• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z16
管理番号 1175987 
審判番号 取消2006-30781 
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-06-28 
確定日 2008-03-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4289684号商標の商標登録取消審判事件についてされた平成19年4月6日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成19年(行ケ)第10178号、平成19年10月30日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1.本件商標
本件登録第4289684号商標(以下「本件商標」という。)は、「コイダス」の片仮名文字と「coidas」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成9年12月1日に登録出願され、第16類「印刷物,紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,書画,写真,写真立て,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),昆虫採集用具,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、同11年7月2日に設定登録されたものである。

第2.請求人の主張
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べた。
1.請求の理由
本件商標は、請求人が鋭意調査した限りにおいては、本件商標の商標権者によって継続して3年以上日本国内において使用されている事実を発見することができなかった。
また、商標登録原簿を見ても専用使用権および通常使用権は設定登録されておらず、許諾を受けた通常使用権者等による使用の事実もない。
更には、本件商標を使用していないことについての正当な理由も認めることができない。
2.弁駁の理由
被請求人が提出した答弁書における答弁の理由及び乙各号証のいずれからも、被請求人が本件商標を本件審判請求の予告登録日前3年以内に使用し、かつ、現在に至るまで継続使用していることの確証は得られない。
(1)乙第1号証について
被請求人は、乙第1号証を提出した上で、被請求人による本件商標の使用の事実を容易に確認できる旨を述べている。
しかしながら、乙第1号証は、被請求人が本件商標を指定商品について使用している事実を示しているものとは到底言えない。なぜならば、検索エンジンによる検索結果は単にキーワードを含むウェブサイトがインターネット上に存在することを示すものであり、各指定商品との関係が不明確であるばかりか、商標法上の使用がされているかが全く不明だからである。
よって、このような証拠方法をもって、本審判の請求は成り立たないとする被請求人の主張はきわめて妥当性を欠くものと言わざるを得ない。
(2)乙第2号証について
被請求人は、この乙第2号証を提出した上で、本件商標を指定商品について使用している事実を主張・立証する意思であるものと思われる。
しかしながら、乙第2号証は、かかる事実を証明するための根拠とは到底なり得ないものである。
すなわち、本件商標は、二段併記により上段に片仮名文字で「コイダス」、下段に欧文字で「coidas」と左横書きに書してなるものである。他方、乙第2号証より特定しうる標章は、白抜きの籠字により欧文字で「Coidas」と書し、その構成中の欧文字「C」の中に片仮名文字で「コイダス」と表記し、同じく構成中の欧文字「o」の上部に平仮名文字で「からだ」及び同じく「d」の上部に漢字で「系」と各々表記し、同じく「a」の上部に星型の図形及び「a」の下部から「s」の上部までを覆うような三日月の図形を各々配したものである(以下「被請求人使用標章」という。)。
そして、これらを対比すれば、以下の点において相違するものである。
すなわち、(ア)本件商標は欧文字と片仮名文字の二段併記であるところ、被請求人使用標章は欧文字のみにより構成され、片仮名文字も表記されているが、その位置により、被請求人使用標章は二段併記とは到底いえない態様である。
また、(イ)被請求人使用標章には、本件商標には表記されていない「からだ」あるいは「系」の文字が存在する。(ウ)被請求人使用標章には、本件商標には表記されていない星型の図形ないし三日月の図形が存在する。(エ)本件商標はその構成より単に「コイダス」の称呼のみしか生じ得ないところ、被請求人使用標章はその構成より「カラダケイコイダス」の称呼が生じるものである。
このように、本件商標と被請求人使用標章との間には、外観・称呼の観点から、異なるものであることは明白であるから、本件商標と被請求人使用標章とは社会通念上同一であるものとは全く言えないものである。
よって、乙第2号証で、本件商標を指定商品について使用しているとする被請求人の主張は完全に的を外れているものといわざるを得ない。
(3)乙第2号証の2及び乙第2号証の3について
乙第2号証の2及び乙第2号証の3に表示されている標章も乙第2号証で表示されている使用標章1と基本的な態様をほぼ同じくするものである。
よって、請求人が、再度本件商標との相違点を述べるまでもなく、乙第2号証の2に表示されている標章と本件商標とが異なることは明白である。
(4)乙第3号証及び乙第4号証について
被請求人は、これらを提出した上で、被請求人の販売に係る雑誌を注文することができる「webサイト」であると主張している。
しかしながら、これらのウェブサイトを管理・運営する主体が使用権者である等の特段の事情があれば格別、これらはいずれも他人が運営・管理するウェブサイトであり「被請求人」が本件商標を指定商品について使用している事実とは全く無関係であるものと言わざるを得ない。
よって、乙第3号証及び乙第4号証は、被請求人が本件商標を指定商品について使用している事実を証明したものとは言えない。
(5)乙第5号証について
被請求人は、この乙第5号証を提出し、被請求人の販売に係る雑誌は1998年12月から2000年10月まで発行されている旨を述べている。
しかしながら、乙第5号証をつぶさに検討しても、被請求人が本件商標を指定商品について使用する事実を何ら証明するものではない。
すなわち、乙第5号証によれば、被請求人が1998年12月ないし1999年7月に発行した雑誌には、その上部に大きく「からだ系」と左横書きし、その下部に小さく「Coidas」と一体的に表記しているものである(以下、単に「使用標章2」とする。)とするならば、当該雑誌に接する需要者は、使用標章2の構成より「からだ系Coidas」と認識・把握しうるものであると言わなければならない。事実、この「バックナンバーのご案内」の頁の下部には『「からだ系コイダス」バックナンバーのお申し込みは …』と表記されており、これは被請求人自身が当該雑誌の商標部分を「からだ系コイダス」として一体的に認識した上で、当該雑誌を販売していることを指し示すものにほかならない。
そうとすれば、被請求人自身がこのような認識を持っているのであるから、如何に被請求人自身が指定商品について本件商標を使用している、との主張をしたとしても、きわめて説得力に欠けるものと言わざるを得ず、その主張は全く理由がない。
(6)乙第6号証について
乙第6号証は、きわめて不鮮明であり、撮影場所、撮影日時、撮影者等の表示はおろか使用標章の存在や被請求人の発行に係る雑誌であるか否かも認識し得ないものである。
仮に、被請求人の発行に係る雑誌であることが事実であったとしても、実際の使用標章を認識し得ないのであるから、指定商品について本件商標を使用している事実を示す証左となり得ない。
(7)乙第7号証について
被請求人は、乙第7号証を提出した上で、近年にも当該雑誌のバックナンバーが販売されている事実が存在する旨を主張している。
仮に、当該雑誌のバックナンバーのいずれかに被請求人が本件商標を使用している事実があれば格別、上述したようにバックナンバーのいずれにも被請求人が本件商標を使用した事実は認められないから、このような証拠方法をもって被請求人が本件商標を使用しているということはできない。
(8)乙第8号証ないし乙第10号証の3について
被請求人はこれらの乙各号証を提出した上で、被請求人の販売に係る雑誌から派生した書籍が存在し、それらの書籍は各書店において注文可能である旨を述べている。
しかしながら、これらの事実はいずれも、被請求人が本件商標を指定商品について使用した事実とは、何ら関係がないものである。
すなわち、乙第8号証の書籍名は『知ってホッとする「からだ系」の疑問』、乙第9号証の書籍名は『これでいいのかしら?「妊娠系」の疑問』であるから、本件商標が使用されていないことは明らかである。
被請求人がこれらの乙各号証を提出した上で何を主張・立証しようとしたのかは定かではないが、これらの証拠方法をもって、被請求人が本件商標を指定商品について使用していないことは明らかである。
(9)むすび
以上より、被請求人が主張する答弁の理由及び提出された各乙号証のいずれからも、被請求人が本件商標を本審判請求予告登録日前3年以内に使用している事実を確認することはできない。

第3.被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第10号証(枝番を含む)を提出した。
(1)本件商標の使用の事実
被請求人は、本件商標「コイダス/coidas」を定期刊行物に使用している。使用態様としては「からだ系コイダス」または「からだ系Coidas/コイダス」の態様を取っている。出願時の商標見本のとおりの上下2段での使用ではないが、ローマ字において、先頭の文字を大文字に変更している他は、カタカナ文字には何も変更はなく、その配置において多少の変更が見られるだけである。この商標の使用態様は、商標法第50条においては、登録商標の使用と認められるものである。商標法第50条に規定する「社会通念上同一と認められる商標」であることは明らかである。
請求人は、「鋭意調査」しても「使用事実を発見することが出来なかった。」と言うが、商標の使用調査において普通に使用する方法である、インターネットにおける検索を行えば、容易に被請求人の商標の使用事実を確認できるものである。
検索キーとして「コイダス」を入力した検索エンジンgoogleを使用した検索の結果の第1頁の写しを提出する(乙第1号証)。
この検索結果を見ても、被請求人が開設している「コイダス/coidas」のサイトを見ることができ(乙第2号証)、そのサイト中に「雑誌『コイダス』講読申し込み」の頁を容易に見つけることができる(乙第2号証の2)。
さらに、雑誌「コイダス/coidas」を注文することができるwebサイトとしては 、「翔雲社WebSite」(乙第3号証)、「INTER CITY-SHOP」(乙第4号証)が存在する。
(2)雑誌「コイダス/coidas」
定期刊行物「Coidas/コイダス」は1998年12月に創刊され、第1号から第6号(1999.11)までは隔月刊の雑誌として発行され、その後2000年vol.1(2000.4)から2000年vol.4(2000.10)までは、何年度の何巻という号数表示を用いて、発行されている(乙第5号証。雑誌「コイダス/coidas」表紙、奥付、バックナンバー紹介頁、参照。)。
被請求人は、定期刊行物「コイダス/coidas」を創刊すると同時にホームページ「からだ系Coidas/コイダス」を立ちあげ、雑誌に関する情報を提供している。そのサイトの中には、雑誌「コイダス」講読申し込みの頁を設けてあり、その頁から、直接バックナンバーを購読できるようにしている。
なお、「コイダス/coidas」雑誌紹介・講読申し込みの頁では、お詫びを掲載して、『「からだ系コイダス」は、2000年Vol.4で休刊しております』と記載しているが、雑誌「コイダス/coidas」は、いわゆる雑誌コードの商品ではなく、ムックコードの商品であるので、適当なテーマがあるときにはいつでも、雑誌を発行できる体制にある。
また、現在、休刊中とは言え、バックナンバーは常備しており、顧客からの注文には何時でも応じている(乙第6号証バックナンバーの在庫状況を示す写真)。
なお、バックナンバーの販売については、インターネットを通した購読の申し込みの記録の一部を資料として提出する(乙第7号証)。なお、個人情報が含まれているので、その部分につきましては、墨塗りしたものを証拠として提出するが、原本は必要があれば、提示する用意がある。
この申し込み記録は、被請求人の「コイダス」のホームページの購読申し込み頁からの申し込みだけであるが、ここでの範囲内だけでも、2005年2月から10月までに、通巻1号、2000年Vol.1、Vol.2 Vol.3 Vol.4が各1冊販売されている。さらに2004年2月から11月までに、通巻1号から第6号が各1冊、2000年Vol.1、Vol.2 Vol.3が各3冊、2000年Vol.4が2冊販売されている。
特に、複数の号を一度に購入する例が、2004年の購読例で3件見られる。大部数の販売ということができないことは、被請求人も認めるものであるが、審判請求前の3年間において、販売の実績が確実に存在することは十分に理解されるものと考える。
(3)雑誌「コイダス/coidas」から展開した書籍
さらに、「からだ系コイダス」は、根強い人気を持っているものであり、「からだ系コイダス」に掲載された読者の質問から構成した書籍を発行している(乙第8号証)。
その書籍の題名は『知ってホッとする「からだ系」の疑問』であり、「からだ系コイダス編集部」が編集し、産婦人科医の中村はねる女史が監修したものである。なお、本書は、講談社十α文庫から刊行されており、2003年3月現在で第7版を重ねている。
本書は、雑誌「コイダス/coidas」に寄せられた、読者からの質問に対し、専門家の回答を雑誌に掲載したものであり、その掲載記事を編集して書籍としたものである。なお、その事実は、本書の「もくじ」に続く第26頁に明示されている(乙第8号証)。
さらに、「からだ系コイダス編集部」が編集し、中村はねる女史が監修した書籍として『これでいいのかしら「妊娠系」の疑問』が上記の姉妹編として講談社十α文庫から2004年4月に刊行されている(乙第9号証)。
なお、これらの書籍が現在も市場にあることは、インターネットを使用した書籍販売を行う、紀伊国屋書店、ジュンク堂書店、アマゾンの各ホームページにおいて、現在注文可能として表示されていることによっても明らかである(乙第10号証)。
以上のとおり、被請求人のホームページでは、雑誌「コイダス/coidas」は休刊中である旨を掲載しているが、現実に商品が存在しており、宣伝広告が行われており、バックナンバーの販売が現在も継続されている。また、雑誌「コイダス/coidas」の編集部は現実に活動しており、雑誌の復刊、新規書籍の発行、旧書籍(文庫)の単行本化等を準備している。
なお、上記の被請求人のホームページでは、「おしゃべりクラブ」を開催しており、その書き込みに対しては、『おしゃべりクラブに書き込まれた内容は、雑誌版「からだ系 Coidas」に掲載される場合があります。』と注意書きを継続して掲載している(乙第2号証の3)。
上記のとおり、「コイダス/coidas」といえば、株式会社K.K.ファンタジーの特定の商品、雑誌であることが一般にも理解されており、商標「コイダス/coidas」は印刷物について商標権者により使用されているので、業務上の信用の蓄積が現在も継続しているから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものでないことは明らかである。

第4.当審の判断
1.本件審判事件の経緯
(1-1)前審決の要旨
本件審判事件についてした平成19年4月6日付けの審決は、その結論を「登録第4289684号商標の商標登録は取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」とし、その理由の要旨を「本件商標は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品について使用していたものと認めることはできず、かつ、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。」とするものであった。
(1-2)前審決に対する判決の要旨
本件につき、知的財産高等裁判所が、平成19年10月30日に言い渡した判決(平成19年(行ケ)第10178号、以下「本件判決」という。)で認定された事実は、その主文を「特許庁が取消2006-30781号事件について平成19年4月6日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」とし、その理由は以下のとおりである。
(1)原告による本件商標の使用の有無について
証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。
ア 原告は、平成10年〔1998年〕12月1日付けで本件雑誌の第1号(甲20)を創刊し、その後、平成11年〔1999年〕3月1日付けで第2号(甲21、平成11年〔1999年〕5月1日付けで第3号(甲22、平成11年〔1999年〕7月1日付けで第4号(甲23)、平成11年〔1999年〕9月1日付けで第5号(甲24)、平成11年〔1999年〕11月1日付けで第6号(甲25)を発行し、また、平成12〔2000年〕4月2日付けで「2000年vol.1」(第7号。甲26)、平成12年〔2000年〕6月15日付けで「2000年vol.2」(第8号。甲27)、平成12年〔2000年〕8月15日付けで「2000年vol.3」(第9号。甲28)、平成12年〔2000年〕10月28日付けで「2000年vol.4」(第10号。甲29)を発行したが、以後は休刊している(甲20?29、弁論の全趣旨)。
イ 本件雑誌の第7号ないし第10号には、以下の構成からなる原告使用標章1が付されている。すなわち、概ね別紙標章目録1のとおり、その表紙の最上段に白抜き(第7号、甲26)、青色(第8号、甲27)、赤色(第9号、甲28)又は黒色(第10号、甲29)の太ゴシック体のローマ字で「Coidas」と大書し、その「o」の文字の上にこれと同色(ただし、第10号は赤色)のゴシック体の小さな平仮名文字で「からだ」、同じく「d」の文字の上に同色の小さな漢字で「系」を配し、さらに「C」の文字の中に同じ色のゴシック体でかつ更に小さな(「C」の約15分の1)片仮名で「コイダス」を配したものである。上記「Coidas」の文字は「からだ」、「系」の文字より高さで約4.5倍の大きさであり、「コイダス」の文字より高さで約15倍の大きさである。また、「a」の文字の上には、星形の図形が、「s」の右側には「s」を囲むようにして三日月形の図形が配置されている。(甲26?29)
ウ 本件雑誌のうち、第1号ないし第5号には、以下の構成からなる原告使用標章2が付されている。すなわち、概ね別紙標章目録2のとおり、その表紙の最上段付近に黒色で「からだ系」と大書され、その直下に、その約2分の1の大きさで、ゴシック体のローマ字により「Coidas」と黒色表示され、かつ、その「o」の文字の上に、上記ローマ字の約10分の1の大きさ(高さ比)でかつ「C」と「i」に挟まれる形で、ゴシック体の片仮名文字により「コイダス」と黒色表示されている。上記「Coidas」との表示及び「コイダス」との表示は、第1号ないし第3号(甲20ないし甲22)では左詰めに、第4号及び第5号(甲23、24)では右詰めに配置されている。また「からだ系」の文字のうち「系」の文字は、その左下部が着色された三日月形の図形により表されている(甲20?24)。
エ 本件雑誌の第6号(甲25)には、以下の構成からなる原告使用標章3が付されている。すなわち、概ね別紙標章目録3のとおり、その表紙の最上段左部に「からだ系」の文字が黒色で表示され、その直下に、これと同じ幅ないし高さで、ゴシック体のローマ字により「Coidas」と黒色表示され、かつ、その「o」の文字の上に、上記ローマ字の約10分の1の大きさ(高さ比)で、ゴシック体の片仮名文字により「コイダス」と黒色に表示されている。上記「からだ系」の文字のうち「系」の文字は、その左下部が着色された三日月形の図形により表されている(甲25)。
オ 本件雑誌の各背表紙には、以下の構成からなる原告使用標章4、5が付されている。
すなわち、本件雑誌の第1号ないし第6号(甲20ないし甲25)の背表紙には「からだ系」と「Coidas」の文字が、ほぼ同じ幅で、原告使用標章2と同様の書体により、隣合せにして配されている。ただし、両文字は、ほぼ1文字分の間が空いているほか、異なる地の色で区分されており、また、第2号を除き文字色も異なっている(原告使用標章4参照)。(甲20?25)
また、本件雑誌の第7号ないし第10号(甲26ないし甲29)の各背表紙には「Coidas」の表示と、これに1文字程度の間を置いてゴシック体で「からだ系コイダス」との表示が配されている(原告使用標章5参照)。(甲26?29)
カ なお、本件雑誌の第7号ないし第9号(甲26ないし甲28)の裏表紙には、「からだ系コイダスのしくみ」(文字の色は黒、青又は白抜き)と題して、その全面を用いて雑誌の内容の説明が記載されるとともに、左下部に小さな文字で「コイダスとは…ギリシャ語でコ・イッ・トウ→快感のことです。女の人のからだとココロの気持ちよさを探していくのが、コイダス Coidas の目標です」と記載されており、また、同裏表紙の中に原告使用標章1と同様の文字及び図形を縮小した表示が1つあるほか「コイダス」の文字は、「コイダスでつながった『系』が質の高い、温かい情報を送り合います!」などとして、「からだ系」の文字とは組み合わされず、単独で使用されている。(甲26?28)。
また、本件雑誌の第6号(甲25)の裏表紙には、ゴシック体で「Coidas」と「通販」の文字を2段組にした表示や、縦書きのゴシック体で「coidas●」とする表示が付されている。(甲25)
キ 原告は、本件雑誌のバックナンバーを、原告のウェブサイトや原告が販売を委託している株式会社翔雲社のホームページを通じて販売しており、平成15年9月から10月までに第3号と第6号が各1冊、平成16年2月から11月までに第1号から第6号が各1冊、第7号から第9号が各3冊、第10号が2冊販売され、さらに平成17年2月から10月までに第1号、第7号から第10号が各1冊販売された。(甲2の1?4、3、4、7の1・2、32、33、36、37、弁論の全趣旨)
ク 原告は「カラダ系」につき、別途、登録第4263535号として商標登録を有している(出願日 平成9年12月1日、登録日 平成11年4月16日)。(甲41)
(2)以上によれば原告の発行する本件雑誌には、「Coidas」、「コイダス」、「からだ系」との表示等が組み合わされた原告使用標章1ないし5が付されていることが認められる。
そこで、本件商標と原告使用標章とが社会通念上同一といえるかについて検討する。
ア 本件商標は、前記第3の1(1)アに述べたとおり、片仮名のコイダスとローマ字の「coidas」を2段に配した構成よりなる商標である。
イ これに対し原告使用標章1は、前記(1)イのとおり「Coidas」、「コイダス」、「からだ系」との文字及び三日月や星の図形表示が大小取り混ぜて組み合わされたものである。
これを対比してみると、(i)本件商標が2段の構成をしているのに対し、原告使用標章1はローマ字の「C」の中に片仮名部分を縮小して配している点、(ii)本件商標はローマ字部分がすべて小文字で構成されているのに対し、原告使用標章1は「c」のみが大文字で構成されている点、(iii)本件商標が「コイダス」と「coidas」の文字から構成されているのに対し、原告使用標章1はこれに「からだ系」の文字及び三日月や星の図形表示が組み合わされている点で、外観上の差異が認められる。
この点、上記(i)及び(ii)の差異は、「コイダス」が「coidas」の日本語表記にすぎないこと、また、観念及び称呼において新たなものを付加するものではないことからすれば、本件商標と原告使用標章1とが社会通念上同一と解する上で妨げとなるものではない。
また、上記(iii)の差異のうち、三日月や星の図形表示については、かわいらしさ、女性らしさを想起させる図形として、しばしば用いられるデザインであるところ、前記(1)カのとおり、本件雑誌は「女の人のからだとココロの気持ちよさを探していく」ことを目標とする女性向けの雑誌であり、当該図形部分はその内容を想起させるものと位置付けることでき、しかも、当該図形部分は中抜きの線のみで表示され、視覚的な効果として大きなものとはいい難く、独自の称呼を生ずるものでもないことを併せ考慮すれば、当該図形部分だけが看者に特別な印象を与えるものとはいえない。
さらに、上記(iii)の差異のうち、「コイダス/coidas」との文字に「からだ系」の文字が組み合わされている点についてみると、前記(1)イのとおり、上記「Coidas」の文字は、「からだ系」の文字より高さで約4.5倍の大きさであり、しかも、太字のゴシック体であること、これに対し、「からだ系」の文字は細字のゴシック体であり、かつ、「i」の文字により「からだ」と「系」に分断されていることが認められ、外観上、これが直ちに一連一体のものであるとはいい難い。しかも、「?系」との語は系統立った分類を示すものであるから、「からだ系」との文字は表紙上のその余の表示と相まって本件雑誌の内容(女性の健康問題等)を分類する語として独自の観念を生じるものであり、原告が前記(1)クのとおり「カラダ系」の言葉につき商標登録を得ているのも、この点を考慮したものと推認できる。他方、前記(1)カのとおり、「コイダス」とはギリシャ語の「コ・イッ・トウ」、すなわち快感を意味するものとされているが、このような意味が我が国で普遍的であるとは認め難いことからすれば、「コイダス/coidas」との文字自体からは独自の観念が生じるとは解し難い。そうすると、本件雑誌の表紙において、「コイダス/coidas」との文字と「からだ系」との文字が組み合わされていたとしても、「からだ系」の文字につき、本件雑誌の内容を示すものという意義を見出すことはできても、これと「コイダス/coidas」とが一連一体のものと解すべき必然性は乏しいといわなければならない。そして、以上のような観点からみれば、称呼の点においても、「カラダケイコイダス」との称呼のほか、「コイダス」との称呼も併存し得るというべきである。したがって、上記(iii)の差異についても、原告使用標章1と本件商標とが社会通念上同一であると解する上で妨げとなるものではない。
以上の事情を総合すれば、原告使用標章1は、本件商標と社会通念上同一と認めるのが相当である。
ウ 次に、原告使用標章2について検討する。原告使用標章2は、前記(1)ウのとおり、本件雑誌の最上段付近に、黒色で「からだ系」と大書され、その直下に、その約2分の1の大きさで、ゴシック体のローマ字により「Coidas」と黒色表示され、かつ、その「o」の文字の上に、上記ローマ字の約10分の1の大きさ(高さ比)で、ゴシック体の片仮名文字により「コイダス」と黒色表示され、また、「からだ系」の文字のうち「系」の文字は、その左下部が着色された三日月形の図形により表されたものである。
これを本件商標と対比してみると、(i)本件商標が2段の構成をしているのに対し、原告使用標章2は片仮名部分(コイダス)がローマ字の「o」の上に「C」と「i」に挟まれる形で縮小して配されている点、(ii)本件商標はローマ字部分がすべて小文字で構成されているのに対し、原告使用標章2は「c」のみが大文字で構成されている点、(iii)本件商標が「コイダス」と「coidas」の文字から構成されているのに対し、原告使用標章2はこれに「からだ系」の文字及び三日月の図形表示が組み合わされている点で、外観上の差異が認められる。
この点、上記(i)及び(ii)の差異が、本件商標と原告使用標章2を社会通念上同一と解する上で妨げとなるものではないことは、前記イにおいて述べたところから明らかである。
また、上記(iii)の差異のうち、三日月の図形表示が組み合わされている点についても、前記イにおいて述べたところがそのまま当てはまるというべきである。
さらに、上記(iii)の差異のうち、「からだ系」の文字が組み合わされている点についてみると、原告使用標章2においては、「Coidas」の文字は「からだ系」の文字の約2分の1、面積比でいえば約4分の1であり、そのフォントも異なっていることからすれば、外観上、両者を一連一体のものとみることができないことは明らかである。このことに、原告使用標章2の観念及び称呼を考慮すれば、上記(iii)の差異についても、原告使用標章2が本件商標と社会通念上同一であると解する上で妨げとなるものではない。
以上を総合すれば、原告使用標章2は、本件商標と社会通念上同一と認めるのが相当である。
エ 次に、原告使用標章3について検討する。原告使用標章3は、前記(1)エのとおり、本件雑誌の表紙の最上段左部に「からだ系」の文字が黒色で表示され、その直下に、これと同じ幅ないし高さで、ゴシック体のローマ字により「Coidas」と黒色表示され、かつ、その「o」の文字の上に、上記ローマ字の約10分の1の大きさ(高さ比)で、ゴシック体の片仮名文字により「コイダス」と黒色に表示され、また、上記「からだ系」の文字のうち「系」の文字は、その左下部が着色された三日月形の図形により表されているものである。
これを本件商標と対比してみると、原告使用標章2について述べた前記ウの(i)ないし(iii)の差異と基本的に同様であり、ただ原告使用標章3においては「からだ系」の文字と「Coidas」の文字が同じ大きさである点において異なるのみである。
そして、原告使用標章3において、「からだ系」と「Coidas」の文字との間において外観上、大小の優劣は直ちにつけ難いものの、その使用されるフォントは異なっていることや、前記イに述べた「からだ系」及び「Coidas」の語の観念に加え、上記両文字が一連ではなく2段で表記されていることを併せ考慮すれば、これらを一連一体のものと解すべき必然性は認め難く、その称呼においても、「カラダケイコイダス」のほかに「コイダス」との称呼も併存すると解することができるというべきである。
そうすると、原告使用標章3は、本件商標と社会通念上同一と認めるのが相当である。
オ 次に、原告使用標章4について検討する。原告使用標章4は、前記(1)オのとおり、「からだ系」と「Coidas」の文字が、ほぼ同じ幅で、原告使用標章2と同様の書体により、隣り合わせにして配されているものであるが、両文字は、ほぼ1文字分の間が空いているほか、異なる地の色で区分されており、また、本件雑誌第2号を除き文字色も異なっているのであって、両者が一連一体のものといえないことは明らかである。そして、「Coidas」との標章と本件商標が社会通念上同一であることは、既に述べたところから明らかというべきである。
また、原告使用標章5は、前記(1)オのとおり、原告使用標章1を縮小した表示と、これに1文字程度の間を置いてゴシック体で「からだ系コイダス」との表示が配されているものであるところ、原告使用標章1が本件商標と社会通念上同一であることは、前記イに述べたとおりである。そして、これと「からだ系コイダス」とのゴシック部分とを一連一体とみるべき事情は存しないから、原告使用標章5についても本件商標と社会通念上同一というべきである。
(3)以上のとおり、本件雑誌に付された原告使用標章1ないし5は、いずれも本件商標と社会通念上同一であると認められる。
そして、前記(1)キによれば、本件雑誌は、その第1号から第10号のいずれについても、本件審判請求の予告登録の日である平成18年7月14日より前3年以内に販売されたことが認められる。
したがって、原告は、本件審判請求の予告登録の日である平成18年7月14日より前3年以内に、本件商標と社会通念上同一と認められる標章を、本件商標の指定商品である「印刷物」に付して使用していたものと認めることができる。
2.上記判決は、確定したことを確認し得た。そして、本件審判において、被請求人は、本件商標をその指定商品について使用している旨主張しているので、その点について、訴訟において提出された証拠を確認した上で以下検討する。
(1)乙第2号証(被請求人が管理・運営するウェブサイト)、乙第2号証の2(被請求人が管理・運営するウェブサイト上の雑誌紹介等の申し込みに関する頁)、乙第2号証の3(被請求人が管理・運営するウェブサイト上の「おしゃべりクラブ」なる頁)、乙第3号証(ウェブサイト「翔雲社WebSite」)及び乙第4号証(ウェブサイト「INTER CITY-SHOP」のホームページ)及び同第7号証は、在庫の注文記録(写し)と認められ、本件雑誌のバックナンバーと認められ、ウェブサイトの検索の日付が「2006年8月16日」又は「2006年8月22日」となっているとしても、本件雑誌のバックナンバーを、被請求人のウェブサイトや被請求人が販売を委託している株式会社翔雲社のホームページを通じて販売しており、平成15年6月から11月までに第1号から第6号が各1冊、第7号から第9号が各3冊、第10号が2冊、平成16年2月から10月までに第1号、第7号から第10号が各1冊販売された事実を窺うことができる。
(2)乙第5号証の雑誌(写し)は、「2000年Vol.4」と表示されていて、この雑誌に表されている標章は、本件商標が二段併記により上段に片仮名文字で「コイダス」、下段に欧文字で「coidas」と左横書きに書してなるものであるのに対し、該標章は、黒字又は白抜きの籠字の欧文字で「Coidas」と書し、その構成中の欧文字「C」の中に片仮名文字で「コイダス」と表記し、同じく構成中の欧文字「o」の上部に平仮名文字で「からだ」及び同じく「d」の上部に漢字で「系」と各々表記し、更に「a」の上部に星型の図形及び「a」の下部から「s」の上部までを覆うような三日月の図形を各々配した構成からなるもの(以下「使用標章1」という。)、及び、その表紙の最上段付近に黒色で「からだ系」と大書きされ、その直下に、その2分の1の大きさで、ゴシック体のローマ字により「Coidas」と黒色表示され、、かつ、その「o」の文字の上に、上記ローマ字の10分の1の大きさでかつ「C」と「i」に挟まれる形で、ゴシック体の片仮名文字により、「コイダス」と黒色表示されている。また、「からだ系」の文字のうち「系」の文字は、その左下部が着色された三日月形の図形により表されている(以下「使用標章2」という。)。
以上によれば、被請求人の発行する本件雑誌には、「Coidas」「コイダス」「からだ系」との表示等が組み合わされた使用標章が付されていることが認められる。
(3)そこで、本件商標と使用標章が社会通念上同一といえるかについて検討する。
前記したとおり、本件商標は片仮名の「コイダス」とローマ字の「coidas」を2段に配した構成よりなる商標である。
これに対し使用標章1は、「Coidas」、「コイダス」、「からだ系」との文字及び三日月や星の図形表示が大小取り混ぜて組み合わされたものである。
これを対比してみると、(i)本件商標が2段の構成をしているのに対し、使用標章1はローマ字の「C」の中に片仮名部分を縮小して配している点、(ii)本件商標はローマ字部分がすべて小文字で構成されているのに対し、原告使用標章1は「c」のみが大文字で構成されている点、(iii)本件商標が「コイダス」と「coidas」の文字から構成されているのに対し、使用標章1はこれに「からだ系」の文字及び三日月や星の図形表示が組み合わされている点で、外観上の差異が認められる。
しかし、上記の差異は、「コイダス」が「coidas」の日本語表記にすぎないこと、また、観念及び称呼において新たなものを付加するものではないことからすれば、本件商標と使用標章1とが社会通念上同一と解する上で妨げとなるものではないし、三日月や星の図形表示については、かわいらしさ、女性らしさを想起させる図形として、しばしば用いられるデザインであるところ、本件雑誌は「女の人のからだとココロの気持ちよさを探していく」ことを目標とする女性向けの雑誌であり、当該図形部分はその内容を想起させるものと位置付けることでき、しかも、当該図形部分は中抜きの線のみで表示され、視覚的な効果として大きなものとはいい難く、独自の称呼を生ずるものでもないことを併せ考慮すれば、当該図形部分だけが看者に特別な印象を与えるものとはいえない。さらに、「コイダス/coidas」との文字に「からだ系」の文字が組み合わされている点についてみると、上記「Coidas」の文字は、「からだ系」の文字より高さで約4.5倍の大きさであり、しかも、太字のゴシック体であること、これに対し、「からだ系」の文字は細字のゴシック体であり、かつ、「i」の文字により「からだ」と「系」に分断されていることが認められ、外観上、これが直ちに一連一体のものであるとはいい難い。
そうすると、本件雑誌の表紙において、「コイダス/coidas」との文字と「からだ系」との文字が組み合わされていたとしても、「からだ系」の文字につき、本件雑誌の内容を示すものという意義を見出すことはできても、これと「コイダス/coidas」とが一連一体のものと解すべき必然性は乏しいといわなければならない。そして、以上のような観点からみれば、称呼の点においても、「カラダケイコイダス」との称呼のほか、「コイダス」との称呼も併存し得るというべきである。
したがって、上記の差異についても、使用標章1と本件商標とが社会通念上同一であると解する上で妨げとなるものではない。
また、使用標章2は、前記のとおり、本件雑誌の最上段付近に、黒色で「からだ系」と大書され、その直下に、その約2分の1の大きさで、ゴシック体のローマ字により「Coidas」と黒色表示され、かつ、その「o」の文字の上に、上記ローマ字の約10分の1の大きさ(高さ比)で、ゴシック体の片仮名文字により「コイダス」と黒色表示され、また、「からだ系」の文字のうち「系」の文字は、その左下部が着色された三日月形の図形により表されたものである。
これを本件商標と対比してみると、(i)本件商標が2段の構成をしているのに対し、使用標章2は片仮名部分(コイダス)がローマ字の「o」の上に「C」と「i」に挟まれる形で縮小して配されている点、(ii)本件商標はローマ字部分がすべて小文字で構成されているのに対し、使用標章2は「c」のみが大文字で構成されている点、(iii)本件商標が「コイダス」と「coidas」の文字から構成されているのに対し、使用標章2はこれに「からだ系」の文字及び三日月の図形表示が組み合わされている点で、外観上の差異が認められる。
この点、上記の差異が、本件商標と使用標章2を社会通念上同一と解する上で妨げとなるものではないことは、前記において述べたところから明らかである。
さらに、上記の差異のうち、「からだ系」の文字が組み合わされている点についてみると、使用標章においては、「Coidas」の文字は「からだ系」の文字の約2分の1、面積比でいえば約4分の1であり、そのフォントも異なっていることからすれば、外観上、両者を一連一体のものとみることができないことは明らかである。このことに、使用標章2の観念及び称呼を考慮すれば、上記の差異についても、使用標章2が本件商標と社会通念上同一であると解する上で妨げとなるものではない。
以上を総合すれば、使用標章2は、本件商標と社会通念上同一と認めるのが相当である。
3.むすび
上記認定事実によれば、被請求人は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品について、本件商標を使用していたことを証明し得たものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-03-19 
結審通知日 2007-03-26 
審決日 2007-04-06 
出願番号 商願平9-180945 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小俣 克巳 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 小林 和男
石田 清
登録日 1999-07-02 
登録番号 商標登録第4289684号(T4289684) 
商標の称呼 コイダス 
代理人 橘 哲男 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ