• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y070821
管理番号 1172628 
審判番号 不服2006-28852 
総通号数 99 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-12-27 
確定日 2008-02-13 
事件の表示 商願2006- 38217拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「LAB921」の文字を横書きしてなり、第7類、第8類及び第21類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品とし、2005年10月25日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成18年4月25日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年9月19日付け、当審における同年12月27日付け、同19年3月1日及び同20年1月16日付け各手続補正書により、最終的に、第8類及び第21類に属する該手続補正書に記載のとおりの商品に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、登録第599664-2号商標、登録第1429309号商標、登録第1448136号商標、登録第1942723号商標、登録第2145124号商標、登録第4062667号商標、登録第4206270号商標、登録第4342782号商標、登録第4616610号商標(以上9件を以下まとめて、「引用商標1」という。)、登録第1201375号商標、登録第1201376号商標(以上2件を以下まとめて「引用商標2」という。)及び「LOVE」及び又は「ラブ」の文字からなるもの、あるいは構成中に「LOVE」及び又は「ラブ」の文字を有することから「ラブ」の称呼を生ずる登録第540673号商標、登録第544939号商標、登録第546445号商標、登録第550631号商標、登録第702277号商標、登録第835188号商標、登録第871589号商標、登録第1273001号商標、登録第1627086号商標、登録第1627128号商標、登録第2166517号商標標、登録第2199933号商標、登録第2293152号商標、登録第2319673号商標、登録第4088412号商標、登録第4088415号商標、登録第4088417号商標、登録第4117937号商標、登録第4120261号商標、登録第4175878号商標、登録第4294045号商標、登録第4326634号商標、登録第4326635号商標、登録第4517708号商標(以上24件を以下まとめて「引用商標3」という。)及び「Lave(語尾の「e」の上に「`」が付されている)。以下同じ」の文字からなり「レーブ」の称呼を生ずる登録第558619号商標(以下「引用商標4」という。)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)引用商標1及び引用商標2について
本願商標の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品は全て削除されたと認められるものである。
その結果、本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは、互いに類似しない商品になったと認められるものである。
また、商標登録原簿の記載によれば、引用商標2の商標権は、平成18年5月24日に存続期間満了により消滅しているものである。
したがって、引用商標1及び引用商標2について、本願商標が商標法第4条1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)引用商標3及び引用商標4について
本願商標は、前記1のとおり、「LAB」の文字と、「921」の数字とを一連に「LAB921」と横書きしてなるところ、構成中の「LAB」と「921」とは、欧文字と数字という異種文字であり、かつ、これらが結合して特定の意味合いが生ずるものとはいえず、常に一体不可分と見るべき特段の事情の見いだせないことから、本願商標中、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、「LAB」の文字部分にあるものと認められる。
そうすると、本願商標は、「LAB」の文字部分に相応して「エルエイビー」、「ラブ」、「ラボ」の称呼を生じ、「実験室、研究室、実習室」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標3は、前記2のとおり、いずれも「LOVE」及び又は「ラブ」の文字からなるもの、あるいは構成中に「LOVE」及び又は「ラブ」の文字を有するものであるから、「LOVE」又は「ラブ」の文字に相応して、「ラブ」の称呼及び「恋、愛、恋愛」の観念を生ずるものである。
また、引用商標4は、前記2のとおり、筆記体風の「Lave」の文字に相応して、「レーブ」の称呼を生ずるものである。そして、該文字は、一般に知られている語とはいえないから、特定の観念を生じない、一種の造語と認識されるとみるのが相当である。
ところで、商標の外観、観念又は称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、したがって、前記3点のうちその1において類似するものでも、他の2点において著しく相違することその他取引の実情等によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない(最高裁、昭和39年(行ツ)110号、昭和43年2月27日判決参照)。
これを本件についてみると、
(ア)外観について
本願商標は、「LAB921」の文字を書してなるものであるのに対し、引用商標3は、「LOVE」又は「ラブ」の文字構成、引用商標4は、「Lave」の文字よりなるものである。
してみると、本願商標と引用商標3及び引用商標4とは、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
(イ)観念について
本願商標を構成する「LAB」の文字からは、「実験室、研究室、実習室」の観念が生ずるものであるのに対し、引用商標3は、「恋、愛、恋愛」、引用商標4は、一般に知られている語とはいえないことから、特定の観念を有しないものと認められる。
してみると、本願商標と引用商標3及び引用商標4とは、観念上相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
(ウ)称呼について
本願商標は、「エルエイビー、ラブ、ラボ」の称呼を生ずるものである。これに対して、引用商標3は、上記で認定したとおり、「ラブ」、引用商標4は、「レーブ」の称呼を生ずるものである。
してみると、本願商標と引用商標3とは、「ラブ」の称呼を共通にする場合もあるということができる。
(エ)出所の誤認混同について
本願商標から生ずる「ラブ」の称呼と引用商標4から生ずる「レーブ」の称呼とは、構成音の相違、相違する各音の音質の差等から、それぞれを一連に称呼するときは全体の語調語感が明らかに異なり、相紛れるおそれはないものである。
また、本願商標と引用商標3から生ずる「ラブ」の称呼自体は同じといえるとしても、実際の取引の場において両商標に接する取引者、需要者は、上記の外観上及び観念上の明白な相違を念頭において両者を別異のものとして識別し得るものというべきであり、商品の出所について誤認混同をきたすおそれのない非類似の商標というべきである。
してみれば、本願商標と引用商標3及び引用商標4とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(3)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものでなく、取消を免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2008-01-29 
出願番号 商願2006-38217(T2006-38217) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (Y070821)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 正樹茂木 祐輔 
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 安達 輝幸
津金 純子
商標の称呼 ラブキューヒャクニジューイチ、ラブキューニイチ、ラブ、ラボキューヒャクニジューイチ、ラボキューニイチ、ラボ、エルエイビイ 
代理人 山口 朔生 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ