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審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y25
管理番号 1160642 
審判番号 無効2005-89106 
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-08-18 
確定日 2007-06-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第4774433号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成18年6月27日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成18年(行ケ)第10497号平成19年3月12日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第4774433号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4774433号商標(以下「本件商標」という。)は、「MAGICALSHOESOURCE」の文字を標準文字で書してなり、平成14年12月4日に登録出願され、第25類「短靴,編上靴,運動靴,サンダル靴,スニーカー,ハイヒール」を指定商品として、同16年5月28日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4608417号商標(以下「引用商標1」という。)は、「THE SHOESOURCE」の文字を標準文字で書してなり、第25類「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,被服」を指定商品として、平成14年1月21日登録出願、同14年9月27日に設定登録されたものであり、同じく、登録第2513739号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第25類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ,つえ,これらの部品および附属品」を指定商品として、平成2年12月7日登録出願、同5年3月31日に設定登録された後、同14年12月3日に存続期間の更新登録がされ、同15年4月30日に指定商品を第25類「靴類,履物」とする指定商品の書換登録がされたものであり、同じく、登録第4137539号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年9月24日登録出願、同10年4月17日に設定登録されたものである(以下、上記の3件を一括して、「各引用商標」という場合がある。)。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第66号証(枝番を含む。)を提出した。
1 請求の理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
(1-1)商品の類似性
本件商標の指定商品は、各引用商標に係る指定商品と同一又は類似する商品である。
(1-2)商標の類似性
本件商標は、「MAGICAL」と「SHOESOURCE」の欧文字を組み合わせた構成よりなること明らかなものである。
しかして、「MAGICALSHOESOURCE」は、欧文字17文字であり、その称呼も9音と冗長であるばかりでなく、前半部の「MAGICAL」と後半部の「SHOESOURCE」とがその意味内容においても、密接あるいは自然なけん連性はなく、その他、両者を常に一体のものとして把握されなければならない格別の事情も見当たらない。さらに、前半部の「MAGICAL」の文字は、本件商標が使用される業界はもちろんのこと、様々な業界でありふれて採択されていることは、顕著な事実であり、自他商品の識別機能の弱い部分と見るのが自然である。そうすると、本件商標にあっては、「SHOESOURCE」の文字部分がむしろ自他商品の識別標識としての機能を果たす要部と見るべきであり、これよりは「シューソース」なる称呼が生ずるものである。
これに対して、引用商標1は、「THE SHOESOURCE」なる欧文字を横書きしてなるところ、構成中の「THE」の文字は英語の定冠詞として広く親しまれているものであり、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、「THE」を省略して「SHOESOURCE」のみをもって取引に資される場合も少なくないというべきであり、これよりは「シューソース」の称呼が生ずるものである。
また、引用商標2及び3は、「Payless ShoeSource」の欧文字を横書きしてなるものである。そうして、前半部の「Payless」と「ShoeSource」の間に1文字分のスペースを有している関係で、外観上やや分離して看取され得るものであり、これら各構成文字がその意味合いにおいて常に、一体のものとして認識されると見るべき密接かつ自然なけん連性もないものである。さらに、構成全体で17文字であって称呼も9音というやや冗長の構成に係ることをも考え合わせれば、前半部の「Payless」、後半部の「shoeSource」の文字部分のそれぞれが独立して商標の要部を構成するといい得るものであり、「ShoeSource」の部分に照応して「シューソース」の称呼が生ずるものである。 そうすると、本件商標と各引用商標にあっては、それぞれ「シューソース」の称呼を生じさせる点において、共通するものである。
次に、外観、観念について見るに、本件商標と各引用商標とは、その全体を対比して観察する限りは、外観上類似するとは必ずしもいえない。また、両者は、共に成語ではなく、特定の観念を生じさせるともいえないから、これらを対比することはできない。しかしながら、各商標の要部が「SHOESOURCE」又は「ShoeSource」である点において同一である事実に着目すれば、外観、観念においても相紛らわしいものといわざるを得ない。
よって、本件商標は、引用商標1ないし3との関係では、外観、称呼、観念のいずれの点においても類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
(2-1)引用商標の著名性について
引用商標1ないし3は、請求人が運営する、北米最大の規模を誇る靴専門の小売店(以下「ペイレス シューソース」という。)の名称(店舗名)として使用される周知・著名商標である(甲第5号証ないし第62号証)。
ペイレス シューソース社は、1956年にアメリカ合衆国カンザス州トペカにて設立されたものである。1961年には「ボリュームシュー社」として株式会社となり、1979年に米百貨店最大手の「メイ デパート」と合併、1996年には正式に独立することになった。現在では、ニューヨーク証券取引所に上場するまでに至っている(甲第5号証ないし第8号証)。 小売店ペイレス シューソースは、販売員が販売促進をするために接客することはせず、顧客は、いわゆるセルフサービスで靴を購入することができるという点において特色を有するものである。そして、適正かつ低廉な価格と、信頼できる品質を有していることも相まって、今日では、靴の専門店のチェーン店として北米最大規模にまで成長することになった次第である。そして、ペイレス シューソースで販売される商品は、本国アメリカをはじめ各国における雑誌で取り上げられている(甲第9号証ないし第40号証)。 ペイレス シューソース社は、すでに大手小売店の経営に係る米国企業として、確実な地位を獲得したといえる(甲第41号証ないし第43号証)。
ペイレス シューソースは、全米50州にて店舗を展開、プエルトリコ、グアム、サイパン、アメリカヴァージン諸島、カナダ、カリブ海、南アメリカにも範囲を拡大しているものであり、店舗数は、5000店前後にのぼる。その売り上げは、1999年には、約27億8000万米ドル、2000年は、約29億4800万米ドル、2001年は、29億1300万米ドル、2002年は、28億7800万米ドル、2003年には、27億8300万米ドル、2004年には、29億4600万米ドルに達している(甲第44号証)。
また、ペイレス シューソース社は、商標登録を獲得を通じたブランドの保護を経営戦略の内の大きな柱の一つととらえ、その使用に係る商標「PAYLESS SHOESOURCE」や「THE SHOESOURCE」等については、本国アメリカや日本はもちろんのこと、その他、世界の多くの国で商標登録を受けている(甲第45号証)。
日本においては、2003年に双日(旧ニチメン)株式会社との間で合弁会社「ペイレス シューソース ジャパン株式会社」を設立、2004年11月には、千葉県船橋市所在の日本最大級のショッピングモール「TOKYO-BAYららぽーと」の日本第1号店を開店した(甲第46号証ないし第51号証)。このことは、数々のウェブサイトや新聞・雑誌で紹介されている(甲第52号証ないし第62号証)。
ところで、請求人の使用に係る商標については、「Payless」と「ShoeSource」の二段書きに係るもの(甲第5号証)、「Payless」「Shoe」「Source」の三段書きの構成に係るもの(甲第46号証、甲第49号証及び甲第51号証)や引用商標2又は3のごとく「Payless」と「ShoeSource」に1文字分のスペースを配して構成しているもの(甲第49号証)があるが、その外観構成からすれば、常に「Payless ShoeSource」の一連のものとしてのみ認識されるとはいえない。よって、「Payless」や「ShoeSource」等の構成文字の一部分についても、それぞれ独立して識別標識としての機能を果たしているというべきである。
以上の実情によれば、各引用商標については、それら商標の全体のみならず、その一部を構成する「ShoeSource」についても、遅くとも本件商標の出願時(平成14年12月4日)はもちろんのこと、登録時(平成16年5月28日)において、請求人の販売に係る商品を示すものとして、我が国において広く知られるに至っている。
ちなみに、インターネットにおける「shoeSource」の文字についての検索結果によれば、そのほとんどが請求人たるペイレス シューソースに関する情報に係るものである。このことからも、上記周知事実が推認されるといえる(参考資料として、同検索結果の上位100件を抽出したものを提出する)。
(2-2)引用商標の創造性
各引用商標中の「ShoeSource」の文字は成語ではなく、特定の知られた観念を有しない一種の創造語と認められる。このような創造語にあっては、一般に商標として採択されやすい成語や親しまれた言葉とは異なり、商標として極めて特異性を有しているというべきものであり、高い識別性を誇るものであることは、特に説明を要しない。
(2-3)本件商標の構成
これに対して、本件商標は、「MAGICALSHOESOURCE」の欧文字を横書きしてなり、「MAGICAL」の文字との結合よりなるとしても、構成中に「SHOESOURCE」の文字を含んでいることは、明らかである。そして、本件商標は、全体として特定の観念を生じさせるものではなく、外観、称呼においても冗長であるから、本件商標が常に一体のものとして把握されるとは、必ずしもいえないものである。
むしろ、本件商標の構成中に表された「SHOESOURCE」の文字部分が、世界中又は日本において著名な商標(創造商標)であることに鑑みれば、これに接する需要者・取引者をして本件商標が「SHOESOURCE」の文字を顕著に含むことを容易に理解させ、これが強く印象付けられて特に注目される場合も少なくないというべきである。
(2-4)商品の関連性
本件商標に係る指定商品は、各引用商標が使用される「靴」である点において共通にしており、流通経路・取引者・需要者において密接な関連性があることはいうまでもない。
(2-5)まとめ
以上の事情を総合勘案すれば、ペイレス シューソース社の商品(役務)を表示するものとして著名な「SHOESOURCE」の文字をその構成中に含む本件商標が、その指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品(役務)がペイレス シューソース社の提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、同社と何らかの経済的・組織的関連がある者の提供に係る商品であるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめる蓋然性が極めて高いといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
請求人の提供に係る商品を表示するものとして広く知られている「ShoeSource」の文字は、前記詳述したとおり、創作語というべきものである。よって、成語のようにありふれて採択されるような語とは異なり、普通に採択されることは考え難い。このことは、「SHOESOURCE」の文字を含む商標は、本件商標を除き、請求人以外の者により採択されている事例が見当たらないことからも明らかである(甲第63号証)。
そうすると、請求人とは、何らの関係も有しない他人が、請求人の業務に係る商品の出所表示として広く知られている「ShoeSource」の文字を含む商標を採択して、その著名商標が使用される商品と正に同じ商品(靴)について使用することは、本来自らの営業努力によって得るべき業務上の信用を、引用商標の著名性にただ乗り(フリーライド)することにより得ようとすることにほかならず、「ShoeSource」の文字に化体した莫大な価値を希釈化させるおそれがあるといわざるを得ない。
特に、本件商標は、当該「SHOESOURCE(ShoeSource)」の文字に、ありふれて採択されてなる「MAGICAL」の文字を追加することによって、著名商標と極めて近似した印象を残しつつ、全体として該著名商標と一見非類似に見せるために、構成文字間にはスペースを入れない態様をもって権利化を図ったものと見ることができる。これは、巧妙な手法をもって、不正に商標登録を受けたと言っても過言ではない。
してみると、本件商標は、不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
2 弁駁の理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
被請求人の主張する、「SHOESOURCE」の語が「靴の供給元、靴の製造元、靴の販売元、その他何らかの形で靴の出所であることを意味する」ことを立証すべく提出された乙第1号証ないし乙第6号証は、単に外国語「SHOE」と「SOURCE」の各々の語義を説明するにとどまり、全体として特定の意味合いが生ずるところまでの立証がなされているとはいい難いものである。その他、そのような特定の意味合いのものとして取引界において普通に使用されているという格別の事情も何ら見いだせないものである。
そうすると、被請求人のいう「商標的特徴に乏しい」という記述の意味するところは、定かではないが、「SHOESOURCE」の語は、特異な構成よりなる造語(創作語)というべきものであって、本件商標に係る指定商品との関係で特定の品質等を表示しているものではなく、それ単体で自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮し得ると見るべきものである。
してみると、本件商標及び各引用商標にあっては、いずれも構成中の「SHOESOURCE(ShoeSource)」の文字部分をもって独立して商標の要部を構成するものであり、その「シューソース」の称呼を共通し、かつ、同様の構成文字を含む点において、外観上も相紛らわしいといわなければならない。そして、本件商標の指定商品は、各引用商標の指定商品との関係で抵触するものを含んでいるものである。
よって、被請求人の主張には、理由がなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
共に、特徴ある部分である「SHOESOURCE」の文字を含んだ本件商標と各引用商標とが、同種の商品「靴」に使用された場合、商品の出所につき混同を生じさせるという狭義の混同や、請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品ではないかと誤認させるという広義の混同を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない
よって、被請求人の主張には、理由がなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
(3-1)被請求人は、答弁書中の第14頁17行?19行において、「『ShoeSource』は、創作語ではなく既成語・成語であり、容易に採択可能である。」と述べている。
しかし、「ShoeSource」が成語でないことは、既述のとおりであり、甲第63号証に示すとおり、本件商標を除いては、請求人以外に採択されている事例もないから、容易に採択されるとは、いい難いものである。 この点、審判請求書に添付した参考資料は、請求人において、「ShoeSource」の語に関する商標の使用状況について、インターネットを利用して簡易に検索したものであるが、今回改めて検索を行ったので提出する(甲第64号証及び甲第65号証)。請求人以外の者による採択状況としては、被請求人の使用に係るものが散見される程度であり、その他は、すべて請求人の商標又は商号に関するものである(全く関連性のないウェブサイトは除く。)。よって、被請求人の上記主張には、理由がない。
また、被請求人は、答弁書中の第14頁22行、23行において、請求人の主張に対して、「(第三者による採択事例がないのは)たまたま商標出願されなかっただけに過ぎない」とも主張しているが、登録出願されていない商標についての事例につき何ら立証がなされていないから、その主張自体失当である。
(3-2)なお、請求人のなした「特に、本件商標は当該『SHOESOURCE(ShoeSource)」の文字に、ありふれて採択されてなる『MAGICAL』の文字を追加することによって、著名商標と極めて近似した印象を残しつつ、全体として該著名商標と一見非類似に見せるために、構成文字間にはスペースを入れない態様を以って権利化を図ったものと見ることができる。これは、巧妙な手法をもって不正に商標登録を受けたと言っても過言ではない。」との主張に対して、被請求人は、「本件商標は、先登録商標『MAGICAL』との差別化を図るべく、前半部「MAGICAL』と『SHOESOURCE』とをスペースを入れずに結合採用したにすぎない」と述べている。
この点、請求人の調査したところによれば、実際には、各構成文字間には1文字分のスペースを挿入した態様と共に、その読みを片仮名文字で表示した商標についても使用しているところ、これについては、各構成文字間に「・(中点)」を挿入してそれぞれ、視覚上各構成文字部分に分離して看取できる態様で使用されているものである(甲第66号証)。この点に関する被請求人の上記主張には、疑念を抱かざるを得ない。
上記の諸事情を総合勘案すれば、請求人の主張するとおり、本件商標は、著名商標にフリーライドするものであり、著名商標の出所表示機能を希釈化させるおそれがあるので、不正の目的をもって使用するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)結論
本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録を受けたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、無効にされるべきものである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は、成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第24号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標「MAGICALSHOESOURCE」は、構成全体で一連一体の商標として把握される、一体不可分商標である。
(2)引用商標2及び3「Payless ShoeSource」は、前半部「Payless」が、商標的特徴を備えた造語要部であり、後半部「ShoeSource」は、商標的特徴が低く自他識別力に乏しい付記的部分にすぎない。
(3)引用商標1「THE SHOESOURCE」は、前半部「THE」で初めて全体が商標的に特徴づけられた一連一体不可分の結合商標である。
これら(1)、(2)、(3)に基づき検討すると、本件商標の称呼は、「マジカルシューソース」であるのに対し、引用商標2及び3の称呼は、「ペイレスシューソース」であり、引用商標1の称呼は、「ザシューソース」である。なお、引用商標1ないし3より「シューソース」が発音可能と仮定しても、「シューソース」に自他識別力はない。本件商標と引用商標1ないし3とは、このように称呼上明確に区別され非類似である。
なお、外観上、非類似であることは、一目瞭然である。また、観念上も、本件商標が「魅惑的靴供給元」等を意味するのに対し、引用商標2及び3は、「ペイレスという靴供給元」等を意味し、引用商標1は、「例の靴供給元」等を意味し、非類似である。
以上により、本件商標は、称呼,外観,観念のいずれの点においても、引用商標1ないし3とは非類似である。よって、商標法第4条第1項第11号には、該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)本件商標「MAGICALSHOESOURCE」は、前記したように、商標的特徴を備えた前半部「MAGICAL」が、商標的特徴の低い後半部「SHOESOURCE」と結合されてなり、構成全体で一連一体の不可分商標である。
(2)引用商標2及び3「Payless ShoeSource」は、前記したように、前半部「Payless」が、商標的特徴を備えた造語要部であり、後半部「ShoeSource」は、商標的特徴が低く自他識別力に乏しい付記的部分にすぎない。
(3)引用商標1「THE SHOESOURCE」は、前記したように、前半部「THE」があって初めて全体が商標的に特徴付けられた、一連一体不可分の結合商標である。
(4)引用商標1ないし3について、その周知性獲得の証拠として提出された甲第5号証ないし甲第62号証中では、いずれも「Payless ShoeSource」として使用されており、後半部「ShoeSource」のみの単独使用は、一切示されていない。
「THE SHOESOURCE」についても、同様である。
しかも、甲第5号証ないし甲第62号証の大部分が、「Payless ShoeSource社」の動向に関するものであり、商標としての使用に関するものは少なく、これで周知性が立証されたか疑問である。
(5)引用商標1ないし3の後半部「ShoeSource」、「SHOESOURCE」は、普通名称である「Shoe」と出所を表わす「Source」とからなり、「靴の供給元、靴の製造元、靴の販売元、その他、何らかの形で靴の出所であること」を表示する。
つまり「ShoeSource」は、特定観念を有する既成語であり、創造語・造語・創造標章ではなく、構成上顕著な特徴を有するものでもない。「Shoe」部分の「o」の字、および「Source」部分の「o」の字が、それぞれ塗り潰しによりレタリング化されているが、商標的特徴を獲得するには、至っていない。
(6)その他、本件商標「MAGICALSHOESOURCE」と、引用商標1ないし3「Payless ShoeSource」及び「THE SHOESOURCE」間において、商品「靴」の出所混同を生じるおそれはなく、これを裏付ける証拠も一切ない。
「靴」の分野では、カタカナやアルファベット表記の商標が多用されており、取引者や需要者の観察力、理解力、注意力も高水準にある。
上記の(1)ないし(6)に基づき、本件商標は、他人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれはない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号には、該当しない。
3 商標法第4条第1項第19号について
まず、(1)から(5)については、前記の商標法第4条第1項第15号において、(1)ないし(5)として述べた所に準じる。
(6)その他、「不正目的使用」の事実はない。本件商標「MAGICALSHOESOURCE」の出願にあたり、買い取りのための先取り出願、国内参入の阻止、代理的契約の締結、出所表示機能の稀釈化、名声等の毀損の目的等の考慮は一切ない。
上記の(1)から(6)に基づき、本件商標は、引用商標1ないし3と称呼、外観、観念上同一又は類似の商標ではなく、不正の目的で使用するものでもない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号には該当しない。
なお、本件商標「MAGICALSHOESOURCE」において、後半部「SHOESOURCE」は、商標的特徴が低く、引用商標1ないし3においても、後半部「ShoeSource」は、同様に商標的特徴に乏しい。「ShoeSource」は、「靴の供給元」等を示す既成語であり、周知性獲得の可能性があるのは「Payless ShoeSource」、前半部の造語「Payless」である。そこで、本件商標中に「SHOESOURCE」部分が存することをもって、不正競争目的の使用とすることは、断じて許されない。
4 結び
以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当しない。
よって、本件商標は、商標法第46条の規定により無効とされるべきではない。

第5 当審の判断
請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号にも該当する旨主張しているのに対して、甲第6号証ないし甲第8号証、甲第10号証及び知的財産高等裁判所において商標登録無効審判事件の判決(平成18年(行ケ)第10497号(平成19年3月12日判決言渡)で認定された事実によれば、以下のとおりである。
1 本件商標と引用商標との類否について
(1)本件商標について
本件商標は、「MAGICALSHOESOURCE」の欧文字を標準文字で表記してなるものである。同構成からは、「MAGICAL」、「SHOE」、「SOURCE」という3つの英単語を抽出することが可能である。そうすると、本件商標については、「MAGICALSHOESOURCE」全体を一体にとらえるもの、「MAGICAL」と「SHOESOURCE」の2つの構成部分からなるもの、「MAGICALSHOE」と「SOURCE」の2つの構成部分からなるもの、「MAGCAL」と「SHOE」と「SOURCE」の3つの構成部分からなるものとの理解が一応可能であるといえる。
ところで、本件商標「MAGICALSHOESOURCE」のうち、先頭にある「MAGICAL」の部分は、「魔法の、不思議な、魔術的な、神秘的な、魅力的な」等を意味する語として、我が国においてもよく理解され、普通に使用されている英単語であること(乙第1号証及び乙第2号証)、「SHOESOURCE」の部分が指定商品との関連で見る者の注意をひくことに照らすならば「MAGICALSHOESOURCE」につき、「MAGICAL」と「SHOESOURCE」とを一つの区切りと理解できるから、「MAGICAL」と「SHOESOURCE」の2つの部分からなるものととらえる理解が自然である。
そして、「MAGICAL」の部分は、上記のとおり、「魔法の、不思議な、魔術的な、神秘的な、魅力的な」等を意味する語として、我が国においてもよく理解され、普通に使用されている英単語であり、しかも、商品の内容を説明する修飾語と理解できることからすれば、その自他商品識別機能は小さい。
これに対し、「SHOESOURCE」の部分は、「靴の供給元」なる観念を生ずると理解する余地がないわけではないが、そもそも、「SHOESOURCE」なる語が英単語として存在することを認め得る証拠はなく、少なくとも一般には、「SHOESOURCE」なる表記を目にした者がその意味を理解することは困難であり、仮に当該表記から靴の製造者・販売者としての観念を読みとり得るとしても、それは辞書等に収録されていない新たな言葉ないし造語であるから、これを見る者の注意をひくものと認められる。
上記によれば、本件商標においては「MAGICALSHOESOURCE」の全体のほか、「SHOESOURCE」の部分が、自他商品識別機能を有する特徴的部分であるというべきである。
したがって、本件商標からは「マジカルシューソース」の称呼のほかに「シューソース」の称呼を生ずるものというべきである。
(2) 各引用商標について
次に、各引用商標について検討するに、引用商標1は「THE SHOESOURCE」の欧文字を標準文字で書してなるものであり、引用商標2及び3は別掲(1)及び(2)のとおり、いずれも「Payless ShoeSource」の欧文字よりなるものである。
引用商標1については、このうち「THE」の部分は、英語の定冠詞であり、自他商品識別機能を有する部分とはいえない。したがって、引用商標1のうち自他商品識別機能を有する部分は「SHOESOURCE」の部分というべきである。
引用商標2及び3は「Payless」、「Shoe」及び「Source」の各部分の頭文字が大文字で書されているものであり、また、「Payless」と「ShoeSource」の間に約半字分の空白が設けられていることに照らせば「Payless」と「ShoeSource」の2つの部分からなるものと認めることができる。
このうち「Payless」の部分は、「無料」、「廉価」、「支払う必要のない」というような漠然とした観念を生ずる語であると理解することも一見可能なようにも思われるが、一般に知られていない語であり「payless」なる語自体が英単語として存在することを認め得る証拠は認められない。そうすると「Payless」の部分は、辞書等に収録されていない新たな言葉ないし造語として、見る者の注意をひく部分であり、また、前記のとおり「ShoeSource」の部分も同様に造語として、見る者の注意をひくものということができる。
上記によれば、引用商標1からは、「ザシューソース」及び「シューソース」の称呼を生じ、引用商標2及び3からは「ペイレスシューソース」、「ペイレス」及び「シューソース」の称呼を生ずるものと認められる。
(3)類否判断
以上のとおり、本件商標は、「MAGICALSHOESOURCE」全体及び「SHOESOURCE」の部分を特徴的部分とするものである。
他方、引用商標においては、引用商標1は、「THE SHOESOURCE」全体及び「SHOESOURCE」の部分を特徴的部分とするものであり、引用商標2及び3は、「Payless ShoeSource」全体、「Payless」の部分及び「ShoeSource」の部分を特徴的部分とするものである。
そうすると、本件商標と各引用商標とは、いずれも特徴的部分として「SHOESOURCE」ないし「ShoeSource」の部分をとらえることができ、その称呼において共通にし、当該部分について外観及び観念においても共通するといわざるを得ない。
したがって、本件商標と各引用商標とは、その出所について混同を生ずるおそれがあり、類似するというべきである。
2 指定商品等について
本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品は、いずれも第25類に属し、靴、履物等を含むものとして同一ないし類似のものである。
また、請求人は、既に平成16年4月14日(本件商標の査定時)には、「ペイレスシューソース」をその略称とし、店舗数約5千店の北米最大の靴専門の小売店として我が国においても広く知られるに至っており、各引用商標も請求人に係る商品を示す商標として広く知られていたと認められる(甲第6号証ないし甲第8号証及び甲第10号証)。
3 結論
以上によれば、本件商標は、その登録査定時において、各引用商標に類似し、その指定商品と同一ないし類似の商品に使用するものに該当するから、本件商標の商標登録は商標法4条1項11号の規定に違反してされたものというべきである。
したがって、本件商標は、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)
引用商標2


別掲(2)
引用商標3

(色彩については、原本参照。)


審理終結日 2007-04-19 
結審通知日 2006-06-12 
審決日 2006-06-27 
出願番号 商願2002-102627(T2002-102627) 
審決分類 T 1 11・ 26- Z (Y25)
最終処分 成立 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 寺光 幸子
小川 きみえ
登録日 2004-05-28 
登録番号 商標登録第4774433号(T4774433) 
商標の称呼 マジカルシューソース 
代理人 合志 元延 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 大賀 眞司 
代理人 田中 克郎 
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