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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y03
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y03
管理番号 1169130 
異議申立番号 異議2006-90664 
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-12-18 
確定日 2007-11-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第4989852号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4989852号商標の指定商品中、第3類「おしろい,化粧水,クリーム,紅,香水類以外の化粧品」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録4989852号商標(以下「本件商標」という。)は、「オキシ」の片仮名文字と「OXY」の欧文字を併記してなり、平成16年3月22日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同18年7月26日に登録審決がなされ、同年9月22日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立1の理由
登録異議申立人、高野勝弘(以下「申立人1」という。)は、本件商標は、「オキシ(OXY)」は、これを本件指定商品中染毛剤に使用するときは、「過酸化水素水」を直感させるものであって、本件指定商品の原材料、品質を表す標章にすぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
また、本件商標「オキシ(OXY)」を、「過酸化水素」を原材料とした商品以外の本件指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「過酸化水素」を原材料とした商品であるかのごとく直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあることは明白であって、商標法第4条第1項第16号の規定に該当するものであり、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし同第5号証を提出した。
(2)登録異議申立2の理由
登録異議申立人株式会社コタニ・アンド・カンパニー(以下「申立人2」という。)は、本件商標は、「酸素」の意味に密接に関連する外国語あるいはその略語である「オキシ」の片仮名文字及び「OXY」の欧文字を上下二段に書してなるところ、これを指定商品中「酸素系洗剤」等の「せっけん類」や酸素を用いた商品について使用しても、単に商品の品質や原材料を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得いえない。また、該商品以外の商品に使用するときは、単に商品の品質の誤認を生じさえるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであり、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし同第28号証を提出した。
(以下、申立人1、2をまとめて単に「申立人」という)

第3 本件商標に対する取消理由の要旨
当審において、平成19年4月23日付け及び同年6月26日付けで、商標権者に対して、本件商標の登録を取り消すべき旨の通知をした。その理由は要旨次のとおりである。
1 平成19年4月23日付け取消理由
(1)過酸化水素は、化学分解し酸素を放出することから、漂白剤、酸化剤として利用されていることが認められる(申立人2が提出した甲第3号証及び甲第8号証参照)。
そして、本件商標の指定商品に含まれる「酸化染毛剤」には、過酸化水素が使用されていることが認められる(申立人1が提出した甲第3号証及び甲第5号証参照)。また、過酸化水素は、その酸化剤(オキシダイザー/oxidizer)としての役割を有し「オキシ」と称されて使用されている事実が認められる(申立人1が提出した甲第4号証及び甲第5号証参照)。
(2)つぎに、本件商標の指定商品「せっけん類」との関係では、「酸素の持つ除菌力で清潔に仕上げる」と記載されている(申立人2が提出した甲第5号証参照)ことから、酸素が「洗剤」に使用されている事実が認められる。
さらに、申立人の提出に係る甲各号証によれば、「オキシ」、「OXY」は、過酸化水素を原材料として用いた「酸素系洗剤」、あるいは過酸化水素を原材料として用いた「染毛剤」を表示する語であって、洗剤業界及び化粧品業界の専門誌ばかりでなく、インターネット・ホームページ情報で、例えば、申立人1が提出した甲第2号証に「…過酸化水素(以下「oxy」と表記)の2剤を使ったパーマシステム(http://www.xmac.ddnn.jp/bt-knights/skill/perm.html)」、申立人2が提出した甲第12号証の「酸素 化粧水」の項に「…主成分は酸素なので、デリケートなお肌にもご使用いただけます。…」、同甲第16号証に「酸素系漂白剤…」など多数の商品紹介中に「oxy」、「オキシ」及び「酸素」の表示が用いられている事実を認めることができる。
以上の具体的使用例よりすると、「オキシ」、「OXY」の語は、本件商標の指定商品「せっけん類,化粧品」を取り扱う業界において、「酸素系洗剤、酸素系漂白剤」あるいは「毛髪脱色用過酸化水素」を表す語として普通に用いられており、取引者、需要者においては、単に上記商品であると認識、理解するにすぎないものというのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中「過酸化水素を原材料として用いたせっけん類」及び「過酸化水素を原材料として用いた化粧品」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の品質、原材料を表したものと理解・認識させるにすぎないものであり、また、上記商品以外の「せっけん類」及び「化粧品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

2 平成19年6月26日付け取消理由
申立人の提出に係る証拠によれば、本願商標「オキシ」「OXY」の文字は「酸化染毛剤」を取り扱う業界、取引者、需要者において、「過酸化水素水」を意味する語として普通に採択使用されている事実が認められる。
そして、このことは申立人の提出に係る次の甲各号証、加えて職権による調査結果からも首肯し得るところである。
申立人1が提出した甲第2号証(1頁目)には、「過酸化水素6%のヘアカラー2剤&ブリーチ剤です。」、同号証「ロレアル プロフェッショナル/製品ガイド」(5/6頁)には、「髪の状態に合わせて3タイプから選べる酸化剤(第2剤)」、同号証「【ロレアル】イクア オキシ」(1/4ページ)には、「2剤:oxy6%、ブリーチ力(強)、発色力(強):oxy2.7%、ブリーチ力(弱)、発色力(強)oxy1.2%、ブリーチ力(微弱)、発色力(中)」、同号証「パーマスキル集」(1/4ページ)には、「過酸化水素(以下oxyと表記)の2剤を使ったパーマシステム」の項に「・・・oxyの2剤を使った・・・」、同号証「美容系基礎知識」(1/2ページ)には、「ブリーチの仕組み」の項に「過酸化水素(以下OXY)とアルカリ剤を使った弱いタイプ、・・・」、同号証「ヘアスタイリストによるヘア&美容辞典」(http://biyouinjouhou.com/2006/01/post_88.html)には、「オキシ」の項に「過酸化水素。カラー剤の2剤のこと。毛髪中のメラニン色素を壊して髪を明るくする働きと、酸化染料を重ね合わせて発色させる働きがある。日本では6%が上限。髪をリストして発色させたい場合は高濃度タイプ、既染部に色味だけを入れたい場合には低濃度タイプを使う。」、同号証「HAIR CHECK 頭髪診断」(http://www.sn-shampoo.com/check/faq13.html)には、「白髪染めの場合」の項に「2剤のオキシ(過酸化水素水)は低レベルで良いにもかかわらず、カラー染めと同じ6%オキシを使用する様、染毛剤メーカーは設定している点、」との記載が認められる。
同甲第4号証「COLOR CONTROL Hiroshi Nishigai_DATA」には、「カラー剤の仕組み」の項に「酸化染毛剤の2剤は、過酸化水素の役割である「酸化剤」(オキシダイザー/oxidizer)を略して「オキシ」と呼ばれます。」、そして「オキシ濃度と発色の関係」の項に「仕上がりの色を決める『カラー剤の発色』と『アンダートーンの変化』の両方に大きく影響するのが2剤のオキシの力です。」との記載が認められる。
同甲第5号証「エスポス」には、「カラー剤のレベルで細かくオキシを使い分け」の項に「色素量が多いので、高いオキシを使うようにする」、そして「オキシによるリフト力と発色力」の項に「オキシ(過酸化水素)には、毛髪中のメラニン色素を壊して髪を明るくする働きと酸化染料を重合さえて発色させる働きがある。」との記載が認められる。
さらに、当審において職権において調査するに、
「染毛剤の種類」(http://bragi.jp/main/color-hair/hair2-1.html)では、「永久染毛剤」の項に「酸化染毛剤と非酸化染毛の二種類に分類されます。・・・酸化染毛剤には、1剤と2剤があります。1剤には、主にアルカリ剤、酸化染料、調色剤(カプラー)、直接染料などが配合されています。2剤には、主に過酸化水素水が入っています。・・・過酸化水素水は、メラニンという黒い色素を分解するので(⇔明るくするので)、白髪染めのように暗く染める場合は、過酸化水素水の濃度(オキシ濃度)は小さくても良く、逆に髪を明るく染める場合は、オキシ濃度を大きくする必要があります。」、「カラー用語集」(http://ideaimagination.sakura.ne.jp/goroku3.html)では、「オキシ」の項に「オキシドール(過酸化水素水)の略語。主に2剤と呼ばれ、無色透明の液体で脱色効果がある。」、「パーマ・カラーの種類、用語集」(http://www.kami99.com/hairquality-2.html)では、「オキシ」の項に「オキシドール(過酸化水素水)の略で、主に2剤とよばれる」、「ヘアカラー用語集」(http://www.hair-doragon.sakura.ne.jp/hair7-3.html)では、「オキシ」の項に「オキシドール(過酸化水素水)の略語。主に2剤と呼ばれ、無色透明の液体で脱色効果がある。」との記載が認められる。
以上の事実を総合すると、過酸化水素が、髪の毛のメラミンの黒い色素を分解し、脱色する効果を有することから、酸化染毛剤の2剤として一般に使用されていること、過酸化水素は、過酸化水素水6%以下の濃度に薄められ使用されること、過酸化水素水は、オキシドールと呼ばれ、オキシと一般に略称されていること、過酸化水素濃度は、オキシ濃度と称されていること、が認められる。
(3)以上のことから、本件商標は、これをその指定商品中例えば「染毛剤」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の品質、原材料を表したものと理解・認識させるにすぎないものであり、また、上記商品以外の「化粧品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

第4 商標権者の意見の要旨
1 上記3の1の取消理由に対する意見
商標権者は、要旨以下のように意見を述べた。
(1)「OXY、オキシ」の語について
本件登録取消理由通知で指摘された各証拠によれば「OXY」が「oxygenの連結形」であり、「酸素の、酸素を含んだ」との意味合いを理解させることはあるとしても、「オキシ、OXY」が過酸化水素と同義であることを示す証拠はない。
そもそも酸素(oxygen)と過酸化水素(hydogen peroxide)とは別異の物質であって、過酸化水素がoxyと省略される根拠はなく、一つの言葉が別異の意味に用いられること自体、極めてまれであり特異的である。
指摘された各証拠によれば、過酸化水素が酸化染毛剤に使用されていることは理解できるが、過酸化水素がオキシ、OXYと称されていることを示す証拠はない。取消理由通知で引用された申立人1が提出した甲4には、酸化剤(oxidizer)を「オキシ」と称するとの記述はあるが、このオキシが過酸化水素を意味するとは言っていない。又、本件取消理由通知においても、オキシ、OXYの意味合いについて、一方では過酸化水素水を意味するとし、他方では酸化剤を意味するとして統一的な理解はなされておらず、オキシ、OXYの意味合いは不明確である。
(2)品質表示について
取消理由は、前述したように「オキシ」「OXY」の語は、「酸素系洗剤、酸素系漂白剤、毛髪脱色用過酸化水素」を表す語であるから、「過酸化水素を原材料として用いたせっけん類、過酸化水素を原材料として用いた化粧品」については、商品の品質、原材料を表したものとするにある。
しかしながら、酸素系洗剤、酸素系漂白剤は、商品のそのものを表しているのに対し、毛髪用過酸化水素は化学品を意味する語であるからして、この言葉が相互に意味するところは、必ずしも明確ではない。又、かかる設定のもとに「過酸化水素を原材料とする」こととのつながりも理解することができない。思うに「オキシ、OXYは、過酸化水素を意味する語であり、過酸化水素は、酸素系洗剤、酸素系漂白剤に使用されており、毛髪用過酸化水素としても用いられている」との趣旨に理解される。
しかしながら、オキシ、OXYが過酸化水素を意味することを示した証拠は前述したように見当たらない。僅かに、過酸化水素で代表されるような酸化剤を暗示させる表現が見られるにすぎず、オキシ、OXYが過酸化水素を意味しているとは到底いうことができないものであってみれば、「オキシ、OXY」が「過酸化水素を原料とするせっけん類若しくは化粧品」の品質、原材料を表しているとはいえない。
(3)結び
以上のとおり、「オキシ」、「OXY」の語は、過酸化水素を表す語として「せっけん類、化粧品」を取り扱う業界において、普通に用いられているとは言い得ないものであり、商品の品質、原材料を表していないと思料する。よって、本件登録取消理由には根拠がなく、本件商標登録は維持されるべきである。

2 上記3の2の取消理由に対する意見
商標権者は、要旨以下のように意見を述べた。
(1)過酸化水素水がオキシと略称されることについて
取消理由通知において、「過酸化水素水は、オキシドールと呼ばれ、オキシと一般に略称されている」と認定されている。過酸化水素水が、酸化染毛剤の2剤として使用され、髪の毛の黒い色素を分解、脱色する効果を有していることは、ご指摘の資料から理解できるが、一般に過酸化水素水がオキシと略称されているとは言い得ないものである。
このような認定の根拠は、職権で探知された「カラー用語集」「パーマ・カラーの種類、用語集」及び「ヘアカラー用語集」の3つの資料にある。
しかしながら、先ず第1にこれらの資料が、何時発行されたものであるのか分明ではある。少なくとも査定時において、かかる資料が存在していたとは理解することは出来ない。そもそも、商標法第3条第1項3号の規定の認定時期は、査定時とされていることからしてみれば、かかる資料が何時発行されたものであるか明らかでない場合、そのような資料に基づく本件取消理由は成立し得ない。
第2に、仮に資料が査定時のものであったとしても、「カラー用語集」と「ヘアカラー用語集」は、全く同じ内容の資料であり、互いに別個の資料とは言い得ない。しかも、これらの2つの資料の「オキシ」の項には、「オキシ(OX・デベロッパー)」と表記されており、単なる「オキシ」ではない。
してみると、過酸化水素水がオキシドールと呼ばれ、オキシと略称されることを示す資料は、僅か1件が認められるにすぎない。このような僅か1件の資料の記載をもって、一般に略称されていると言い得ないことは明らかである。「オキシ/OXY」が、過酸化水素水を直接的に表しているとは到底言うことは出来ない。
(2)原材料表記について
また、仮に「オキシ/OXY」が過酸化水素水を表しているとしても、過酸化水素水は、毛髪の黒い色素を分解し脱色するものとして、酸化染毛剤の2剤としてのみ理解され、そのような用途及び効果を有する原材料として限定的に理解されているものであり、一般的な化粧品の原材料として理解されるものではない。
してみると、「オキシ/OXY」の表記は、酸化染毛剤についてのみその原材料を理解させるにすぎず、酸化染毛剤以外の一般的な化粧品にあっては、「オキシ/OXY」の語が用いられたとしても、その語によって特定の意味合いを理解するというよりも、むしろ従来見られない特異的な表示と理解し、特定の出所を表示するというべきものである。
したがって、酸化染毛剤を除く化粧品については、その登録は維持されるべきものである。
(3)結び
以上のとおり、本件商標についての取消理由は、成り立たないものである。また、仮にそうでないとしても、酸化染毛剤を除く化粧品についての登録は維持されるべきものである。

第5 当審の判断
1 「オキシ」、「OXY」の語の識別性について
(1)登録異議申立理由2について
本件商標中の「OXY」の文字は、「名詞などにつけて『鋭い・酸っぱい・酸素を含んだ』などを意味する」としても、申立人2が提出した甲各号証によっても、該文字(語)を本件商標の指定商品に使用した場合、取引者、需要者をして「酸素系洗剤、酸素(を含む)化粧品、酸素化合物よりなる『香料類』、酸素の漂白作用を利用した『歯磨き』」などの品質を直ちに認識、理解させると認めるに足りないものといわざるを得ない。
また、職権をもって調査するも、該語が、本件登録異議申立てに係る指定商品の品質等を表示するためのものとして、その登録査定時(審決時)に、取引上普通に使用されていたという事実を発見することができなかった。
(2)登録異議申立理由1について
申立人1が提出した甲第1号証「パーマスキル集」(1頁)には、「過酸化水素(以下oxyと表記)の2剤を使ったパーマシステム」、「2004/6月」と記載されている。同じく「美容系基礎知識」(1頁)には、「過酸化水素(以下OXY)とアルカリ剤を使った弱いタイプ」、「2004/yas」と記載されている。
同甲第3号証「最新化粧品科学(改訂増補II)」(平成4年7月10日株式会社薬事日報社改訂増補II発行)によれば、「酸化染毛剤」の項には、「酸化剤は通常、過酸化水素が用いられる・・・」と記載されている。
同甲第4号証「COLOR CONTROL」(2002年10月30日新美容出版株式会社発行)によれば、「オキシのブリーチ力と発色の関係」の項には、「酸化染毛剤の2剤は、過酸化水素の役割である『酸化剤』(オキシダイザー/oxidizer)を略して『オキシ』と呼ばれます。『脱色作用』と『発色作用』の両方を左右する非常に重要な役割を担っています。」と記載されている。
同甲5号証「エスポス2004vol.2」(平成16年9月15日新美容出版株式会社発行)によれば、「根元と毛先のオキシの使い分け」(2頁目)の項には、「ケアを考えたカラーをする場合、まず気をつけたいのがオキシの濃度」及び「カラー剤のレベルで細かくオキシを使い分け オキシによるリフト力と発色力」(3頁目)の項には、「オキシ(過酸化水素)には、毛髪中のメラニン色素を壊して髪を明るくする働きと・・・」と記載されている。
上記第3の2の平成19年6月26日付け取消理由で引用する「パーマ・カラーの種類、用語集」(http://www.kami99.com/hairquality-2.html)によれば、「オキシ」の項には、「オキシドール(過酸化水素水)の略で、主に2剤とよばれる」と記載されている。
以上の事実からすれば、染毛剤を扱う業界では、査定(登録審決)時すでに、過酸化水素水が酸化染毛剤として使用され、オキシと称していることが認められる。
しかしながら、本件商標の指定商品中には、「染毛剤」に関連する商品としては「頭髪用化粧品,毛髪脱色剤」が含まれているが、その他の商品では「過酸化水素水」を原材料とする商品を見出すことができなかった。
そうとすれば、本件商標をその指定商品中「染毛剤」に使用したときにも、取引者、需要者をして、商品の品質(原材料)を直ちに認識させるものであって、自他商品の識別としての機能を有しないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の「おしろい,化粧水,クリーム,紅,香水類以外の化粧品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められから、同法第4条第1項第16号に該当するものと認められる。
したがって、本件商標の指定商品中「おしろい,化粧水,クリーム,紅,香水類以外の化粧品」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
そして、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、その登録を取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-09-13 
出願番号 商願2004-26777(T2004-26777) 
審決分類 T 1 651・ 272- ZC (Y03)
T 1 651・ 13- ZC (Y03)
最終処分 一部取消  
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
渡邉 健司
登録日 2006-09-22 
登録番号 商標登録第4989852号(T4989852) 
権利者 株式会社資生堂
商標の称呼 オキシ、オキシー、オオエックスワイ 
代理人 竹内 裕 
代理人 木村 吉宏 

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