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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 125
管理番号 1171134 
審判番号 取消2006-31576 
総通号数 98 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-02-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-12-21 
確定日 2008-01-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第1632161号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1632161号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1632161号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和54年5月12日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年11月25日に設定登録され、その後、平成17年11月9日に、第25類「運動用特殊靴」とする指定商品の書換の登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、指定商品について使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、請求人が本件審判請求をする法律上の利害関係を有しないので、本件審判請求は却下されるべき旨主張するが、商標法第50条第1項によれば、利害関係の有無にかかわらず、何人も請求人たり得るところであるから、被請求人の主張は不適切である。
(2)被請求人は、本件商標を、その指定商品の「運動用特殊靴」について使用している旨を主張している。
しかしながら、被請求人の提出に係る証拠(乙第3ないし第10号証)をみると、本件商標が使用されている商品は、「運動用特殊靴」ではなく、「靴類」である。すなわち、「運動用特殊靴」は、専らスポーツに使用され、日常生活一般ではほとんど使用されない「スキー靴」、「登山靴」及び「運動用スパイクシューズ」等が含まれる(甲第2号証)。
他方、乙第3ないし第10号証の写真から判断すると、本件商標が使用されている靴は、日常生活において使用されるものである。特に、靴底部分を撮影した写真(乙第6号証)によると、被請求人が本件商標を使用していると主張する靴は、運動に用いられるものではなく、専ら日常生活一般で使用されることが明らかである。
また、乙第1号証の売上伝票の「得意先名」欄には、「三越 札幌店紳士」と納品伝票の「品名」欄には、「紳士靴特価」と記載、乙第2号証の納品伝票の「百貨店名」欄には、「十合 横浜店紳士靴」と記載されている。
これらの事実は、本件商標を付した商品が「運動用特殊靴」ではなく、一般の紳士靴であることを裏付けるものである。
以上より、本件商標が、その指定商品「運動用特殊靴」に使用されていないことは明らかである。
(3)被請求人は、大塚製靴株式会社(以下「大塚製靴」という。)が通常使用権を有し、大塚製靴の売上伝票・納品伝票(乙第1号証及び乙第2号証)によって、本件商標を付した運動用特殊靴が販売されていると主張している。
しかしながら、大塚製靴が通常使用権を有する旨は、登録原簿には記載されていない(甲第3号証)。
また、被請求人は、大塚製靴の会長をしていた旨述べているが、同事実を証明する証拠は提出していない。
したがって、大塚製靴が通常使用権を有することは、証明されていない。
(4)被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標が使用されている旨主張している。
しかしながら、乙第1号証の売上伝票の日付は、「04年01月27日」であり、納品伝票の日付は、「04年1月29日」であるから、乙第1号証は、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標が使用されたことの証拠とならない。
以上述べたとおり、被請求人が提出した証拠では、商標権者、専用使用権者、又は通常使用権者のいずれもが、本件商標を、その指定商品「運動用特殊靴」について使用した事実は証明されない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、その証拠として乙第1ないし第10号証を提出した。
1 本案前の申立
請求人は、本件審判請求をするにつき、法律上の利害関係を有するものとは認められないから、本件審判請求は、却下されるべきである。
このことは、「憲法第32条は、訴訟の当事者が訴訟の目的たる権利関係につき裁判所の判断を求める法律上の利益を有することを前提として、かかる訴訟につき本案の裁判を受ける権利を保障したものであって、右利益の有無に拘らず常に本案につき裁判を受ける権利を保障したものではない。」旨の最高裁の裁判例(最高判昭35.12.7.他)があり、特許・商標等の無効審判のみならず商標の取消審判制度においても、この原則が適用され利害関係について審理をするものとされていることに照らし首肯し得るものである。
2 本案の申立
被請求人は、本件商標をその指定商品「運動用特殊靴」について、1979年の発売以来継続して使用しているものであって、本件審判請求の登録前3年以内にも、使用していたものである。
すなわち、被請求人は、その通常使用権者である大塚製靴の会長をしていたものであり、該大塚製靴をして、本件商標を「運動用特殊靴」について使用している。具体的には、本件審判請求の登録前3年以内である2004年1月27日に、株式会社三越札幌店へ、同年4月22日には、株式会社十合横浜店へ、本件商標を付した運動用特殊靴を販売している。この事実は、売上伝票、納品伝票及び商品写真(乙第1ないし第10号証)を総合してみれば、容易に理解し得るものである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項に定める取消しの要件に該当せず、本件審判請求は成り立たない。

第4 当審の判断
1 本件審判の請求人適格について
商標法第50条第1項は、「継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」(平成8年法律第68号)と規定しており、商標法第50条による審判を請求する者は、「利害関係人」に限定されることなく、「何人」にも認められているところであるから、請求人が本件審判請求をするにつき、法律上の利害関係を有するものとは認められず、本件審判請求は却下されるべきであるとする被請求人の主張は、失当というべきであり、採用することができない。
2 使用の事実を示す証拠について
被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録(平成19年1月31日)前3年以内に使用しているとして、乙第1ないし第10号証を提出するので、以下検討する。
(1)乙第1号証は、出荷日付「04年01月27日」とする得意先「三越札幌店紳士」への「大塚製靴(株)」の売上伝票3枚及び納品伝票1枚であり、売上伝票の3枚目の「商品コード・品名」の欄には「2607」と記載がある。また、納品伝票の納品予定日が「04年1月29日」で、「品名」蘭には「紳士靴特価」と記載されている。
(2)乙第2号証は、「2004/04/22」の記載、「取引先名」を「大塚製靴(株)」、「百貨店名」を「十合 横浜店紳士靴」とする納品伝票(買取)2枚である。
(3)乙第3号証は、「GTS」の文字を中敷きに付してある靴の片方の写真である。
(4)乙第4号証は、乙第3号証と同一の文字を有し、内側に「107999」、「2607」及び「25」と記載のある写真である。
(5)乙第5号証は、「GTS」の文字の記載があるプレートと乙第3号証の靴と同じものと認められる一足の靴の写真である。
(6)乙第6号証は、靴底に「GTS」の文字が刻まれている靴の片方を下からみた写真である。
(7)乙第7号証は、靴の側面、乙第8号証は、靴の前面、乙第9号証は、後面及び乙第10号証は、側面の後ろ半分を拡大した靴の片方の写真である。
3 前記2で認定した事実を総合すれば、大塚製靴が本件商標の通常使用権者と推認できるとしても、乙第1号証は、本件審判請求の登録(平成19年1月31日)前3年以前のものであり、乙第4号証に記載されている「2607」が商品コードと推認されるところ、乙第2号証の納品伝票の商品コード・品名欄には、前記商品コードが記載されていない。
そうすると、大塚製靴により、乙第3ないし第10号証に示された靴(以下「使用商品」という。)が2004年4月22日に取引されていたとはいい難く、被請求人提出の証拠をもって、本件商標を付した靴を本件審判の請求の登録前3年以内に取引されたものとは認められない。
また、中敷きや靴底に付されている「GTS」の文字は、本件商標が別掲のとおり、太く表された「GTS」の文字の下に「Ganz-Tages-Schuh」の文字を書してなるものであるから、本件商標とは、下段に表された文字を欠き、その構成文字が相違するものであって、本件商標と社会通念上同一とは認められない。
4 さらに、通常使用権者が使用する「GTS」との表示がある使用商品が本件請求に係る指定商品に含まれる商品であるか否かについて検討する。
(1)平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令の規定する商品区分第24類及び同法施行規則による別表(上記改正前の商品区分については、以下「旧」を付す。)によれば、旧第24類に属する「運動用特殊靴」は、例示された商品から明らかなように、専らスポーツに使用される商品であって、日常生活一般ではほとんど使用されない運動用スパイクシューズ等の商品が含まれると解するのが相当である(「商品区分解説」昭和55年3月31日改訂版72頁参照)。
一方、旧第22類の「はき物」は、括弧書きにより「運動用特殊靴」が除かれていることは明らかであり、主として日常歩行等の際に使用される商品であると解するのが相当である。したがって、上記「はき物」の概念に属する「一 くつ類」も同様に、日常的に使用される商品であるということができる。
そして、使用商品には、前記のとおり、本件商標中の「GTS」の文字が表示されているものの、むしろ、納品伝票の「紳士靴」との記載、及び使用商品の写真からみてもこれが専らスポーツに使用される商品であって、日常生活一般ではほとんど使用されない特殊な靴であるとはいえない。また、その事実を立証する証拠の提出はなく、他に使用商品が専らスポーツに使用される商品であると認めるに足る特段の事情は見いだせない。
してみれば、使用商品が請求に係る指定商品「運動用特殊靴」に含まれる「靴」であると認めることはできない。
5 むすび
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標


審理終結日 2007-10-30 
結審通知日 2007-11-05 
審決日 2007-11-26 
出願番号 商願昭54-35462 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (125)
最終処分 成立 
前審関与審査官 山田 清治 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 鈴木 新五
寺光 幸子
登録日 1983-11-25 
登録番号 商標登録第1632161号(T1632161) 
商標の称呼 ジイテイエス、ガンツターゲスシュー、ガンツターゲス 
代理人 伊東 忠彦 
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