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審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない 003
審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効としない 003
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない 003
管理番号 1189055 
審判番号 無効2008-890002 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-01-09 
確定日 2008-11-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第3371448号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3371448商標(以下「本件商標」という。)は、「カルビオン」の片仮名文字と「CALBION」の欧文字を二段に書してなり、平成6年10月17日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同15年1月10日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第46号証を提出している。
1 請求の理由
(1)無効事由
本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第11号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効にすべきものである。
(2)無効理由
ア 請求人は、以下の登録を所有している。
(ア)登録第691793号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和36年12月4日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同40年12月7日に設定登録され、その後、4回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」を指定商品とする書換の登録が平成19年1月17日にされたものである。
(イ)同じく登録第931894号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ALBION」の文字と「アルビオン」の文字を二段に横書きしてなり、昭和44年11月28日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同46年10月5日に設定登録され、その後、3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」を指定商品とする書換の登録が平成14年11月13日にされたものである。
(ウ)同じく登録第2133542号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和61年10月28日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成元年4月28日に設定登録され、その後、同11年6月1日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(なお、引用AないしC商標をまとめていうときは、以下、単に「引用商標」という。)
イ 「ALBION」及び「アルビオン」の各商標の著名性
請求人は、昭和31年3月から化粧品の製造販売を開始し、平成6年においては全国各地の有名デパート、化粧品専門店総数約3,000店の取引店を有するに至っている(甲第7ないし第10号証)。
また、「ALBION」及び「アルビオン」の各商標(これらの商標をまとめて、以下「請求人商標」という。)は、請求人の創業以来継続して化粧品の商標として使用され、かつ、請求人を表示する略称として使用されてきた結果、本件商標の出願時には既に、請求人が製造販売する化粧品の商標としてのみならず、請求人の名称の略称として広く認識され、当業者のみならず一般の需要者の間においても、直ちに請求人を想起するまでに周知著名になっている(甲第11ないし第26号証)。
さらに、請求人は、各種雑誌、日刊新聞に頻繁に請求人商標を付した広告を掲載することにより、請求人商標は、請求人の著名な略称として一般世人の間にも認識されるに至っている(甲第27ないし第42号証)。
平成10年AIPPI・JAPAN発行の「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN/日本有名商標集」に「ALBION/アルビオン」が明記され(甲第43号証)、平成12年11月20日商標調査会発行の「日本商標名鑑2000」に装飾的な商標「ALBION」が明記されている(甲第44号証)。
また、昭和63年商標登録願第44909号「ALBIONHOUSE」旧第17類の登録出願に対する拒絶理由通知書において、「ALBION」が世界的に著名であるとの記述は、「ALBION」なる標章が請求人の略称として周知著名であることを、特許庁においても顕著な事実として把握されているものである。
ウ 商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、その構成中に、請求人の著名な略称を含む商標であり、かつ、請求人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するにも拘わらず商標登録されたものである。
過去の審決においても、「AVON HOUSE」及び「ボンカルチエ/BONCARTIER」なる商標は、他人の著名な略称を含む商標として、商標法第4条第1項第8号に該当すると判断された(甲第45及び第46号証)。
以上の事実は、本件商標も商標法第4条第1項第8号に該当することを十分首肯するものである。
エ 商標法第4条第1項第15号について
企業の経営が多角化している今日の状況からすれば、著名な名称及びその略称を含む商標の使用にあっては、当該著名な略称を表示する主体と何らかの業務上、組織上の関係があるのではないかとの印象を第三者に与えるものである。
本件商標に接する需要者、取引者は、「カルビオン」と「アルビオン」、「CALBION」と「ALBION」を誤認し、本件商標を付した商品が、あたかも請求人の製造、販売に係る商品であるかのように商品の出所の混同を生じるものであり、また、請求人と業務上、経済上又は組織上何らかの連携関係にある企業が製造、販売している商品と誤認し得る蓋然性が高いものである。
よって、本件商標は、請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当するにも拘わらず商標登録されたものである。
オ 商標法第4条第1項第11号について
(ア)称呼上の類似
本件商標は「カルビオン」なる称呼が、引用商標は「アルビオン」なる称呼が自然に生じるものである。
商標の称呼上の類否判断は、本件商標及び引用商標の対比する語頭音ないし末尾音というような断片的、画一的な抽出による単音間の異同のみで決せられるものでもなく、商標全体から生じる称呼上の語感、語韻、語調並びに発音の数、アクセント等が商品の出所の混同を惹起する程、相紛らわしいか否かという点に着目して全体の称呼をもって類否判断しなければならないところ、「カルビオン」と「アルビオン」の称呼を比較するに、両者は5音中、第2音ないし末尾音までの4音を共通にし、語頭音の「カ」と「ア」の音の差異を有するものの、当該差異音は、母音「a」を共通にし、その発声、音質等において近似するものであり、また、称呼上のアクセントは第3音の「ビ」に置かれていることから、この点が両商標を称呼した際、聴者の注意、印象を惹起させ、語頭音の「カ」と「ア」の音にあってはその共通母音「a」の音が強く聴取されものである。
そうすると、両称呼を一連に称呼する場合は、全体的語調語感が酷似し、両称呼は彼比相紛れるおそれを有するものである。
(イ)外観上の類似性
本件商標及び引用A及びB商標における片仮名文字は、時と所を異にする離隔的観察において、需要者、取引者が互いに見誤ることは明らかであり、本件商標及び引用A及びB商標とは外観上彼此誤認混同を生ぜしめるおそれを有するものである。
(ウ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するにも拘わらず商標登録されたものといわざるを得ない。
2 答弁に対する弁駁
(1)商標法第4条第1項第8号及び同第15号について
被請求人は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号は、権利の客体である商標権の商標(マーク)そのものが先ず類似していなければならないのであるとの独自の誤った見解を主張して、同法第4条第1項第11号の商標の類否についてのみ言及し、同法第4条第1項第8号及び同第15号については明確な主張は何らなされていない。
商標法第4条第1項第8号と同第11号とは明らかに異なる規定であるから、被請求人の上記主張は失当である。
(2)商標法第4条第1項第11号について
被請求人が挙げた審決例(乙第3ないし第10号証)は、本件に係る指定商品「化粧品」を含む事案は1つもない。また、乙第4、同5、同7及び同第8号証は、本件商標と引用商標における相違音とは異なっており、非類似の証拠としては何ら関係ないものと考えられ、さらに、乙第3、同6及び同第10号証も、本件商標と引用商標とは事案を異にするものである。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第10号証を提出している。
請求人は、無効事由として、本件商標が商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第11号に該当すると主張するが、そもそも商標法第4条第1項第8号及び同第15号は、権利の客体である商標権の商標(マーク)そのものが先ず類似していなければならない。
そこで、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか精査するに、本件商標と引用商標の称呼を比較と、両者は、ともに短い音構成よりなるうち、称呼における識別上重要な要素をしめる語頭音において、前者は無声の破裂音で力の入る音となる「カ」、後者は有声の開放音ではっきりした澄んだ音となる「ア」の差異を有するものであるから、それが全体の称呼に及ぼす影響は極めて大きく、両者をそれぞれ一連に称呼した場合においても、その語感が異なるものとなり充分聴別できるものである。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第11号に該当するとの請求人の主張は理由がない。

第4 当審の判断
1 請求人商標の著名性について
(1)甲第7ないし第44号証によれば、以下の事実が認められる。
請求人は、昭和31年3月に、化粧品の製造販売を開始し、販売開始以来、その取扱いに係る商品「化粧品」について、請求人商標を使用してきたこと、本件商標の登録出願前である平成6年1月の時点において、請求人の支店は、日本各地に24店舗が営業しており、全国の百貨店や化粧品専門店とのジョイントストア契約による店舗数は約3,000にのぼり、その活動は全国的に展開されていたこと、請求人は、その取扱いに係る化粧品について、本件商標の登録出願前に雑誌、新聞に広告を掲載したこと、その内訳は、雑誌については、昭和62年発行されたものは1件、平成2年に発行されたものは6件、平成5年に発行されたものは2件、平成6年に発行されたものは5件であり、これら雑誌の多くは我が国おいてある程度知られたファッション雑誌であること、また、新聞については、平成6年と平成7年に発行された朝日新聞に各1件であること、さらに、平成10年発行の「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN/日本有名商標集」及び平成12年11月発行の「日本商標名鑑2000」に、請求人商標が掲載されたこと、平成7年2月付けの同業者の証明書には、請求人商標は、請求人が長年使用した結果、取引者、需要者の間に広く認識されている商標であり、かつ、請求人の著名な略称であることが記載され、雑誌の広告の切り抜きが添付されていること、などが認められる。
(2)前記(1)認定の事実によれば、請求人商標は、本件商標の登録出願前の時点においては、請求人の業務に係る商品「化粧品」について、我が国においてある程度知られたファッション雑誌等において宣伝、広告をし、また、その営業活動も全国的に展開され、それに伴い請求人商標も同業者や化粧品の分野の需要者の間に知られていたことが認められる(ただし、証明書(甲第11ないし第26号証)は、いずれも請求人があらかじめ印刷した画一的な証明内容について、同業者等が単に署名捺印したものであると認められるものであって、その内容を正確に吟味し、裏付け資料に基づいて署名捺印したものであるのかについて疑問が残るものといわざるを得ない。)。
しかしながら、上記証拠からは、請求人商標の著名性が本件商標の審決日である平成14年9月27日の時点においても継続していたものと認めることは困難であるといわざるを得ず、他にこれを認めるに足る的確な証拠の提出はない。
そうすると、請求人商標の著名性は、本件商標の登録出願時からその審決時まで継続していたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第8号及び同第15号について
商標法第4条第3項は、「第1項第8号、第10号、第15号、第17号又は第19号に該当する商標であっても、商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては、これらの規定は適用しない。」と規定している。
そうすると、本件商標が商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当することを理由にその登録無効の審判の請求をする場合においては、その商標登録出願時及び査定(審決)時の両時点において、請求人商標が、請求人の略称として、及び、請求人の業務に係る商品「化粧品」を表示するためのものとして著名であったことをいう必要があると解されるところ、前記1認定のとおり、請求人の提出した証拠のみをもってしては、請求人商標の著名性が本件商標の登録出願時からその審決時まで継続していたものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当するものではない。
3 商標法第4条第1項第11号について
(1)称呼
本件商標は、前記第1のとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「カルビオン」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標は、前記第2 1(2)アのとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、いずれも「アルビオン」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「カルビオン」の称呼と引用商標より生ずる「アルビオン」の称呼を比較するに、両称呼は、語頭において「カ」と「ア」の音の差異を有し、第2音以下の「ルビオン」の音を同じくするものである。
そして、差異音中の「カ」の音は、後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音「k」と母音「a」との結合した音節であって、語頭に位置する場合は、比較的強く発音され、鋭い音として聴取されるのに対し、「ア」の音は、口を広く開き、舌を低く下げ、その先端を下歯の歯ぐきに触れる程度の位置におき、声帯を振動させて発する音であって、柔らかく、かつ、明瞭に響く音であるから、両音は、音質、音感において大きく相違し、称呼の識別上重要な要素を占める語頭に位置することも相俟って、該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、称呼全体の語調、語感が相違したものとなり、両称呼は、互いに紛れるおそれはないというのが相当である。
(2)外観
本件商標は、前記のとおり、「カルビオン」の文字と「CALBION」の文字を二段に横書きしてなるものである。
これに対し、引用A商標は、「アルビオン」の文字よりなるものであり、引用B商標は、「ALBION」の文字と「アルビオン」の文字を二段に横書きしてなるものであり、引用C商標は、「ALBION」(「A」の文字はやや図案化されている。)の文字よりなるものである。
そうすると、本件商標と引用A商標とは、欧文字部分の有無の差異に加え、片仮名文字部分において「カ」と「ア」の差異をも有するものである。また、本件商標と引用B商標とは、欧文字部分において「A」と「C」の差異及び片仮名文字部分において「カ」と「ア」の差異を有するものである。さらに、本件商標と引用C商標とは、片仮名文字部分の有無の差異に加え、欧文字部分においてやや図案化した「A」と通常の活字体の「C」の差異をも有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、通常の注意力をもってすれば、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに見誤るおそれはないというのが相当である。
(3)観念
本件商標は、前記認定のとおり、造語よりなるものと認める。
これに対し、引用商標は、辞書によれば、「アルビオン《Great Britainの古名》」等の意味を有する(研究社 新英和大辞典)ことが認められるが、我が国においては馴染みのない英単語と認められるから、化粧品の需要者は、特定の語義を有しない造語を表したものと理解するというのが相当である。
そうすると、本件商標と引用商標は、いずれも造語よりなるものといえるから、観念上は比較することができない。
(4)まとめ
以上によれば、本件商標と引用商標は、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわなければならないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第11号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1) 引用A商標


別掲(2) 引用C商標


審理終結日 2008-09-18 
結審通知日 2008-09-22 
審決日 2008-10-06 
出願番号 商願平6-104919 
審決分類 T 1 11・ 271- Y (003)
T 1 11・ 23- Y (003)
T 1 11・ 26- Y (003)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 久我 敬史
小林 由美子
登録日 2003-01-10 
登録番号 商標登録第3371448号(T3371448) 
商標の称呼 カルビオン、キャルビオン 
代理人 桜井 常洋 
代理人 柿本 邦夫 
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