• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y09
管理番号 1177956 
審判番号 不服2006-21115 
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-09-21 
確定日 2008-05-07 
事件の表示 商願2005- 44436拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲に示す構成からなり、第9類「電気通信機械器具」、第38類「テレビジョン放送」及び第41類「テレビ番組の制作における演出」を指定商品及び指定役務として、平成17年5月20日に登録出願されたものである。
その後、指定商品及び指定役務については、同18年9月21日付け提出の手続補正書により、第9類「電気通信機械器具」と補正されたものである。

2 引用商標
拒絶査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の3件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2316422号商標(以下、引用商標1という。)は、「DISCOVERY」の文字を書してなり、昭和63年4月30日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が同13年6月19日になされ、さらに、指定商品について、同年7月4日、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」に書換登録がなされたものである。
(2)登録第4220667号商標(以下、引用商標2という。)は、「ディスカバリー」の文字を書してなり、平成8年10月2日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、同10年12月11日に設定登録されたものである。
(3)登録第4596768号商標(以下、引用商標3という。)は、「DISCOVERY01」の文字を書してなり、平成13年8月15日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、同14年8月16日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1ないし3(以下、まとめて「各引用商標」という場合がある。)との類否について判断する。
本願商標は、別掲のとおり、各文字がほぼ同じ太さ、同じ大きさ、同じ高さになるように「DIscovery」の欧文字を表し、その「sc」の文字の下部の一部分に重なるようにして、輪郭線をもって天体風の円形図形を表し、さらに該円形図形の左右に太い黒塗りの線を配してなるものである。
しかして、本願商標は、構成全体としては特定の観念を生じるとは認められないものの、これが常に不可分一体のものとして看取されるとすべき格別の理由はなく、太く顕著に表された「DIscovery」の文字部分が、他の図形部分から独立して強く印象され得ると見るのが相当である。
そして、構成中の「DIscovery」の文字が「発見」を意味する英語であり、我が国においても一般に知られる語であるから、これに相応して「発見」の観念が生じるというべきであり、また、この文字部分に相応して「ディスカバリー」の称呼が生じるものである。
一方、引用商標1及び引用商標2は、それぞれ「DISCOVERY」の文字、「ディスカバリー」の文字よりなるものであるから、いずれも、その構成文字より自然に生ずる「ディスカバリー」の称呼をもって取引に資されるものというべきである。
また、引用商標3は、その構成中後半の「01」の文字が商品の規格、品番等を表したものとして認識されるから、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は「DISCOVERY」の文字にあるというべきである。
しかして、引用商標3は、その構成文字中「DISCOVERY」より自然に生ずる「ディスカバリー」の称呼をもって取引に資される場合が決して少なくないものというべきである。
そうとすれば、各引用商標は、いずれも「ディスカバリー」の称呼を生ずるものである。
また、各引用商標は、その構成文字「DISCOVERY」又は「ディスカバリー」の文字に相応して、「発見」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と各引用商標とは、「ディスカバリー」の称呼及び「発見」の観念を共通にするというべきものである。
さらに、外観についてみると、全体としては、図形と文字との結合商標である本願商標と文字のみからなる各引用商標とは異なるといえる。
しかしながら、引用商標1及び3は、その構成において要部を形成する欧文字はいずれも、「DISCOVERY」の文字を表してなるから、本願商標の構成文字「DIscovery」(文字の高さを同じくする)とは同じ欧文字綴りであるという点において外観上類似性をも有するものである。
しかして、本願商標と引用商標2とは、外観上の違いを有するとしても、「ディスカバリー」の称呼及び「発見」の観念を共通にする商標であり、引用商標1及び3とは、外観、称呼及び観念によって与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、時と処を異にする取引の実際にあって、これらを同一又は類似の商品に使用した場合、その出所について混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ないから、本願商標は、各引用商標に類似の商標と判断されるものである。
また、各引用商標の指定商品には、本願商標の指定商品「電気通信機械器具」と同一又は類似の商品が含まれていることは明らかである。
したがって、本願商標は、各引用商標に類似する商標であり、かつ、各引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人は、本願商標はいわば「地球印デスカバリー」と認識すべき商標であり、商標の類否は商標の構成全体で判断すべきであって、構成の一部分を抽出して対比することは正しい類否を決定する手法ではない旨主張する。
しかしながら、一の商標にあって、複数の要部を有し、その各要部から取引に資される複数の称呼や観念を生ずることがあるのは、経験則の教えるところである(最高裁判所昭和38年3月5日第1小法廷・昭和37年(オ)第953号判決参照)。
そして、本願商標は図形と文字から構成されているものであるが、構成上該図形部分は、該文字部分より小さく表されており、写実的でないことと相俟って、付記的な図形と認識されることから、独立して自他商品の識別機能を果たすものとは認められない程のものであり、また、該図形部分と該文字部分とが渾然一体と融合した構成態様又は観念的な結びつきをもって表されたとはいい難いものである。
そうとすれば、本願商標にあって顕著に表されている「DIscovery」の文字部分は、図形部分と一部において重なっているところがあるが、その文字構成も明確に把握し、理解し得るものであり、強く印象を記憶に留め得るから、該文字部分から生ずる称呼や観念のみをもって取引に資されるものであるというべきである。
したがって、本願商標と各引用商標とは、上記のとおり明確な観念の相違を伴うことで両商標が判然と区別され得る場合とも異なるうえ、称呼及び観念を共通にするものでありながら、外観が相違することによって、これらの共通点を凌駕し、両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所について混同を生じさせるおそれがない、とは到底いい難いものである。
また、請求人は、本願の審査の過程で拒絶理由に引用された他の登録商標を挙げ、これらからも「デスカバリー」の称呼が生じるとし、これらの登録が併存していることからしても、本願商標は登録されるべきである旨主張するが、商標の類否判断は、比較すべき両商標において個別具体的になされるべきものである。
それに加え、請求人が挙示する登録商標と本願商標とは、商標の構成を異にするか、あるいは、指定商品・役務が相違するものであるから、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当なものであるから、原査定を取消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審理終結日 2007-11-26 
結審通知日 2007-11-30 
審決日 2007-12-12 
出願番号 商願2005-44436(T2005-44436) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 厚子 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 鈴木 修
杉山 和江
商標の称呼 ディスカバリー 
代理人 山川 茂樹 
代理人 山川 政樹 
代理人 紺野 正幸 
代理人 西山 修 
代理人 黒川 弘朗 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ