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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y33 |
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管理番号 | 1189173 |
審判番号 | 取消2008-300459 |
総通号数 | 109 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-01-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-04-11 |
確定日 | 2008-12-03 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4852785号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4852785号商標(以下「本件商標」という。)は、「赤無双」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成16年8月2日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同17年4月1日に設定登録され、その後、指定商品について、第33類「泡盛,合成清酒,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」が放棄され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 また、本件審判の請求の登録日は、平成20年4月30日である。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、「本件商標の指定商品中『日本酒但し、泡盛,合成清酒,白酒,清酒,直し,みりんを除く』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由として、本件商標は、その指定商品「日本酒但し、泡盛,合成清酒,白酒,清酒,直し,みりんを除く」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである旨主張している。 第3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。 本件商標は、乙各号証に示すように、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者又は通常使用権者が、審判請求に係る指定商品のうち「焼酎」について、現に使用している。 1 証拠について 乙第1号証の1は、被請求人の取引先の一つである販売店「ベリーマッチ」(鹿児島市新栄町5番12号)の出入口の写真である。同店の出入り口付近の窓には、同店が販売している焼酎のうちの主な焼酎の商標が掲示されており、その中には、本件商標を確認することができる。 乙第1号証の2は、同店の店内の、被請求人の商品「赤無双」を含む各種焼酎の、販売のための商品の陳列棚の写真である。被請求人の商品「赤無双」は、容量が720ml及び1,800mlの2種あることが確認できる。陳列棚の焼酎「赤無双」の下げ札には、被請求人の名称の略称である「さつま無双」の文字と併せて、商標「赤無双」の文字を大きく表示し、さらに商品の説明文を一緒に記載している。 乙第1号証の1及び同2により、被請求人が製造し、販売する焼酎「赤無双」が、販売店「ベリーマッチ」において、現に販売されており、そのために陳列されている事実を確認することができる。 乙第2号証は、被請求人の取引先の一つである販売店「ベリーマッチ」が、同店の「加世田店」で販売した商品についてのちらしである。同ちらしには、「サマーキャンペーン2006年」及び「広告の品売り出し期間7月12日→25日」との記載、そして、「こだわりの芋焼酎」との見出しで本件商標の付された焼酎を含む各種焼酎を広告している。これらの記載により、商標「赤無双」の付された焼酎が、2006年7月頃同店で販売した事実を確認することができる。 乙第3号証は、同第2号証と同じく被請求人の取引先の一つである販売店「ベリーマッチ」が、同店の「新栄店・与次郎店・原良店・武岡団地店・柴原店・西陵店」で販売した商品についてのちらしである。同ちらしの表面には、「サマーキャンペーン2006年」及び「広告の品売り出し期間8月2日→8月8日」との記載、そして、同ちらしの裏面には、「こだわりの芋焼酎」との見出しで本件商標の付された焼酎を含む各種焼酎を広告している。これらの記載により、商標「赤無双」の付された焼酎が、2006年8月頃これらの店舗で販売した事実を確認することができる。 乙第4号証は、被請求人の取引先の一つである販売店「ベリーマッチ」が、同店の「えびの店」で販売した商品についてのちらしである。同ちらしには、「サマーキャンペーン2007年」及び「広告の品売り出し期間8月8日→15日」との記載、そして、「こだわりの焼酎」との見出しで本件商標の付された焼酎を含む各種焼酎を広告している。これらの記載により、商標「赤無双」の付された焼酎が、2007年8月頃同店で販売した事実を確認することができる。 乙第5号証は、「南九州酒販株式会社鹿児島支店」あての、被請求人が作成した納品の送り状である。これには、2007年(平成19年)6月1日に、伝票No.0000069995、品名は「しょうちゅう」、商標は「赤無双」、容量720ml、数量総数120本が、他の商品と一緒に納品されたことが記載されており、受領したことを認める署名もある。 乙第6号証は、「南九州酒販株式会社鹿児島支店」あての、被請求人が作成した請求書である。これは、同第5号証に示した取引(納品)に対応するものであり、同第6号証にも、日付06/01、伝票No.0000069995、品名は焼酎の「赤無双」、容量720mlの商品が120本購入されたことを記載している。また、備考欄に「ベリーマッチ新栄店様直送」と記載しているとおり、南九州酒販株式会社鹿児島支店は、販売店「ベリーマッチ」と取引があることが認められる。そして、他の購入分と併せて、同書面の右上の作成日の欄に記載しているとおり、この請求書は、平成19年6月30日に作成したものである。 乙第7号証は、「南九州酒販株式会社鹿児島支店」あての、被請求人が作成した納品の送り状である。これには、2007年(平成19年)6月7日に、伝票No.0000070246、品名は「しょうちゅう」、商標は「赤無双」、容量1,800ml、数量総数162本が、他の商品と一緒に納品されたことが記載されており、受領したことを認める署名もある。 乙第8号証は、「南九州酒販株式会社鹿児島支店」あての、被請求人が作成した納品の送り状である。これには、2007年(平成19年)6月11日に、伝票No.0000070446、品名は「しょうちゅう」、商標は「赤無双」、容量1,800ml、数量総数162本が納品されたことが記載されており、受領したことを認める署名もある。 乙第9号証は、同第6号証の請求書の2ページ目である。これは、同第7号証及び同第8号証に示した取引(納品)に対応するものであり、同第9号証にも、日付06/07、伝票No.0000070246、同じく、日付06/11、伝票No.0000070446に、品名は焼酎の「赤無双」、容量1,800mlの商品がそれぞれ162本購入されたことを記載している。そして、他の購入分と併せて、同書面の右上の作成日の欄に記載しているとおり、乙第6号証の請求書と同じ、平成19年6月30日に作成したものである。 2 使用に係る商標について 被請求人が使用している商標は、乙第1号証の2及び同第3号証ないし同第5号証の被請求人の製造し販売している商品「焼酎」の写真から明らかなとおり、その商品「焼酎」に付された「赤無双」の文字は、赤色又は黄色で筆書き風の書体で表した文字からなるものである。本件商標が標準文字の「赤無双」の文字からなるものであるところ、使用している商標は、これを書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、すなわち、社会通念上同一と認められる商標であることは明白である。 3 商品及び使用時期について 被請求人が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用している商品は、乙第1号証の2及び同第3号証ないし同第5号証の写真から明らかなとおり、「焼酎」であり、これは、本件取消審判請求に係る商品であることは明らかである。 そして、その使用時期については、乙各号証から明らかなとおり、2006年(平成18年)7月(乙第2号証)、同8月(乙第3号証)、2007年(平成19年)6月(乙第5号証ないし同第9号証)、同8月(乙第4号証)にそれぞれ使用しており、そして、現在(乙第1号証の1及び同2)も使用していることは明らかである。 4 まとめ 被請求人が提出する乙各号証によると、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の商標権者である被請求人又は通常使用権者が、指定商品中の商品「焼酎」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していることは明白である。 したがって、本件商標は、取消されるべき理由がない。 第4 請求人の弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。 第5 当審の判断 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 1 乙第1号証の1は、酒の販売店「ベリーマッチ」を外側から撮影した写真と認められるところ、「赤無双」の看板が掲げられている。 2 乙第1号証の2は、酒の販売店「ベリーマッチ」の店内を撮影した写真と認められるところ、「薩摩焼酎」の文字及び「赤無双」の文字が記載された商品「焼酎」が、陳列されている。 3 乙第2号証は、酒の販売店「ベリーマッチ」のちらしと認められるところ、「サマーキャンペーン2006年」の文字、「7月12日(水)→25日(火)」の文字とともに「こだわりの芋焼酎」の欄に、商標「赤無双」を付した商品「焼酎」が掲載されている。 4 乙第3号証も、酒の販売店「ベリーマッチ」のちらしと認められるところ、「サマーキャンペーン2006年」の文字、「8月2日(水)→8月8日(火)」の文字とともに「こだわりの芋焼酎」の欄に、商標「赤無双」を付した商品「焼酎」が掲載されている。 5 乙第4号証も、酒の販売店「ベリーマッチ」のちらしと認められるところ、「サマーキャンペーン2007年」の文字、「8月8日(水)→15日(火)」の文字とともに「こだわりの芋焼酎」の欄に、商標「赤無双」を付した商品「焼酎」が掲載されている。 6 乙第5号証は、商標権者が作成した送り状と認められるところ、「日付2007年06月01日」の文字、「納品先の名称及び住所等」、「商標権者の名称及び住所等」とともに、品名欄に「単式蒸留しょうちゅう25%赤無双720」の文字及び「容量ml」の欄に「720」の文字が記載されている。 7 乙第6号証は、商標権者が作成した請求書と認められるところ、「作成日平成19年06月30日」の文字、「請求先の名称及び住所等」、「商標権者の名称及び住所等」とともに、品名欄に「25%赤無双720」の文字及び「容量ml」の欄に「720」の文字が記載されている。 8 乙第7号証は、商標権者が作成した送り状と認められるところ、「日付2007年06月07日」の文字、「納品先の名称及び住所等」、「商標権者の名称及び住所等」とともに、品名欄に「単式蒸留しょうちゅう25%赤無双1800」の文字及び「容量ml」の欄に「1,800」の文字が記載されている。 9 乙第8号証も商標権者が作成した送り状と認められるところ、「日付2007年06月11日」の文字、「納品先の名称及び住所等」、「商標権者の名称及び住所等」とともに、品名欄に「単式蒸留しょうちゅう25%赤無双1800」の文字及び「容量ml」の欄に「1,800」の文字が記載されている。 10 乙第9号証は、商標権者が作成した請求書と認められるところ、「作成日平成19年06月30日」の文字、「請求先の名称及び住所等」、「商標権者の名称及び住所等」とともに、品名欄に「25%赤無双1,800」の文字及び「容量ml」の欄に「1,800」の文字が記載されている。 11 乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)に表示されている商標は、毛筆体で「赤無双」の文字を縦書きしてなる商標であるが、これと本件商標とは、社会通念上同一の商標と認めることができる。 12 乙第6号証(請求書)の品名欄には、「25%赤無双720」の文字が記載されており、「容量ml」の欄には、「720」の文字が記載されていることからすると、「25%赤無双720」の文字中の「720」の文字は、容量が「720ml」であることを表したものと認められる。そして、この「720」の文字は、識別力を有しない文字ということができる。 また、「25%赤無双720」の文字中の「25%」の文字は、商品「焼酎」の濃度を表したものと認められ、これも識別力を有しない文字であるから、「25%赤無双720」の文字中、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、「赤無双」の文字にあるというべきである。 したがって、この「赤無双」の文字と本件商標とは、社会通念上同一の商標と認めることができる。 13 同様に、乙第9号証(請求書)の品名欄に記載されている「25%赤無双1800」の文字中の「赤無双」の文字と本件商標とは、社会通念上同一の商標と認めることができる。 14 まとめ 乙第2号証ないし乙第9号証によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が指定商品中「焼酎」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2008-10-02 |
結審通知日 | 2008-10-07 |
審決日 | 2008-10-20 |
出願番号 | 商願2004-71066(T2004-71066) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Y33)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 水落 洋 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 平澤 芳行 |
登録日 | 2005-04-01 |
登録番号 | 商標登録第4852785号(T4852785) |
商標の称呼 | アカムソー、セキムソー、ムソー |
代理人 | 小山 義之 |
代理人 | 田代 茂夫 |
代理人 | 栫 生長 |