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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y30
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y30
管理番号 1161066 
異議申立番号 異議2006-90532 
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-10-16 
確定日 2007-06-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第4974804号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4974804号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
登録第4974804号商標(以下「本件商標」という。)は、「ひつまぶし」の文字を標準文字により書してなり、第30類「菓子,パン」を指定商品として、平成17年11月1日に登録出願、同18年8月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要旨
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「本件商標は、うなぎ料理を表示するものとして、一般にも広く知られている『ひつまぶし』を、普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品中『ひつまぶし風味、又はひつまぶし味の菓子及びパン』に使用するときには商品の品質を表示したにすぎないものであって、上記商品以外の商品に使用したときには商品の品質について誤認するおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当する商標であるから、その登録は取り消されるべきものである」旨申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証の10(枝番号を含む。)を提出した。

3 本件商標の取消理由
登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した平成19年2月15日付けの取消理由は、要旨次のとおりである。
申立人の提出に係る証拠(甲各号証)によれば、以下の各点が認められる。
「ひつまぶし」とは「うなぎの蒲焼きを細かく刻んで、ご飯の上にまぶし、一杯目はそのままご飯と混ぜて食べ、二杯目はネギやわさびなどの薬味(あさつき、わさび、のり等の薬味を使用したものもある。)をのせて食べ、三杯目はさらに出汁もしくはお茶をかけて食べる料理」を指称する語として知られていること。
また、インターネットの検索エンジンで「ひつまぶし」、「櫃まぶし」を検索すると、上記うなぎのひつまぶし料理に関するもののほか「鶏のひつまぶし?ゆず胡椒風味」(甲第3号証の2)、「竹輪の博多風ひつまぶし」(甲第3号証の9)等、本来うなぎを使用した上記ひつまぶし料理が、現在では「うなぎ」以外の鶏、穴子、竹輪等の食材を「ひつまぶし」の料理法に倣ったあるいは応用した食品について、「ひつまぶし風・・」と称されていること。
さらに、同じくインターネットの検索エンジンで「ひつまぶし」、「ひつまぶし味」、「ひつまぶし風味」を、商品「菓子」について検索すると、「カール ひつまぶし味、スナック菓子1000円くらい 商品の画像付き」(甲第5号証の1)、「2005/9/19/16:21 8/24(水)発売 ポテトチップスうなぎひつまぶし 145円」(甲第5号証の2)、「放送日2004年7月17日、■名神高速・尾張一宮PA?尾張の名物が味わえる、一番新しいパーキングエリア 三年前に開設した、名神高速ではもっとも新しいSA・PA・・・・「柿の種 ひつまぶし風味(630円)等が人気」・・・(掲載の商品画像に「名古屋ひつまぶしせんべい」の文字がみられる。)」(甲第5号証の3)、「ひつまぶしせんべい[weblog]/2006年7月25日」(甲第5号証の4)のように、「ひつまぶし風味」、「ひつまぶし味」の菓子が、「ひつまぶし・・」と称されていること。
以上のとおり、「ひつまぶし」は、名古屋地域のうなぎの料理法の一種であって、その料理法に倣った鶏や穴子などの食品が販売され、菓子においても「ひつまぶし風味」、「ひつまぶし味」の商品が製造、販売されている事情を窺うことが出来る。
してみれば、「ひつまぶし」を標準文字で書してなる本件商標を、その指定商品である「菓子・パン」について使用しても、これに接する需要者をして、単に「ひつまぶしの料理法に倣ったひつまぶし風味またはひつまぶし味の菓子またはパン」であること、即ち、商品の品質を表したものと理解・認識させるにすぎないものであり、また、これを指定商品中上記以外の商品について使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見
本件商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
本件商標についてした上記の取消理由は妥当であって、本件商標は、商標法第3条第1項3号及び同第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-05-02 
出願番号 商願2005-107557(T2005-107557) 
審決分類 T 1 651・ 272- Z (Y30)
T 1 651・ 13- Z (Y30)
最終処分 取消  
前審関与審査官 佐藤 達夫 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 伊藤 三男
岩崎 良子
登録日 2006-08-04 
登録番号 商標登録第4974804号(T4974804) 
権利者 株式会社フジセイカ
商標の称呼 ヒツマブシ 
代理人 六川 詔勝 
代理人 向山 正一 

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