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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2008650143 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 Z11
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Z11
管理番号 1165899 
審判番号 不服2003-2070 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-02-07 
確定日 2007-10-22 
事件の表示 2001年商標登録願第3358号拒絶査定に対する審判事件についてした平成18年8月21日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成18年(行ケ)第10555号、平成19年6月27日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第11類「懐中電灯」を指定商品として、平成13年1月19日に立体商標として登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、多少デザインが施されているが、指定商品との関係では、その商品の形状として通常採用し得る立体的形状のみからなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、全体として、単に商品の形状を表示してなるものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認める。また、出願人は、本願商標に関して、出願人の業務に係る商品であることを表すものとして需要者の間に広く認識されていることを証するための証拠(甲第1ないし139号証)を提出しているが、使用に係る商標は本願商標とは異なり、『MAG‐LITE』等の文字を含むものであるから、これらの証拠をもってしても、本願商標が出願人の業務に係る商品であることを表すものとして需要者の間に広く認識されていると認めることができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 立体商標における商品の形状について
立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供に供する物自体の形状をも対象とする。
立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でない。そうすると、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
2 商標法3条1項3号該当性について
上記1を踏まえて、本願についてみるに、本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、その形状は、次のような特徴を有している。
A ライト頭部は、円筒形のフェイスキャップをその上部に有すること。
B ライト頭部は、上記A記載のフェイスキャップとフェイスキャップ直径を最大径部とし、胴体部分と接続される側を最小径部とする放物体から成ること。
C 上記B記載の放物体部分のうち、フェイスキャップと接する位置の周縁には、レンズに対して垂直方向の細かい直線の溝模様があること。
D ライト胴体部は円筒形をなし、その胴体部分の中央部分周縁には、斜め方向に交差した細かい平行線の帯状の溝模様があり、その底部にはテールキャップが嵌め込まれ、テールキャップ底部がほぼ半円形部分につき両側から穿たれて中央残部に1つの穴が設けられていること。
E ライト頭部の長さの胴体部の長さに対する比率がおおむね0.4に設定されていること、ライト頭部最大径の胴体部直径に対する割合がおおむね1.4に設定されていること、及び上記比率の設定によりライト頭部から胴体部にかけて、全体としてすらっとした輪郭が構成されていること。
以上のことより、本願商標の上記形状についていえば、ライト頭部がやや大きめである点は光度の大きさに関連し、放物体部分のフェイスキャップと接する部分の溝模様は光度の調整のしやすさに、胴体部の中央部分における溝模様は握り易さにそれぞれ資するものであり、また、テールキャップ底部に設けられた1つの穴はストラップ等を取り付けるためのものである。そして、ライト頭部から胴体部にかけての全体としてのすらっとした輪郭は美観を与えるために採用されたものということができる。これらによれば、上記の各特徴は、いずれも商品等の機能又は美観に資することを目的とするものというべきであり、需要者において予測可能な範囲の、懐中電灯についての特徴であるといえる。そうすると、本願商標の形状は、いまだ懐中電灯の基本的な機能、美観を発揮させるために必要な形状の範囲内であって、懐中電灯の機能又は美感とは全く関係のない特異な形状とはいい難く、未だ懐中電灯の基本的な機能、美感を発揮させるために必要な形状の範囲内であって普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないというのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、一見して直ちに懐中電灯の形態を表したものと容易に認識し理解されるものであるといわざるを得ないから、これをその指定商品である「懐中電灯」に使用しても、取引者・需要者は、単に商品の形状を表示するにすぎないものとして認識し理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
3 商標法第3条第2項該当性について
(1)立体商標における使用による識別力の獲得
商標法第3条第2項は、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法3条1項3号に該当する商標であっても、使用により自他商品識別力を獲得するに至った場合には、商標登録を受けることができることを規定している(商品等の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標を除く。同法4条1項18号。)
商品等の立体形状よりなる商標が使用により自他商品識別力を獲得したかどうかは、当該商標ないし商品の形状、使用開始時期及び使用期間、使用地域、商品の販売数量、広告宣伝のされた期間・地域及び規模、当該形状に類似した他の商品の存否などの事情を総合考慮して判断するのが相当である。
そして、使用に係る商標ないし商品等の形状は、原則として、出願に係る商標と実質的に同一であり、指定商品に属する商品であることを要する。もっとも、商品等は、その販売等に当たって、その出所たる企業等の名称や記号・文字等からなる標章などが付されるのが通常であることに照らせば、使用に係る立体形状に、これらが付されていたという事情のみによって直ちに使用による識別力の獲得を否定することは適切ではなく、使用に係る商標ないし商品等の形状に付されていた名称・標章について、その外観、大きさ、付されていた位置、周知・著名性の程度等の点を考慮し、当該名称・標章が付されていたとしてもなお、立体形状が需要者の目につき易く、強い印象を与えるものであったか等を勘案した上で、立体形状が独立して自他商品識別機能を獲得するに至っているか否かを判断すべきである。
(2)本願商標における使用による識別力の獲得
ア 本願商品は、請求人により1983年(昭和58年)に開発が完成し、米国において販売開始され世界的なベストセラー商品となったものである(甲第20及び21号証)。我が国においては、1986年(昭和61年)、アウトドア用品専門店である株式会社エイ アンド エフ(以下「エイアンドエフ」という。)により、本願商品の本格的な輸入販売が開始され(甲第32及び33号証)、エイアンドエフは、通信販売の他、アウトドア関連用品小売店、大手百貨店、東急ハンズ等同社取引先の500以上の小売店に対して本願商品の販売を行っていた(甲第34号証)。また、エイアンドエフは、本願商品を含む請求人の販売する懐中電灯を掲載したカタログを毎年、現在にいたるまで作成し、同カタログがアウトドア専門店、スポーツ店、百貨店、並びに通信販売用にそれぞれ約15,000部頒布されている(甲第2及び35号証)。
イ また、1989年6月に請求人の総代理店となった三井物産株式会社(以下「三井物産」という。)も、1993年(平成5年)12月からカタログの頒布を開始し、毎年5,000部の頒布し(甲第1及び35号証)、さらに、三井物産は、本願商品の販売について、複数の大手卸売業者を販売代理店として指定し、それらの販売代理店を通じて、他の卸売業者、量販店、及び小売店舗等に本願商品を販売している(甲第36号証)。これら販売代理店のうち、株式会社サンジェルマン(以下「サンジェルマン」という。)及び株式会社日立リビングサプライ(以下「日立リビングサプライ」という。)の2社は、1993年(平成5年)から、ダイヤモンド株式会社(以下「ダイヤモンド社」という。)は、1998年から、前記三井物産発行のカタログとは別に、それぞれ独自に、本願商品を含めた販売商品のカタログを頒布している(甲第35号証)。すなわち、サンジェルマンは、1993年(平成5年)から、本願商品を含む請求人のマグライトシリーズ製品の専門カタログを発行し、毎年約5,000部を、同社取引先である卸売業者及び小売店並びに一般消費者に対し頒布している(甲第25号び27号証)。また、日立リビングサプライは、同社製品カタログを年3回発行し(1回の発行部数は15万部)、同社の取引先である家電量販店等に頒布している(甲第35号証)。ダイヤモンド社は、毎年約5,000部を頒布している(甲第35及び38号証)。
三井物産は、1992年(平成4年)から1995年(平成7年)にかけては、毎年倍増ペースで売り上げが拡大し、1995年(平成7年)3月期(1994年4月から1995年3月までの一年間)には、本願商品を含むマグライトシリーズ全体の商品の販売額は、年商5億円を突破し、その後、2000年(平成12年)3月期(1999年4月から2000年3月までの一年間)には、年商10億8,000万円に至っているのである(甲第29号証)。請求人の販売する全商品のうち、本願商品の売上のみをみても、2001年(平成13年)3月期には、5億800万円にまで達し、その売上本数は、55万本(2001年3月期)に達している(甲第39号証)。 ウ さらに、本願商品は、多くの雑誌及び新聞に紹介記事が掲載され(甲第40ないし83号証)、三井物産は、本願商品を含むマグライトシリーズ製品に関する雑誌及び新聞の広告費用として、1997年度は4,177万円、1998年度は4,510万円、1999年度は5,304万円、2000年度は4,425万円、2001年度は5,135万円の広告費を支出している(甲第63号証)。
また2003年から2005年に掛けて夏季又は春季の一定期間東京都内の主要なJR駅構内及び山手線の電車内に、本願商品を表示したポスターを掲示するなどしている(甲第159及び161号証)。
エ 前記2記載のAないしEの特徴を備えた懐中電灯は、本願商品以前には存在しなかったことから、本願商品は、そのデザイン性が評価され、米国のニューヨーク近代美術館、ドイツのケルン応用美術館、ベルリン国立工芸美術館等の美術館の永久コレクションとして収蔵されている(甲4及び9号証)また、本願商品を含むマグライトシリーズ懐中電灯が、Busseロングライフデザイン賞1996年において金賞を受賞したほか、本願商品は、我が国において、通商産業省により、平成2年度のグッド・デザイン商品に選定され、需要者の間でも、本願商品の堅牢性、耐久性と並んでデザイン性が関心を集めていた(甲第5及び7号証)。
オ このように、本願商品のデザイン性が評価されていることから、本願商品の宣伝広告においても、本願商品の堅牢性、耐久性と共にそのデザインの優秀さが強調され、本願商品を含むマグライトシリーズの懐中電灯の形状を中心的に位置づける広告のほか、本願商品の形状のみを表示した広告による宣伝も行われている(甲第64、68、69、73ないし75、78、126ないし134、136ないし144、146、148、149、159及び161号証)。
カ 本願商品については、当初、海外において、その形状に類似した商品が販売されるようになり、次いで、我が国においても類似商品が販売されるようになった。請求人は、これらの類似商品に対して厳しい姿勢で、臨み多くの事例において販売業者に類似商品の販売を中止させているまた、請求人は、香港、英国等において、類似商品の販売業者に対して訴訟を提起して販売差止めを命ずる判決を得ているほか、我が国においても、本願商品の類似商品を販売する業者を相手方として、東京地方裁判所(同庁平成12年(ワ)第12553号)及び大阪地裁(同庁平成13年(ワ)第10905号)に不正競争防止法2条1項1号に基づいて販売差止め等を請求する訴訟を提起し、販売の差止め及び損害賠償を内容とする和解(東京地裁)ないし判決(大阪地裁)を得ている。このような請求人活動の結果、現在、市場において、前記2記載のAないしEの特徴を備えた懐中電灯は本願商品のほかには販売されていない(甲第17、18及び25ないし29号証)。
キ 本願商品には、フェイスキャップの周囲に、登録商標記号(○にR記号)が極めて小さく右肩部分に添えられた右を向いた顔のように見える図形(以下「右側頭部様図形」という。)と、これに続けて、同様に登録商標記号が極めて小さく右肩部分に添えられた「MINI MAGLITE」の英文字が、更にこれに続けて、これよりも小さな文字で「MAG INSTRUMENT-CALIFORNIA.USA」の英文字が、それぞれ細い刻線により描かれている。これらの文字ないし図形は、商品上部の比較的目立たない位置に、本願商品全体と比べて小さく描かれている。また、上記文字ないし図形は細線により刻まれていることから目立たないものであり特に、シルバー、グレー色の商品においては、間近で注視しない限り、これらの文字・図形の記載に気づくのは困難であるといえる。また、キャップを一周する態様で記載されていることから、一見して、その記載内容を解読することは難しい(甲第1号証並びに検甲第1及び7号証)。
ク 上記キで述べた文字ないし図形について
まず「右側頭部様図形」については、格別の観念、称呼を生ずるものとはいえず、商品等表示ないし商標であるか否か、また、いかなる商品の種類を示すものかすら不明である。同図形標章は、本願商品の掲載した広告に、常に表示されているにもかかわらず、一般に、請求人ないし本願商品に関連する商標であることが認識されていないと解される。
また「MAG INSTRUMENT」の英文字は、請求人の名称であるが、我が国における本願商品の広告宣伝においては、全く表記されておらず、そもそも本願商品との関連性自体すら一般に全く知られていないものであり、本願商品上の表示においては、これに続いて「CALIFORNIA.USA」の記載があることから、辛うじて会社の名称であることが推認されるものの「MAG INSTRUMENT」自体においては、その意味する内容もあいまって、これが会社の名称であると直ちに理解することが困難である。また、請求人は、本願商品を含めたマグライトシリーズの懐中電灯を製造販売を専業とする会社であり、他の品目の商品や役務を行っていないことから、本願商品を離れて会社自体としての知名度は全く有していない。
(3)以上認定した事実を総合すれば、次のことがいえる。
ア 本願商品は、本願商標と同一の形状を有し、その指定商品に属するものであるところ、請求人により1984年(昭和59年)に米国において発売されて以来、形状を変更せず、一貫して同一の形状を備えていること。
イ 我が国においては、本願商品は、1986年(昭和61年)に本格的な輸入販売が開始された後、三井物産を総代理店として販売が拡大され、2000年3月期には売上高5億7700万円、本数にして60万7000本、2001年3月期には売上高5億0800万円、本数にして55万1000本に達し、2007年(平成19年)2月現在における販売小売店舗数は約2700店舗に及んでいること。
ウ 本願商品は、1985年(昭和60年)から雑誌記事において頻繁に掲載されるようになり、新聞雑誌等を中心に多額の広告費用を掛けて多数の広告が掲載されていること。
エ 本願商品は、その形状が従来の懐中電灯に見られないものとして、デザイン性を高く評価され、我が国やドイツなどにおいてデザイン賞を受賞しているとともに、米国及びドイツの美術館の永久コレクションとして保存されているものであり、需要者の間でも、その堅牢性、耐久性と並んでデザイン性が関心を集めていること。
オ 本願商品の広告宣伝においても、堅牢性、耐久性と共にデザイン性が強調されており、本願商品の写真のみを掲げた広告など、本願商品の形状を需要者に印象づける広告宣伝が行われていること。
カ 請求人は、我が国の内外において、本願商品に類似した形状の他社の懐中電灯に対して販売の差止めを求める法的措置を採っており、その結果、本願商品と類似する形状の商品は市場において販売されていないこと。
キ 本願商品には、フェイスキャップの周囲に、登録商標記号(○にR記号)が極めて小さく右肩部分に添えられた右側頭部様図形、同様に登録商標記号が極めて小さく右肩部分に添えられた「MINI MAGLITE」の英文字及びそれよりも小さな「MAG INSTRUMENT」(請求人の名称)の英文字が記載されているが、これらの記載がされている部分は、本願商品全体から見ると小さな部分であり、また、文字自体も細線により刻まれているものであって、目立つものではないこと。
ク 請求人の主力商品は本願商品を中心とするマグライトシリーズの懐中電灯であり、また、請求人の名称である「MAG INSTRUMENT」は当該懐中電灯との関連を示すだけの内容であって、当該名称自体に独立した周知著名性は認められないこと。
(4)上記に挙げた点に照らせば、本願商品については、昭和59年(国内では昭和61年)に発売が開始されて以来、一貫して同一の形状を維持しており、長期間にわたって、そのデザインの優秀性を強調する大規模な広告宣伝を行い、多数の商品が販売された結果、需要者において商品の形状を他社製品と区別する指標として認識するに至っているものと認めるのが相当である。本願商品に「MINI MAGLITE」及び「MAG INSTRUMENT」の英文字が付されていることは、本願商品に当該英文字の付されている前記認定の態様に照らせば、本願商標に係る形状が自他商品識別機能を獲得していると認める上での妨げとなるものとはいえない(なお、本願商標に係る形状が、商品等の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標といえないことはいうまでもない。)。
そうすると、本願商標については、本願商標に係る形状が使用により自他商品識別機能を獲得したものというべきである。

4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、その指定商品「懐中電灯」について、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものといわざるをえない。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとしても、同条第2項を適用して登録すべきものである。
したがって、原査定は,取り消すべきである。
その他、政令で定める期間内に本件についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標


審理終結日 2006-07-27 
結審通知日 2006-07-31 
審決日 2007-10-05 
出願番号 商願2001-3358(T2001-3358) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (Z11)
T 1 8・ 17- WY (Z11)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小松 里美 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 津金 純子
小畑 恵一
代理人 山内 信俊 
代理人 下坂 スミ子 
代理人 高橋 美智留 

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