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審決分類 審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 登録しない Y41
管理番号 1175898 
審判番号 不服2006-24560 
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-10-30 
確定日 2008-03-21 
事件の表示 商願2005- 92656拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「HOUND DOG」の欧文字と「ハウンドドッグ」の片仮名文字を二段に書してなり、第41類「音楽の演奏」を指定役務として、平成17年10月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、大友康平氏がリーダーを務めるロックバンドグループとして著名な「ハウンドドッグ/HOUND DOG」の文字よりなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められないものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人への審尋
平成19年10月18日付け審尋書をもって通知した審尋の理由の要旨は、次のとおりである。
請求人は、平成18年12月26日付けの手続補正書の請求の理由において、「原審において、平成18年4月18日付けで本願商標の商標登録を受けることについて、大友氏が承諾する旨の「承諾書」を提出しているので、商標法第4条第1項第8号には該当しない。なお、刊行物等提出書における宣誓書の5名(八島順一、橋本章司、西山毅、鮫島秀樹、箕輪単志)は、すでに「ハウンドドッグ」から離脱しており、「ハウンドドッグ」のメンバーではないから、上記5名は、そもそも本願商標について商標登録を受けることについて、承諾を得る必要のある「他人」には該当しない。」旨述べている。
しかし、「HOUND DOG」、「ハウンドドッグ」は、本願商標の出願以前から現在に至るまで、前記大友氏を含めた6名で構成されているロックバンドグループ名として、需要者間に広く知られているから、これを一私人が商標として登録を受け独占的に使用することは、公正な取引社会を乱すおそれがあるので、該グループの構成員の承諾書等を提出して下さい。(同年6月8日付の刊行物等提出書によれば、上記5名は、本願商標の商標登録を受けることについて一切承諾していない旨述べている。)

4 請求人の回答(要旨)
上記3の審尋書に対し、請求人は、回答の要旨を以下のように述べている。
「HOUND DOG」、「ハウンドドッグ」は、大友康平氏及びその他の5名で構成されたロックバンドグループであったという事実があり、需要者間にもそのように広く知られていた。
しかしながら、現在では、これら6名のうち大友氏のみが「HOUND DOG」、「ハウンドドッグ」として精力的に活動しており、その他の5名については「HOUND DOG」、「ハウンドドッグ」としての活動は全く行ってないこともまた需要者間に広く知られているところである。
そして、出願人は、「HOUND DOG」のメンバーである大友氏及び「HOUND DOG」が所属する事務所である。
そうすると、出願人が、本願商標の登録を受け独占的に使用したとしても、それは当然の権利であって、公正な取引社会を乱すおそれはない。
以上のとおり、上記5名については、承諾を得るべき他人には該当しない。

5 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「HOUND DOG」の文字と「ハウンドドッグ」の文字よりなるところ、「ハウンドドッグ/HOUND DOG」は、1976年に結成され、1980年にシングルデビューをし、代表曲に「ff(フォルティシモ)」(1985年)、「ONLY LOVE」(1988年)、「BRIDGE?あの橋をわたるとき?」(1992年)等があり、「大友康平、八島順一、橋本章司、西山毅、鮫島秀樹、箕輪単志」を構成員とする日本のロックバンド、特にライブ活動に主眼をおいたグループ名として、広く知られて著名となっているものと認めることができる。
上記した実情は、以下のような新聞記事情報からも裏付けられる。
(1)2006年2月3日付け日刊スポーツ 東京日刊には『ハウンドドッグ、50回目「武道館」』の見出しの下、「50歳になった大友康平が率いる人気バンド、ハウンドドッグが50回目の日本武道館公演を行うことが2日、分かった。」との記載がある。
(2)2005年7月10日付け日刊スポーツ 東京日刊には「ハウンドドッグが武道館で25周年記念コンサ-ト、解散しません」の見出しの下、『人気ロックバンドのハウンドドッグが9日、東京・日本武道館でデビュー25周年記念コンサート「帰還(ホーム)」を行い、ボーカルの大友康平(49)が一部で報じられた解散を否定した。』との記載がある。
(3)2005年6月11日付け読売新聞 東京夕刊10頁には「[ラジオBANG!]結成25周年 ロックグループ、ハウンドドッグの特別番組」の見出しの下、『今年結成25周年を迎えたロックグループ、ハウンドドッグ=写真=の軌跡を追う特別番組「IT’S ONLY HOUND DOG」が、13日午後7時から文化放送で放送される。』との記載がある。
(4)2004年8月22日付け共同通信には『「JポップWAVE!」 心に火をともす愛の歌 ハウンドドッグの大友康平』の見出しの下、『迫力のライブで二十年以上にわたり根強い人気を誇るロックバンド「Hound dog(ハウンドドッグ)」。』との記載がある。
(5)2004年4月15日付け日刊スポーツ 東京日刊には「シンガー・ソングライターの小田和正がハウンドドッグのPV監督」の見出しの下、「人気ロックバンド、ハウンドドッグのプロモーションビデオ(PV)で、シンガー・ソングライター小田和正(56)が監督を務めていたことが14日、分かった。」との記載がある。
(6)2004年2月25日付け読売新聞 大阪夕刊9頁には『優しさも詰め込んでハウンドドッグの新作 11Rooms For Sky」』の見出しの下、『ロックバンドのハウンドドッグが約一年半ぶりの新作「11Rooms For Sky」(R&C ジャパン)を出した。』との記載がある。
(7)2003年12月17日付け読売新聞 大阪朝刊30頁には『[商い中]フクタレコード 格闘技のソフト豊富 音楽業界にも顔広く=徳島』の見出しの下、『・・・・人気ロックグループ「ハウンドドッグ」のボーカル・大友康平さんとはデビュー時代からの知り合いで、音楽業界にも顔の広さをうかがわせる。』との記載がある。
(8)2003年8月10日付け読売新聞 東京朝刊2部 5頁には『[喝采]日比谷野外音楽堂 開設80年、ロックの聖地』の見出しの下、「ロック系では17日にベテランの忌野清志郎、30日にはハウンドドッグがそれぞれ公演する。」との記載がある。
以上のことから、「ハウンドドッグ/HOUND DOG」に接する取引者、需要者は、著名なロックバンドグループ名の「ハウンドドッグ/HOUND DOG」を認識、把握するというのが相当であるから、大友康平氏が中心に活動してきたことは認められるとしても、他の構成員全員の承諾が必要であるというのが相当である。
なお、請求人は、平成18年12月26日付けの審判請求書(請求の理由)及び同19年10月18日起案の審尋に対する同年12月3日付けの回答において、現在、「ハウンドドッグ/HOUND DOG」として活動しているのは、大友氏のみであり、その他5名「八島順一、橋本章司、西山毅、鮫島秀樹、箕輪単志」(以下、「その他の5名」という。)については、「ハウンドドッグ/HOUND DOG」として、全く活動していないことは、需要者間において広く知られているから、その他の5名は、商標法第4条第1項第8号に規定される承諾を得る「他人」には該当しない旨主張し、甲第1号証ないし甲第13号証を提出している。
そこで検討するに、甲第1号証は、大友康平氏のプロフィール、甲第2号証は、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」のハウンド・ドッグ(ロックバンド)の記事(該グループの沿革、曲目紹介等)、甲第3号証ないし甲第8号証は、インターネット及び新聞記事における大友氏の単独ライブの記事、甲第9号証及び甲第10号証は、ハウンドドッグのメンバーによる訴訟事件関係、甲第11号証ないし甲第13号証は、ハウンドドッグのライブツアー情報記事等であり、これらの提出資料は、大友氏の経歴と単独活動等を述べているにすぎず、「ハウンドドッグ/HOUND DOG」は、請求人も認めているとおり、大友康平氏及びその他の5名で構成されたロックバンドグループ名であり、需要者間にも広く知られていることは、前記のとおりであるから、上記、請求人の主張は採用できない。
また、「ハウンドドッグ/HOUND DOG」のメンバーから大友氏を除いたその他5名は、平成18年6月8日付で刊行物等提出書を提出し、本願商標に関して商標登録を受けることについて、一切の承諾を行っていない旨主張し、5名連盟による「宣誓書」が提出されている。
そうとすれば、本願商標は、日本においてロックバンドグループ名として著名な「ハウンドドッグ」及び「HOUND DOG」の文字と同一の文字であり、かつ、他人と認められるその構成員の承諾を得ているものと認められないものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-01-08 
結審通知日 2008-01-15 
審決日 2008-02-01 
出願番号 商願2005-92656(T2005-92656) 
審決分類 T 1 8・ 23- Z (Y41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤星 直昭内藤 順子 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 寺光 幸子
手塚 義明
商標の称呼 ハウンドドッグ 
代理人 加藤 和詳 
代理人 西元 勝一 
代理人 福田 浩志 
代理人 中島 淳 

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