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審決分類 審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z18
管理番号 1163921 
審判番号 無効2006-89116 
総通号数 94 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-10-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-08-16 
確定日 2007-08-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4499194号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4499194号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4499194号商標(以下「本件商標」という。)は、「TWIGGY」の文字を標準文字で書してなり、平成12年7月19日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成13年8月17日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第32号証を提出した。
1 請求の理由
(1)商標法第4条第1項第8号について
ア 本件商標に請求人の芸名が含まれることについて
本件商標は、「TWIGGY」の欧文字よりなり、請求人の芸名は、「TWIGGY」又は「Twiggy」であるから、本件商標と請求人の芸名とは同一であって、本件商標に請求人の芸名が含まれることは明白である。
イ 「TWIGGY」が請求人の著名な芸名であることについて
請求人は、本名をレズリー・ホーンビー(Lesley Hornby)といい、1966年にモデルとしてファッンョン界にデビューし、フランスの「エル」、イギリス、アメリカの「ヴォーグ」をはじめとする世界的に著名なファッション雑誌で活躍した(甲第3号証)。請求人は、その手足が小枝(Twig)のように細いことから「TWIGGY」との愛称で知られるようになり、請求人のファッンョンの特徴であるミニ・スカートとボーイッシュな髪型は、1960年代後半に世界中の若い女性たちの間で大流行した。請求人が来日した1967年当時、我が国でもミニスカートが大流行し、請求人のファッション・スタイルは、「ツイギー・ルック」と称され、請求人は「ミニの女王」と異名をとるほどの有名人となった(甲第4、5号証)。請求人は、現在も女優、歌手として活躍しており、2004年に再来日した際にもそのインタビューが我が国を代表するファッション雑誌「エル・ジャポン」に掲載される等、注目を集めた(甲第6号証)。
請求人が来日した1967年当時、請求人の芸名である「TWIGGY」が我が国の国民の間に広く知られていたことは、以下に示す事実から明白である。
(ア)朝日新聞は、社会面等で写真付きで報じ、また、請求人の来日を当時の社会風俗や産業に与える社会現象として報じる記事を掲載したこと(甲第5、7ないし9号証)。
(イ)TBSテレビは、いわゆるゴールデン・タイムである午後8時から1時間にわたり、請求人が出演する「ツイッギー・イン・ジャパン」と題する特別番組を放送したこと(甲第10号証)。
(ウ)東レ、森永製菓及びトヨタ自動車は、請求人とスポンサー契約を締結し、自社の広告宣伝活動に請求人を起用したこと(甲第7、11ないし14号証)。
(エ)「女性自身」や「女性セブン」などの女性向け雑誌の「見出し広告」に、請求人の芸名及び写真とともに、請求人の私生活上の行状に対する大衆の関心に訴える記事見出しを掲載したこと(甲第15、16号証)。
ウ 「TWIGGY」が請求人の芸名を表示するものとして、本件商標の出願時及び登録時において、本件商標の指定商品の属する分野における需要者、取引者の間において、著名性を具備していたことは、以下に示す事実から明白である。
(ア)「エル・ジャポン」(1998年2月号)に、「時代の動きが鮮やかによみがえる 60年代のイコン、ツィギーの自伝」との見出しで、請求人が自伝を出版したことが報じられたこと(甲第17号証)。
(イ)「MORE」(1998年3月号)に、ワンピースの着こなし例を解説する記事中で、ブリジット・バルドー、ジュリア・ロバーツ、アンヌ・パリローらの有名女優と並んで、請求人が紹介されたこと(甲第18号証)。
(ウ)「AERA」(1999年4月19日号)に、「過去の栄光で会見百万円 ロンドン」との見出しで、請求人の自伝がベストセラーになり文庫化されたこと、請求人への会見の費用が非常に高額であることなどに関する記事が掲載されたこと(甲第19号証)。
(エ)「エル・ジャポン」(1999年6月号)に、「20世紀を変えた女たち 第4回 ツイッギー ヤングジェネレーションが時代を作った‘60年代のシンボル」と題する特集記事が掲載されたこと(甲第20号証)。 (オ)「エル・ジャポン」(2000年7月号)に、「MODEL NEWS トップモデルたちの最新情報!」欄で、請求人が、1990年代を代表するモデルであるケイト・モスとともに、乳ガン撲滅基金のチャリティのために販売するTシャツのキャンペーンガールを務めたとの記事が掲載されたこと(甲第21号証)。
(カ)「広告批評」(2002年06/07号)に、「元祖スーパーモデル ツィギーが交通広告を埋め尽くす」と題し、請求人の肖像を使用した広告ポスターが車内吊りや駅構内に大量に掲載されたことが話題となったとの記事が掲載されたこと(甲第22号証)。
(キ)「エル・ジャポン」(2003年2月号)に、「おしゃれの手本は‘60年代ミューズたち」の特集記事中、「ツイッギー 美の概念を覆したスウィンギング・ロンドンの象徴」として、請求人に関する記事が掲載されたこと(甲第23号証)。
(ク)産経新聞(2004年3月5日朝刊の全国版)が1面で、「小枝のような…変わらぬスタイル ツィギーさん来日会見」との見出しで、請求人の来日を報じたこと(甲第24号証)。
(ケ)毎日新聞(2004年3月5日朝刊の全国版)が社会面で、請求人の来日を報じたこと(甲第25号証)。
(コ)「週刊新潮」(2004年3月11日号)に、「小枝変じて…」と題し、請求人が37年ぶりに来日した記事が掲載されたこと(甲第26号証)。
(サ)「女性自身」(2004年3月23日号)に、「ツィギー(54)当時、本誌の表紙も飾っていた元祖スーパーモデルが37年ぶりのオフィシャル来日 お久しぶりね、『女性自身』!」と題する特集記事が掲載されたこと(甲第27号証)。
(シ)「週刊文春」(2004年3月25日号)に、「阿川佐和子のこの人に会いたい」という連載記事で、「六〇年代のツィギーは私の妹みたいなものね」と題した対談記事が掲載されたこと(甲第28号証)。
(ス)「ファッション事典」(1991年8月1日初版第2刷発行)に、請求人の芸名である「ツイッギー Twiggy」が見出し語として掲載されていること(甲第3号証)。
(セ)「ファッション辞典」(2002年5月22日第3版第2刷発行)に、請求人の芸名である「ツイギー Twiggy」が見出し語として掲載されていること(甲第29号証)。
(ソ)「新・実用服飾用語辞典」(2000年5月28日第1刷発行)に、請求人の芸名を含む「ツイギー・ルック Twiggy look」が見出し語として掲載されていること(甲第4号証)。
エ 「TWIGGY」という語は、「小枝のような、ほっそりした、か細い」を意味する英語と同一であるが、人格権の保護という商標法第4条第1項第8号の立法趣旨に照らせば、上記事情は、本件商標が請求人の著名な芸名を含む商標であることを否定するものではない。そして、被請求人は、本件商標を出願するにあたり、請求人の承諾を得ていない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、請求人の著名な芸名と全く同一の商標であり、請求人と関係のない被請求人が、請求人に無断でこれを自己の商標として採択、使用することは、社会の一般的道徳観念に反して穏当ではないというべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)請求人の芸名の著名性と指定商品との関連について
請求人の芸名は、前記1のとおり、我が国の需要者、取引者の間において高い著名性を具備するに至ったものであり、このことは、本件商標の指定商品の需要者、取引者の間における著名性においても何ら変わるところはない。
したがって、「TWIGGY」が請求人の芸名として著名であることには疑いがなく、被請求人の主張するように「指定商品との係わり合い」で請求人の芸名の著名性を検討することによっても容易にそれを肯定することができるのである。
(2)「TWIGGY」から生ずる観念等について
被請求人は、英語が広く世人に知れわたっている昨今において、本件商標は、「小枝のような、ほっそりした、小枝の多い」という観念でとらえられているから、請求人の芸名以外の観念を生じる旨主張する。
しかし、「TWIGGY」が「小枝のような、ほっそりした、小枝の多い」を意味する外来語として、我が国の商品又は役務の需要者の間で一般に定着しているとの事情も見受けられない。したがって、前記1(1)ウの(ア)ないし(ソ)で述べた事実に照らせば、「TWIGGY」から観念・想起されるものは、請求人の芸名をおいて他にないというべきである。
加えて、被請求人は、請求人に固有の外観的特徴(小枝のように細い手足、短髪、ミニスカート等)及び姿勢を表す女性の全身像のシルエット様の図形よりなる商標を出願、登録している(甲第30ないし32号証)。そして、被請求人が本件商標のみならず、「TWIGGY」の商標を複数の指定商品で出願している事情を合わせると、本件商標は、請求人を表示する意図をもって出願されたものであることが明白である。
(3)商標法第4条第1項第7号について
被請求人は、請求人の承諾を得ることなく登録を受けた本件商標を、株式会社イングラム(以下「イングラム社」という。)に対し、専用使用権を設定している(甲第2号証)。イングラム社は、請求人の氏名・肖像の顧客吸引力を利用した各種ブランド商品の開発・ライセンス等を行っている事業者であり、被請求人は、これらの事実を知りながら本件商標の登録を受けて、イングラム社から専用使用権を設定することによる対価の支払いを受けていることが強く推認されるのであって、かかる行為は瓢窃的で信義則に反するものである。
(4)登録例及び使用例について
被請求人は、日本及びアメリカでの登録例並びにアメリカ国内での使用例を挙げるが、かかる事実の存在は、本件審判の判断にあたり、なんら関連性を有しない事情であるから、この点に関する被請求人の主張には理由がない。
また、アメリカ国内での「TWIGGY」なる語の使用例は、英語を公用語とするアメリカにおいて「TWIGGY」なる語が請求人の芸名以外の観念と結びつけられて用いられている一例を示すものにすぎないのであって、我が国における本件商標の登録とは事情を異にするものである。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号及び同第7号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第8号について
請求人は、本件商標は請求人の芸名である「TWIGGY」を含むものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する旨主張する。
第8号は、氏名と同様、特定人の同一性を認識させる機能を有するから、人格権保護の範囲としたものであり、著名な氏名等の略称に該当するかどうかは商品との関係において相対的に判断しなければならないとされている。 然るに、請求人の「TWIGGY」は、指定商品との係わり合いが特定しない。第8号に属する名称類といえども、世人をして混同誤認を来たすおそれなきものは、不正競争を生ずべきおそれもない。
請求人は、略40年前のパブリシティから2004年頃までの単発的パブリシティを挙げて、「TWIGGY」の有名性を主張するが、その当初の流行性は首肯できても、その後の社会の変遷は著しく、「TWIGGY」なる名称は、希釈化、若しくは普通名称として認識されるようになっている。すなわち、英語が広く世人に知れわたっている昨今において「小枝のような、ほっそりした、小枝の多い」という観念でとらえられている。したがって、第8号の名称以外の観念を生じることは明らかである。
2 商標法第4条第1項第7号について
いかなる商標が公序良俗に反するかは、一国におけるその時代に応じた社会通念に従って、これを指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、又は社会通念一般的道徳観念に反することとなるかどうかにより、商品取引の実状を通じて判断されるべき相対的な概念である。したがって、社会情勢の推移により異なる場合もあるので、本来具体的には定め得ない点に特徴がある(網野誠著「商標」)。すなわち、請求人の「TWIGGY」は、今や断片的で一時的に小規模な市場で展開されたことがあるのみで、特定の商品との係わり合いが希釈されており、若しくは無いものといえる。
3 前記1及び2の論証の一端として、本件商標の出願人のみならず、日本国特許庁に登録された「TWIGGY」に係る商標(乙第2ないし6号証)及びアメリカの登録例(乙第7号証)並びにアメリカ国内の商品化例(乙第8号証)を提出する。

第4 当審の判断
1 請求人の芸名である「TWIGGY」の著名性について
(1)甲第3号証ないし甲第29号証及び請求の理由によれば、請求人は、1966年にファッションモデルとしてデビューし、細くやせた肢体と短く切り込んだボーイッシュな髪型にミニスカートいう、かってなかったファッションスタイルにファッション業界の注目を集め、フランスの「エル」、イギリス、アメリカの「ヴォーグ」等世界的に著名なファッション雑誌に登場したこと、また、同人の身体の特徴から、「小枝のような、ほっそりした」などを意味する「TWIGGY」なる愛称も、請求人の芸名として、ファッション業界において一躍知れわたるようになったこと、我が国においても、請求人が1967年に来日したことを契機に、請求人の細くやせた肢体と短く切り込んだボーイッシュな髪型にミニスカートいうファッションスタイルが若い女性の間で大いに受け入れられ、瞬く間にミニスカートが大流行し、そのファッションスタイルを請求人の芸名である「TWIGGY」から採った「ツイギールック」などと称し、頻繁に使用されたこと、また、請求人は、1967年に来日した際に、被服メーカーの東洋レーヨン株式会社、菓子メーカーの森永株式会社、自動車メーカーのトヨタ自動車工業株式会社などとスポンサー契約を締結し、その宣伝広告に請求人の肖像写真ととも「ツゥイギー」の文字が使用されたこと及びその滞在期間中、請求人に関する種々の記事が「ツゥイギー」の名のもとで女性週刊誌を賑わしたこと、その後、請求人は、女優として活動する傍ら、自伝を出版するなど注目を集め、また、60年代の際だったファッションモデルとして1998年以降もファッション雑誌にしばしば取り上げられているばかりでなく、60年代のファッションスタイルの復興などの動きに伴い、ファッション業界で再度脚光を浴びたこと、2004年(平成16年)3月の再来日の際にも、種々のマスコミに取り上げられたこと、などが認められる。
(2)前記(1)で認定した事実を総合すると、請求人の芸名である「TWIGGY」及びその片仮名表記である「ツイギー」、「ツゥイギー」等は、ミニスカートを着用する肢体の細いファッションモデルというイメージと強固に結びつき、1960年代の後半以降、我が国のファッション関連の商品分野の需要者のみならず、一般世人の間にきわめて強い印象を与えたものであることが認められ、さらには、当時、爆発的に流行したミニスカートというファッションスタイルは、その後の我が国において定着し、ファッションスタイルの一類型として確立されたことや1998年頃に、1960年代のファッションスタイルが再認識されたことなども相俟って、請求人の芸名は、本件商標の登録出願時においてもなお、我が国のファッション関連の需要者のみならず、一般の需要者の間においても、広く認識されていたものとみるのが相当であって、その著名性は、本件商標の査定時(平成13年6月20日)にも継続していたものということができる。
2 商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、前記第1のとおり、「TWIGGY」の文字を書してなるものである。
そうすると、本件商標は、請求人の著名な芸名である「TWIGGY」と同一の綴り字よりなるものであるから、他人の著名な芸名を含む商標というべきである。そして、本件商標が請求人の承諾を得て、登録出願されたものと認めるに足る証拠は見出せない。
3 被請求人の主張について
(1)被請求人の、本件商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとの請求人の主張に対する答弁の趣旨は、著名な氏名等の略称に該当するかどうかは商品との関係において相対的に判断しなければならないところ、請求人の「TWIGGY」は、本件商標の指定商品と直接関係を有しないから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、世人をして混同誤認を来たすおそれはなく、不正競争を生ずるおそれもないし、また、「TWIGGY」の語は、英語が広く世人に知れわたっている昨今においては、「小枝のような、ほっそりした、小枝の多い」という観念でとらえられているから、商標法第4条第1項第8号に該当しない旨主張するものと解される。
しかし、前記認定のとおり、請求人の芸名である「TWIGGY」は、「ツイギールック」という言葉に代表されるように、ミニスカートというファッションスタイルと密接な関係を有するものとして、我が国のファッション関連の需要者のみならず、一般の需要者の間においても、広く認識されているものである。そして、「商標法4条1項は,商標登録を受けることができない商標を各号で列記しているが,需要者の間に広く認識されている商標との関係で商品又は役務の出所の混同の防止を図ろうとする同項10号,15号等の規定とは別に,8号の規定が定められていることからみると,8号が,他人の肖像又は他人の氏名,名称,著名な略称等を含む商標は,その他人の承諾を得ているものを除き,商標登録を受けることができないと規定した趣旨は,人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像,氏名,名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。すなわち,人は,自らの承諾なしにその氏名,名称等を商標に使われることがない利益を保護されているのである。略称についても,一般に氏名,名称と同様に本人を指し示すものとして受け入れられている場合には,本人の氏名,名称と同様に保護に値すると考えられる。そうすると,人の名称等の略称が8号にいう『著名な略称』に該当するか否かを判断するについても,常に,問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当でなく,その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきものということができる」(平成16年(行ヒ)第343号、最高裁判所第二小法廷平成17年7月22日判決言渡)ところであるから、請求人の芸名が本件商標の指定商品と直接関係を有しない旨の被請求人の主張は失当であるのみならず、本件商標が他人の業務に係る商品と出所の誤認、混同が生ずるおそれのある商標であるか否かの問題は、商標法第4条第1項第8号該当性を問題としている本件においては、別論というべきである。
また、「TWIGGY」の語は、請求人が1967年に来日する以前より、「小枝のような、ほっそりした、小枝の多い」なる意味を有する英語として、我が国の一般世人に親しまれて使用されていたという事実を明らかにする証拠はなく、我が国においては大学教養程度の学習課程にもない単語であって、むしろ、請求人の芸名が我が国で知れわたるようになってから、その語義が理解され始めたというのが相当であるから、本件商標の登録出願時において、「TWIGGY」の語より「小枝のような、ほっそりした」などの意味を理解する場合があるとしても、それは、請求人と関連付け上記語義を想起する場合も少なくないというべきである。
したがって、上記に関する被請求人の主張は理由がない。
(2)被請求人は、日本及びアメリカで登録された「TWIGGY」の文字よりなる商標並びにアメリカ国内での「TWIGGY」の文字よりなる商標の使用例を示し、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない旨主張する。
日本において登録された商標であっても、無効理由が存在しているのであれば、その登録は無効となることもあり得るところであって、本件においては、前記認定のとおり、請求人の提出に係る証拠により、請求人の芸名の著名性が立証されたものであり、他の登録例があるからといって、本件商標の登録に無効の理由が存在する以上、その存続が許されるものではない。また、アメリカにおける登録例や使用例が存在するとしても、アメリカと我が国とでは、社会的諸事情や法制等が大きく相違するものであり、その登録例や使用例により、本件商標の登録の存否が影響を及ぼされるものではない。
したがって、上記に関する被請求人の主張は理由がない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものといわざるを得ないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-06-04 
結審通知日 2007-06-07 
審決日 2007-06-19 
出願番号 商願2000-86071(T2000-86071) 
審決分類 T 1 11・ 23- Z (Z18)
最終処分 成立 
前審関与審査官 柳原 雪身 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 小畑 恵一
津金 純子
登録日 2001-08-17 
登録番号 商標登録第4499194号(T4499194) 
商標の称呼 ツイギー、ツウイギー 
代理人 辻 哲哉 
代理人 山崎 卓也 
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