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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200225215 審決 商標
不服200322975 審決 商標
不服20035262 審決 商標
不服2003853 審決 商標
不服200225216 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y09
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y09
管理番号 1160913 
審判番号 不服2003-21377 
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-11-04 
確定日 2007-07-06 
事件の表示 商願2003- 10172拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「ハイブリッドフロメータ」の文字を標準文字で表してなり、第9類「流量計およびその他の測定機械器具,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成15年2月12日に登録出願されたものであるが、その後指定商品については、同15年9月11日付け手続補正書により、第9類「流量計」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、標準文字で『ハイブリッドフローメータ』と表してなり、該構成中『ハイブリッド』の文字部分は、本願指定商品を取り扱う業界において、『複数の機能・機構を併せ持った商品』換言すれば『多機能、高機能の品質の商品』であることを表す語として、例えば、複数の動力源を用いて走行する自動車を『ハイブリッドカー』、アナログ型とデジタル型の双方の利点を組み合わせたコンピューターを『ハイブリッドコンピューター』、複数の機能を搭載した多機能の記録計を『ハイブリッドレコーダー』と指称するように、前記意味合いを看取させる語として普通に使用されているのが実状である。また、『フローメータ』の文字部分は『流量計』の意味合いを認識させる語として、一般に知られ親しまれているものであるから、これを本願指定商品『流量計』に使用しても、これに接する者は、全体として『複数の機能・機構を併せ持った流量計』程度の意味合いを把握、認識するに止まり、単に商品の品質、用途を表してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標は、前記のとおり「ハイブリッドフロメータ」の文字を書してなるところ、「ハイブリッド」の文字と「フロメータ」の文字の2語を結合したものと容易に認識されるものである。
そして、その構成中後半の「フロメータ」の文字は、「流量計(flowmeter:単位時間に管の中を流れる流体の量、速度を測定する計器)」の意味を有する語(新英和大辞典 研究社発行)として、本願指定商品「流量計」を取り扱う当業者間において該商品を表示するものとして採択、使用されているものである。
また、その構成中前半の「ハイブリッド」の文字は、本来、「雑種」「混成の」「混合の」(集英社発行 imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典、三省堂発行 コンサイスカタカナ語辞典第3版)といった意味の平易な英語ではあるが、近年、「2種類以上(複数)の新しい技術・材料」等を表す複合語をつくる語として普通に採択・使用されているものといいえるものである。
上記の事実は、例えば以下のことから裏付けられるものである。
(1)imidas2007 1069頁には、「ハイブリッドカー」の見出しのもと、「電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせるなど、2種類以上の動力源を持つ車のこと。」との記載。
(2)imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典422頁には、
(ア)「ハイブリッドIC」の見出しのもと、「【hybrid integrated circuit】混成集積回路、2種類以上の集積回路あるいは独立したデバイスと集積回路とを組み合わせる.」
(イ)「ハイブリッドカー」の見出しのもと、「【hybrid car】」市街地では電気を使い、郊外ではガソリンを使って走る自動車.エンジンを使って発電し、その電力でモーターを回して走行する自動車.ハイブリッド車,ハイブリッド自動車ともいう.
(ウ)「ハイブリッドカーナビ」の見出しのもと、「【hybrid car navigation system】GPS(全地球測位システム)と自律航法を併用して測位を行う自動車用航法システム.」
(エ)「ハイブリッド材料」の見出しのもと、「【hybrid materials】異なる物質を人為的に原子・分子の段階で組成制御して、規則正しく配列させた人工材料.」
(3)コンサイスカタカナ語辞典第3版779頁には、
(ア)「ハイブリッドエンジン」の見出しのもと、「〔hybrid engine〕エンジン出力を発電機につなぎ、発電した電力をバッテリーに蓄え、必要に応じて蓄えた電力でモーターを回す方式のエンジン.」
(イ)「ハイブリッドコントロール」の見出しのもと、「〔hybrid control〕耐震設計技術で、振動エネルギーを吸収して低減する免震設計と、外部からの力で構造物の振動を抑える制震設計の2つの考え方を組み合わせること.」
(ウ)「ハイブリッドコンピューター」の見出しのもと、「〔hybrid Computer〕アナログ計算機とデジタル計算機を組み合わせて作った計算機.」
(エ)「ハイブリッドレコーダー」の見出しのもと、「〔hybrid recorder〕記録媒体として、ハードディスク・DVD・テープなどの、いずれか複数を用いるビデオ-レコーダー(録画再生装置)の総称.」
(4)インターネットホームページ上には、その他各種の分野においても、「ハイブリッド型年金(確定給付年金と確定拠出年金の特性を併せ持ち、両制度のデメリットを相互補完し、メリットを生かせるようにした年金制度)」、「ハイブリッド材料(nmレベルまたは分子レベルで有機成分と無機成分を混ぜ合わせることにより、両者のメリットを相乗的に高めることのできる材料のこと。)」等の記載がある。
そうとすれば、かかる2語を結合してなる本願商標からは、全体として「2種類以上(複数)の新しい技術・材料による流量計」程の意味合いを容易に把握、理解されるというべきであるから、本願商標をその指定商品中の「流量計」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「複数の機能・機構を併せ持った流量計」と認識するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
2 請求人は、「ハイブリッド」の語には、「複数の機能・機構を併せ持った商品」という意味は記載されていないこと、「ハイブリッドフローメータ」の語が本願指定商品を取り扱う業界で普通に使用されている事実もないことを挙げ自他商品識別性がある旨主張している。
しかしながら、「ハイブリッド」の語は、本来的な語義は「『雑種』『混成の』『混合の』」であるが、前記認定のとおり、各種の業界において、「2種類以上(複数)の新しい技術・材料」等を表す複合語をつくる語として普通に採択・使用されているものであって、現実に「複数の機能・機構を併せ持った商品」を「ハイブリッド○○」と称して普通に使用されていることは明らかであり、また、商標法3条1項3号の趣旨は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるから、請求人の主張は当を得ていないものであって、採用することができない。
3 してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「複数の機能・機構を併せ持った流量計」について使用しても、単にその商品の品質、機能を表示するにすぎないものであって、前記商品以外の流量計について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-04-12 
結審通知日 2007-04-20 
審決日 2007-05-16 
出願番号 商願2003-10172(T2003-10172) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Y09)
T 1 8・ 13- Z (Y09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 木住野 勝也石田 清 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 津金 純子
小林 和男
商標の称呼 ハイブリッドフローメータ、ハイブリッド 
代理人 加藤 恒久 

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