パンツ,失禁用吸収性ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「尿などの水分を吸いとる失禁用パンツ,尿などの水分を吸いとる失禁用ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着」、すなわち「尿を吸いとる失禁用下着」であると理解し、単に商品の品質、機能を表示したものと認識し、把握するにとどまるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは、認識し得ないというべきであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
なお、請求人は、「本願商標『吸水下着』の文字中、『吸水』の語が意味する吸いとる『水分』は何なのか特定できない。証拠調べ通知においては、『吸水』の語の前後の文章との関係で、吸いとる『水分』が『尿』であることを理解させているにすぎず、何らの前提もない本願商標の識別力判断にそのまま当て嵌まる事例ではない。」旨主張している。
たしかに、失禁用下着が「汗」をも吸うことは否定し得ないが、失禁用下着の主な機能は、尿を吸い取ること明らかであって、その機能を表す文字として、「吸水力」、「吸水部」、「高吸水パワー」、「吸水量120CC」(別掲証拠調べ通知書中第2、1(1)、(3)、(5)、(6)参照)等のように「吸水」の文字が、普通に使用され、その意味が「尿を吸い取る」ことであることは、請求人も自認しているものである。
そうすると、本願商標「吸水下着」の構成中、「吸水」の文字の前後に吸いとる対象となるものを表す文字が付されていないとしても、本願商標を、その指定商品中「失禁用下着及びそれと同様の商品」に使用するときには、これに接する取引者、需要者に「吸水」の文字が、「尿を吸い取る」との意味を有するものと無理なく認識、把握されると判断するのが相当である。
また、請求人は、「証拠調べ通知書においては、『吸水○○』の態様より成る語の使用例として、『吸水パンツ』や『吸水ショーツ』等を挙げている。しかし、請求人が意見書段階より述べている通り、『○○パンツ』や『○○ショーツ』等、具体的な下着の内容をもって、その品質・形状を特定するのが本願の指定商品『生理用品・失禁用品』の取引実情であり、具体的な形状を認識できない『○○下着』なる構成については、『○○パンツ』や『○○ショーツ』等とは同列に論ずることのできない構成である。」旨主張している。
しかしながら、「下着」の語は、「肌に直接つける衣服」の意味を有し、その種類には「ブリーフ、パンツ、ショーツ」等が存在し、また、「失禁用下着」にも、一般の下着と同様の形状が存在すること、前記のとおりである。
そして、それらが、「吸水ボクサーパンツ」、「吸水ニットトランクス」、「吸水ブリーフ」、「吸水ズロース」等のように、「吸水」の文字のあとに、下着の品質、形状を表した文字を結合した「吸水○○」の表示をもって、取引されている実情からすれば、本願商標「吸水下着」の文字から、具体的な形状を把握し得ない場合があるとしても、失禁用下着の一であることは理解し得るというべきであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは、認識されないというべきである。
そして、請求人は、「証拠調べ通知において、第三者による『吸水下着』の語が品質表示語として使用されている事実を指摘していない。もし、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するのであれば、『吸水下着』の語の明確な使用の事実、又はその類例(少なくとも、『下着型失禁用品』『下着型オムツ』等、『下着』の語が本願の指定商品の品質表示語として使用されている実例)を示すべきである。」旨主張している。
しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)と、判示しているところであるから、たとえ、「吸水下着」の語が、請求人以外の者による使用が見当たらないとしても、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、本願指定商品の取引者、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられるかによって判断されなければならないところ、本願商標は、その指定商品中「失禁用下着及びそれと同様の商品」を取り扱う取引者、需要者等において、その商品の品質、機能を表示するものとして理解させるに止まるものであって、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは、認識し得ないものであること、前記認定のとおりである。
さらに、請求人は、「平成19年11月28日付手続補正書において、第5号証乃至第8号証で示した上で述べたように、『吸水下着』の語は、請求人の基幹商品『ライフリー』のカテゴリー名(商標)として、取引社会で既に機能しており、模倣による不正競争を未然に防ぐ必要性が存するところである。」とも主張する。
しかしながら、本願商標に係る請求人の商品が相当の売上高があること、及び、請求人がその商品の模倣について対策を講じなければならない必要があるとしても、そのことから、単に商品の品質、機能を表したにすぎないというべき本願商標が、直ちに自他商品の識別標識としての機能を有するということはできず、さらに、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するかどうかの判断に影響を及ぼすものではないというべきである。
加えて、請求人は、「吸水」の文字を構成中に有する他の登録例を引用して、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有する旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様及び指定商品との関係に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであって、また、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、その認定は左右されないというべきである。
そうとすれば、請求人の前記のいずれの主張も採用することができない。 したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
証拠調べ通知の内容

第1 「吸水」及び「下着」の各文字に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
1 「吸水」の文字が有する意味。
「物体・生体・機械などが水を吸うこと。〔生〕植物体が外界から水を取り入れること。多くの高等植物では根で行われるが、水生高等植物・コケ植物・藻類等では水と接する各部でこれを行う。」(「広辞苑第五版」)
2 「下着」の文字が有する意味。
(1)「肌に直接つける衣服。または上着の下に着る衣服。」(「広辞苑第五版」)
(2)「下着」の項に、「男性の下着は実用性、機能性を主としたものが多く、下半身に用いるブリーフ、パンツ、ズボン下、・・」(413頁)、「トランクス[Trunks]男子だけが用いる上部に広幅ゴムテープをつけた短い下ばきのこと。」(419頁)、「パンツ[Pants]アメリカではズボンのことを、イギリスではズボン下をさす俗語であるが、日本ではいわゆるドロワーズ(ズロース)のことをいう。すなわち男女ともに用いられる下着のパンツをさす。」(421頁)との記載(何れも「新・田中千代服飾事典」株式会社同文書院発行)。
(3)「男性下着類」の項に、「図74男性下着類 1.ブリーフ 2.パンツ・・」、「女性下着類」の項に、「ショーツ(shorts) 下ばきの一種で、脚部がなく、からだにぴったり合った短いもので、ブリーフ(brief)というのが正式名称。」との記載(「商品大辞典」東洋経済新報社発行)。

第2 「失禁用下着」に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
1 失禁用下着が、「吸水」を主な機能とし、一般の下着と同様の種類、形状が存する事実。
(1)「横もれしないパンツ カインドウェア・プラナ 特殊溶着で軽失禁対応」の見出しのもと、「カインドウェア・プラナ(東京)が販売する婦人用軽失禁パンツ「さわやか安心パンツ」は、薄型で吸水力や耐久性に優れ、“縫い目からの横もれ”を特殊溶着加工により解消した。」との記事(2004.07.13 繊研新聞11面)。
(2)「シニア用品Q&A 見掛けは普通 失禁用パンツ」の見出しのもと、「今は男性用の尿パッドもいろいろありますが、トランクスでは落ちてしまうことがあります。ブリーフだと落ちにくいのですが、慣れていない人には嫌がられるかもしれません。そんなときには、トランクス型の失禁パンツが役立ちます。またの部分に吸収帯が付いていますが、見掛けはどこから見ても普通のパンツです。約百CCほどの量が吸収できますから、多少の漏れなら大丈夫です。」との記事(2004.10.06 中国新聞夕刊 夕健康・ガイド)。
(3)「【ニュースリリース】軽失禁用ショーツ『メディカルおしゃれショーツ』」の見出しのもと、「レース仕様のおしゃれなショーツに、軽失禁用の機能と血行を促進する医療用磁石12個を装着した。吸水部は5層構造で、吸水布が水分を素早く透過拡散するため、さらっとした乾いた状態を保つ。」との記事(2004.11.26 FujiSankei Business i. 16頁)。
(4)「品質から快適性へ/グンゼの顧客満足戦略-生理学基に商品開発」の見出しのもと、「会員のアンケートなどをもとに開発を行い、設立以来、失禁パンツやジュニアブラジャーなど7点を商品化してきた。」との記事(2005.06.28 日刊工業新聞 23頁)。
(5)「【買い物箱ら・ビット】見えない部分こそ…」の見出しのもと、「◆軽失禁対応ショーツ オシャレに登場(略)本商品は高吸水パワーと消臭・制菌性に優れたテイジンのベルオアシスを股部に使用。」との記事(2007.02.07 産経新聞大阪夕刊 5頁)。
(6)「大容量タイプの失禁用下着販売 NI帝人商事『ウェルドライ』」の見出しのもと、「NI帝人商事は、尿失禁用ショーツ『ウェルドライ』で、吸水量120CCの大容量タイプの女性用新商品を発売した。既存タイプに比べ吸水部を大きくし、後ろ側はウエストまでパットを長くすることで、伝い漏れをカバーする構造。」との記事(2007.10.23 繊研新聞 4面)。
(7)「まるごと応援くらし塾 家庭の介護力アップ 多様なグッズ 賢く選んで」の見出しのもと、「【失禁パンツ】基本的にトイレに行ける人が使う。軽い尿もれ(五十ccまで)に有効だ。見た目が下着と変わらないトランクスタイプやショーツタイプがある。」との記事(2007.11.28 京都新聞朝刊9頁)。
2 失禁用下着が、「吸水」の文字と、一般の下着の種類又は形状を表す文字とを結合させて、「吸水○○」のように称されている事実。
(1)「【ニュースリリース】少量失禁用吸水パンツ『ピースマイル』」の見出しのもと、「特殊ポリマーを使った繊維を含む五層構造の生地採用で、吸水性能を80倍向上。漏れも防ぐ構造で、“ムレない、モレない、ニオわない”を実現。男性用ブリーフと女性用ショーツ(各M-4L)があり、価格は2枚一組で3885円(送料600円)。」との記事(2005.12.02 FujiSankei Business i. 19頁)。
(2)「白十字株式会社」のホームページにおいて、「軽失禁用品」の項に、軽失禁用下着(女性用)の種類の一に「ウェルレディ 吸水ボクサーショーツ」、軽失禁用下着(男性用)の種類の一に「ブライ 吸水ボクサーパンツ」との記載(http://www.hakujuji.co.jp/Products/03keisikkin.html#sitagi)。
(3)「株式会社セシール」のオンラインショップのウエブサイトにおいて、「その他 男性下着」の項に、「セシールおすすめの吸水パンツ(紳士用)です。見た目は普通の安心・快適ブリーフ」との記載(http://www.cecile.co.jp/detail/1/BTNC1H000010/)、及び「セシールおすすめの吸水ニットトランクス(紳士用)です。見た目はふつうの安心・快適ニットトランクス」との記載(http://www.cecile.co.jp/detail/1/BTNC1H000012/)。
(4)「片倉工業株式会社」のホームページにおいて、「メンズインナー」の項に、「キャロン 元気いきいき 吸水パンツ」の紹介として、「くらしの健康を応援するキヤロンから薄くて目立たない健康な人のための失禁パンツです」の説明のもと、「吸水ブリーフ」、「吸水申又」、「吸水ニットトランクス」、「吸水トランクス」との記載(http://www.katakura.co.jp/Activities/Iryo/mens/mens_kyusuipantsu/kyuusui00.htm)、及び「レディスインナー」の項に、「キャロン 元気いきいき 吸水パンツ」の紹介として、前記と同様の説明のもと、「吸水ショーツ」、「吸水ズロース」との記載(http://www.katakura.co.jp/Activities/Iryo/ladies/ladies_kyuusuipantu/kyuusuiopantu00.htm)。
(5)「株式会社イトーヨーカ堂」のウエブサイトにおいて、「ファッション レディスインナーウェア&レッグファッション」の項に、「軽失禁用吸水パット付きショーツ。」の説明のもと、「吸水ショーツ」との記載(http://www.itoyokado.jp/product/-/detail/4979827101022)。
(6)「天野商事株式会社」のホームページにおいて、商品カテゴリー「医療雑貨」の項に、「外出時の軽い尿モレ・夜の尿・ムレが気になる方に」「●8層構造の高吸収シート(最高70cc吸収)」の説明のもと、「さわやか吸水ショーツ(女性用)(男性用)」との記載
(http://www.amano-shouji.co.jp/contents/article/supplies.html)。
(7)「楽天市場」のウエブサイトにおいて、「軽くて目立たず爽やかなドライ感。普段の下着とスタイルは同じで、厚さわずか2.5mm」の説明のもと、「軽失禁婦人ショーツLL(15号)安心吸水ショーツ:ベージュ【大きいサイズ・レディース】」との記載(http://item.rakuten.co.jp/ooban-misa-o/10000252/)。
(8)「楽天市場」のウエブサイトにおいて、「中度失禁吸水パンツ」「モレない、ムレない、臭わない!尿モレに最適の失禁用パンツ!!」の説明のもと、「中度失禁吸水ショーツ」、「中失禁吸水ブリーフ」との記載(http://www.rakuten.co.jp/haturatu/795981/871705/)。

第3 以上の事実よりすれば、本願商標は「吸水下着」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中「吸水」の文字は、「物体・生体・機械などが水を吸うこと。」等の意味を有し、また、「下着」の文字は、「肌に直接つける衣服。」等の意味を有していることから、「吸水下着」の文字よりなる本願商標からは、「水を吸う下着」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、「下着」には、「パンツ」、「ショーツ」、「トランクス」、「ブリーフ」等の種類があって、また、本願指定商品との関係において、失禁用下着にも、一般の下着と同様の種類又は形状のものが存在しているものである。
さらに、失禁用下着は、その主な機能である「吸水」の文字と、失禁用下着の種類又は形状をあらわす文字とを結合して、「吸水パンツ」、「吸水ショーツ」等のように称されて、市場において取引き、販売されている実情にあることを窺い知ることができるものである。
してみれば、本願商標「吸水下着」の文字を、その指定商品中、失禁用下着と同様の商品、例えば「失禁用パンツ,失禁用吸収性ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「尿などの水分を吸いとる失禁用パンツ,尿などの水分を吸いとる失禁用ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用下着」、すなわち「水分を吸いとる失禁用下着」であると理解し、単に商品の機能、品質を表示したものと認識し、把握するにとどまるというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは、認識し得ないものといわざるを得ず、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するといわざるを得ない。



審理終結日 2008-10-22 
結審通知日 2008-10-27 
審決日 2008-11-07 
出願番号 商願2006-107313(T2006-107313) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Y05)
T 1 8・ 13- Z (Y05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小畑 恵一
岩崎 安子
商標の称呼 キュースイシタギ、キュースイ、シタギ 
代理人 網野 友康 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ