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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y07
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y07
管理番号 1167841 
異議申立番号 異議2006-90286 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-06-23 
確定日 2007-10-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第4938784号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4938784号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4938784号商標(以下「本件商標」という。)は、ゴシック体で「PM TRAP」の欧文字を横書きしてなり、平成16年10月29日に登録出願、第7類「自動車用の排気ガス浄化装置,船舶・航空機の排気ガス浄化装置,自動車の排気ガス浄化装置用焼結合金製フィルター,陸上の乗物用の内燃機関用のための燃料と空気の混合比率を制御するためのキャブレター,その他の動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,内燃機関用燃料転換装置,触媒装置,原動機用の汚染を防止する装置,圧縮空気機関,圧縮空気式機械」を指定商品として同18年3月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれる粒子状物質を意味する英語「particular matter」の略語「PM」と「不要物を除く装置」の意味を有する英語「TRAP」から構成されるから、全体として「粒子状物質を取り除く装置」といった意味合いを容易に看取させる「PM TRAP」を普通に用いられる方法で表示したにすぎない。したがって、その指定商品中「自動車の排気ガス浄化装置」及び上記機能を有する商品に使用するときは、商品の機能、品質を表示するにすぎず、また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。仮に、上記条項に該当しないとするならば、他人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標「PMトラップ」に類似し、かつ、同一又は類似の商品に使用するものであるから、同法第4条第1項第10号に該当する、旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出している。

3 本件商標に対する取消理由
当審において、商標権者に対して、平成18年12月22日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、該取消理由の要旨は以下のとおりである。
(1)本件商標は、「PM TRAP」の欧文字を普通の書体で書してなるものであるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、自動車業界においては、構成中の前半部の「PM」の文字は、自動車の排気ガス中に含まれる「粒子状物質」を意味する「Particulate Matter」の略語として広く一般に使用されているものである(甲第2号証の1ないし5)。 また、後半部の「TRAP」の文字は、「(鳥獣を捕らえる)わな、・・・捕り器」などを意味する平易な英語として我が国においても一般に知られているほか、「トラップ:水蒸気からできた水や石炭ガスのすすを除くなど、動いている流体・蒸気などから不要物を除く装置」の意味を有し(甲第3号証の1)、さらに、本件の指定商品を取り扱う自動車業界においては「燃料の除じん器。ガソリン中の不純物を供給経路の途中で分離除却する装置」を指すものとして一般に認識されていると認められるものである(甲第3号証の2)。
一方、申立人は、現に「PMトラップ」の文字を使用した「粒子状物質減少装置」を東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市の七都県市の指定を受けて製造、販売しており、該装置については、インターネットの東京都のウェブサイトなどに掲載され、また、社団法人全日本トラック協会・社団法人東京都トラック協会の「粒子状物質減少装置ガイドブック」などにも掲載されていることが認められる(甲第4号証ないし甲第7号証及び甲第9号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。)参照)。
そして、上記事実によれば、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、これを「PM(粒子状物質)を減少除去する装置」を表すものと容易に理解し認識するものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標は、これをその指定商品中の「自動車用の排気ガス浄化装置」など前記意味合いの機能を有する商品について使用した場合、その品質(機能)を表示するとどまり、上記商品以外の指定商品について使用するときは、「PM(粒子状物質)を減少除去する装置」であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見
上記3の取消理由の通知に対し、本件商標権者は「内容を検討中であり、速やかに意見書を提出する所存である。」旨述べるだけで、相当期間経過するも、何ら具体的に意見を述べるところがないものである。

5 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-05-22 
出願番号 商願2004-99110(T2004-99110) 
審決分類 T 1 651・ 272- Z (Y07)
T 1 651・ 13- Z (Y07)
最終処分 取消  
前審関与審査官 佐藤 達夫 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 小林 和男
久我 敬史
登録日 2006-03-24 
登録番号 商標登録第4938784号(T4938784) 
権利者 プーレム アプガスシステーメ ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
商標の称呼 ピイエムトラップ、トラップ 
代理人 宮嶋 学 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 塩谷 信 
代理人 吉武 賢次 
代理人 中村 承平 
代理人 小泉 勝義 

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