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審決分類 審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 登録しない X33
管理番号 1186014 
審判番号 不服2008-7300 
総通号数 107 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-11-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-03-25 
確定日 2008-09-17 
事件の表示 商願2007- 37624拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「くろさわ」の文字を標準文字で書してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成19年4月16日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『くろさわ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該文字はありふれた氏の一つである『黒沢』に通じるものであることから、ありふれた氏と認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「くろさわ」の文字を標準文字で書してなるところ、該文字は、「広辞苑第五版」及び「大辞林第二版」(2005年6月10日第四刷、株式会社三省堂発行)の「くろさわ【黒沢】」の項において、いずれも第一番目の意味として「姓氏の一。」と、記載されているものである。
そして、「黒沢」の姓は、「日本人の姓」(佐久間英著、1972年3月8日再版、六藝書房発行)によれば、約45000人であって全国第399位に位置づけられていることが記載されており、さらに、「黒沢」及び「黒澤」の姓を有する者は、「ハローページ東京都23区個人名全区版・上巻」(平成13年3月、東日本電信電話株式会社発行)によれば、約1000名余掲載されているものである。
そうすると、「黒沢」及び「黒澤」の姓は、我が国において広く知られた氏の一つであると認められ、また、日常の商取引において、日本人の姓氏を表す場合、必ずしも漢字のみに限らず、平仮名、片仮名、欧文字等種々の文字で表す場合も決して少なくないものであることからすれば、本願商標「くろさわ」に接する取引者、需要者は、これを我が国においてありふれて存在する氏の一つである「黒沢」又は「黒澤」を平仮名で表したものと容易に理解、認識するというのが相当である。
してみれば、本願商標は、ありふれた氏普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
ところで、請求人は、「本願指定商品の需要者は、強い嗜好性を示す大人のみであって、商品酒の銘柄選び、すなわち、商標の選択に対して極めて慎重であり、繰り返し何度も同じ商標を選択する実態、実情があるため、そのように選択される商標は、自他商品識別力を備えている。また、酒の銘柄には、産地や自然とかかわりのあるものが多いことから、『くろさわ』もそのように自然とかかわりのある商標であると認識され、一義的にありふれた氏『黒沢』に通じるものではない。」旨主張しているが、本願商標は、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張を採用することはできない。
また、請求人は、「本願商標の使用実績を考え合わせれば、本願商標が自他商品識別力を有するほどに需要者間に浸透していると認められるべきである。」とも、主張している。たしかに、ありふれた氏を表したと認められる商標であっても、例えば、永年に亘り、ある商品について使用された結果、そのことにより自他商品の識別力を有するに至ったもの等については、商品の出所表示標識としての機能を有すると認められる場合があるが、本願商標については、そのような事情を認めるに足る証左は見あたらないものである。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が登録され得るものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に検討、判断されるべきものであって、本願商標とはその構成文字が相違する登録商標の存在により、拘束される理由はないというべきである。
そうとすれば、請求人の前記いずれの主張も採用することはできない。 したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-07-23 
結審通知日 2008-07-24 
審決日 2008-08-05 
出願番号 商願2007-37624(T2007-37624) 
審決分類 T 1 8・ 14- Z (X33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小畑 恵一
岩崎 安子
商標の称呼 クロサワ 
代理人 新井 信昭 

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