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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z182425
管理番号 1157528 
審判番号 不服2004-65105 
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-07 
確定日 2007-03-08 
事件の表示 平成13年12月13日に事後指定が記録された国際登録第763243号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第18類「Rucksacks;small rucksacks for children and youth;handbags;bags;belts for transporting babies.」、第24類「Linen for the home;bed linen;blankets and small blankets for cradles.」、第25類「Clothing articles for children and babies;hats;woolly hats for babies;clothing articles for pregnant women.」を指定商品として、2001年12月13日を事後指定の日とするものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3289394号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成7年1月20日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,えり巻き,靴下,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおり、仰向けになり、手足を上に向けた熊の縫いぐるみの如き図形を表し、その脇下から尻の部分にかけて「Cashmirino」の欧文字を横書きしてなるところ、構成中の図形部分と文字部分とを常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見当たらず、また、簡易、迅速を旨とする商取引の実際にあって、文字部分と図形部分からなる商標においては、図形部分から直ちに特定の称呼を生じないときは、最も称呼しやすい文字部分から生ずる称呼をもって取引に資されるものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標中の「Cashmirino」の文字部分(該文字は請求人の名称の一部でもある。)も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。また、該文字部分は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔に横書きしてなるものであり、たとえば「cashmere」(カシミア織り)を「カシミア」と称呼するのに倣って、全体として「カシミリノ」と称呼する場合も少なくないというのが相当である。
そうとすれば、上記の構成よりなる本願商標より、「カシミリノ」の称呼をも生ずるというべきである。
そして、該文字は特定の語義を有するものとして一般に知られ、親しまれたものとは認められない一種の造語よりなるものというのが相当である。
(2)引用商標
他方、引用商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、該構成文字より、「カシメリノ」の称呼を生ずるものであって、特定の語義を有するものとして一般に知られ、親しまれたものとは認められない一種の造語よりなるものである。
(3)称呼の類否について
そこで、本件商標より生ずる「カシミリノ」の称呼と引用商標より生ずる「カシメリノ」の称呼とを比較すると、両称呼は、第3音を除く4音について配列を含めて同一にし、異なるところは第3音における「ミ」と「メ」の音の差のみである。
そして相違する両音をみると、それぞれ有声の通鼻音(m)と母音(i)又は(e)を結合した同行音であって、音質を同じくする近似する音であり、比較的弱い音として発音されるものである。また、その位置するところも中間音であるから、その差は微差にすぎず、それぞれの称呼全体を一連に称呼するときは、両者は、その語調、語感が近似し互いに紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。
(4)請求人の主張について
(ア)請求人は、本願商標の構成文字のうち「Cash」の文字部分は横一列で判読し易く、「mirino」の文字部分は曲線を描くように配列され、判読し難い旨述べているが、上記(1)のとおり、本願商標中の「Cashmirino」の文字部分は同書、同大、等間隔に横書きされているものであり、これに接する取引者・需要者は、全体を一体的に把握するというのが自然であって、他に「Cash」と「mirino」の文字部分をそれぞれ別個に捉えなければならないとする特別の事情も見当たらないから、この点についての請求人の主張は採用できない。
(イ)請求人は、図形部分と文字部分の結合商標における類否判断について、東京高裁の判決[平成6年(行ケ)第150号]、すなわち、図形の持つ情報伝達力が文字の持つ情報伝達力と比肩するに足りる大きさを有するに至っている現時の社会情勢からすれば、特別な事由がある場合を除いて文字部分に依拠して商標の要部をとらえるとの考察方法は、安易にすぎるとの判決を引用し、本願商標から「テディベアのキャッシュミリノ」等の観念を生ずるとして縷々主張しているが、本願商標については、上記(1)のとおり判断するのが相当であるから、この点についての請求人の主張も採用できない。
(5)むすび
してみれば、本願商標と引用商標とは、その外観において差異を有し、また、観念において、共に造語であるから比較し得ないことを考慮しても、称呼上、類似する商標といわざるを得ず、また、本願商標の指定商品中には引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を包含するものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


審理終結日 2006-09-22 
結審通知日 2006-10-03 
審決日 2006-10-24 
国際登録番号 0763243 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Z182425)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 淳 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 海老名 友子
井岡 賢一
商標の称呼 キャッシュミリノ、カッシュミリノ 
代理人 今井 貴子 
代理人 越智 浩史 
代理人 垣内 勇 
代理人 瀧野 秀雄 

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