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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y07
管理番号 1160546 
審判番号 不服2005-23727 
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-12-08 
確定日 2007-06-14 
事件の表示 商願2003-89226拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年10月10日に登録出願、その後、指定商品については、原審における、同16年3月26日付け提出の手続補正書により、第7類「中華人民共和国製の金属加工機械器具,中華人民共和国製の鉱山機械器具,中華人民共和国製の土木機械器具,中華人民共和国製の荷役機械器具,中華人民共和国製の漁業用機械器具,中華人民共和国製の化学機械器具,中華人民共和国製の繊維機械器具,中華人民共和国製の食料加工用又は飲料加工用の機械器具,中華人民共和国製の製材用・木工用又は合板用の機械器具,中華人民共和国製のパルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,中華人民共和国製の印刷用又は製本用の機械器具,中華人民共和国製のミシン,中華人民共和国製の農業用機械器具,中華人民共和国製の靴製造機械,中華人民共和国製の製革機械,中華人民共和国製のたばこ製造機械,中華人民共和国製のガラス器製造機械,中華人民共和国製の塗装機械器具,中華人民共和国製の包装用機械器具,中華人民共和国製の陶工用ろくろ,中華人民共和国製のプラスチック加工機械器具,中華人民共和国製の半導体製造装置,中華人民共和国製のゴム製品製造機械器具,中華人民共和国製の石材加工機械器具,中華人民共和国製の動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),中華人民共和国製の風水力機械器具,中華人民共和国製の機械式の接着テープディスペンサー,中華人民共和国製の自動スタンプ打ち器,中華人民共和国製の食器洗浄機,中華人民共和国製の電気式ワックス磨き機,中華人民共和国製の電気洗濯機,中華人民共和国製の電気掃除機,中華人民共和国製の電気ミキサー,中華人民共和国製の修繕用機械器具,中華人民共和国製の機械式駐車装置,中華人民共和国製の乗物用洗浄機,中華人民共和国製の消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),中華人民共和国製の機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),中華人民共和国製の芝刈機,中華人民共和国製の電動式カーテン引き装置,中華人民共和国製の廃棄物圧縮装置,中華人民共和国製の廃棄物破砕装置,中華人民共和国製の起動器,中華人民共和国製の交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),中華人民共和国製の交流発電機,中華人民共和国製の直流発電機,中華人民共和国製の電機ブラシ」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏と認められる『滝沢』に通ずる『TAKISAWA』の文字に、『生産地・販売地』を表示するにすぎない『上海』に通ずる『SHANGHAI』の文字とを普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした審尋(要旨)
当審において、要旨以下の審尋を発して、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨を通知し、相当の期間を指定して請求人に意見を述べる機会を与えたものである。
本願商標は、別掲のとおり、レタリングを施してあるものの、いまだ普通に用いられる域を脱しない書体で大きく表した「TAKISAWA」の文字とその右下部に、やや小さく「SHANGHAI」の文字を組み合わせてなるものである。そして、構成中の「TAKISAWA」の文字は、「滝沢」、「滝澤」、「瀧澤」等の氏姓(以下「滝沢等の氏姓」という。)のローマ文字表記とみるのが自然であるところ、これは、例えば「ハローページ 東京都23区個人名全区版・中巻」(東日本電信電話株式会社、平成13年3月発行)に掲載された電話加入者数に徴すれば、相当数存在すると認められる氏姓であるから、ありふれた氏と認められるものであって、これら「滝沢等の氏姓」は、「タキザワ」と称呼するのみならず、「タキサワ」と称呼する場合も少なくないといい得るものである。
また、「SHANGHAI」の文字は、中華人民共和国の直轄市の一つである「上海」を意味する欧文字表記であると容易に認識されるものであり、これは商品の生産地・販売地を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、上記した「TAKISAWA」及び「SHANGHAI」の文字よりなる本願商標は、これに接する取引者・需要者をして、ありふれた氏と商品の生産地、販売地を組み合わせたものと把握、理解するにすぎないものであり、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標といわざるを得ないものであるから、本願は商標法第3条第1項第6号に該当し、これを登録することはできない。
なお、原査定は、本願商標が同法第3条第1項第4号に該当すると認定しているが、同法第3条は、自他商品・役務の識別力についての登録要件に関する条項であって、同第1項第6号は、同項第1号から第5号までの総括規定と解されるものであり、当審においては、本願商標はその指定商品について、商標登録の要件を欠く商標に該当するという共通の結論に至るものであるから、同法第3条第1項第6号に該当するものと判断した。

4 請求人は、前記3の審尋に対して、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、わずかにレタリングを施してあるものの、普通に用いられる範囲の書体で大きく表した「TAKISAWA」の文字と、その「SAWA」の下部にやや小さく表された「SHANGHAI」の文字を組み合わせてなるところ、その構成中の「TAKISAWA」の文字は、前記3において通知した審尋に記載のとおり、日本において相当数存在すると認められる氏姓である「滝沢」、「滝澤」、「瀧澤」等(以下「滝沢等の氏姓」という。)のローマ文字表記とみるのが自然であり、また、「SHANGHAI」の文字は、中華人民共和国の直轄市の一つである「上海」を意味する欧文字表記であると容易に認識されるものであり、これは商品の生産地・販売地を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当であるから、「TAKISAWA」及び「SHANGHAI」の文字よりなる本願商標は、これに接する取引者・需要者をしてありふれた氏と商品の生産地、販売地を組み合わせたにすぎない、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標といわざるを得ないものである。
なお、請求人は、平成18年2月16日付け提出の手続補正書により補正した審判請求の理由において、資料1及び資料2を提出して、「滝沢」の名字が、「日本人の名字ランキング」によれば上位200位にも掲載されていない氏であり、また、請求人の社名中の表記は「滝澤」であって、その一般的な読みが「タキザワ」であるところ、「TAKISAWA」から直ちに「滝沢」を認識するとは言えない旨主張するが、「滝沢等の氏姓」が相当数存在し、「タキサワ」と称呼する場合も少なくないことは前記3の通知のとおりであって、「TAKISAWA」の文字に接する取引者・需要者は、無理なく「滝沢等の氏姓」を思い浮かべるものというのが相当であり、さらに、必ずしも「滝沢」、「滝澤」及び「瀧澤」等の文字を厳密に区別するともいえないものであるから、この点に関する請求人の主張は採用することができない。
また、請求人は、資料5ないし資料8を提出して、「株式会社滝澤鉄工所」は老舗の金属工作機械メーカーとして社団法人日本工作機械工業会の理事を務めるなど、当業界においては確固たる地位を築いており、また、資料9を提出して、本願商標の構成文字中「TAKISAWA」の部分と同一の文字構成のみからなる商標について、本願出願人の業務に係る金属工作機械器具を表示する標章であるとして取引者・需要者において広く知られている事実が認定され、商標法第3条第2項の適用を受けて商標登録が認められている旨述べ、本願審判請求人が金属加工機械メーカーとして周知であり、当該製造製品との関係において各種金属加工業者間において「TAKISAWA」と略して知られていること等に照らせば、需要者・取引者は、本願商標を構成する「TAKISAWA」の文字を、本願審判請求人の略称を欧文字で書したものと理解する旨主張している。
しかしながら、「TAKISAWA」の文字が、本願請求人の商品「金属工作機械器具」の分野において、ある程度知られていることは窺えるとしても、提出された資料によっては、本願商標と同一のものは認められず、補正後の本願指定商品全ての分野においても本願商標が著名であるとはいう事ができないものであるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
なお、請求人は過去の審決例をあげて意見を述べているが、いずれも本願とは事案を異にするものであるから参考とすることはできない。
以上のとおり、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審理終結日 2007-04-16 
結審通知日 2007-04-17 
審決日 2007-05-02 
出願番号 商願2003-89226(T2003-89226) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Y07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小畑 恵一
海老名 友子
商標の称呼 タキサワシャンハイ、タキサワ 
代理人 森 廣三郎 

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