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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y42
管理番号 1187479 
審判番号 不服2007-13158 
総通号数 108 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-07 
確定日 2008-10-17 
事件の表示 商願2006- 39305拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「東京知財事務所」の文字を書してなり、平成15年6月12日に登録出願された2003年商標登録願第48857号を原出願とする、商標法第10条第1項の規定による分割出願として、同18年4月27日登録出願、第42類「知的財産権に関する諸手続の代理(弁理士法第75条の規定により、弁理士又は特許業務法人でない者が報酬を得て業としてすることができない手続に限る。)」を指定役務とし、その後、指定役務については、同18年4月28日付けの手続補正書により、第42類「工業所有権に関する手続の代理(弁理士法第75条の規定により、弁理士又は特許業務法人でない者が報酬を得て業としてすることができない手続の代理に限る。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は「本願商標は、『東京都に所在する知的財産に関する業務を行っている事務所』であることを認識させるに止まる『東京知財事務所』の文字を横書きしてなるにすぎないから、これを本願指定役務に使用しても自他役務識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「東京知財事務所」の文字を書してなるところ、その構成中、前半部の「東京」の文字は、「日本国の首都。日本の政治・経済・文化の中枢。」を意味する一般に広く慣れ親しまれている語(広辞苑第5版)である。
また、中間部の「知財」の文字は、「知的創作活動の成果に対する財産権。特許権などの工業所有権と著作権とから成る。知的所有権。無体財産権。」を意味する「知的財産権」を指称する語として、さらに、「事務所」の文字は、「事務を取り扱う所、オフィス。」を意味する語(広辞苑第5版)として、それぞれ一般に広く使用され、認識されている語である。
そうとすると、「東京」、「知財」及び「事務所」の各文字を一連に結合した「東京知財事務所」の文字よりは、「東京に在る知的財産権を取り扱う事務所」程の意味合いを容易に認識させるものと認められる。
ところで、請求人提出の甲第9号証の2によれば、「知財」または「知的財産」の文字を含む「知財事務所」、「知的財産権事務所」等の業態を示す文字を、自己の事務所の名称の一部に使用されている事務所が、複数存在することが認められる。
そして、「知財事務所」の業態を示す文字を含む事務所は、例えば、下記インターネット情報(1)ないし(4)からも明らかなように、本願の指定役務を含む「知的財産権に関する諸手続の代理」等の業務を普通一般に行っている事実が認められる。

(1)アルカディア知財事務所のウェブサイトにおいて、「私たち事務所の特長」の項目に、「◆業務内容 国内特許、外国特許、国内実用新案、外国実用新案、国内意匠、外国意匠、 国内商標登録、外国商標登録などの出願、中間処理、鑑定、審判事件、審決取消訴訟、侵害訴訟、特許・ノウハウ・意匠・商標などの知的財産に関するコンサルティング、発明相談などの出願前の相談、ライセンスなどの権利の利用についての相談、侵害事件についての相談、特許明細書の和文英訳・英文和訳など」の記載がある。
(http://www.arcadia-ip.jp/gaiyou/index.html)
(2)松井知財事務所のウェブサイトにおいて、「1.広く・強い権利取得のために」の項目に、「創作された発明に対して、その上位概念や別の実施形態も十分に検討し、検討結果を特許請求の範囲、明細書、図面に反映致します。最新技術、知的財産権関連の法改正の動向、審決・判決例に留意して業務を行います。」の記載がある。
(http://www.geocities.jp/y_matsui_ipo/)
(3)和田・茅原知財事務所のウェブサイトにおいて、「業務内容・分野」の項目に、「<出願関係>● 特許、実用新案、意匠および商標に関する国内・外国出願(パリルート、 PCTルート、EPCルート、米国仮出願)●特許出願 商標出願に対する情報提供 早期審査請求・・・」 、「<審判・訴訟関係> ●拒絶査定に対する不服申立て審判 無効審判 訂正審判 判定請求事件 特許庁審決に対する審決取消訴訟 審判段階における早期審理請求・・・」「<調査・管理業務>●特許 実用新案 意匠および商標に関する調査業務・・・」「<コンサルテイング業務> ●抵触判断 回避手段 実施契約その他知財関係に関する相談業務」「<その他> ●特許権 実用新案権 意匠権 商標権 回路配置権および特定不正競争に関する仲裁手続きの代理業務 著作物に関する契約手続き等の代理業務 」の記載がある。
(http://www.wada-pat.jp/gyoumu.htm)
(4)アイル知財事務所のウェブサイトにおいて、「アイル知財事務所」の見出しの下、「アイル知財事務所は従来の特許業務に加え、技術提案や研究開発者の立場に立った提案等の試みを可能な限り行います。」の記載がある。
(http://www.i-ll.com/index.htm)

そうしてみると、本願商標を構成する「東京」、「知財」及び「事務所」の各文字が上記したとおりの意味合いとして広く認識されていること、さらに、自己の事務所の名称に「知財事務所」の業態を示す文字を含む事務所が、「工業所有権を含む知的財産権に関する諸手続の代理」等の業務を普通一般に行っている実情からすれば、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者は、「東京に所在する、工業所有権に関する手続の代理等の役務を提供する事務所」程の意味合いを理解し、認識するにとどまり、単に、役務の提供場所あるいは役務の提供する者の所在を表示したものといわざるを得ず、自他役務の識別標識としての機能は果たし得ないものであるから、これをもって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
ところで、請求人は、本願商標の自他役務識別力の有無の認定に当たっては、商標登録されている事務所名及び日本弁理士会の弁理士事務所名としての登録も参酌して判断されるべき旨主張しているが、請求人が挙げる登録例は、いずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、同列には論ずることができない。また、本願商標が、日本弁理士会の弁理士事務所名としての登録がされていることをもって、自他役務識別力あるということは言えないから、いずれの請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-08-08 
結審通知日 2008-08-20 
審決日 2008-09-03 
出願番号 商願2006-39305(T2006-39305) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Y42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 照美土井 敬子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小川 きみえ
豊田 純一
商標の称呼 トーキョーチザイジムショ、チザイジムショ、トーキョーチザイ、チザイ 
代理人 村田 幸雄 

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