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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y36
管理番号 1181011 
審判番号 不服2007-24472 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-09-06 
確定日 2008-06-19 
事件の表示 商願2006- 98834拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、後掲(1)のとおりの構成よりなり、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,クレジットカードの発行の取次ぎ,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,建物又は土地の購入・売却に関する指導及び助言,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として、平成18年10月24日に登録出願されたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した商標中、登録第3046962号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ネクスト」の文字よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務として、同7年5月31日に設定登録され、その後、同17年12月2日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく、登録第3051719号商標は(以下「引用商標2」という。)、後掲(2)の構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理及び媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理及び媒介,土地の管理,土地の貸借の代理及び媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理及び媒介,建物及び土地の情報の提供」を指定役務として、同7年6月30日に設定登録され、その後、同17年12月22日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく、登録第4057640号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ネクスト」及び「NEXT」の各文字(「ネクスト」の文字は、「NEXT」の文字よりやや小さい。)を上下二段に書してなり、平成4年9月29日に登録出願、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,保険料率の算出,資金の貸付」を指定役務として、同9年9月19日に設定登録され、その後、同19年9月25日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

第3 当審の判断
1 本願商標は、後掲(1)のとおり、薄青色の四角形内に、白抜き図形及びその下部に「NEXT CO.,LTD.」の白抜き文字を配してなる構成であるところ、これらは、薄青色の四角形内に、白抜き図形と上記白抜き文字が配置されているとはいえ、該白抜き図形部分は、何を表示したものであるか、理解し難いものであるから、かかる構成よりは、判読し易い文字部分に着目し、該文字部分より生ずる称呼をもって取引に資される場合も決して少なくないものと言える。
しかして、文字部分についてみるに、先のとおり、「NEXT CO.,LTD.」の白抜き文字を書してなるところ、その構成中の「CO.,LTD.」の文字部分は、「株式会社」の組織をとる会社が、その商号を英語により表示する場合、社会一般において、「株式会社」に相当する文字として普通に用いられるものであるから、本願商標の文字部分より受ける印象は、「株式会社ネクスト」の観念を生ずるものと認められる。
また、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、該「CO.,LTD.」の文字部分を捨象して、前半部の「NEXT」の文字部分に着目して、これに相応して「ネクスト」の称呼及び「つぎ。次位。」の観念をも生ずるものと認められる。
これに対し、引用商標1ないし3(以下「各引用商標」という。)についてみるに、各引用商標中、引用商標2は、後掲(2)のとおり、左側部分に「株式」及び「会社」の各文字を上下二段に小さく書してなり、その右側部分に「ネクスト」の文字を大きく書してなる構成であるところ、かかる構成よりは、「株式会社ネクスト」の観念を自然に生ずること明らかである。
さらに、引用商標2の構成中、「株式会社」の文字部分は、商号の一部に会社の組織を表す語として使用されるものであって、自他役務の識別標識としての機能を有しないから、「ネクスト」の文字より、「ネクスト」の称呼及び「つぎ。次位。」の観念をも生ずるものと認められる。
また、引用商標1及び3については、前記2のとおり、「ネクスト」の文字構成並びに「ネクスト」及び「NEXT」の各文字構成からなるところ、これらの構成よりは、「ネクスト」の称呼及び「つぎ。次位。」の観念を生ずるものと認められる。
そこで、本願商標と各引用商標との類否について判断するに、始めに、本願商標と引用商標2についてみると、これらは先のとおり、その構成文字に相応して、「株式会社ネクスト」の観念並びに「ネクスト」の称呼及び「つぎ。次位。」の観念を共通にするものである。
次に、本願商標と引用商標1及び3についてみると、これらは先のとおり、その構成文字に相応して、「ネクスト」の称呼及び「つぎ。次位。」の観念を共通にするものである。
そうとすれば、外観における差異を考慮したとしても、本願商標と各引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、互いに相紛れるおそれがある類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定役務と各引用商標の指定役務とは、同一又は類似の役務と認められる。
2 請求人は、原審における意見書において、甲第1号証ないし第9号証(甲第1号証については、原審において参照し、解決済みである。)を提出し、また、当審における手続補正書において、以下のとおり種々述べている。
(1)過去の登録例(甲第2号証ないし第5号証)を挙げて、これらの登録例は、本件各引用商標とは非類似であると判断され、併存して登録されているので、本願商標と各引用商標とは非類似である。
(2)現実に本願商標と色彩のみが異なる商標を使用しているが(甲第6号証)、出所の混同が生じているといった事実は全くない。
(3)請求人が所有する「NEXT」及び「ネクスト」の各文字よりなる重複登録第3045599号商標は、更新出願時の審査においても、他の重複登録商標との関係では、「NEXT」のみからなる商標の間で混同が生じないと判断されていること(甲第7号証ないし第9号証)からすれば、本願商標と各引用商標とは、類似するものではない。
(4)本願商標は、同一の背景色により図形部分と文字部分とが覆われているという物理的な要素、社名とマークとは一対で使用されることが多々ありうるという社会通念上の概念的要素を考慮すると、「N」を図案化した図形部分と「CO.,LTD.」の文字部分との間には、同一のデザイン手法で形成されていることも相まって、一体性が存在し、これらは一体のものとして全体観察されるべきである。
(5)本願商標は、「NEXT」の文字部分が、一般に馴染みのある語であって、強い自他役務の識別力を有していないにもかかわらず、「CO.,LTD.」の文字が強い自他役務の識別力を有しないからといって、「NEXT」の文字部分が自他役務識別標識としての機能を果たし得ると安易に結論付けている。
(6)本願商標においては、そもそも、文字部分に対する図形部分の大きさ、図形部分の斬新さ、さらには、文字部分を構成する「NEXT」、「CO」、「LTD」のいずれも強い自他役務の識別力を有していないことを考慮すると、文字部分が要部になりうるとしても、図形部分が要部となりうることは否定できないし、そればかりか寧ろ、文字部分と図形部分とに軽重をつけるならば、図形部分が最たる要部であると認定すべきである。
そこで、請求人の主張(前記(1)ないし(6))についてみるに、(1)の点については、過去の登録例の類否判断と本件の類否判断とは、商標の構成態様及び指定役務との関係において、事案を異にするものであり、商標の類否判断は、査定時又は審決時において、それぞれ個別具体的になされるものであって、これらの過去の登録例によって、本件の判断が左右されるものではない。
また、(2)の点については、インターネット上に使用している1件のみの証拠をもってしては、本願商標が出所の混同を生じていないとする判断材料の1つとしては、足りないものである。
さらに、(3)の点については、平成8年改正法附則第13条第1項第1号による更新登録の出願に係る登録商標が重複登録商標のうちその登録商標以外の登録商標に係る商標権者等の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標となっているか否かの判断にあたっては、重複登録関係にある商標の周知度等を考慮して、周知度に差異がない場合あるいは周知性を有しない場合には、登録するものとされているのであるから、これをもって、本願商標と各引用商標との類否判断に影響を与えるものではない。
また、(4)の点については、本願商標が、同一の背景色により図形部分と文字部分とが覆われている物理的な要素、社名とマークとは一対で使用されることが多々ありうるという社会通念上の概念的要素を考慮に入れたとしても、先のとおり、そもそも図形部分が何を表示したものであるか理解できず、仮に請求人主張のような「N」を図案化したものであったとしても、かかる構成よりは、これに接する看者等は、「CO.,LTD.」の文字部分との間による同一のデザイン手法で形成されているとは認識し得ず、文字部分による部分観察もあるものというのが相当である。
さらに、(5)の点については、先のとおり、「NEXT」の文字部分は、指定役務との関係において、充分に自他役務の識別力を有しており、その点においては、請求人が所有する「NEXT」及び「ネクスト」の文字よりなる重複登録第3045599号商標及び他の重複登録商標が登録されていることからも明らかであり、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、「CO.,LTD.」の文字部分を捨象して、前半部の「NEXT」の文字部分に着目して、取り引きに当たる場合も決して少なくないから、「NEXT」の文字部分のみからも、自他役務識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
最後に、(6)の点については、図形部分が要部になり得ることについては否定するものではないが、本願商標の構成態様よりすれば、図形部分が何を表示したものであるか、理解し難いことから、文字部分と図形部分とに軽重の差をつける特段の理由は見出せず、看者等の最も着目し易い文字部分も要部であると認定すべきである。
以上よりすれば、請求人のこれらの主張は採用することができない。
3 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 後掲(1)
本願商標

(色彩については原本参照)

後掲(2)
引用商標2



審理終結日 2008-04-24 
結審通知日 2008-04-25 
審決日 2008-05-08 
出願番号 商願2006-98834(T2006-98834) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 亨子 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 岩崎 良子
齋藤 貴博
商標の称呼 ジェイエヌ、ネクストカンパニーリミテッド、ネクスト 
代理人 沢田 雅男 

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