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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y35
審判 一部申立て  登録を維持 Y35
管理番号 1186246 
異議申立番号 異議2008-900041 
総通号数 107 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-02-04 
確定日 2008-09-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第5088265号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5088265号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5088265号商標(以下「本件商標」という。)は、片仮名と漢字で「ビジネスアシスト倶楽部」と横書きしてなり、平成18年12月13日に登録出願、第35類「・・・建築物における来訪者の受付及び案内・・・」ほか、商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同19年11月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきである旨申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第88号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、後掲のとおりの構成からなる引用商標とは、その外観においては、互いに非類似であるが、全体として11文字とかなり長く、「ビジネスアシスト」と「倶楽部」が片仮名と漢字でそれぞれ一体に書してなり、しかも、「倶楽部」という単語は近年では余り使用されなくなって来ており、さらに「ビジネスアシスト」の語が一般的に広く使用されるようになってきている現状を加味すると、その構成文字から「倶楽部」文字部分を切り離して、単に「ビジネスアシスト」という称呼がごく自然に発生し、また、両者は共に観念上、「ビジネス(仕事や事業)を支援する」という意味合いを持つことで一致することになるから、本件商標と引用商標とは、観念上と称呼上において同一或は少なくとも類似し、かつ、本件商標の指定役務中の「建築物における来訪者の受付及び案内」と引用商標の指定役務「電話受付の代行,電話の取次ぎ」とは類似する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、平成11年11月11日頃より電話代行サービスの業務に一貫して「ビジネスアシスト」商標の使用を継続して来ており、本件商標の登録時である平成19年11月項までには、それを使用して来た株式会社アルゴコミュニケーションズ、商標権者の前身である有限会社アタックス及び有限会社DST等が相次いでその商標の使用を取りやめ、それぞれ「ACS秘書センター」、「ビジネスサポートセンター」及び「DST秘書センター」を使用するようになっていた。一方、申立人の「ビジネスアシスト」を使用しての電話代行業務は、業務開始より年々契約者が増加し、現在では3,500社にまでなって来ている。
また、インターネットの検索欄に「電話代行」と打ち込むと多数のものがヒットするが、その検索結果を見ると、「ビジネスアシスト」なる字句は申立人の「ビジネスアシスト(ビジネスアシスト東京センターは申立人の運営するセンターである)」か、本件商標権者の株式会社アタックスの「ビジネスアシスト倶楽部」以外に見当たらない。つまり、この検索結果は、商標「ビジネスアシスト」が、申立人の商標であることが業界において周知されている証拠であり、さらに、申立人はさまざまな広告宣伝を行なって来ており、本件商標の登録時においては、既に申立人に集約されている。
したがって、本件商標は、一般需要者、取引者に申立人の商標として少なくとも周知性を取得している商標「ビジネスアシスト」に類似し、その使用する役務も同一であることから、互いにその出所につき混同を生ずる恐れのあることは明らかである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ビジネスアシスト倶楽部」の邦文字よりなり、構成各文字は、片仮名と漢字とはいえ、同じ書体、同じ大きさで、かつ、等間隔に表されていて、外観上纏まりよく一体的に看取し得るばかりでなく、これより生じる「ビジネスアシストクラブ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、かつ、これよりは、全体として「ビジネス(仕事や事業)を支援する人々が集まって組織する会」程度の意味合いを看取し得るといえるところ、既成の語というよりは一種の造語と認識し把握されるものというべく、常に一体のものとして取引に資される固有の商標とみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、「ビジネスアシストクラブ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきであって、たとえ構成前半の「ビジネスアシスト」の語が一般的に広く使用されるようになってきている現状や「倶楽部」という単語は近年では余り使用がない状況があるとしても、これをもって殊更、構成中の「倶楽部」の文字部分を捨象して、「ビジネスアシスト」の文字部分に相応する観念及び称呼をもって取引に資される理由とするのは困難というほかなく、その他、本件商標を分断する格別な理由は見出せない。
これに対し、申立人に係る引用商標は、その構成後掲のとおり、語末の「SS」の2字を重ねるように表した「BUSINESS」の欧文字と、同様に前方の「SS」の2字を重ねるように表した「ASSIST」の欧文字とを青で塗り潰した横長楕円形内に白抜き様にした構成からなり、やや特殊な構成・態様になるものとして印象し記憶されて取引に資されるものといえる。
そして、「business assist」や「ビジネス アシスト」の文字が、電話代行サービスやその他のビジネス(仕事や事業)に係る役務において識別力があると仮定し、引用商標より単に「ビジネスアシスト」の称呼、及び「ビジネス(仕事や事業)を支援する」という意味合いを生ずるとしても、本件商標と引用商標とは、外観において区別でき、また、「ビジネスアシストクラブ」の一連の称呼のみを生ずる本件商標とは、その構成音数、音の配列を著しく異にし、彼此聞き誤るおそれはなく、さらに、観念の点においても、本件商標が「ビジネス(仕事や事業)を支援する人々が集まって組織する会」程度の意味合いを理解させる造語であるという点で判然と区別し得るものであるから、本件商標が引用商標と類似する旨を述べる申立人の主張は妥当でなく、その理由をもって本件商標と引用商標とを類似のものとすることはできない。その他、本件商標と引用商標とを類似とすべき理由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠(甲各号証)によっては、本件商標の登録出願時において、必ずしも「ビジネスアシスト」の文字がその意味合いを越え申立人に係る固有の商標として、同人の電話代行サービスの業務を表示するものとして、我が国の需要者間に広く認識されていることを認めるに十分なものとはいい難いところである。そして、たとえ、「ビジネスアシスト」の文字自体が、電話受付の代行や電話の取次ぎ等の電話代行役務について継続して使用され、需要者間において、申立人に係る役務を表彰するものとして周知性を獲得しているものであるとしても、本件商標は、上述の3(1)のとおり、常に「ビジネスアシスト」と「倶楽部」の構成文字が一体のものとして認識し把握されて取引に資される固有の商標であるから、本件商標と申立人の使用する「ビジネスアシスト」商標とは、「倶楽部」の文字の有無により全体の外観印象を異にし、彼此見誤るおそれはなく、また、使用商標から「ビジネスアシスト」の称呼が生じるとしても、「ビジネスアシストクラブ」の一連の称呼のみを生ずる本件商標とは、その構成音数、音の配列を著しく異にし、彼此聞き誤るおそれはなく、さらに、観念の点においては、本件商標が「ビジネス(仕事や事業)を支援する人々が集まって組織する会」程度の意味合いを理解させる造語であるのに対し、「ビジネスアシスト」商標からは「ビジネス(仕事や事業)を支援する」という意味合いを理解するという点で両者は判然と区別し得るものであるから、結局、両者は何ら紛れるおそれのない非類似の商標であって、互いに別異の商標とすべきものであり、かつ、ほかに両者が紛れるとする事由は見出せないものということができる。
そうすると、本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者が「ビジネスアシスト」の文字部分から「ビジネス(仕事や事業)を支援する」という意味合いを理解し、何らかの役務を認識することがあるとしても、直に申立人の使用に係る「ビジネスアシスト」商標を想起し、申立人ないしはその関連会社の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。
(3)以上のとおり、本件商標は、前記各法条の規定に該当するものとはいえないから、その登録について、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 後掲
引用商標




異議決定日 2008-09-09 
出願番号 商願2006-115244(T2006-115244) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (Y35)
T 1 652・ 271- Y (Y35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大井手 正雄 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 酒井 福造
鈴木 修
登録日 2007-11-02 
登録番号 商標登録第5088265号(T5088265) 
権利者 株式会社アタックス
商標の称呼 ビジネスアシストクラブ、ビジネスアシスト 
代理人 伊藤 捷雄 

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