• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 判定 その他 属する(申立て不成立) Y41
管理番号 1162700 
判定請求番号 判定2006-60055 
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2007-09-28 
種別 判定 
判定請求日 2006-10-13 
確定日 2007-07-31 
事件の表示 上記当事者間の登録第4983085号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 請求に係る役務中、以下の役務に使用するイ号標章は、登録第4983085号商標の商標権の効力の範囲に属する。「救急救命の知識の教授,臨床工学の知識の教授,医療コンピュータの知識の教授,看護の知識の教授,保健の知識の教授,診療情報管理の知識の教授,医療秘書の知識の教授,医療事務の知識の教授,言語聴覚の知識の教授,視能訓練の知識の教授,理学療法の知識の教授,作業療法の知識の教授,運動療法の知識の教授,介護福祉の知識の教授,精神保健福祉の知識の教授,訪問介護の知識の教授,養護の知識の教授,エアロビツクダンス・エクササイズの教授,トレーナーの知識の教授,人命救助の知識密な偽彰(の教授,医療の知識の教授,メイクの教授,手話の教授,針灸の知識の教授,柔道整復の知識の教授,あんま・マッサージ・指圧の知識の教授」 また、以下の役務に使用するイ号標章は、登録第4983085号商標の商標権の効力の範囲に属しない。「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断」
理由 第1 本件商標
本件登録第4983085号商標(以下「本件商標」という。)は、「東京医専」の文字を標準文字で表してなり、平成16年12月10日に登録出願され、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、同18年9月1日に設定登録されたものである。

第2 イ号標章
本件判定請求人(以下「請求人」という。)が、以下の役務に使用するイ号標章は、別掲に示すとおり、花弁の中央に十字を配した花形の図形と「東京医専」の文字が並び、それらに比して小さく、それぞれが一体的に表され、かつ、文字に大小の差を付けた「学校法人・専門学校」及び「メディカル総合学園」の文字を、その上段に横書きした構成からなるものである。
「救急救命の知識の教授,臨床工学の知識の教授,医療コンピュータの知識の教授,看護の知識の教授,保健の知識の教授,診療情報管理の知識の教授,医療秘書の知識の教授,医療事務の知識の教授,言語聴覚の知識の教授,視能訓練の知識の教授,理学療法の知識の教授,作業療法の知識の教授,運動療法の知識の教授,介護福祉の知識の教授,精神保健福祉の知識の教授,訪問介護の知識の教授,養護の知識の教授,エアロビツクダンス・エクササイズの教授,トレーナーの知識の教授,人命救助の知識の教授,医療の知識の教授,メイクの教授,手話の教授,針灸の知識の教授,柔道整復の知識の教授,あんま・マッサージ・指圧の知識の教授,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断」(以下、これらの役務をまとめていうときは「使用役務」という。)
なお、上記の使用役務は、請求人の登録出願に係る商願2006-87115号の指定役務と、同一の役務を含むものであるが、両者の指定役務中「トレーナーの知識の教授」については、その内容が必ずしも明確な表示とは認められないものである。
しかしながら、請求人が同出願において提出した平成19年4月17日付け手続補正書において、上記表示は、「スポーツトレーナーの養成教育,アスレティックトレーナーの養成教育」と補正されたものであるから、本件判定に係る「トレーナーの知識の教授」についても、同様の役務として取り扱うものとする。

第3 請求人の主張の要旨
請求人は、同人が開校、運営を予定する医療系の専門学校の名称に使用するイ号標章が、本件商標の商標権の効力の範囲に属しない、との判定を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第30号証を提出した。
1 判定請求の必要性
請求人は、本件商標と同名の「東京医専」という名称の医療専門学校を設立予定であり、平成18年5月2日新宿区に設置許可申請、同年7月26日新宿区より設置計画承認がなされた(甲第3号証ないし甲第6号証)。請求人は、既に、パンフレットや授業で使用する教材等の作成も行っている。
しかしながら、請求人が、このまま「東京医専」の名称で、専門学校の開設、運営をすることになると、被請求人から、本件商標の商標権侵害として、請求人に対して警告、差し止め請求される可能性も否定できない。
したがって、請求人は、イ号標章の名称での専門学校の開設、運営を遂行するにあたって、慎重な対応を行いたいと考え、本件商標の商標権の効力の範囲について、判定を求める次第である。
2 本件商標について
本件商標は、「東京医専」の標準文字からなる商標であり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、平成16年12月10日に、登録出願されたものであり、同17年5月25日に商標法第4条第1項第7号を理由に拒絶理由通知が発せられたものであるが、最終的に、同年12月12日に学校法人東京医科大学へ名義変更がなされて、同18年9月1日に登録査定となったものである(甲第1号証)。
3 イ号標章が本件商標の商標権の効力の範囲に属しないとの説明
(1)請求人が開校、運営する姉妹校「学校法人・専門学校メディカル総合学園大阪医専」との関係性の観点について
本件商標は、「学校法人東京医科大学」との関連性が評価されたことから、登録査定を受けたものと考える。仮に、学校法人東京医科大学と明確に区別でき得る態様で表示する標章であれば、たとえ「東京医専」の文字が形式的にあったとしても、直ちにこれに類似するものと判断されることは妥当ではない。
すなわち、イ号標章は、「花形の図形」及び「学校法人・専門学校 メディカル総合学園 東京医専」であり、本件商標は、「東京医専」であるから、両者は、「学校法人・専門学校 メディカル総合学園」の文字及び図形が異なる。
そして、「メディカル総合学園」の文字及び「花形の図形」は、請求人が開設、運営を実施している姉妹校学園大阪医専の標章を構成する重要な部分であり、また、「学校法人・専門学校 メディカル総合学園 大阪医専」の文字は、相当程度、使用していることから、医療系の専門学校として著名となっているものであって、イ号標章は、請求人が既に開設、運営を実施している大阪医専との関係性が認識されることはあっても、被請求人との関係性を有するとの誤認を生じることはないものと思われる。
他方で、「学校法人・専門学校 メディカル総合学園 大阪医専」「大阪医専」の名称は、請求人が相当程度に使用をして著名性を獲得しているにも関わらず、本件商標が、商標法第4条第1項第10号及び第15号の規定により拒絶査定とならなかったことに鑑みると、「大阪医専」と「東京医専」は非類似の関係にあり、また、請求人の業務と混同を生じるおそれがない商標であると判断されたものと思料する。
したがって、請求人との関連性を示す「学校法人・専門学校 メディカル総合学園」との指標性を有する文字及び学校法人モード学園の医療系専門学校のシンボル的マークの「花形の図形」と「東京医専」を結合させ、一体とすることで、被請求人の「東京医専」とは類似関係にはないものと考える。
これらを総合的に判断して、イ号標章と本件商標は、類似の関係にはなく、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものである。
(2)「大阪医専」の使用実績等について
請求人は、被請求人の本件商標の出願日前の平成12年4月に、大阪府大阪市において「大阪医専」の名称の専門学校を開校している(甲第7号証ないし甲第14号証)。
同校は、これまで、平成13年度及び15年度において、本件商標の出願日までに計527名の卒業生を輩出し、その後には、16年度、17年度を合わせると、合計1856名の卒業生を輩出している。また、同校は、学科毎に年に1回、公開講座を実施し、延べ1356名が参加をしている。
さらに、大阪医専への学生募集等の活動については、関西地区の交通広告、テレビCM、高校生向けの進学情報誌、新聞広告等、数多くの広告活動を実施している(甲第3号証、甲第15号証ないし甲第20号証)。
上記のように、「大阪医専」「花形の図形」及び「学校法人・専門学校 メディカル総合学園 大阪医専」の標章は、被請求人の本件登録標章の出願日の時点においても、また現在に至るまで、在校生や卒業生の数、また、公開講座、広告実績などから関西地方を中心として需要者の間に広く知られた商標であるといえる。
(3)請求人の「東京医専」の名称による学校設置に関する許認可の観点について
請求人は、本件商標と同名の「東京医専」という名称の医療専門学校を設立予定であり、平成18年5月2日新宿区に設置許可申請、同年7月26日に設置計画承認がなされた(甲第3号証ないし甲第6号証)。請求人は、既に、パンフレットや授業で使用する教材の作成準備等も行っている。
また、請求人は、「東京医専」の名称の専門学校を開校する旨を本件商標の出願日前に発表をしている(甲第3号証、甲第20号証ないし甲第24号証)ことから、同名称を使用できないことは、その期待権を奪うものとなる。
したがって、イ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないとの判断をしないと、産業の発展を目的とした商標法第1条に規定する法目的に反することになる。
(4)商標法第3条第1項第3号及び同4号の規定の観点について
本件商標は、行政区画名である「東京」と役務の質を表す「医専」の文字の結合、及び、ありふれた名称と判断される「東京医専」の文字からなるものであるから、商標法第3条第1項第3号及び同項第4号に違反するものと考える(甲第25号証ないし第30号証)。
しかし、本件商標が登録査定を受けでいるのは、その周知性が認められ、特別顕著性を獲得したものと思料する。また、複数の専門学校の略称になり得るにも関わらず、登録が認められた点については、特に、学校法人東京医科大学との関係性が評価されたものと考える。
すなわち、本件商標は、一体のものとして認知されているので、これと同一性の範囲のあるものを除き、形式的に類似する商標があったとしても、直ちに、出所混同を生じさせるものとはならない。
ここで、イ号標章は、「花形の図形」及び「学校法人・専門学校 メディカル総合学園 東京医専」であり、本件商標「東京医専」とは、同一性の範囲にあるとは評価できない。また、請求人の関係性を示す「花形の図形」及び「学校法人・専門学校 メディカル総合学園」の名称を結合させていることから、学校法人東京医科大学との関係性を排除する態様としている。
したがって、これらを総合的に判断して、イ号標章と本件商標は、類似の関係にはなく、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものである。
(5)商標法第26条第1項第1号の規定の観点について
請求人は、「東京医専」の名称により、医療系の専門学校として、自治体から認可を受け、該名称により、医療系の専門学校を開設することを、広く公開している(甲第3号証ないし甲第6号証、甲第21号証ないし甲第24号証)。このようなことから、「東京医専」の名称は、請求人が運営する医療系専門学校の名称として、既に確立している。
したがって、請求人が、自身が運営する医療系専門学校に、「学校法人・専門学校 メディカル総合学園 東京医専」の名称を使用すること、すなわち、前記の使用役務にその商標を使用することは、商標法第26条第1項第1号に規定する「自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標」に該当し、本件商標の効力は及ばないものである。
(6)商標法第32条第1項の観点について
請求人は、本件商標の登録出願日前から日本国内において、「東京医専」の名称の専門学校を開校する旨を各種媒体やフォーラム等で発表をしている(甲第3号証、甲第21号証ないし甲第24号証)。また、「花形の図形」及び「学校法人・専門学校 メディカル総合学園」を表す標章は、請求人の運営する医療系専門学校の「大阪医専」の名称に付随して使用されているものである(甲第15号証ないし甲第17号証)。
したがって、イ号標章は、本件商標に係る登録出願の際に、現に、請求人の専門学校を表示するものとして、需要者に広く認識されていることは明白である。また、請求人は、上述したように「東京医専」との名称で専門学校を開校する予定であり、自治体等から認可等を請け、開校の準備のために「東京医専」の名称を継続して使用している。
よって、請求人が前記の使用役務にその商標を使用することは、商標法第32条第1項の規定により、請求人は、イ号標章を使用する権利を有するものである。なお、請求人は、本件商標の出願日前に「大阪医専」の名称で医療系専門学校を開校して、既に相当程度の活動をしており、その事業の一環として、姉妹校である「東京医専」等の名称の医療系専門学校を開校、運営する予定であること、それにあたって、本件商標の出願日前からその旨を公表していること等から、請求人が不正競争の目的で、イ号標章を使用しているものではないことは明白である。
4 結び
よって、請求の趣旨のとおりの判定を求める。

第4 被請求人の主張の要旨
被請求人は、イ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属する、との判定を求め、その理由を要旨次のように述べた。
1 イ号標章と本件商標との類似性
イ号標章中「学校法人・専門学校」の文字は、それぞれ、「人格」、「業態」を、「メディカル総合学園」の文字は「業態・提供するサービスの内容」を表すものであって、それらは、自他役務標識を表すものとは認識されず、「中心に白十字を配した図形」は、外観としての自他役務標識性はあるとしても称呼・観念上の自他役務識別性は認められないものであるから、それが自他役務標識を表すとは認識されないものであって、「東京医専」の部分に最も強い自他役務標識性があるものである。
一方、本件商標は、「東京医専」の文字を標準文字により左横書きしてなるものであり、「トウキョウイセン」の称呼および甲第1号証中の「意見書」に記載のとおり、被請求人の「周知ないし著名な別称」の観念を認識させるものである。
そこで、イ号標章と本件商標とを比較検討するに、イ号標章は、「ガッコウホウジンセンモンガッコウメディカルソウゴウガクエン ズ トウキョウイセン」、「ズ トウキョウイセン」、「トウキョウイセン」の称呼を生じるが、「メディカル総合学園」の部分が「業態・提供するサービスの内容」を認識させるものであり、簡易・迅速を旨とする取引界の実情およびイ号標章中に占める「東京医専」の文字の大きさからして、単に「トウキョウイセン」の称呼を生じ、上記のとおり被請求人の「周知ないし著名な別称」の観念を認識させるものと思料されるのに対し、本件商標は、上記のとおり、左横書きした標準文字「東京医専」を外観とし、「トウキョウイセン」の称呼、被請求人の「周知ないし著名な別称」の観念を認識させるものであるから、イ号標章と本件商標とは、外観を類似にし、称呼および観念を同一にする類似する商標であると言わざるを得ない。
2 その他判定請求の理由に対する答弁
(1)請求人は、本件登録商標は、商標法第3条第1項第3号、同4号に違反すると主張するが、上記1のとおり、被請求人の「周知ないし著名な別称」であることで登録が認められたものであるから、これらの主張には理由がない。
(2)請求人は、イ号標章は、商標法第26条第1項第1号に規定する「自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標」に該当し、本件商標の効力は及ばないと主張するが、上記1のとおり、イ号標章中の「東京医専」の文字は、自他役務区別標識を認識させる方法で表示され、請求人の名称「学校法人モード学園」と「東京医専」の文字とは全く別異のものであるから、請求人のかかる主張には理由がない。
(3)請求人は、イ号標章は、商標法第32条第1項の規定に該当すると主張するが、未だに請求人はイ号標章をその役務に使用していないのであるから、イ号標章が請求人の役務に係る商標として周知・著名になっていることなど有り得ないので、この点の主張についても理由がない。
3 結論
したがって、イ号標章は、本件商標に係る商標権の効力の範囲に属するものである。

第5 当審の判断
1 本件商標とイ号標章の類否について
本件商標は、前記第1のとおり、「東京医専」の標準文字よりなるものであるから、これより、「トウキョウイセン」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、イ号標章は、別掲に示したとおりの構成よりなるところ、その構成中の「学校法人・専門学校」の文字は、「法律上の人格・一種の教育施設」を表すものであり、同じく「メディカル総合学園」の文字は、「医療に関する総合的な学校」程の意味合いを容易に看取させるものであって、請求人の使用役務との関係においては、自他役務の識別力を有しないか、極めて弱いものというべきである。
また、顕著に表された花びらと思しき図形部分と「東京医専」の文字は、視覚上、分離して把握されるものであり、イ号標章が、常に全体として一体不可分の商標としてのみ、みるべき特段の事情を見いだせない。
そうとすれば、イ号標章は、図形部分又は「東京医専」の文字部分が、それぞれ、独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るというべきであり、かつ、図形部分から、直ちに特定の称呼、観念を生ずるともいい得ないものであるから、該標章に接する取引者、需要者は、「東京医専」の文字部分に着目し、これより生ずると認められる「トウキョウイセン」の称呼をもって、取引に当たる場合が少なくないとみるのが相当である。
してみれば、本件商標とイ号標章とは、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得る「東京医専」の文字と「トウキョウイセン」の称呼を共通にするものであり、その文字部分において、外観及び称呼において互いに紛れるおそれのある類似の商標といわざるを得ない。
また、イ号商標を使用する役務中「救急救命の知識の教授,臨床工学の知識の教授,医療コンピュータの知識の教授,看護の知識の教授,保健の知識の教授,診療情報管理の知識の教授,医療秘書の知識の教授,医療事務の知識の教授,言語聴覚の知識の教授,視能訓練の知識の教授,理学療法の知識の教授,作業療法の知識の教授,運動療法の知識の教授,介護福祉の知識の教授,精神保健福祉の知識の教授,訪問介護の知識の教授,養護の知/識の教授,エアロビツクダンス・エクササイズの教授,トレーナーの知識の教授,人命救助の知識の教授,医療の知識の教授,メイクの教授,手話の教授,針灸の知識の教授,柔道整復の知識の教授,あんま.マッサージ.指圧の知識の教授」については、本件商標の指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」に含まれるものである。
他方、「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断」については、本件商標の上記指定役務とは、役務の提供の手段・内容等を異にするから、非類似の役務とみるのが相当である。
なお、請求人は、イ標章は、その構成中の図形部分及びその他の構成文字部分を全体として一体とすることで、イ号標章と本件商標とは、類似の関係にない旨主張するが、イ号標章において「東京医専」の文字部分が、自他役務の識別標識として独立して機能するものであること上述のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
2 商標法第26条第1項第1号について
イ号標章は、別掲に示すとおりの構成よりなるものであるところ、請求人は、自治体から認可を受け、2008年4月には、「東京医専」の名称により、医療専門学校を開設する予定である旨を新聞広告等で、一般に公開している事実が認められるが、イ号標章において、独立して自他役務の識別力を有する「東京医専」の文字が請求人の名称又は著名な略称として普通に用いられる方法で表示するものとは言い得ないものであるから、商標法第26条第1項第1号により、本件商標の効力が及ばないとする請求人の主張は採用することができない。
3 商標法第32条ほかの主張について
イ号標章は、これに接する需要者等をして、常に、一体不可分のものとしてのみ把握されるべき特段の事情もないこと、及び、その構成中の「東京医専」の文字部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を十分に有するものであること上述のとおりである。
そして、請求人の提出に係る甲各号証によれば、「東京医専」の文字が、請求人の使用する商標として、本件商標の登録出願日前から国内において相当程度周知なものであることを示す証左としては、十分なものということはできない。
そうとすれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標といわざるを得ない本件商標とイ号標章において、未登録周知商標の信用の既得権を保護しようとする商標法第32条第1項の規定に照らすと、請求人の主張は、その要件を具備しているということはできない。
さらに、請求人は、「東京医専」の名称による学校設置に関して、関係当局の承認がなされ、既に開校準備を進めており、同名称を使用できないとすると、その期待権を奪うこととなるから、商標法第1条の法目的からも、イ号標章が本件商標の商標権の効力の範囲に属しない、との判断をすべきである旨主張している。
しかしながら、上記名称による私立学校設置の認可と商標法による同名称の保護とは、その法目的を全く異にするから、この点の請求人の主張も採用できない。
4 まとめ
したがって、上記1に記載のとおり、請求に係る役務中「救急救命の知識の教授,臨床工学の知識の教授,医療コンピュータの知識の教授,看護の知識の教授,保健の知識の教授,診療情報管理の知識の教授,医療秘書の知識の教授,医療事務の知識の教授,言語聴覚の知識の教授,視能訓練の知識の教授,理学療法の知識の教授,作業療法の知識の教授,運動療法の知識の教授,介護福祉の知識の教授,精神保健福祉の知識の教授,訪問介護の知識の教授,養護の知識の教授,エアロビツクダンス・エクササイズの教授,トレーナーの知識の教授,人命救助の知識密な偽彰(の教授,医療の知識の教授,メイクの教授,手話の教授,針灸の知識の教授,柔道整復の知識の教授,あんま・マッサージ・指圧の知識の教授」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属する。
また、「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものである。
よって、結論のとおり、判定する。
別掲 別掲(イ号標章)

判定日 2007-07-19 
出願番号 商願2004-117866(T2004-117866) 
審決分類 T 1 2・ 9- YB (Y41)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 小川 きみえ村上 照美 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 堀内 仁子
関根 文昭
登録日 2006-09-01 
登録番号 商標登録第4983085号(T4983085) 
商標の称呼 トーキョーイセン、イセン 
代理人 新保 斉 
代理人 村田 幸雄 
代理人 有阪 正昭 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ