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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 109
管理番号 1166001 
審判番号 取消2006-31153 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-09-13 
確定日 2007-10-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第1284771号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1284771号商標の指定商品中「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1284771号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナマズ」の文字を横書きしてなり、昭和50年1月13日に登録出願、第9類「バルブ、その他本類に属する商品」を指定商品として、同52年7月20日に設定登録、同62年7月22日及び平成9年8月19日の二度にわたる商標権存続期間の更新登録がされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
(1)本件商標の使用事実
本件商標の通常使用権者である「株式会社防災センター」(以下「防災センター」という。)及び「進興金属工業株式会社」(以下「進興金属工業」という。)は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国において、「消火器」及び「バルブ」について本件商標を使用している。
被請求人は、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」と「消火器」及び「バルブ」とは類似する商品であると考えるため、取消請求に係る商品「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」について、本件商標を使用しているものと解する。
(ア)防災センターによる使用
被請求人から本件商標の使用許諾を受けた防災センター(乙第3号証)は、本件審判請求の登録(平成18年10月4日)前3年以内に日本国内において、本件商標を商品「消火器」に使用している(乙第1号証「商品カタログ」及び乙第2号証「納品書」)。
(イ)進興金属工業による使用
被請求人から本件商標の使用許諾を受けた進興金属工業(乙第10号証)は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を商品「バルブ」に使用している(乙第6号証ないし乙第8号証「商品カタログ」及び乙第9号証「納品書」)。
(2)被請求人が本件商標の使用であると考える商品「消火器」及び「バルブ」(以下「本件消火器」及び「本件バルブ」という。)と取消請求に係る指定商品「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」との類否について
(ア)本件消火器について
特許庁が公表する「類似商品・役務審査基準」には、同一の類似群コードが付された商品・役務は原則として互いに類似するものと推定すると記載されており、これによると、「消火器」の類似群コードは「09G02」であるのに対し、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」のそれは「09G04」であることから、「類似商品・役務審査基準」上、両者は非類似の商品であることが推定される。
そこで、商取引の現状、経済界の実情を考慮し、個別、具体的に両者の類否判断を行う。
商品の類否は、商品の生産・販売部門の同一性、原材料・品質の同一性、需要者の範囲の同一性及び完成品と部品の関連性を総合的に考慮して判断される。
「消火器」は、初期火災の消火に用いる小型で可搬式の器具商品であるのに対し、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」は、危険が迫っていることや異常が発生していることをベルや発光装置で知らせる保安用の機器である。
これらの商品は、ともに防災のための商品であり、商品の生産・販売部門が同一となることが多く、需要者の範囲も共通する。例えば、「消火器」と「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」とが同一の商標を付して商品棚に陳列されていたとすれば、需要者は、当然に商品の出所について混同をすることとなる。
したがって、類似群コードが相違する商品であっても、商取引の現状、経済界の実情を考慮し、個別、具体的に類否判断を行えば、「消火器」と「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」とは類似する商品であると考えられる。
(イ)本件バルブについて
上記(ア)と同じく、類似群コードで両者を比較すると、「バルブ」は「09F05」であるのに対し、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」は「09G04」であることから、「類似商品・役務審査基準」上、両者は非類似の商品であると推定される。
そこで、商取引の現状、経済界の実情を考慮し、個別、具体的に両者の類否判断を行う。
「バルブ」は、流体の遮断や流量の調整などのための管の開閉装置であるのに対し、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」は、危険が迫っていることや異常が発生していることをベルや発光装置で知らせる保安用の機器である。
しかして、本件商標が使用されている本件バルブは、災害発生時に、いち早くガスを遮断して二次災害を未然に防ぐためのものである(乙第6号証ないし乙第8号証)。
このことから、これらの商品は、ともに防災のための商品であり、商品の生産・販売部門が同一となることが多く、需要者の範囲も共通する。
しかも、本件バルブのガス遮断機構は、ピンが抜けることによって、弁が閉じるものであるが、ピンが抜けると同時に警報を鳴らし、又は警報が鳴ると同時にバルブを遮断するといった機構は、ごく一般的なもので、両者は組み合わせて利用されることも多く密接な関連性を有している。
そのために、両者は、「安全装置」という同一のカテゴリーに属し、本件バルブと「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」とが同一の商標を付して販売されたとすれば、需要者は、当然に商品の出所の混同をすることとなる。
よって、上記の点を総合的に考慮すれば、両者は、類似する商品であると考えられる。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、その取消請求に係る指定商品「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」に類似する「本件消火器」及び「本件バルブ」について使用していることが明らかである。

4 当審の判断
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について、当該商標を使用していることを証明し、または、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取り消しを免れない。
これを本件についてみるに、被請求人の提出した証拠のうち、本件商標の使用の立証に関係ある証拠といえるものは、乙第1号証ないし乙第4号証及び乙第6号証ないし乙第10号証というべきである。
そこで、先ず、乙第1号証ないし乙第4号証について検討する。
(1)防災センターによる使用
(ア)乙第3号証及び乙第4号証によれば、防災センターは、昭和56年12月24日に被請求人(商標権者)から本件商標をその指定商品中の「消火器」に使用することについて、通常使用権の許諾を受けていたと認められる。
(イ)乙第1号証は、「リース物件申込書」という一際目立つ文字で記載された1枚紙の書面である。
その左側上段の枠内には、「甲借主/乙商談システム1?11の提供を受け申込ます」との記載があるほか、左側中段の消火器の写真中に見られるラベル面には、「10年リース消火器」、「貸主・所有権者/株式会社防災センター」と記載されており、また、左側下段には、「乙・貸主・・株式会社防災センター」という記載がされている。
他方、同書類の右側には、「お見積書 Mリース・・・1年間当り2、980円,Mリース消火ナマズ料金・・・金29、800円 ,消費税含一括払リース料合計・・・金31、290円」、「別紙パッケージ規定書(以下「パッケージ」という。)はパッケージリース契約書・・・」等の記載がされている。
(ウ)乙第2号証は、「ナマズリース消火器納品書」という名称が記載された一枚の書類である。
その左側上段には「甲 契約番号T214442・・・建物名 庄子アパート・A棟B棟 代表者 庄子クニ様」、また、右側上段には、「乙 株式会社防災センター」の記載がされており、そして、同書類の左側中段には、「Mリース」という記載、また、最下段の「合計」欄には、「一括払リース 8台」等の記載がされている。
(エ)上記(ア)ないし(ウ)によれば、本件商標の通常使用権者である防災センターは、商品「消火器」の販売ではなく、「消火器の貸与」という役務の提供を行っていたことが認められる。
してみると、防災センターによる、この使用をもっては、被請求人が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を取消請求に係る指定商品に使用していたと認めることはできない。
次に、乙第6号証ないし乙第10号証について検討する。
(2)進興金属工業による使用
(ア)乙第10号証によれば、進興金属工業は、昭和51年頃、被請求人(商標権者)から本件商標をその指定商品「バルブ、その他本類に属する商品」に使用することにつき通常使用権の許諾を受けていたと認められる。
(イ)乙第6号証は、「LPガス用 ガス放出防止器」のカラー刷り商品カタログ(1枚)である。
そして、該カタログの表(おもて)面の上段右には、それぞれ青色で「キャップ式」及び「特許張力式」の文字、及びピンク色で大書した「ナマズバルブ」の文字が各々記載されており、これらの下には、金色のバルブの栓上に、黒い冠状具[キャップ](該冠状具[キャップ]の真横には棒状桿が付いている。)を被せた写真が掲載されている。
しかして、該冠状具[キャップ]に付けられた棒状桿の先端の環には、クリップ状の鎖(以下「クサリ」という。)が通されている。
他方、同カタログの左下段に見られる同種のバルブの写真中の冠状具[キャップ]に付けられた棒状桿の先端の環に通されたクサリが示す右側の「特長」欄には、「復帰が簡単なので、だれでも確実に復帰できる」、「リセット状態と遮断状態が簡単に目視で確認できる」及び「ボンベが傾けば、ガスが流れていなくても遮断する」等の記載がされている。
さらに、その下には、「・・・進興金属工業(株)の特許張力式ナマズバルブ(ガス放出防止器)」の記載がされている。
なおさらに、その下段には、「ガスボンベ」に関する4コマ漫画が掲載されており、その各コマの下欄の左から右にかけて、「この様にボンベの口に取り付けておくだけで・・・」、「グラッときたらナマズバルブが働き」、「ボンベの元からガスの流出をシャットアウト」及び「クサリで壁につながったリセットスプリングが外れナマズバルブが働きます。簡単に復帰ができます。」等の記載がされている。
(ウ)乙第7号証は、「LPガス用 ガス放出防止器」のカラー刷り商品カタログ(1枚)である。
そして、該カタログの表(おもて)面の上段には、白抜きした「特許張力式」の文字、及びピンク色で大書した「ナマズバルブ」の文字が各々記載されており、その下には、金色のバルブの栓上に、馬蹄形様に折り曲げた太い針金のようなもの(以下、単に「ピン」という。)が取り付けられ、該ピンの右端付近にはクサリが通されている。
他方、該カタログの裏面には、「LPガス用ガス放出防止器 ナマズバルブ・・・」、「ナマズバルブ ・・・ナマズバルブは災害時の容器の揺れや転倒を利用して高圧部でLPガスを遮断します・・・(中略)・・・多量のガス放出(漏れ)を未然に防ぐことが可能です。」等の記載、また、「ナマズバルブの優れた特長」欄には、「1.地震、雪害に威力・・・2.ボンベ出口(高圧部)で遮断-容器が揺れ鎖がはずれると直ちに高圧部でガスを遮断します。」等の記載、さらに、「作動・復帰のしくみ」欄には、「6kg以上の力で引かれるとスプリングがはずれる。」、「ガスをしゃ断する。」及び「・・・スプリングを上から押し込むと復帰する。」等の記載が各々されている。
してみると、上記乙第6号証及び乙第7号証(いずれも商品カタログ)の記載よりすれば、通常使用権者である進興金属工業は、「ナマズバルブ」の文字よりなる商標を商品「バルブ」に使用していると推認し得る。
しかしながら、乙第6号証及び乙第7号証には、その使用年月日を客観的に裏付ける記述が見当たらない。
(エ)乙第8号証は、「張力式ガス放出防止型高圧ホース」のカラー刷り商品カタログ(1枚)である。
そして、該カタログの表(おもて)面には、「地震対策のパイオニア ナマズバルブのNEWタイプ」、「LPガス用地震対策用安全機器」及び「ナマズスーパーホース 張力式ガス放出防止型高圧ホース」等の文字が各々記載されており、その左下の「自然災害時に役立つ」欄には、「液化石油ガス用ガス放出防止機構付高圧ホース(張力スーパーホース、SH-2型)当社の、スーパーホースはガス放出防止機構付きの張力式で、容器のどんな揺れ、傾きにも対応が可能な全方向性に回転するクサリ方式を採用した高圧部の安全機器です。供給設備には欠かす事のできない高圧ホースに遮断部をドッキングして付加価値を高め低コストで保安の確保が可能な高圧ホースです。・・・」という記載がされている。
さらに、右下の「自然災害時に必ずお役に立つ性能」欄には、「容器の元バルブでガスを遮断する。(ガス拡散防止)」、「災害後の復旧にガス容器を持込まずにガスが使用できる。(残ガス)」、「容器の揺動でガスを遮断(人の手を必要としない)」及び「設備の損傷前にガス停止。(容器の転倒前に遮断)」等の記載が各々されている。
他方、このカタログの裏面には、「ガス放出防止型高圧ホースは、LPガス容器バルブと供給設備器具とを接続し、地震、災害等により容器が揺動や転倒した時、高圧ホースの両端をつなげているクサリに過度の張力(荷重)が加わり、ガス放出防止機構が作動して、ガスが止まる安全機能がついています。」という記載がされている。
してみると、上記乙第8号証(商品カタログ)の記載よりすれば、通常使用権者である進興金属工業は、「ナマズスーパーホース」の文字よりなる商標を商品「バルブ」に接続した高圧ホースに使用していると推認し得る。
しかしながら、乙第8号証には、その使用年月日を客観的に裏付ける記述が見当たらない。
(オ)乙第9号証は、「納品書」という書類名を手書きで記載してなる1枚紙の「納品伝票」(写)というものである。
そこには、品番「SC-1(S)」、品名「ナマズバルブ」、受注年月日「18.5.2」、数量「100」、単価「1240円」、金額「124000円」及び納入者名「進興金属工業株式会社 株式会社桂精機製作所」等の記載がされているが、この書類自体不鮮明であって、かつ、その書類中の「納期」、「納入済」及び「納入」の各欄には何らの記載もなく、しかも、「株式会社桂精機製作所」が納入を受けた側か否かも定かでなく、その名称が記載されている位置も不自然である。
さらに、「坪井」及び「小泉」という印影にしても、その印影に係る両名がどこの会社の、如何なる部署の、如何なる姓名の者であって、この書類に押印し得る権限を有する者であるか否かさえも何ら立証がなく、皆目不明であるから、証拠としての信憑性に乏しい。
なおかつ、登録商標の使用の事実の立証は、新聞、雑誌等への広告の事実とか、通常の取引において普通に使用される書類名を印刷してなる納品伝票、注文伝票、領収書等の取引書頼の呈示、その他登録商標の使用が事実であることを客観的に裏付け、そのことが容易に理解し得るような証拠資料の提出によってなされるのが相当と解される。
(カ)しかしながら、上記乙第6号証ないし乙第10号証によって、仮に、進興金属工業が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件バルブ及びそれに接続した高圧ホースについて、本件商標を使用したと認めることができたとしても、取消請求に係る商品は、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」である。
(3)そこで、本件バルブが、本件取消請求に係る指定商品である「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」に含まれる商品であるか否かについて検討する。
(ア)「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」及び「これらに類似する商品」について
「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」は、地震、火災、ガス漏れ、盗難などが発生したときに、各種センサー等の作用により、音やランプの点滅で警報を発する機器である。
また、「これらに類似する商品」とは、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」と同様、人間の社会生活や人命に被害を及ぼすような災害、あるいは緊急事態が起きた場合に、各種センサー等の作用により、音やランプの点滅で警報を発する機器であり、例示された「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」以外の商品をいうものと解するのが相当である。
(イ)本件バルブについて
(a)乙第6号証ないし乙第8号証によれば、本件バルブは、地震等の災害時において、LPガスボンベが転倒した場合、LPガスボンベの口に取り付けた本件バルブのうちの取り外し可能なピンが取り外され(取り外し可能なピンは、LPガスボンベ以外の他の箇所にクサリで取り付けられており、LPガスボンベが転倒することにより、該ピンに付けられたクサリが引っ張られ、該ピンが本件バルブから外れる仕組みとなっている。)、本件バルブが閉じた状態になり、ガスの流出を防止する商品と認められ、その主たる目的は、地震時のみならず、LPガスボンベが転倒した場合のガス流出防止弁であって、いわば力学的作用により、ガスの出入調節をつかさどる器具にほかならない。
(b)上記(a)によれば、「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」と本件バルブは、災害時や緊急事態発生時にその効果を発揮する商品といえるが、商品の用途、商品の性質(機能、形態等)、商品の使用方法等からみて、本件バルブは、本件取消請求に係る指定商品「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」には該当しないものとみるのが相当である。
そうすると、本件バルブは、本件取消請求に係る指定商品には含まれない商品といわなければならない。
(4)被請求人の主張について
(ア)被請求人は、LPガスボンベが転倒した場合のガス流出防止バルブについて、ピンが抜けると同時に警報を鳴らし、又は警報が鳴ると同時にバルブを遮断するといった機構は、ごく一般的なもので、両者は組み合わせて利用されることも多く密接な関連性を有している旨主張する。
しかし、上記被請求人主張の事実を認めるに足る証拠の提出はなく、仮に、LPガスボンベが転倒した場合のガス流出防止バルブの分野において、被請求人主張の実情にあるとしても、本件バルブがピンが抜けると同時に警報を鳴らし、又は警報が鳴ると同時にバルブを遮断するといった機構を有する商品であるとの事実を認めるに足る証拠は見出せない。
したがって、上記被請求人の主張は採用することができない。
(イ)被請求人は、本件バルブと「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」に同一の商標を付して販売されたとすれば、需要者は、商品の出所について混同をすることとなり、両者は、類似の商品である旨主張する。
しかし、商標法第50条に規定する「登録商標の使用」とは、商標権者が指定商品について登録商標の使用をする権利を専有する(同法第25条参照)範囲、すなわち、いわゆる専用権を有する範囲内における登録商標の使用をいうものであって、その範囲を超え、商標権者が禁止権を有するに止まる範囲、すなわち、指定商品又は指定商品に類似する商品についての登録商標に類似する商標の使用(同法第37条第1号参照)を含まないものと解すべきである(昭和55年(行ケ)第337号)。
してみると、上記被請求人の主張は、前提において誤りがあるというべきであるから、理由がない。
(5)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「地震警報装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,およびこれらに類似する商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-08-02 
結審通知日 2007-08-08 
審決日 2007-08-22 
出願番号 商願昭50-5832 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (109)
最終処分 成立 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 鈴木 新五
寺光 幸子
登録日 1977-07-20 
登録番号 商標登録第1284771号(T1284771) 
商標の称呼 ナマズ 
代理人 中川 雅博 
代理人 畑崎 昭 
代理人 武政 善昭 
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