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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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取消2012300362 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y30 |
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管理番号 | 1186051 |
審判番号 | 取消2007-301386 |
総通号数 | 107 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-11-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2007-10-30 |
確定日 | 2008-09-22 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1867964号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第1867964号商標(以下「本件商標」という。)は、「クリエーション」の片仮名文字と「CREATION」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和59年5月25日に登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同61年6月27日に設定登録、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品については、平成18年11月8日に指定商品の書換登録により、第30類「菓子及びパン」とするものである。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 請求人の調査によれば、本件商標は、上記の指定商品「菓子及びパン」について継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存することも認められないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 なお、本件商標には、他人に専用使用権若しくは通常使用権を許諾した形跡はなく、また登録されていない通常使用権者が本件審判請求の日前3年以内に、日本国内で上記商品について本件商標を使用しているとの事実も見いだせない。したがって、本件商標は、その指定商品「菓子及びパン」について登録を取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)「御取引条件覚書」及び「通常使用権許諾証書」(乙第1号証及び乙第2号証)について 被請求人は、乙第1号及び2号証を証拠として、本件商標には、商標権者及び通常使用権者がある旨を主張している。 この点、乙第1号証「御取引条件覚書」には、その当事者として、被請求人である芥川製菓株式会社と、被請求人が通常使用権者であると主張する株式会社エヌエスが記されており、対象商品の「販売者」として、同じく通常使用権者であると主張する株式会社夢クリエイトが記されている。また、第1条「対象商品」の項において、取引の対象となる商品が「2008年度エヌエスオリジナルバレンタイン商品(クリエーションセット)」と記されており、品名に「クリエーションセット」が示されている。 また、乙第2号証「通常使用権許諾証書」には、通常使用権者として、株式会社エヌエス及び株式会社夢クリエイトが示され、被請求人である芥川製菓株式会社との間で、本件商標を商品「チョコレート」に使用させる旨の取決めが記されている。 したがって、本件商標には通常使用権者が設定されており、それが商標権者である被請求人との契約に基づく点については、争わない。 ただし、乙第1号証「御取引条件覚書」第11条によると、「製品納品日」は、「2008年1月10日(木曜日)当社(被請求人)出荷以降」であることが明示されている。 かかる記載からすると、本覚書の対象とされているバレンタイン商品「クリエーションセット」が、初めて市場に流通する可能性があると予想される日は、2008年1月10日(木)以降であるので、乙第1号証は、本件商標が、商品「チョコレート」又はそれ以外の「菓子及びパン」について、本審判請求登録日である2007年11月15日より前に使用されたことを示す証拠にはならないことを念のため確認しておく。 (2)催事「Grandex 2007」での本件商標と社会通念上同一の商標の使用(乙第3号証の1ないし4)について 被請求人は、「本件商標と社会通念上同一の商標は、平成19年6月吉日に通常使用権者の一社である株式会社エヌエスが、催事会「Grandex 2007」(開催日2007年7月11日?2007年7月12日)において使用した」旨を主張し、その開催中の展示の写真と撮影日を示すとするものを証拠として提出している。 しかし、乙第2号証「通常使用権許諾証書」によると、第(1)条において「通常使用権の範囲 期間:本許諾の締結日より1年間」と明示されていることから、被請求人が設定したと主張する通常使用権は、契約締結日である平成19年8月27日より1年間の株式会社エヌエス又は株式会社夢クリエイトの使用を対象としている。 したがって、被請求人の主張する「2007年7月11?12日における通常使用権者の一社である株式会社エヌエス又は株式会社夢クリエイトの、『Grandex 2007』において使用」は、商標権者の関知しない、本件商標の使用とは、無関係の第三者の使用ということになり、乙第3号証1ないし4に関する被請求人の主張は、成り立たない。 なお、被請求人は、乙第3号証の1ないし4(写し)をもって、「本件商標と社会通念上同一の商標が、通常使用権者である株式会社エヌエスによって、催事会『Grandex 2007』(開催日2007年7月11日?2007年7月12日)において使用された」としているが、同写真によっては、そこに表された事実が、「Grandex 2007」における展示であるのかどうかは、明らかにされていない。また、被請求人は、「乙第3号証の4は、本写真がいつ撮影されたのかを示すものである」との主張するが、電子データの名称(RIMG0031.JPG等の“.JPG”より前の部分)は、コンピュータ上で変更・修正が容易であるので、デジタルデータと推測される本写真の写しが、被請求人の主張する日時に撮影されたのかどうかは、乙第3号証の4からは必ずしも判別できない。 (3)月刊誌お菓子の情報誌「Hot Line」(乙第4号証の1ないし4)について ア 同誌(Vol.159 2007.9月)への夢クリエイト社の製品の掲載について 被請求人は、本件商標の通常使用権者が、月刊誌お菓子の情報誌「Hot Line」(Vol.159 2007.9月)において、本件商標と社会通念上同一の商標を使用した旨、主張している。 確かに、同冊子9頁において、夢クリエイト社の商品が掲載されている。 しかし、本冊子の表紙及び第9頁の右肩において「2008 Valentine’s Day」又は「St.Valentine」と表示されているように、掲載された商品は、あくまで2007年9月から約半年後のバレンタイン・イベントで販売される予定の商品にすぎず、本冊子は、夢クリエイト社が約半年後に販売する予定の商品の告知にすぎない。乙第1号証からも、本審判請求登録時点では、未だ商品は、出荷すらされていないのが明らかである。 なお、被請求人は、乙第4号証の2をもって、情報誌「Hot Line」(Vol.159 2007.9月)送付数量及び配布先、配布日が明らかにされたかのような主張をしているが、同証拠において示す「カタログ」が情報誌「Hot Line」(Vol.159 2007.9月)を指すのかどうか、全く明らかではない。また、本証拠には、データの作成者、その作成日時等の記載がなくデータの信頼性がないため、これによって情報誌「Hot Line」(Vol.159 2007.9月)の配布の有無、数量、日程又は配布先をにわかに判断することは、出来ない。 イ その他乙4号証の3及び4、及び乙第5号証の1及び2 乙第4号証の1(「Hot Line」[Vol.159 2007.9月])が株式会社エヌエスを発行元としていることについては、争わない。 なお、添付された乙第4号証の3及び4の冊子においては、本件商標の使用は、見当たらない。乙第5号証の1及び2に示すとおり、株式会社エヌエス及び株式会社夢クリエイトが同じ住所に存在することは、争わない。 (4)まとめ 以上のとおり、被請求人の主張する「本件商標の使用」は、本審判請求登録時点で現実に流通していない商品であって、将来の販売される予定の商品についての1度限りの、配布数量、配布先及び配布日時不明の情報誌への掲載でしかない。 したがって、被請求人の提出した乙第1ないし5号証によっては、本件商標権者又はその通常使用権者のいずれかが、本審判請求登録前3年間以内に、日本国内で継続的に、登録商標「CREATION」を商品「チョコレート」又はその他の「菓子又はパン」に現実に使用したとは、到底いい得ない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 答弁の理由 (1)本件商標は、その請求に係る指定商品のうち「チョコレート」について、商標権者とその商標権について許諾した通常実施権者により日本国内で使用されている。 (2)まず、本件商標には商標権者と通常使用権者があることは、別紙御取引条件覚書(2007.8.27)(乙第1号証)と通常使用権許諾書(2007.8.27)(乙第2号証)から明らかである。 (3)次に、本件商標と社会通念上同一の商標は、平成19年6月吉日に通常使用権者の一社である大阪市淀川区西宮原1-5-33 株式会社エヌエスが、数多く主催しているうちの一つである催事会名「Grandex 2007」(場所 東京都大田区 東京流通センター 開催日 2007.7.11?2007.7.12)において使用されており、(乙第3号証の1ないし4)は、それぞれ開催中の展示(ワゴン)の写真とその写真がいつ撮影したのかを示すもので、乙第3号証の1ないし3の写真上枠にそれぞれRIMG0031.JPG,RIMG0032.JPG,及びRIMG0033.JPGが記載され、これらを総合すれば、撮影した日が乙第3号証の4の上から8行ないし10行に記載され、上記開催日の初日に撮影されたことが分かる。そして、写真中には、商品名「クランチチョコ」「4種類のチョコレート」「3種類の粒チョコレート」そして「ORIGINAL CHOCOLATE」の文字と、「クリエーション(A),(B),(C),(D),(E)」と「CREATION」の商標が包装箱やテープ、タッグやディスプレイ用プレートに数多く見られる(特に乙第3号証の3)。 なお、上記主催者は、上記株式会社エヌエスであるが、展示しているのは通常使用権者のもう一社の株式会社夢クリエイトである(乙第3号証の2と3の中央右側に「社夢クリエイト」の文字が見える)。 (4)さらに、通常使用権者は、広告誌としての月刊誌お菓子の情報誌「HotLine」(Vol.159 2007.9月)(乙第4号証の1)中の9頁の上欄中に本件商標と社会通念上同一の商標を使用しており、同頁の商品の包装箱やテープに商品「クランチチョコレート」「チョコレート」等と商標「CREATION」の文字が見える。 この乙第4号証の1の情報誌は、通常使用権者である株式会社エヌエスが発行元として広島県福山市東川口町1丁目5番5号の福山エビス印刷株式会社へ発注し、2007年9月28日に株式会社イシカワ等の各社へ合計1,784部を納品配布している(乙第4号証の2)。 なお、上記乙第4号証の1の表紙の下部には、「図形+NS Group」とあるだけであるが、この図形+NS グループは、乙第4号証の3や乙第4号証の4の裏紙に「図形+NS Group」と共に通常使用権者である前記株式会社エヌエスを発行元としている。したがって、乙第4号証の1は、乙第1号証の5と同様に裏紙にも広告を掲載する場合は表紙の「図形+NS Group」のみで裏紙の印刷を省くこともある。 なお、通常使用権者である株式会社エヌエスと株式会社夢クリエイトは、同じ住所にあり(乙第5号証の1と2)、同様なことは、商標権者も同住所に株式会社ウブリエがある。 (5)上記各乙号証からも明らかなように、被請求人、少なくともその通常使用権者は、本件商標を「チョコレート」において、本件取消請求の登録日以前から日本国内で使用しているものであるから、請求人の主張する「使用の事実がない」との主張は、当を得たものではなく、したがって、本件商標を取り消すべきものとの理由はない。 第4 当審の判断 1 不使用取消審判 商標法第50条第1項に規定された「商標登録の取消しの審判」にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合、平成19年11月15日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品又は指定役務についてその登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。 2 被請求人提出の証拠 被請求人の提出に係る乙第1号証は、2007年8月27日付「御取引条件覚書」であるが、そこには、その当事者として、被請求人である芥川製菓株式会社と被請求人が通常使用権者であると主張する株式会社エヌエスが記されており、対象商品の「販売者」として、同じく、通常使用権者であると主張する株式会社夢クリエイトが記されており、第1条「対象商品」の項において、取引の対象となる商品が「2008年度エヌエスオリジナルバレンタイン商品(クリエーションセット)」と記されていて、品名に「クリエーションセット」が示されている。 同じく、乙第2号証は、「通常使用権許諾証書」であるが、通常使用権者として株式会社エヌエス及び株式会社夢クリエイトが示され、被請求人である芥川製菓株式会社との間で、本件商標を商品「チョコレート」に使用させる旨の取決めが記されている。 同じく、乙第3号証の1ないし4は、開催日2007年7月11日ないし2007年7月12日とする催事会「Grandex 2007」の開催中の展示の写真と撮影日を示すとするものである。 同じく、乙第4号証の1ないし4は、月刊誌お菓子の情報誌「HotLine」(Vol.159 2007.9月ほか)、及び、「カタログ送付数量及び配布先 2007年度改訂分」とする資料である。 同じく、乙第5号証の1及び2は、「通常使用権者」の登記簿謄本である。 3 本件商標の使用について 請求外「株式会社エヌエス」が本件商標の通常使用権者であることについては、争いがない。 そして、株式会社エヌエスは、月刊誌お菓子の情報誌「HotLine」を発行(乙第4号証の1、3及び4)しており、その2007年9月号(Vol.159)において、「夢クリエイト」の名において、「クリエーションセット」の文字を商品「チョコレート」について使用していることが認められる。 また、「クリエーションセット」は、後半の「セット」の文字が「一組、一そろい」の意味で親しまれた外来語であり、商品についてかかる意味合いで一般的に使用されるものであることは、経験則に照らして相当というべきであるから、その余の「クリエーション」の文字が独立して自他商品の識別機能を果たし得るものということができ、本件商標と社会通念上同一の商標であるといい得るところである。 請求人は、乙第4号証の1について、該カタログは、「本冊子の表紙及び第9頁の右肩において『2008 Valentine’s Day』又は『St.Valentine』と表示されているように、掲載された商品は、あくまで2007年9月から約半年後のバレンタイン・イベントで販売される予定の商品にすぎず、本冊子は、夢クリエイト社が約半年後に販売する予定の商品の告知にすぎない。」と述べているが、商標法第50条の不使用に基づく取消しの審判にあっては、その使用は、同法第2条第3項所定の使用であれば足り、本件商標の使用は、第8号の「商品に関する広告、価格若しくは取引書類に標章を付して頒布し」に該当し、その使用時期も、該カタログが「2007年9月号」であってみれば、2007年9月28日に該カタログを配付した(乙第4号証の2)とするところも格別不自然なところはなく、これは、本件審判の請求の登録前3年以内の使用であるといい得るところである。 4 結び してみれば、本件商標は、被請求人提出のその余の乙号証に論及するまでもなく、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その通常使用権者によって、その指定商品中の「チョコレート」について使用されたものと認められる。 以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-07-22 |
結審通知日 | 2008-07-28 |
審決日 | 2008-08-08 |
出願番号 | 商願昭59-53269 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Y30)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 久我 敬史 |
登録日 | 1986-06-27 |
登録番号 | 商標登録第1867964号(T1867964) |
商標の称呼 | クリエーション |
代理人 | 蔵合 正博 |
代理人 | 酒井 一 |