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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z41
管理番号 1190775 
審判番号 取消2007-301105 
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-08-30 
確定日 2008-12-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第4277939号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4277939号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4277939号商標(以下「本件商標」という。)は、「国検」の漢字を横書きしてなり、平成10年1月21日に登録出願、第41類「語学検定試験の企画及び実施,語学に関する能力の検査,知識の教授,図書の貸与,磁気ディスク・コンパクトディスクその他の光学式記憶媒体に記憶させた文字教材・映像教材又は音楽教材の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として、同11年5月28日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、請求人の調査した限りにおいては、少なくとも、本件審判請求日前3年以内に日本国内において、その指定役務のいずれについても使用されていないことが判明した。
2 平成19年12月12日付け提出の答弁書に対する弁駁
被請求人は、本件商標をその指定役務に関して使用しているものとして、乙第1号証ないし乙第5号証を提出している。
しかしながら、これらの乙各号証は、客観性が全くなく、その信憑性に欠けるものであり、以下のとおり、本件商標をその指定役務に使用している証拠資料として認めることはできない。
乙第1号証は、その表題に「提携のメリット」として記載して文書を作成しているが、その書面は、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料には、該当せず、この資料によって、本件商標をその指定役務に使用しているということはできない。
乙第2号証は、その表題を「『札商ビジネス用語検定』に関する基本契約書」として、その体裁をなしてはいるが、本件商標の使用とは、何ら関係なく、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料には該当せず、この資料によって、本件商標をその指定役務に使用しているということはできない。
乙第3号証は、単なる「送付状」であって、本件商標の使用とは何ら関係なく、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料には、該当せず、この資料によって、本件商標をその指定役務に使用しているということはできない。
乙第4号証は、「高校生のビジネス用語検定」に関するチラシのようであり、その片隅に「国検」の文字が見えるが、これが何を意味するのか全く不明であり、本件商標の使用とは何ら関係なく、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料には、該当せず、この資料によって、本件商標をその指定役務に使用しているということはできない。
乙第5号証は、その表題を「モニタリング集計結果報告書」としており、単なる報告書にすぎず、本件商標の使用とは何ら関係なく、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料には、該当せず、この資料によって、本件商標をその指定役務に使用しているということはできない。
また、これらの資料が、たとえ、正本として提出されたとしても、それによって、商標法上、指定役務について、登録商標が実質的に商標的使用態様として継続して使用されているものと認めることは、到底できない。
以上の次第であるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
1 平成19年12月12日付け提出の答弁書
(1)本件商標は、以下(2)のとおり、使用の事実がある。
ア この使用は、本件取消審判請求前3年以内の使用である。
イ この使用は、商標権者の使用である。
ウ 使用された標章は「国検」である。登録商標と同一である。
エ この使用は、指定役務「語学検定試験の企画及び実施」及び「語学に関する能力の検査」についてである。
オ この使用は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告(又は取引書類)に標章を付して頒布する行為」に当る。
(2)使用の事実
ア 登録商標「国検」は、これを付した提案書を下記各相手方に頒布する形で使用されて来た。
イ 札幌商工会議所あて
(ア)札幌商工会議所と特定非営利活動法人ビジネス日本語検定協会は、平成18年4月1日、乙第2号証に示される契約を締結した(以下、法人格を示す「特定非営利活動法人」は、省略。他の法人についても同じ。)。
なお、契約書は、一般論として当事者に無断では公開出来ないと解される。ただ、大部分は一般的な条項か公知の事項なので、第3条の内容と、第4条の内容及び各代表者の捺印のみ消去している。
(イ)この契約に係る「札商ビジネス用語検定」は現在も実施されている(http://www.sapporo-cci.or.jp/右下「クイックリンク」内「各種検定試験」をクリック。表示されたページの一番下「札商ビジネス用語検定」をクリック)。
(ウ)ビジネス日本語検定協会は、商標権者と同じ代表者が代表を務める。所在地も同一である。両者は国語力の検定等に関し、必要に応じて共同で啓発活動を行なっている。上記契約に関しても共同で啓発活動をした(およそ2年間)。その結果、締結に至った。ここでは、乙第3号証に示される株式会社大江戸コンサルタントが、札幌商工会議所への仲介を行なった。
(エ)上記啓発活動の中で、商標権者は、上記検定試験業務の実施に関し、登録商標「国検」を提案書に表示し、その使用を提案して来た。しかし、札幌商工会議所の意向で最終的には使用されないこととなった。
(オ)今回の審判請求を受け、改めてこの提案書を探した。しかし、商標権者のコンピュータが以前に故障し、その際データが取出せなかったか、キチンと移行されていなかったようで、電子ファイルは残っていなかった。ただ、別の提案書が残っていた(乙第1号証)。これを代用で示す。登録商標「国検」に目印を付しておく。
(カ)商標法上、使用の事実を示す証拠を保存しておく義務は無い。したがって、書証、物証が無くても直ちに使用の事実は否定されないと解す。必要があれば、商標権者の代表者木村文司が、宣誓の上で証言をする。当該書面が保存されていないか、他に資料が保存されていないかについて、札幌商工会議所へ照会することも出来る。証言を依頼してみることも出来る。
ウ 学習研究社あて
登録商標は、乙第1号証の提案書の中で使用されている。この提案書が啓発活動の中で学習研究社あてに頒布された。なお、啓発活動は、株式会社スケールアップサポート経由で行なわれた。商標権者の代表者たる木村文司の記憶が曖昧なので、相手方への訪問日時等は、定かでない。乙第1号証の作成月が2006年7月なので、その前後であると思料される。必要なら、株式会社スケールアップサポートの担当者、学習研究社の応対者等の証言を依頼してみる。書証、物証も探索してみる。
エ 日刊工業新聞社あて
(ア)登録商標は、乙第1号証と同様の提案書の中で使用されている。啓発活動の中でこの提案書が日刊工業新聞社あてに頒布された。これも保存されていない。なお、啓発活動は、商標権者の代表者たる木村文司自身及び社員によって実行された。これも記憶曖昧な部分があり、相手方への訪問日時等は、定かでない。同じく、乙第1号証の作成月の2006年7月の前後であると思料される。
(イ)ここでのいわゆるプレゼンテーションへの相手方参加者は、専務取締役を筆頭に10人程度であった。受領した名刺は、ほとんど保存している。必要なら呈示する。この答弁書は公開されるものであり、個人情報保護法に抵触するおそれがある。とりあえずは、写し添付を控える。
オ 毎日新聞社
上記日刊工業新聞社への啓発活動におけると同様の形態で、登録商標が使用された。同じく、訪問日時等は、定かでないが、同様に、名刺は保存している。木村文司の証言、相手方への証言、書証、物証探索の用意はある。
カ また、平成17年2月頃、埼玉県川越市の川越市立高等学校の協力を得て、乙第5号証に記載の受験者を対象に、ビジネス用語検定試験を模擬で実施した。このとき、協力していただいた荷田教諭のところへ「国検」を付した乙第4号証の宣伝ビラを持参し披露した。しかし、特には不用ということで校内、校外への掲示はされなかった。しかし、披露をしたこと、要望されれば幾らでも提供する意思があったので、頒布に値すると解す。
キ 以上説明したように、本件商標は、使用されている。

2 平成20年9月26日付け提出の答弁書
(1)請求人は、「被請求人は、本件商標をその指定役務に関して使用しているものとして、乙第1号証ないし乙第5号証を提出しているが、これらの乙各号証は、客観性が全くなく、その信憑性に欠けるものであり、本件商標をその指定役務に使用している証拠資料として認めることはできない」旨主張する。
そういう主張をするなら、先ずは条文、判例、その他、その判断の根拠を明示すべきである。その根拠に照らし「客観性が全くなく、その信憑性に欠ける」ことを主張すべきである。
(2)請求人は、乙第1号証ないし乙第5号証の夫々を単独で取上げ、これらは夫々が使用事実を示す証拠ではない、と主張している。
乙第1号証ないし乙第3号証が一つの証拠群であり、乙第4号証及び乙第5号証がもう一つの証拠群である。
前者、すなわち乙第1号証ないし乙第3号証の証拠群で、札幌商工会議所、学習研究社、日刊工業新聞社、毎日新聞社への提案書の頒布を立証している。この提案書は現物が見つからない。そこで、代用として乙第1号証を提示した。
後者、すなわち乙第4号証と乙第5号証の証拠群とで、川越市立高等学校への宣伝ビラの頒布を立証している。宣伝ビラが乙第4号証で示されている。
(3)上記請求人の主張は、個々の部分に於ても認諾できないものがある。
先ず、乙第1号証に対し、請求人は「乙第1号証は、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料には該当しない」旨主張しているが、これは、条文解釈を誤っている。「提案書」は、役務に関する広告(又は取引書類)に当る。それに標章を付して頒布すれば、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告(又は取引書類)に標章を付して頒布する行為」であり、商標の使用に当る。
もっとも、請求人は、商標が書類の中に表示されていることを以て、「標章を付した」ことには当らない、と主張したのかも知れない(乙第1号証の3枚目、矢印を付した表示形態のこと。「国検(商標取得)」の部分。)。
もしそうであるなら、これも「標章を付す」ことについての商標法の解釈を誤っている。標章の付し方について、商標法には何の規定も無い。商品ならその表面にとか、取引書類ならその表紙にとか、そういう規定は一切無い。
思うに、商標権者が、自己の業務に係る商品又は役務であることを表す意思を以て標章を付する行為をすれば、それだけで、基本的に「商標の使用」が成り立つのである。
例えば、商品の中や取引書類の中に商標を表示したとする。それにより、商標が認識されにくくなり、極端な場合、信用が全く化体しないかも知れない。それでもそれは「商標の使用」である。
何故なら、商標法の規定からは、自己の業務に係る商品又は役務であることを表す為に使用するものが商標である、という趣旨が読み取れるだけであり、信用が化体していなければ商標ではない、との趣旨は読み取れないからである。
商品の中や取引書類の中に、或いは「片隅」に商標を表示し、その結果、信用が化体しなかったとしても、それは、ひとり商標権者だけの問題であって、商標法上要求される要件ではない。表示箇所、表示形態等に関し、商標法が要求しているものは何もない。
ましてや、上記乙第1号証では、「(商標取得)」と付記されている。これで、商標の使用として十分ではある。
(4)また、請求人は「乙第4号証は、『高校生のビジネス用語検定』に関するチラシのようであり、その片隅に『国検』の文宇が見えるが、これが何を意味するのか全く不明である」旨の主張するが、そもそも、商標の多くは「何を意味するのか全く不明」なものである。図形であったり、立体的形状であったりするものは、特にその傾向がある。
図形商標あるいは文字商標にしても、それが何を意味するか理解出来ないものが多い。
文字商標は、むしろ「何を意味するのか全く不明」であることの方が普通ではないだろうか。だからこそ、例えば、全くの造語であるからこそ、登録が受けられ、且つ商標として機能するのである。
何故なら「何を意味するのか判る」ようでは、普通名称であったり、慣用商標であったり、産地、販売地、原材料を表すものであったりする可能性が高く、その分、識別力が無いとされてしまうことが多くなるのである。
それでも継続的に使用されれば、需要者に記憶され、商標としては十分機能する。
(5)もっとも、「継続的使用」は、商標の取消を免れる為の要件ではなく、たとえ1回こっきりで、そのあと使用しなくても、その使用は「商標の使用」であり、それだけで取消は免れる。
請求人は、「継続的使用」が不使用取消を免れるための要件であるという趣旨の主張をしている。
しかし、商標法にそのような規定は無く、この主張は誤りである。

第4 当審の判断
1 被請求人は、本件商標と同一の「国検」を、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定役務「語学検定試験の企画及び実施」及び「語学に関する能力の検査」について使用したとし、そして、その使用は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告(又は取引書類)に標章を付して頒布する行為」に当ると主張している。
2 ところで、商標法50条の適用上、「『商品』というためには、市場において独立して商取引の対象として流通に供される物でなければならず、また、「商品についての登録商標の使用」があったというためには、当該商品の識別表示として同法2条3項、4項所定の行為がされることを要するものというべきである(東京高裁、平成12(行ケ)109,平成13年2月28日判決参照)。」と判示されているところ、「役務」についても同様に解されるところであり、この観点に立って、本件につき、以下検討する。
そこで、被請求人の提出に係る各乙号証をみるに、乙第1号証は、その表題に「学研・ビジネス日本語検定協会、学研・国語教養検定委員会、提携のメリット」と表記した文書を作成しているが、その3枚目に、「学研・国語教養検定委員会の提携のメリット:」の表題の下に、「国検(商標取得)」の記載があり、「○新しい商品の開拓」の項には、「・・・学研と『児童向け国語教養検定』を共同で企画、実施することを熱望する。」旨の記載がある。
しかしながら、この書面には、本件商標と社会通念上同一と認められる「国検」の文字があるとしても、被請求人が学研と提携する旨の提案を記載したものにすぎず、単なる、内部資料といえるものであって、被請求人が主張するような商標法第2条第3項にいうところの役務に関する広告または取引書類等に該当するものとはいえない。
乙第2号証は、その表題を「『札商ビジネス用語検定』に関する基本契約書」とする書面であるが、本件商標の使用とは、何ら関係なく、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料ということができず、この資料によっては、本件商標をその指定役務に使用したと認められない。
乙第3号証は、単なる「送付状」であって、取引書類でもなく、本件商標を使用していることも確認できないから、本件商標をその指定役務に使用していることを立証する資料ということができず、この資料によっては、本件商標をその指定役務に使用したと認められない。
乙第4号証は、「高校生のビジネス用語検定」に関するチラシのようであるが、これがいつどのように頒布されたかを確認できないから、本件商標をその指定役務に期間内に使用していることを立証する資料ということができず、この資料によっては、本件商標をその指定役務に使用したと認めることはできない。
乙第5号証は、その表題を「ビジネス用語検定模擬試験【モニタリング集計結果報告書】」としているところ、単なる報告書にすぎず、しかも、本件商標の使用していることを見いだすこともできないから、これをもって、本件商標をその指定役務に使用したと立証するものとはいえない。
3 まとめ
したがって、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定役務のいずれについても使用されていなかったものと言わざるを得ず、また、その不使用について正当な理由があるとも認められないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-10-27 
結審通知日 2008-10-30 
審決日 2008-11-12 
出願番号 商願平10-3598 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Z41)
最終処分 成立 
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 佐藤 達夫
小川 きみえ
登録日 1999-05-28 
登録番号 商標登録第4277939号(T4277939) 
商標の称呼 コクケン、コッケン 
代理人 松井 晃一 
代理人 小泉 勝義 
代理人 吉武 賢次 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 宮嶋 学 
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