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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20081618 審決 商標
不服200510970 審決 商標
不服200620836 審決 商標
不服2008650012 審決 商標
不服200614071 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 取り消して登録 Y1237
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 Y1237
管理番号 1174530 
審判番号 不服2005-65022 
総通号数 100 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-22 
確定日 2008-02-04 
事件の表示 国際登録第815173号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件についてした平成18年9月25日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成19年(行ケ)第10050号、平成19年10月31日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第12類及び第37類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、2002年(平成14年)12月16日にUnited Kingdomにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2003年(平成15年)5月23日を国際登録の日とするものであるが、指定商品及び指定役務については、平成16年10月1日付けの手続補正書により、第12類「Automobiles,bicycles,motorcycles and parts and fittings therefor.」及び第37類「Repair,restoration,maintenance,reconditioning,diagnostic tuning,cleaning,painting and polishing services of land vehicles and parts and fittings therefor.」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『DB』の文字と数字の『9』を組み合わせた『DB9』からなるものであり、このような標章は、商品又は役務の規格、種類を表すものとして一般に用いられているので、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、欧文字2文字と数字1文字を組み合わせてなるものであって、原審説示の如く、商品の型式や規格又は役務の等級等又は役務の品番、規格等を表示する記号又は符号として類型的に使用されるものであり、特殊な態様からなるものともいうことができないから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標にすぎす、商標法第3条第1項第5号に該当するものである。
しかしながら、請求人(出願人)が、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものである旨主張し、当審において証拠方法として、参考資料1及び2並びに甲第1号証ないし同第86号証を提出しているところ、それらの各書証によれば、以下のことが認められる。
請求人は、平成15年に新型高級自動車を発表し、これに「DB9」との名称を付し、その後、日本においても、「DB9」との名称が付された自動車を宣伝、販売していて、本願商標を本願指定商品に含まれる「automobiles」に使用した。請求人は、高級スポーツカーのメーカーとして知られていて、その製造する高級スポーツカーに対し、オーナーであったデビッド・ブラウンの頭文字であるDBに数字を続けた名称を付しており、そのような名称の車は、映画において重要な役割を果たしたり、名車として扱われていて、請求人が製造した歴代のスポーツカーについては、DBシリーズとも呼ばれ、少なくとも、自動車に相当程度の関心がある者の間では、一定の評価を得ていた。上記の「DB9」との名称の自動車も、それらのDBシリーズの最新版として位置付けられている。請求人が高級スポーツカーの製造者として知られていること、DBシリーズについても相当の評価を得ていたことなどから、請求人が製造する「DB9」との名称の自動車は、日本においても、請求人自らの直接的な宣伝をまたずに、ニュースという形で海外の自動車ショーでの発表が紹介されたりした。また、自動車を扱う雑誌やウェブサイトにおいても、高級スポーツカーとして紹介されたり、記事として取り上げられるなど、「DB9」との名称の自動車が注目されていた。
上記の事実を踏まえ、本願商標が、本願商標から商品等の出所と特定の事業者との関連を認識することができる程度に広く知られるに至ったかについて以下、検討する。
請求人が本願商標の使用を開始したのは、比較的近年であり、また、請求人が製造する自動車の日本における販売台数は、日本の自動車販売数全体に比し、非常に小さいものである。そして、本願において、証拠として提出された、「DB9」との名称の車について扱われた記事の数は必ずしも多いものではない。しかし、「automobiles」(自動車)をめぐる取引の実情等をみると、有名な自動車メーカーの数自体がさほど多くないこと、新車等の発表は、極めて頻繁に行われるとまではいえないこと、性能やスタイルへの魅力等から、特に、高級とか有名とされる自動車に注目する取引者、需要者は数多くいることなどから、有名な自動車メーカーが新たに発表する自動車や、名車とされるもののシリーズとして新たに発売される自動車について、その名称も含め積極的に注目する取引者、需要者が、類型的に相当程度いることは明らかである。したがって、この分野においては、広告や記事の数、販売数量が必ずしも多いとはいえない場合であっても、ある商標が取引者、需要者に広く知られることがあると認められる。
本願について、請求人が、高級スポーツカーのメーカーとして知られていて、請求人の製造した自動車もDBシリーズとして自動車に相当程度の関心がある者の間で知られていたことに、「atutomobiles」の分野の上記の取引の実情を考慮すると、同分野の取引者、需要者において、請求人が新たに発表するDB9との名称の車に、発表時や日本での発売時に積極的に注目する者が、類型的に相当程度いると認められるのであり、現に、DB9との自動車がニュースという形や雑誌の記事等で注目されたりしていること、そこにおいて、DB9は、「アストンマーチンDB9」というように社名であるアストンマーチンと一体としてのみ使用されるものではなく、独立して、DB9が車名を表すものとして使用されていること、広告もされていることなどから、本願商標は、「atutomobiles」の分野の取引者、需要者に、本願商標から請求人との関連を認識することができる程度に広く知られていたと認めることが相当である。
また、「automobiles」以外の本願指定商品「bicycles,motorcycles and parts and fittings therefor」や本願指定役務である「Repair,restoration,maintenance,reconditioning,diagnostic tuning,cleaning,painting and polishing services of land vehicles and parts and fittings therefor.」についてみると、「automobiles」と高い関連性を有しており、本願商標が「automobiles」について際だった周知・著名性を有し、自他商品又は自他役務の出所表示として機能していることに鑑みれば、「automobiles」以外の上記商品又は役務についても、自他商品又は自他役務の出所標識として機能しているといえる。
したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務について、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識できるに至ったといわざるを得ない。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものであるとしても、同条第2項を適用して登録すべきものであるから、原査定は、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審決日 2008-01-24 
国際登録番号 0815173 
審決分類 T 1 8・ 15- WY (Y1237)
T 1 8・ 17- WY (Y1237)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 酒井 福造
海老名 友子
商標の称呼 デイビイキュー、デイビイナイン 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 大賀 眞司 
代理人 田中 克郎 

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