• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない Y1825
審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効としない Y1825
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない Y1825
管理番号 1181140 
審判番号 無効2006-89177 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-12-25 
確定日 2008-06-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第4766118号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4766118号商標(以下「本件商標」という。)は、「Kent Family」の欧文字を横書きしてなり、平成15年2月26日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年3月9日に登録査定がなされ、同年4月23日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用する商標
請求人が本件商標の無効の理由に引用している商標は、以下の4件の商標である。
(a)甲第5号証に表示されているとおり、株式会社ヴァンヂャケット及びイトーヨーカ堂が紳士用の衣服等について使用している「Kent」の欧文字からなる商標(以下、「Kent」商標、あるいは「Kent」ブランドという。)。
(b)登録第653109号商標(以下「引用商標1」という。)は、「KENT」の欧文字をやゝ傾斜させて横書きしてなり、昭和38年2月12日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同39年9月16日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成17年11月9日に、第16類「紙製幼児用おしめ」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」と、指定商品の書換登録がされている。
(c)登録第836101号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ケント」の片仮名文字と「KENT」の欧文字とを二段に横書きしてなり(「ケント」の文字は、やゝ丸みを帯びた文字をもって表されている。)、昭和38年12月25日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同44年10月29日に設定登録されたものである。
(d)登録第3031467号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ケント」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年5月8日に登録出願、第25類「運動用特殊衣服」を指定商品として、同7年3月31日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第82号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由の要旨
本件商標は、その指定商品中、第25類の「被服」については商標法第4条第1項第10号に該当し、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,ガーター,ズボンつリ,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」については同第11号に該当し、更に、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については同第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項1号により無効とすべきものである。
(1)株式会社ヴァンヂャケットについて
株式会社ヴァンヂャケットは、紳士用の衣服及び服飾洋品雑貨の製造、販売をその業務としている株式会社であり、昭和55年12月3日に株式会社ヴァンヂャケット新社として設立され、その後昭和56年3月25日に社名を株式会社ヴァンヂャケットと変更して現在に至っている(甲第3号証及び甲第4号証)。
(2)「Kent」商標の周知・著名性について
「Kent」商標は、すでに株式会社ヴァンヂャケット(以下「旧ヴァンヂャケット」という。)の商標として著名であった「VAN」ブランドの関連ブランドとして1963年に立ち上げられたものである。この「Kent」ブランドは、「VAN」ブランド製品の購入者の低年齢化に着目し、いわゆる「VAN」ブランド製品の卒業生である20代後半から30代の男性をターゲットとしており、「Kent」ブランドの製品は、品質・価格と共に「VAN」ブランド製品よりも上という位置づけになっている(甲第7号証、甲第8号証)。
そして、この「Kent」ブランドの製品は、当時非常に売れ行きがよく、商品の量が需要に追いつかないこともたびたびあった。そのため「Kent」ブランドの製品は、当初、青山Kentショップ(甲第7号証、甲第10号証、甲第12号証)のみで販売していたが、その後、直営店であるKAMAKURAKENTが出来、銀座8丁目のテーラー・ヤマキ、東京駅の大丸、銀座松屋と増えていった。
その頃のお客様として、菅原文太さん、高倉健さん、中村(現・萬屋)錦之介さん、山本富士子さん、石坂浩二さんやクレイジーキャッツの犬塚弘さん等を挙げることができる(甲第8号証)。
さらに、株式会社ヴァンヂャケットは、マーケティング戦略として、灰皿、パブミラー、リストウオッチ等、多岐に亘る数多くのノベルティグッズを提供した。アメリカを感じさせ、アイビーのライフスタイルを提案するこれらのノベルティグッズは、当時非常に人気があり、手に入れることが一種のステイタスとなっていた(甲第7号証ないし同第13号証)。
その後、旧ヴァンヂャケットは、1978年10月12日に、東京地方裁判所の破産宣告を受け、1984年2月15日に破産が終結して同法人としては現在既に解散している(甲第14号証)。しかし、破産宣告を受けた後でも法人が正式に解散するまでは、たとえその所有する財産の管理が破産管財人の管理下にあるとはいえ、破産管財人の許可を受ければ当該財産に依拠する活動は可能であり、現に1979年から同社の元社員で構成されたPX組合によって元の直営店や自己資金で開設した小売店で残っていた在庫品の販売が継続されていた(甲第12号証)。
旧ヴァンヂャケットの清算終了前の1980年12月3日に、株式会社ヴァンヂャケット新社が設立され(甲第3号証)、旧ヴァンヂャケットの保有していた知的財産権の全てを譲り受けた(甲第15号証)。当時の設立者には、もちろん旧ヴァンヂャケットの役員も名を連ねていた。この新社設立後は、上述した青山Kentショップ、名古屋ヴァンショップ、大阪のヴァンガーズ等で「Kent」ブランドの製品を販売し(甲第12号証、甲第16号証)、また、雑誌で「Kent」ブランドの商品の紹介もなされていた(甲第16号証)。
そして、1983年6月10日に、株式会社ヴァンヂャケットから新たに設立された株式会社ケントに「Kent」商標の使用権を与え、同社に「Kent」ブランドの製品の販売を委託することとした。
株式会社ケントは、「Kent」ブランドの製品を上述した青山Kentショップ等で販売し、定期的に雑誌等に「Kent」ブランドそのものの広告や「Kent」ブランドの製品の広告を掲載していた(甲第8号証、甲第17号証ないし同第34号証。ただし、甲第33号証は、株式会社ヴァンヂャケットがVANグループの広告として「Kent」ブランドの広告をしたものである。)。また、株式会社ケントは、1年に2回、6ヶ月ごとに「Kent」ブランドの製品のカタログを作成し、それを青山Kentショップ等の来店者に配布するとともに、製品の購入者にノベルティグッズを配布していた(甲第35号証ないし同第44号証)。
その後、株式会社ヴァンヂャケットは、1997年3月24日に、株式会社ケントを吸収合併し、再び株式会社ヴァンヂャケットで、「Kent」ブランドの製品を販売することとした。そして、「Kent」ブランドの製品を、上述した青山Kentショップ等で販売し、定期的に雑誌等に「Kent」ブランドそのものの広告や「Kent」ブランドの製品の広告を掲載していた(甲第45号証ないし同第53号証)。また、1年に2回、6ヶ月ごとに「Kent」ブランドの製品のカタログを作成し、それをKentショップ等の来店者に配布していた(甲第54号証ないし同第58号証)。
そして、近年(2000年?)も「Kent」ブランドの製品の販売が現実に行われ、それが継続している。具体的にいえば、1999年10月の売上げは、81765千円、2001年3月の売上げは、22182千円、2002年3月の売上げは、6628千円、2003年3月の売上げは、3995千円、2004年3月の売上げは、4167千円、2005年1月の売上げは、2550千円、2006年4月の売上げは、1800千円である(甲第59号証)。
ところで、株式会社ヴァンヂャケットは、引用商標1ないし3の商標権者であったが、現在の商標権者は、本件無効審判の請求人である株式会社ケントジャパンである(甲第60号証ないし同第65号証)。また、これら引用商標1ないし3の商標権には、専用使用権が地域や内容を限定せずに設定されており、専用使用権者は、株式会社ビイエムプランニングである。株式会社ビイエムプランニングは、総合スーパーマーケットのイトーヨーカ堂に2001年2月から肌着やスーツといった男性用の被服等について「Kent」ブランドを使用することを認め、イトーヨーカ堂から毎月ロイヤルティーを受け取っている(甲第66号証)。詳しく述べれば、2001年度のイトーヨーカ堂の「Kent」ブランド商品の仕入れ枚数は381461枚で、仕入れ原価は647159千円である。2002年度の仕入れ枚数は478379枚で、仕入れ原価は725488千円。2003年度の仕入れ枚数は283706枚で、仕入れ原価は52603千円。2004年度の仕入れ枚数は819945枚で、仕入れ原価は1829305千円。2005年度の仕入れ枚数は1042576枚で、仕入れ原価は2471824千円。2006年度の仕入れ枚数は、2006年8月までの数字で、107947枚で、仕入れ原価は266937千円である。
-方、イトーヨーカ堂は、2001年から新企画として撥水性の高い「ナノテク衣料」等の企画を打ち出しており(甲第67号証)、「ナノテク衣料」には、「Kent」ブランドのジャケットや綿パンツやシャツ等も含まれている(甲第68号証)。
また、イトーヨーカ堂は、「Kent」ブランドを「VAN・JUN」世代=団塊世代をターゲットにしたトラディショナル最重要ブランドと位置づけており、2004年秋冬から、素材変更などでグレード感を上げ、価格を「量販店ゾーン」よりも上に明確に据え直し、売り方も専任販売員を付けて対面販売に移行した(甲第70号証及び甲第71号証)。このようなイトーヨーカ堂における「Kent」ブランドの男性用の被服等の販売は、定期的に折り込みちらしを、各地にあるイトーヨーカ堂の店舗の近隣の住民に配って宣伝を精力的に行ったこともあり(甲第72号証ないし同第75号証)好調で、「Kent」ブランドのトランクスが週に4000?5000枚売れており(2005年1月6日現在、甲第76号証)、「Kent」ブランドの商品の売上高が今期は前期比3割増しのペース(甲第77号証の2005年5月27日時点)であった。このように、2005年においても、「Kent」ブランドの商品がイトーヨーカ堂でよく売れているのは、「Kent」というブランドの名称を、特にいわゆる団塊の世代と呼ばれる人たちが明確に覚えており、英国的でトラディショナルといった「Kent」ブランドの独自のイメージを明確に有している証拠である。
したがって、本件商標の出願時である2003年2月26日においても、また、現在においても、「Kent」商標の周知・著名性は維持されているものということができる。
(3)商標法第4条第1項第10号について
「Kent」商標は、英文字の大文字と小文字を組み合わせた「Kent」を横書きしてなるのに対して、本件商標は、「Kent」商標と同様の構成からなる「Kent」の語に「Family」の語を付加したものであるから、両商標は、「ケント」の称呼及び「英国のケント州」の観念が同一である。
本件商標後半の「Family」の語は、日本語化している程親しまれている英単語であり、「家族、同族」といった意味を有するものであって、前半の「Kent」の語と結合されることにより、「Kent」の家族・同族であるとの観念を生じさせるものである。
したがって、本件商標が付された商品を見たり聞いたりした者は、「Kent」ブランドの関連ブランド、兄弟ブランドの商品である等、「Kent」商標と何らかの関連性を有する商品であると誤って認識する可能性がある。
このことを示す具体例として、アドビシステムズ社のホームページ(甲第6号証の1)及びフォルクスワーゲングループジャパン株式会社のホームページ(甲第6号証の2)を提示する。
また、「family」の語は、その商品の用途を示す「家族向け」の商品であることを示す語であると認識させる場合もあり、その場合は、本件商標に接する者は、「Kent」ブランドの製品のうち、その商品が家族向けのものであると誤って認識する可能性がある。このことを示す具体例として、株式会社丸井のホームページ(甲第6号証の3)を提示する。
更に、本件商標は、「Kent」の「K」の文字と「Family」の「F」の文字が大文字で表記されているため、本件商標を見た者は、「Kent」の語と「Family」の語とを分けて認識する場合もあり得るものである。
以上のとおり、本件商標は、その後部に「Family」の語が付加されているが、そのことによって、「Kent」商標と本件商標とが全く違った印象を与え、それぞれの商品の出所に関連性がないと認識させることにはならないのであつて、本件商標と「Kent」商標とは、全体として類似するものというべきであり、本件商標の指定商品のうち、第25類の「被服」は「Kent」商標と同一である。
そして、上記のとおり、「Kent」商標は、本件商標出願時である2003年2月26日においても、継続的な使用によってその周知・著名性は維持されており、現在においても維持されている。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号違反の無効理由を有しているものである。
(4)商標法第4条第1項第11号について
引用商標1と本件商標の前半部分は、大文字だけから構成されている引用商標1と、大文字と小文字の組み合わせから構成されている本件商標という違いはあるが、「ケント」という称呼及び両商標から生じる「英国のケント州」という観念が同一であり、上述したように、本件商標が「Kent」の語の後ろに「Family」の語を付加した語であっても、そのことによって、両商標を見たり聞いたりした者に、両商標の間に全く関連性がないと判断することにはならないものといえるから、両商標は、類似関係にあり、指定商品も第25類の「被服」が同一である。
引用商標2は、引用商標1「KENT」の構成の上段にカタカナ文字で「ケント」の語を付加したものであるから、引用商標2も引用商標1と同様に本件商標と類似関係にあるものであり、指定商品についても、第18類の「かばん類」と「袋物」が同一であり、第25類の「ガーター、ズボンつり、バンド、ベルト」は、引用商標2の指定商品の「装身具」に含まれるものである。
さらに、引用商標3は、引用商標1「KENT」の語をカタカナ文字に変更したものであり、「ケント」という称呼は同一であるから、引用商標3も引用商標1と同様に、本件商標と類似関係にあり、指定商品についても、第25類の「運動用特殊衣服」が同一である。
したがって、本件商標の指定商品中、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,ガーター,ズボンつリ,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」については、商標法第4条第1項第11号違反の無効理由を有しているものである。
(5)商標法第4条第1項第15号について
「Kent」商標は、「被服」等の商品に使用され、周知・著名なものとなっており、「Kent」商標と本件商標との関係は、前記したとおりである。
そして、多くの服飾メーカーは、被服だけでなく、靴や傘・かばん等にまで同一ブランドの下に商品を製造、販売し、同一デザインや同一コンセプトを活かしたトータルファッションを提供するという商品展開を行っており(甲第78号証)、ブティックや服飾専門店では、衣服やベルト、ネクタイピン等の服飾用品雑貨と共に靴、傘、かばんが一緒に販売されていることは周知の事実である(甲第79号証)。また、衣服ファッション雑誌においても、衣服の紹介と共に、それにあわせる靴や傘・かばんもトータルコーディネイトを提案する意味で、それらが一緒に紹介されることはよく行われているところである(甲第78号証)。
したがって、本件商標の指定商品のうち、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、商標法第4条第1項第15号違反に基づく無効理由を有しているものである。

2 答弁に対する弁駁の要旨
(1)本件商標と引用各商標の類似性について
被請求人は、本件商標から「ケント一家(ケントの家族)」といった観念を想起する場合が多いと述べている。
しかし、「Kent」は、周知・著名商標であるため、「Family」の語と結合すると、見たり聞いたりした者に「Kent」ブランドの家族・同族である、あるいは何らかの関連性を有するものであるという観念を生じさせるものである。
「ケント」は、欧米諸国に由来する名前であり、日本人で「ケント」の姓や名を持つ人は、ほとんどいないものと思われる。そのため、「ケント」の語は、日本人にとって姓や名を示す語として一般的な語ではない。したがって、日本人がこの語を見たり聞いたりした場合に、姓や名前を示していると一義的に認識することはない。
また、被請求人は、甲第6号証の1について、「家族向け」の意味で使用されているわけではなく、甲第6号証の2及び3について、かかる用例が一般的とはいえないと述べている。
しかし、「family」の語は、「family(ファミリー)=家族」と誰もが連想できる程、日本語化している英単語であるため、「family」の語を見たり聞いたりした者は誰でも、「家族・同族」といったルーツを同じくするものという観念を生じるものである。したがって、「Kent Family」の語を見たり聞いたりした者は、後半の「Family」の語によって「Kent」ブランドの製品とルーツを同じくする関連性を有する製品であると認識するものである。
(2)引用商標の周知・著名性について
審判請求書において述べたとおり、「Kent」商標は、少なくとも、1977年には、周知・著名となっていたものであり、以後、継続的に使用されている。そのため、その周知・著名性は廃れてはいない。いったん周知・著名になった商標は、消費者の心に深く刻みこまれ忘れられないものである。特に、1960年?1980年のアイビーブームの中で青春を送ったいわゆる団塊世代の人達は、今でもよく覚えている。そのため、近年においても、雑誌で特集され、「Kent」ブランドの製品が紹介されている(2004年1月1日発行の甲第10号証及び1999年8月発行の甲第11号証)。また、石津謙介氏が死去した際には新聞で報道され、その記事には「VAN」の主要ブランドとして「Kent」ブランドが紹介されている(2005年5月27日付けの甲第77号証)。このように、いわゆる団塊の世代の人達が「Kent」ブランドをよく覚えており、「Kent」商標の周知・著名性が失われていないため、2005年の時点においてイトーヨーカ堂で販売され、よく売れていたわけである。
その後、イトーヨーカ堂は、プライベートブランドの見直しに伴い、2006年は「Kent」ブランドの製品の販売を中止していたが、再開を望む声が強く、2007年3月から、ららぽーと横浜店で販売を再開しており(甲第80号証、甲第81号証)、2007年4月中に30、5月に20?30ショップをつくり、初年度は80ショップを設ける(甲第82号証)ことになっている。

第4 被請求人の答弁の要旨
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第50号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 「Kent」商標の周知・著名性について
請求人は、引用商標の周知・著名性を主張して証拠を提出しているが、提出されている資料は、極めて古いものやその実態・発行部数等が不明なものが多く、出願時以降の証拠も含まれている。したがって、「Kent」商標及び引用商標1ないし3の商標の周知性認定資料として妥当なものとは言いがたい。
(1)旧ヴァンヂャケットの昭和50年代の営業活動についての詳細を知らないが、仮に、当時、同社の社名やその主要商品に付された「VAN」の商標が周知であったとしても、引用各商標が同様に周知であったとは言えない。少なくとも、それから約30年を経過した本件商標の出願時において、「Kent」商標が「極めて著名」であったとはいえない。
このことは、請求人が提出した甲第8号証にその一端が記載されている。即ち、初期のKENTは、「ごく少量、ハンドメイド」で生産されていたのみであり、1966年ないし1970年(昭和41年?昭和45年)に至っても「今だ大量生産ではなく」、1971年ないし1978年(昭和46年?昭和53年)にはKENTの基本コンセプトも変わり、1978年(昭和53年)には旧ヴァンヂャケットが倒産している。株式会社ヴァンヂャケットは、倒産によってブランド価値の全く失墜した商標を昭和55(1980)年に承継したに過ぎない。同第8号証には、「膨大な在庫を換金せよってわけでして。全体の2割くらいが、KENTだったようです」、「青山のKENTショップで、在庫を売っていたのですか。・・・はい、在庫品の中からピックアップして売ってましたので、ピックアップっていう店名だったんです。VANもありましたが、主にKENTの商品でした」等の記載も見られる。
この記事に鑑みるに、昭和41年ないし55年頃(1966年ないし1980年頃)ですら、KENT商品が市場に広く受け入れられていたとはいい難いし、そのため「膨大な」在庫商品となってしまったKENT商品が「極めて著名」であったとは到底言えない。そして、かかる事実は、本件商標の出願時である2003年から遡ること20年ないし30年前のことであるから、仮に、この時点で周知であったとしても、本件商標の出願時(2003年2月26日)に、「Kent」商標が極めて著名であった理由にはならない。
(2)「KAMAKURA KENT」、「テーラー・ヤマキ」、「東京駅大丸」、「銀座松屋」等での販売実績については、実態が全く確認できない。かかる販売実績を「Kent」商標の周知性の資料とするのであれば、本件商標の出願時において、これらの店舗でいかなる販売実績があったのかを明らかにすべきである。被請求人の平成17年6月時点の調査では、「KAMAKURA KENT」は、遅くとも本件商標の出願の7年前(平成10年)には閉鎖されていることを確認した。現時点においてもその所在は確認できない。「テーラー・ヤマキ」についても、平成17年7月時点の調査でも、現時点の調査でも全く所在を確認できない(乙第28号証の1ないし6)。「東京大丸」及び「銀座松屋」については、「Kent」商品については、平成17年7月の時点でも、現時点でも販売の実態がない。これは、東京大丸のブランド・アイテムの検索ページにも掲載されていないし、店内の聞き取り調査でもKent商品が扱われていないことを確認している(乙第29号証の1及び2)。「銀座松屋」においても同様である(乙30号証の1及び2)。
(3)請求人は、マーケティング戦略として、灰皿、パブミラー、リストウオッチ等を配布した事で、「Kent」商標が周知・著名になったと主張するようであるが(甲第7号証ないし同第13号証)、かかる事実をもって、直接的に「Kent」商標が周知・著名にはならない。即ち、これらの物品は、いわゆるノベルティーグッズといわれるものであって、「Kent」商標の指定商品とは関係がない。また、これらのノベルティーグッズに関する配布時期も数量も全く明らかにされていない。いずれにしても、これらの物品が配布又は販売されたのは極めて古い時代であり、かつ、ごく少数(数百個単位)の配布・販売事実であるから、その意味でも本件商標出願時の周知性立証の証拠にはならない。
(4)旧ヴァンヂャケット破産後に、株式会社ヴァンヂャケットが設立され、青山Kentショップ、名古屋ヴァンショップ及び大阪ヴァンガーズの3店が甲第12号証及び同第16号証の刊行物に掲載されていることは認める。しかしながら、これらの刊行物は昭和56年(1981年)に刊行されたものであり、本件商標の出願時から20年以上も前の事実である。
甲第17号証ないし同第34号証は、いずれも刊行物に掲載された広告であるが、これらの広告は、いわゆるイメージ広告(商品とは直接的関係付けられていない広告や、石津氏のメッセージのみが掲載されている広告)も多く、かつ、古いものは1987年(昭和62年)、最も新しいものでも1996年(平成8年)に発刊された刊行物に掲載されたものであって、本件商標の出願時における「Kent」商標の周知性証明資料にはならない。掲載媒体も実質的には、「MEN’S CLUB」1誌しか提出されていない。かかる事実からすれば、1996年以降には積極・継続的な販売や宣伝広告宣伝活動が殆ど行なわれていないと考えざるを得ない。
(5)甲第35号証ないし同第43号証は、いずれもカタログであるが、古いものは1987年(昭和62年)、最も新しいものでも1997年(平成9年)のものであり、それぞれの印刷部数も不明である。
(6)甲第44号証は、ノベルティーグッズに関する資料であるが、昭和60年(1985年)ないし平成2年(1990年)にかけて、ごく少数配布(販売)されたことは推認されるものの、直接、「Kent」商標の周知性の証明にはならない。
(7)甲第45号証ないし同第58号証は刊行物であるが、1997年(平成9年)ないし1999年(平成11年)のものである。これらの証拠についても2000年以降のものは1点もなく、2000年以降には、積極的な広告活動は行なわれていなかったものと推認される。
(8)Kent製品の売上高も、1999年10月の約8110万円から、2001年3月の約2200万円、2002年3月は約600万円と激減し、2003年の3月には約399万円とさらに減り続けている。因みに、2006年の4月の売上高は約180万円であり、Kent商品に関する販売実績は極めて少なく、かつ、長期に低落していることから、特に2000年以降、積極的な宣伝広告活動が全く行なわれていないことも肯首できる。
日本のアパレル市場全体を把握することは困難であるが、2000年度で概ね9兆6700億円規模と推計される(乙第9号証)。この推計資料によれば、上記市場における紳士アパレルの販売額は2兆8000億円程度と推計されるので、かかる市場規模に鑑みれば、Kent商品の2003年3月の売上高399万円がいかに少ないかが判る。かかる実績をもって「Kent」商標が周知・著名であるとは到底言えない。
(9)また、請求人は、イトーヨーカ堂の販売実績を提出しているが、2001年度ないし2003年度の仕入れ商品が全て販売されたと仮定しても、年間仕入れ金額が最も多い年で、年間7億円強、少ない年で年間5千万円強、3年間の平均仕入れ金額4億7千万円程度である。その程度の販売事実のみをもって、ワイシャツ、ネクタイ、スポーツシャツ、セーター等に分散して使用されている商標の周知・著名性の証明にはならないというべきである。
2000年の市場実績データでは、メンズウエアに限っても、業界トップのオンワード樫山が売上高約623億円、業界100位のイグルスでさえ約23億8000万円の販売実績であり(乙第34号証)、これらと比較すれば、靴やネクタイ等一切を含んだ上記ヨーカ堂の仕入金額のみでは、到底周知・著名を主張するには足りないというべきである。
また、乙第35号証の「Nissen BRAND DATA2000」には、約2700件もの被服ブランドが掲載されているにもかかわらず、「Kent」商標については全く掲載されていない。同様に、「SENKEN FB2002」には、日本における被服ブランドについて、有名・無名に係わらず6000件を超える「ブランドインデックス」が掲示されているが、これにも「Kent」商標は掲載されていない(乙第36号証)。かかる事実からすれば、「Kent」商標は、殆ど市場に認知されていない商標である。
(10)また、請求人は、イトーヨーカ堂のナノテク衣料の販売についての証拠を提出しているが、請求人の提出する証拠は、いずれも時期的要件を満たさないものであり、仮に、要件を充足したとしても、かかる記事をもって「Kent」商標が周知・著名になったとは言えない。

2 「Kent」商標と本件商標の類否について
請求人は、「Kent」商標から「ケント」の称呼、「英国のケント州」という観念が生じると主張するが、本件商標から生じる称呼は「ケントファミリー」であり、「ケント・一家(ケントの家族)」といった観念が生じるのである。「ケント」姓又は名を持つ有名人は多数いるから(ケント・デリカット、ケント・ギルバート、クラーク・ケント等)、本件商標から「ケント一家」を想起する場合が多いと考えるのは自然である。
そうだとすると、「Kent」商標と本件商標との観念的相違は極めて大きく、また、「Kent」商標と本件商標の外観が全く異なることは明白であるから、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても識別し得る非類似の商標であり、そのため出所の混同も生じない。
仮に、「Kent」の語を含む商標全てから、一義的に「英国のケント州」の観念が生じ相互に類似すると考えるのであれば、乙第3号証の1ないし27に列記するように27件もの併存登録商標全てが相互に類似商標となってしまう。それにもかかわらず、これだけの併存登録が認められているということは、請求人の主張が独自の見解であることを示している。
また、請求人は、出所の混同を生じさせる理由の一つとして、アドビシステム社のHP、フォルクスワーゲングループジャパン株式会社のHP及び株式会社丸井のHPを提出しているが、これらの用例は一般的ではないし、本件に直接関連する証拠とは認められない。また、かかる用例がたまたま少数あったからといって、それを商標の類否の議論に持ち込むのは妥当でない。
さらに、請求人は、「family」の語がその商品の用途を示す“家族向け”の商品であることを示す語であると認識する場合もある旨主張するが、本件商標からは「ケント一家(ケント氏の家族)」の観念が生じるのであるから、一体的に表された本件商標を、敢えて「Kent」と「Family」に分離して観察する必要はない。乙第5号証は、欧文字で「FAMILY」と書してなり、「洋服」を指定商品として登録されており、他の類に属する商品についても「Family」の語からなる商標は多数登録されている。
なお、「Kent」商標から「英国のケント州」といった観念が一義的に生じるのであれば、「Kent」商標は、いわゆる産地表示に過ぎないのであって、商標としての識別力が全くないか、極めて乏しいというべきであり、外観、称呼及び観念のいずれについても一体性の高い本件商標との類否判断については、より一層、非類似と判断されるべきである。
3 以上より、本件商標は、「Kent」商標及び引用商標1ないし3との関係において、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号には該当しない。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおり、「Kent Family」の欧文字よりなるものであるところ、「Kent」と「Family」の文字間に一字分の間隙を有するとしても、その構成文字全体は、外観上まとまりよく一体的に表されているばかりでなく、これより生ずる「ケントファミリー」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。また、その構成文字中の「Kent」の文字は、欧米の男子の名「ケント」又は英国の州名「ケント州」を表したものと認識させるとしても、「Family」の文字は、「家族、一家、一族」等を意味する一般に親しまれた英語と認められるものであるから、「Kent」の文字は、後半の「Family」の文字との関係を併せみれば、男子の名「ケント」を表したものと理解させるものであり、本件商標は、その構成文字全体をもって、「ケント家、ケント一家」の観念を認識し把握させるものとみるのが相当である。
他方、前記したとおり、引用商標1は、「KENT」の欧文字をやゝ傾斜させて横書きしてなり、引用商標2は、「ケント」の片仮名文字と「KENT」の欧文字とを二段に横書きしてなり、引用商標3は、「ケント」の片仮名文字を横書きしてなるものであるから、これらよりは、いずれも「ケント」の称呼を生じ、欧米の男子の名「ケント」又は英国の州名「ケント州」の観念を表したものと理解させるものである。
そこで、本件商標から生ずる「ケントファミリー」の称呼と引用商標1ないし3から生ずる「ケント」の称呼とを比較するに、両称呼は、その音構成、構成音数を明らかに異にするものであるから、称呼において相紛れるおそれはないものである。また、観念においても、その差異は明らかであり、外観においても明確に区別し得る差異を有するものと認められる。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れることのない非類似の商標であり、他に、両商標が類似するとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求人が主張している第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,ガーター,ズボンつリ,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものということはできない。

2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
請求人(株式会社ケントジャパン)は、「Kent」商標が株式会社ヴァンヂャケットの商標として全国的に極めて著名であったことは、衣服及び服飾洋品雑貨の業界のみならず一般消費者の間においても顕著な事実であり、本件商標の出願時においても、また、現在においても、その周知・著名性は維持されている旨主張している。
そこで、請求人が提出している甲各号証をみるに、それらによれば、以下のような事実関係にあったものと認められる。
(1)「Kent」商標に関わる事業者について
まず、「Kent」商標に関わってきた事業者の関連についてみるに、旧株式会社ヴァンヂャケットの閉鎖登記簿(甲第14号証)によれば、株式会社ヴァンヂャケットは、昭和53年10月12日に、東京地方裁判所の破産宣告を受け、昭和59年2月10日に破産が終結している(以下、当審の判断の項においても、昭和53年10月12日に破産した株式会社ヴァンヂャケットを「旧ヴァンヂャケット」という。)。
しかし、旧ヴァンヂャケットの清算終了前の昭和55年12月3日に、株式会社ヴァンヂャケット新社が設立され(甲第3号証)、同56年3月25日には、株式会社ヴァンヂャケットと商号変更されている。
そして、請求人の主張によれば、昭和58年6月10日に、株式会社ヴァンヂャケットから新たに株式会社ケントが設立され、同社には、「Kent」商標の使用権が与えられ、「Kent」ブランドの製品の販売が委託された。しかし、その後、平成9年3月24日に、株式会社ヴァンヂャケットは、株式会社ケントを吸収合併し、再び、株式会社ヴァンヂャケットが「Kent」ブランドの製品を販売することとなった。
株式会社ヴァンヂャケットは、引用商標1ないし3の商標権者であったが、平成17年2月25日に各商標権を本件審判の請求人である株式会社ケントジャパンに移転している(甲第60号証ないし同第65号証)。株式会社ケントジャパンは、株式会社ビイエムプランニングに専用使用権を設定しており(同上)、専用使用権者である株式会社ビイエムプランニングは、平成13年2月から、イトーヨーカ堂に男性用の被服等について「Kent」商標を使用することを認めている。
(2)「Kent」商標の使用状況について
請求人は、「Kent」商標の使用状況を裏付ける証拠として、書籍や雑誌に掲載された記事や広告、株式会社ヴァンヂャケット等が発行したカタログ、統計資料等を提出しており、それらによれば、以下の事実を認めることができる。
(ア-1)書籍や雑誌における掲載記事として提出されているのは、甲第7号証ないし同第13号証及び甲第16号証である。
甲第7号証は、日本経済新聞社発行の「THE EVERLASTING IVY EXHIBITION 1995」であり、1995年に発行されたものである。
甲第8号証は、立風書房発行の「KENT BOOK」であり、1985年6月15日に発行されたものである。
甲第9号証は、株式会社えい出版社発行の「オールドボーイスペシャル永遠のVAN」であり、1999年5月20日に発行されたものである。
甲第10号証は、株式会社エフジー武蔵発行の「街ぐらし Vol.16」であり、2004年1月1日に発行されたものである。
甲第11号証は、徳間書店発行の「Goods Press 1999年8月号」であり、平成11年8月10日に発行されたものである。
甲第12号証は、株式会社講談社発行の「Hot Dog PRESS 1981年8月10日号」であり、昭和56年8月10日に発行されたものである。
甲第13号証は、株式会社扶桑社発行の「VANヂャケット博物館」であり、1993年7月30日に発行されたものである。
甲第16号証は、株式会社婦人画報社発行の「別冊MEN’S CLUB」であり、昭和56年6月25日に発行されたものである。
(ア-2)これらの書籍等には、アイビーの起源、「VAN」商標と「Kent」商標との関係、「Kent」商標の由来等について、石津謙介氏や服飾評論家・Kent商品の企画担当者・KENTシュップ店長などによる対談、回顧録、多岐に亘るノベルティグッズ等々について記載されている。
(ア-3)前述のとおり、旧ヴァンヂャケットは破産し、その後に、株式会社ヴァンヂャケット新社が設立されているが、株式会社ヴァンヂャケット新社は、昭和59年2月15日に破産が終結している旧ヴァンヂャケットの保有していた知的財産権の全てを、譲り受けたことが認められる(甲第15号証の1ないし3)。
そして、甲第12号証によれば、旧ヴァンヂャケットの解散後も、元の直営店等で旧ヴァンヂャケットの在庫品が販売されていた旨記載されており、甲第16号証には、新社設立後においても、青山Kentショップ、名古屋ヴァンショップ、大阪のヴァンガーズ等で「Kent」ブランドの製品が販売されていた旨記載されている。
(イ)株式会社ヴァンヂャケットにより新たに設立された株式会社ケントが雑誌に掲載した広告として提出されているのは、甲第17号証ないし同第34号証と前述した甲第8号証である。
甲第17号証ないし同第31号証までは、いずれも株式会社婦人画報社発行の「MEN’S CLUB」であって、甲第17号証は昭和62年(1987年)4月1日に発行されたものであり、以下、甲第18号証は昭和62年(1987年)5月1日発行、甲第19号証は昭和62年(1987年)9月1日発行、甲第20号証は昭和62年(1987年)11月1日発行、甲第21号証は昭和63年(1988年)4月1日発行、甲第22号証は昭和63年(1988年)6月1日発行、甲第23号証は1989年12月1日発行、甲第24号証は1990年2月1日発行、甲第25号証は1990年9月1日発行、甲第26号証は1990年11月1日発行、甲第27号証は1991年7月1日発行、甲第28号証は1991年9月1日発行、第29号証は1991年10月1日発行、甲第30号証は1992年9月1日発行、甲第31号証は1992年10月1日に発行されたものである。
また、甲第32号証及び甲第33号証は、いずれも、株式会社婦人画報社発行の「別冊MEN’S CLUB男のスタイルブック」であり、甲第32号証は1995年11月1日発行、甲第33号証は1996年11月20日に発行されたものであり、甲第34号証は、世界文化社発行の「MEN’S EX」であって、1996年12月1日に発行されたものである。
これらの雑誌には、株式会社ケントによる「Kent」ブランドそのものの広告や「Kent」ブランドの製品の広告が掲載されている。
(ウ)株式会社ケントにより発行されたカタログとして提出されているのは、甲第35号証ないし同第44号証である。
甲第35号証は、「1987 Fall&Winter」版であり、以下、甲第36号証は「1988 Spring&Summer」版、甲第37号証は「’89 Fall」版、甲第38号証は「FALL and WINTER’93-’94」版、甲第39号証は「Fall&Winter’94」版、甲第40号証は「SPRING&SUMMER1955」版、甲第41号証は「FALL&WINTER’95-’96」版、甲第42号証は「SPRING&SUMMER1996」版、甲第43号証は「FALL&WINTER’96-’97」版であり、甲第44号証は、Kent ノベルティグッズの一覧表(プレミアムリスト)と写真(1984?89年)である。
請求人の主張によれば、これらのカタログは青山Kentショップ等の来店者に配布され、ノベルティグッズは製品の購入者に配布されたとのことである。
(エ)株式会社ケントを吸収合併した株式会社ヴァンヂャケットが雑誌に掲載した広告として提出されているのは、甲第45号証ないし同第53号証である。
甲第45号証、甲第48号証及び甲第50号証は、株式会社婦人画報社発行の「MEN’S CLUB」であって、それぞれ、甲第45号証は1997年4月1日に発行、甲第48号証は1997年12月1日に発行、甲第50号証は1998年4月1日に発行されたものである。
また、甲第46号証、甲第49号証及び甲第51号証は、世界文化社発行の「Men’s Ex」であって、それぞれ、甲第46号証は1997年6月1日に発行、甲第49号証は1998年1月1日に発行、甲第51号証は1998年4月1日に発行されたものである。
そして、甲第47号証は、株式会社婦人画報社発行の「別冊MEN’S CLUB男のスタイルブック’98トラッドの新ルール」であり1997年11月10日に発行、甲第52号証は、同じく、株式会社婦人画報社発行の「別冊MEN’S CLUB男のスタイルブック’99」であり1998年11月10日に発行、甲第53号証は、ぶんか社発行の「asAyan」であり平成10年12月1日に発行されたものである。
これらの雑誌には、株式会社ヴァンヂャケットによる「Kent」ブランドそのものの広告や「Kent」ブランドの製品の広告が掲載されている。
(オ)株式会社ヴァンヂャケットにより発行されたカタログとして提出されているのは、甲第54号証ないし同第58号証である。
甲第54号証は、「SPRING&SUMMER1997」版であり、以下、甲第55号証は「’97 FALL&WINTER」版、甲第56号証は「’98 SPRING&SUMMER」版、甲第57号証は「FALL&WINTER’98-’99」版、甲第58号証は「’99 SPRING&SUMMER」版である。
請求人の主張によれば、これらのカタログは青山Kentショップ等の来店者に配布されたとのことである。
(カ)株式会社ヴァンヂャケットによる1999年以降における「Kent」ブランド製品の売上高を示す証拠として甲第59号証が提出されている。 これによれば、概算で、1999年8月から12月までの売上高は3億円、2000年は2億5000万円、2001年は8400万円、2002年は5000万円、2003年は3700万円、2004年は2400万円、2005年は1860万円となっている。
(キ)イトーヨーカ堂による「Kent」製品の仕入実績として、甲第66号証が提出されている。これは、イトーヨーカ堂が引用商標1ないし3の専用使用権者である株式会社ビイエムプランニングに対して、「Kent」製品の仕入れ実績の報告書として提出された文書である。
これによれば、2001年のイトーヨーカ堂の「Kent」ブランド商品の仕入れ枚数は381461枚で、仕入れ原価は647159千円であり、以下、2002年度の仕入れ枚数は478379枚、仕入れ原価は725488千円、2003年度の仕入れ枚数は283706枚、仕入れ原価は52603千円、2004年度の仕入れ枚数は819945枚、仕入れ原価は1829305千円、2005年度の仕入れ枚数は1042576枚、仕入れ原価は2471824千円、2006年度の仕入れ枚数は、2006年8月までの数字で、107947枚で、仕入れ原価は266937千円となっている。
(ク)イトーヨーカ堂が発行した折り込みちらしやイトーヨーカ堂に関する新聞記事として、甲第67号証ないし同第77号証が提出されている。
甲第67号証は、2004年3月1日付けの繊研新聞の記事であり、甲第68号証は、ちらし(2004年3月17日?21日)、甲第69号証は、2005年6月22日付けの読売新聞における「Kent」製品の広告、甲第70号証は、2004年9月11日付けの新聞記事、甲第71号証は、2005年3月16日付けのEメール、甲第72号証ないし同第75号証は、2004年5月ないし7月にかけてのちらし、甲第76号証は、2005年1月6日付けの新聞記事、甲第77号証は、2005年5月27日付けの日経MJ新聞の記事である。
これらの折り込みちらしには、「Kent」商標に係る製品が掲載されており、新聞記事においては、「イトーヨーカ堂は『Kent』ブランドを『VAN・JUN』世代=団塊世代をターゲットにしたトラディショナル最重要ブランドと位置づけており、2004年秋冬から、素材変更などでグレード感を上げ、価格を『量販店ゾーン』よりも上に明確に据え直し、売り方も専任販売員を付けて対面販売に移行しました」等の記事が掲載されている。
(ケ)請求人は、弁駁書において、イトーヨーカ堂はプライベートブランドの見直しに伴い、2006年は「Kent」商標の製品の販売を中止していたが、2007年3月から、ららぽーと横浜店で販売を再開しているとして、その店内の写真(甲第80号証)、2006年12月19日付けの新聞からの抜粋記事(甲第81号証)及び「Kent」ブランド製品を販売する店のリスト(甲第82号証)を提出している。
(3)「Kent」商標の周知・著名性の有無について
請求人は、「Kent」商標は少なくとも1977年には周知・著名になっていた旨述べており(弁駁書3頁)、以後、継続的に使用されていることから、その周知・著名性は廃れておらず、特に、昭和30年?50年代当時に20?30代であった人達(いわゆる団塊世代の人達)であれば、今でもよく覚えている旨述べている。
(ア)そこでまず、「Kent」商標が1977年当時において周知・著名になっていたか否かについてみるに、この点を裏付ける証拠として請求人が提出しているのは書籍や雑誌のみである。
上記において認定した各書籍等の記載に徴してみれば、旧ヴァンヂャケットは、昭和30年代中頃から昭和50年代後半にかけて「VAN」の商標を使用して我が国における紳士用ファッションの分野をリードした企業であり、「VAN」ブランドの関連ブランドとして立ち上げられた「Kent」商標に係る製品は、青山Kentショップや直営店であるKAMAKURAKENT、銀座テーラー・ヤマキ、東京駅大丸、銀座松屋等で販売されていたものということができる。そして、例えば、甲第8号証には、「・・・1970年代は・・・『Kent』ブランドの伸び方はすごい勢いで、めざましい販売促進プランも大変なものですよ。・・・」といった記載のあることも認められる。
そうとすれば、「Kent」商標は、昭和40年?昭和50年代において、アイビー(アメリカのカジュアルウエア)に関心を持っていた男性を中心に一定程度知られていたものと推測することができる。
しかしながら、ある商標が周知・著名性を獲得していたものと認められるためには、書籍等における掲載記事も重要な証拠の一つではあるが、少なくとも、当該商標に係る商品の売上高、広告宣伝の事実(方法・回数及び内容)等をもって立証する必要があるところ、請求人が「Kent」商標の周知・著名性を裏付ける証拠として提出しているのは、専ら、書籍等における掲載記事のみであって、商品の売上高や広告宣伝の事実についての証拠を何ら提出していない。そして、1977年以前に発行された書籍等は一誌もないから、これらの書籍等に商品の広告が掲載されていたとしても、1977年以前における広告宣伝の事実を示すものではない。
そうとすれば、このような極く限られた証拠をもって、「Kent」商標が1977年当時において周知・著名性を獲得していたものと認定することは困難であり、「Kent」商標が昭和30年?50年代当時に20?30代であった男性(いわゆる団塊世代の男性)のうち、アイビーに関心を持っていた男性を中心に一定程度は知られていたものと推測し得るにとどまるものといわなければならない。
(イ)次に、旧ヴァンヂャケットの破産後に設立された株式会社ヴァンヂャケットらによる「Kent」商標の使用により、本件商標の登録出願時までに、「Kent」商標が周知・著名性を獲得していたか否かについて判断する。
(イ-1)そこでまず、書籍や雑誌における記事や広告の掲載状況及びカタログ等の発行状況についてみるに、
(a)上記した甲第12号証と甲第16号証が1981年に発行された後、「VAN」や「Kent」に関する記事が掲載されている書籍や雑誌は、1985年に発行された甲第8号証、1993年に発行された甲第13号証、1995年に発行された甲第7号証、1999年に発行された甲第9号証と甲第11号証及び2004年に発行された甲第10号証である。
(b)株式会社ケント及び株式会社ヴァンヂャケットによる「Kent」商標に係る広告の掲載状況についてみるに、主に掲載されているのは株式会社婦人画報社発行の「MEN’S CLUB」であり、1987年(昭和62年)から1998年(平成10年)にかけて掲載されているが、掲載されていない年も2回あり、少ない年は年1回、多い年は年4回掲載されている。広告の内容は、「Kent」商標に係る製品の広告ばかりでなく、具体的な商品とは直接的な関係付けがされていない広告も多く見受けられる。
(c)株式会社ケント及び株式会社ヴァンヂャケットによる「Kent」商標に係るカタログの発行状況についてみるに、1987年(昭和62年)から1999年(平成11年)にかけて発行されているが、発行されていない年も3回あり、多い年は年2回発行されたこともあるが、概ね年1回の頻度で発行されている。
(d)イトーヨーカ堂に係る「ケント」に関連する新聞記事としては、2004年(平成16年)から2005年(平成17年)にかけて5回掲載されており、イトーヨーカ堂の発行に係る折り込みちらしは、2004年(平成16年)に5回発行されている。
(イ-2)次に、商品の売上状況についてみるに、株式会社ヴァンヂャケットによる「Kent」製品の売上高として甲第59号証が提出されている。 これには、1999年8月以降の実績しか記載されていないが、1999年8月から12月までの売上高はおよそ3億円、2000年は2億5000万円であるが、その後は急減しており、2001年は8400万円、2002年は5000万円となり、本件商標が出願された2003年には3700万円となっている。
また、引用商標1ないし3の専用使用権者である株式会社ビイエムプランニングから「Kent」商標の使用権を与えられていたとするイトーヨーカ堂の取引状況として甲第66号証が提出されている。これには、2001年度から2006年8月までの「Kent」製品の仕入れ枚数と仕入れ原価が記載されているが、本件商標が出願された2003年度までの仕入れ原価をみれば、2001年度は6億4700万円、2002年度は7億2500万円であり、2003年度は5300万円となっている。
(イ-3)上記した書籍や雑誌における記事や広告の掲載状況及びカタログ等の発行状況からみれば、旧ヴァンヂャケットの破産後から本件商標の登録出願時に至るまで、株式会社ヴァンヂャケットらにより、継続して「Kent」商標が被服について使用されてきた事実を認めることができる。
しかしながら、書籍や雑誌において、「Kent」に係る記事が掲載された回数は決して多いものとはいえず、しかも、これらの文献において記載されていることは、主に、旧ヴァンヂャケットに関する記事や「VAN」ブランド、「Kent」ブランド、各種のノベルティグッズ、旧ヴァンヂャケットの倒産から新生ヴァンヂャケットへ移行した当時の状況等々、むしろ昭和30年代中頃から昭和50年代後半にかけての状況が記載されており、本件商標の登録出願当時の「Kent」商標に関する状況は記載されていない。
そして、本件商標の出願後ではあるものの、登録査定と同年の2004年に発行された雑誌として甲第10号証があるが、紹介されているウェアーに「Kent」の商標がみられるのは極く僅かであり、多くは過去における事実の記載とノベルティーグッズの紹介であって、2004年当時における「Kent」商標の周知・著名性を認めるに足る程の記載は認められない。
また、イトーヨーカ堂に関する新聞記事やイトーヨーカ堂の発行に係る折り込みちらしとして提出されている証拠にしても、本件商標が出願される以前のものは一つもなく、いずれも2004年3月以降のものである。
そして、近年における株式会社ヴァンヂャケットによる「Kent」製品の販売状況をみても、「Kent」商標の周知・著名性が認められる程の販売状況とはいい難い。
(イ-4)この点について、被請求人の提出に係る「ファッションブランドガイド/SENKEN FB2002」中の「メンズウエア業績ランキング」(2001年12月10日繊研新聞社発行。乙第34号証)によれば、業界トップのオンワード樫山の売上高は約623億円であり、業界100位のイグルスでさえ約23億8000万円となっている。これらの売上げが単一ブランドによるものであるか否か定かではないから、単純に比較することはできないとしても、上記した株式会社ヴァンヂャケットによる「Kent」製品の売上高は、周知・著名性を認めるには、いかにも僅少なものといわざるを得ない。
このことは、イトーヨーカ堂の取引状況をみても同様であって、前記した数値が仕入れ原価であって売上高でないことを考慮したとしても、周知・著名性を認めるに足る程の売上高になるものとはいい難い。
加えて、被請求人の提出に係る「Nissen BRAND DATA 2000」(乙第35号証)には、約2700件もの被服ブランドが掲載されているにもかかわらず、「Kent」商標については掲載されておらず、同様に、「ファッションブランドガイド/SENKEN FB2002」中の「ブランドインデックス」(2001年12月10日繊研新聞社発行。乙第36号証)には、日本における被服ブランドについて、有名・無名に係わらず6000件を超えるブランドが掲載されているが、ここにも「Kent」商標は掲載されていない。
(イ-5)そうすると、「Kent」製品の販売実績や文献等における記載状況からみれば、「Kent」商標が、本件商標の登録出願時においても、取引者・需要者の間において、広く知られるに至っている状況にあったものと認めるのは困難である。
(ウ)以上を総合してみれば、1963年(昭和38年)に立ち上げられた「Kent」商標は、1977年当時においても、また、その後、本件商標の登録出願時までの期間においても周知・著名性を獲得していたものとは認めらない。
(エ)この点について、請求人は、いったん周知・著名になった商標は、消費者の心に深く刻み込まれ忘れられないものであり、特にアイビーブームの中で青春を送ったいわゆる団塊世代の人達は、今でもよく覚えているものである旨主張している。
確かに、「Kent」商標が昭和30年?50年代当時に20?30代であった男性(いわゆる団塊世代の男性)のうち、アイビーに関心を持っていた男性を中心に、当時において一定程度は知られていたことを否定するものではない。そして、この状態をもって、請求人が主張しているところの「Kent」商標の周知・著名性が、仮に、1977年当時において確立されたものとみたとしても、その周知性は次第に失われ、本件商標の登録出願時においては既に、請求人らの業務に係る紳士用の衣服等を表示するものとして取引者・需要者の間において広く知られていたとはいい得ない状態になっていたものとみるのが相当である。
請求人が主張しているように、団塊世代の男性のうち、アイビーに関心を持っていた男性が今でも「Kent」をよく覚えているとしても、それは、あくまでも「被服」全体からみれば、一部の商品分野における一部の需要者についていい得るに過ぎないことであるから、そのことを前提にした請求人の主張は採用できない。
(4)商標法第4条第1項第10号の該当性について
本件商標と請求人らの使用に係る「Kent」商標とは、前記した本件商標と引用商標1ないし3についての判断と同様の理由により、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、上記のとおり、「Kent」商標は、本件商標の登録出願時において、請求人らの業務に係る紳士用の衣服等を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないものである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号の要件のうち、「他人(請求人)の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標・・・について使用をするもの」の要件を充足していない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求人が主張している第25類「被服」についての登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものということはできない。
(5)商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標と請求人らの使用に係る「Kent」商標との関係及び「Kent」商標の著名性に関しては、上記のとおりであるから、本件商標の指定商品中の「かばん類,袋物,履物」等と請求人らの業務に係る「被服」等とがトータルファッションの関連からみれば、互いに密接な関係を有する商品であることを考慮したとしても、被請求人が本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者をして、請求人らの使用に係る「Kent」商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が請求人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求人が主張している第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものということはできない。

3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-11-01 
結審通知日 2007-11-06 
審決日 2007-11-19 
出願番号 商願2003-19627(T2003-19627) 
審決分類 T 1 11・ 25- Y (Y1825)
T 1 11・ 271- Y (Y1825)
T 1 11・ 26- Y (Y1825)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 伊藤 三男
佐藤 淳
登録日 2004-04-23 
登録番号 商標登録第4766118号(T4766118) 
商標の称呼 ケントファミリー、ケント 
代理人 田中 二郎 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ